渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:Technics

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とある日の夜7時、当店の営業時間もあと1時間で閉店です。
いつも夜の7時以降ってそれホド、お客さんの出入りはなくって比較的マッタリした時間が流れていてオイラは、毎日書いているインスタでレコメンドするレコードの仕込みや最近売れたレコードの在庫状況なんかを再チェックしたりしているのですが、そんな時に1人のカラダのデカい外国からのお客さんがご来店されました。
店内を一瞬見渡すと、カウンターに来て・・・
「Do You Have Technics?」と訊かれたので
「ターンテーブル?」って訊くと「イエス!」という返事。
この時、お店に在庫しているTechnics SL-1200は、1台だったので
「SL-1200 mk5がひとつあります」とお伝えすると
「新しいSL-1200 mk7が2つ欲しいんだ」とコト。
「ゴメン・・・ソレは、ナイです。」と伝えました。
要するに新品のTechnics SL-1200mk7を2台購入したいってコトのようです。
「ドコで買えるんだ?」って訊かれました。
渋谷には、中古のターンテーブルを販売しているお店は、いくつかあってそのお店の案内は出来るのですが新品のSL-1200は、渋谷で販売しているトコロって知らないんですよね。

渋谷には、ビックカメラとヤマダ電機の大きな家電量販店があるのですが、この2つの家電量販店には、アナログレコード人気の影響もあってリーズナブルなレコードプレーヤーの販売はしているもののTechnics SL-1200みたいな本格的なターンテーブルの扱いはなかったハズなので・・・
「ちょっと解らないなぁ、タブン、渋谷では売っていないと思うよ」って伝えると
「おおぉぉ・・・どうすればイイんだ・・・」ってかなり落胆している様子。
結構困っている様だったので当店の取引先の業者さんに頼めば、新品のSL-1200 mk7は、ナンとか引っ張って来れると思ったので
「いつ、要るの?」って訊くと
「今日、持って帰りたいんだ」って・・・そりゃ〜また、急なハナシですよね。

事情を詳しく訊いてみると・・・
趣味でDJプレイをしている海外からの旅行者(タブン、英語圏ではない)
2週間ホド前に観光で日本を