渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

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おかげさまで、緊急事態宣言明けの6月以降、渋谷の実店舗へのご来店も少しずつではありますが、増えてきました。
本当にありがとうございます。
そして、新型コロナウィルスの影響下の巣ごもり需要でアナログレコードで好きな音楽を聴き始めた人も結構、多いようで当店のネット販売でも新規のお客さんがとても増えました。
お店としては、2ヶ月もの間、営業自粛という店頭販売が出来ない状態だったのですが、ネット販売の売上は前年同月比よりUPしたという不幸中の幸いという結果でした。
この2ヶ月の間は、レコード店主としてホント、イロイロ考えさせられるコトが多々ありました。
3月のNew Yorkの状況とかをニュースで見て、「これからどうなるんだろう・・・」って相当、ビビってたのは事実です・・・(笑)
あの時は最悪、スタッフが罹患したらどうしよう・・・ってコトまで考えてましたからね。
2ヶ月もの間、ご無沙汰だった常連のお客様とも再開出来たし、ホント生きてレコードを再び、聴いて楽しめるというのは、幸せだというコトを改めて実感した次第であります。

で、ココ最近、はじめて渋谷の店舗にお越しいただいたお客さんとハナシをする機会があって、如何に当店の知名度がまだまだ全然ショボショボなのかっていうコトを感じる機会が何度かありました。
店主としては一応、渋谷 宇田川町で20年間レコード店を営んで来たのでそれなりにお客さんに知ってもらっているのではないかなぁ・・・って思っていたのですが、全然そんなコトなかった・・・というコトでした。
店舗自体にも小さいですし、メインに取り扱っているレコードもかなりセレクトしているし、マーケット自体もウルトラニッチですしね。
だけど、そうは言っても20年の間、同じ場所でレコードを販売し続けていたので、ソコソコはイケてるんじゃないかというちょっとした自負もあったのですが、全然イケてませんでした・・・トホホ・・・。

お店の中の人的には、開業当時の20年前から現在に至るまで継続してきたレコード店ですが、例えば今年からレコードを聴き始めた人からすれば、その過去20年っていうお店の歴史とかってまったくカンケーないですしね。
極端なハナシ、20年前から営業しているお店であろうが、今年から営業しているお店であろうが、はじめてレコードを購入していただくコトになったお客さんからすれば、そんなの全然知ったコトではナイっていうコトですからね。
コレは、店主としては、少々ザンネンな気持ちもあるのですが、オイラがナニかコレクタブルなアイテムの蒐集を新たに始めたりしたら・・・例えば、アンティークな雑貨とかのコレクションをはじめたとして、ネットで欲しいアイテムを探していたりなんかすると、見つけたお店がナン十年も前から営業している老舗のショップであろうと、今年できたばっかりのショップであろうと、そんなコトは全然カンケーナイって思うしね。
要は、自分が手に入れたいアイテムがそのショップにあるのか?って部分だけで、選ばれるんじゃないかなってコトだと思うです。
そういうコトを考えると、ホント毎日が「今日新規オープンしたお店である・・・」という気持ちで、商品を仕入れて紹介しなきゃいけないなぁ・・・って思う次第であります。

だけど、当店はレコード店としてはちょっと解りにくい、というか伝わりにくいコンセプトのレコード店であるのは事実です。
12インチシングルが好きっていう当店のコンセプトにドンピシャな人からすると、「ナンじゃ〜?このレコード屋は?ヤバスギルっ!」って思っていただけるかもしれませんが、「ほしいレコードがアレばイイな〜」ってカンジで漠然と「レコード」というアイテムを探している人からするとちょっとワケのわからナイ、レコード屋のように感じるみたいです。

とうわけで、改めてnext recordsってどんなレコード屋なのか・・・ということについてQ&A方式で説明したいと思います。
はじめて当店へご来店いただいたお客さんから時々訊かれる質問等もあわせて解説したいと思います。

「next recordsってどんなレコード店?」
東京 渋谷の中古のレコードを販売しているレコード店です。2000年より営業しています。
当店の沿革についてのコラム - Vice レコード屋の言葉

「どんなレコードを売っているレコード店なの?」
レコードには、1枚のレコード盤に多くの曲が収録されたアルバム(LP)と、1〜2曲しか収録されていないシングルとがあるのですが、当店では、シングルのレコードだけを販売しているレコード店です。
さらに、シングルのレコードには、大きく区別するとレコードのサイズが7インチ(約17cm)と12インチ(約30cm)のシングルが存在しますが、当店では12インチサイズのシングルだけを販売しています。

「HPには、オリジナル盤って書いてあるけどソレってナニ?」
レコードは、その曲が発表された年に作られたレコードと、後年になって作られたレコードが存在します。その曲が発表された年に生産されたレコードを「オリジナル盤」といいます。
曲が発表された後年になって生産されたレコードを「再発盤・復刻盤」といいます。当店では、その曲が、発表された年に生産された「オリジナル盤」のみの販売をしています。
レコードのオリジナル盤についてのコラム

「12インチシングルのメリットってナニ?」
アナログレコードは1枚の盤面に多くの曲を収録すると音質が低下してしまうという構造上の問題があります。
アルバム(LP)は、多くの場合片面に4〜6曲を収録していますが、12インチシングルは、片面に1〜2曲の収録で音溝にゆとりを持って刻むことでアルバムに比べると、よりダイナミックなサウンドで記録できるというメリットがあります。
同じ曲でアルバムに収録されているものと12インチシングルに収録されているものとを聴き比べれ、その音質の違いは歴然です。

「オリジナル盤の良さってってナニ?」
先に紹介した「レコードのオリジナル盤についてのコラム」にも書いていますが、一般的に再発盤に比べて音質が良いとうメリットがあります。
また、再発盤に比べてオリジナル盤の希少性やコレクタブル性が高いレコードとなります。

「どんなジャンルのレコードを売ってるの?」
当店では、12インチサイズのシングルというメディアに特化したレコード店なので音楽のジャンルでの専門性には特化してはいませんが、12インチシングルのニーズが高い、ダンス・ブラックミュージック、POPS系のレコードが比較的多いです。

結構、長くなってきました・・・また思いついたら追加していこうと思います。

ANANDA PROJECT / KISS KISS KISS (PT. II)
ANANDA PROJECT / KISS KISS KISS (PT. II) の試聴
next recordsのサイトでANANDA PROJECTのレコードを探してみる

実は、こういったショップのアピールってもっと全面的に押し出した方がイイんじゃないかな・・・ってこのコロナ問題で営業自粛している間に考えてたんですよね。
欲しいモノをドコで買うかっていう購買動機って以前であれば、「一番安いお店で買うっ!」ってケースが多かったのですが、マニアックなアイテムやこだわりのアイテムなんかは、「多少値段は高くても信頼のおけるお店や人から買いたい」っていう購買動機にシフトしつつあるっていうコトをよく聞く様になりました。
ソレに、先で書いたように当店の知名度は、ショボショボなので今一度、お店のアピールの仕方を見直した方がイイかもって思ったりなんかしたんですよね。
ドコまで出来るか判りませんが、多くの人に必要とされるレコード屋になれるように日々精進したいと思う次第であります。


渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!
毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。


このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。

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あけましておめでとうございます。
年も明けて気分も新たにして「ヤルぞ~!!」って思っても「一体ナニをやるの?」ってカンジなのですが。
(昨年末のエントリーと同じくユルユルな感じ・・・)
取りあえず昨年は大きなトラブルもなく無事過ごせたのでOKなカンジのネクストレコードです。
いつの間にかnext recordsもお店を始めて今年で10年になりました。
「レコード屋をやってやるぜっ!」って気合いを入れて始めた10年前の当時からするとものスゴい状況の変化だなぁなんて我ながら思ったりします。
渋谷というクラブ系サウンドのアナログレコード最前線にいてホント、激しい変化の移り変わりを身を持ってカンジたりしています。一年、一年を見ているとそんなに大きな変化は、分かり難いですけどね。やっぱり10年はさすがにスゴい変化です。

「アナログレコードってこれからどうなるんですか?」
って、来店してくれたお客さんにたま~に訊かれるコトがあるんですけど
一年くらい先のコトなら去年と今年は、状況はそんなに変わらないんじゃないかなぁなんて漠然と思ったりするんですけど5年先は、全く想像もつかないですね。オイラには。
能書き言ってるのも中古レコードだけのハナシですけどね。新譜のコトは、昨年末に久しぶりに入った新譜レコード店の様子からするとお店自体がアナログレコードの販売にチカラが入ってなさそうな印象なんで、新譜好きには厳しいかなぁ?なんてカンジます。
まぁ新譜の盤自体のプレスも多くないし、リリースすらされていない曲も少なくないし。
だけど昨年末のこのブログのエントリーにも書いたのですが古い曲でも魅力的な曲はまだまだたくさんあるハズなんでそういった意味では、「もう聴くレコードがない!」なんてコトには絶対にならないハズだと思いますよ。
最終的には、聴く人の方がどこまでレコードに対して気持ちを持てるかってコトなんじゃないのかなと思います。

渋谷では、昨年中もいくつかのレコード屋がお店を閉店したみたいです。
全部のレコ屋の動向を知っている訳じゃないんで具体的なコトは判らないですけどね。
だけどリアルな店を閉店したレコード屋もやはり、オンラインショップだけで運営しているのでそこにはまだ可能性があるんでしょうね。タブン。
「昨年の一年間の間でウチのネクストレコードで初めて通販して頂いたお客さんは何人いるのかな?」なんて気になったのでちょっと調べてみたんですよね。
それが、ナニゲにというか意外というか思っていたよりかなり多かったので、お客さん的には、やっぱりレコードを買うのは通販に移行しているんだなぁなんて思いました。
初めてレコードを買って頂いたお客さんの人数っていうのが、next.のような小さなショップにしてみればホントに多かったんですよね。
(このブログ、同業者の人にも読まれているみたいなんで具体的な人数を挙げるのは気がひけるんですけどね。)
さっき書いたように10年お店をやっていてもまだ新規でレコードを買って頂いているお客さんが相当数いらっしゃるっていうのは色んな意味でヤリガイがあります。
しかも、ウチのお店の場合は広告費とか宣伝費とかのコストは、ゼロですからね。
実際、渋谷の街頭で「アナログレコード売ってま~す!」って、声張り上げてフライヤー配ってもお客さんがお店に来てくれるなんて全く思えないしね。
ナニかのキッカケでネクストレコードのサイトを初めて知ってくれてレコードを購入して頂けるなんてホントに嬉しい限りです。


時代の流行りでは、音楽を聴くのはデジタルなオーディオプレーヤーだったりするけどまだまだ、アナログレコードで好きな曲を聴くっていうコトに魅力を感じている人がたくさんいるんだなぁなんて思います。
やっぱこういうのって自宅で楽しむ趣味なんで、なかなか目に見えるようなオモテに見えにくいところがありますけどね。
まぁ~マイナーな趣味なのかもしれませんがレコードのトリコになっているヒトってそんなに少なくはないんじゃないかなぁなんて密かにカンジていたりしています。

これからもレコードが好きな人のハートの琴線に触れるようなレコードをたくさん紹介出来るようにしたいなぁと思います。
今年もネクストレコードをヨロシクお願いいたします。






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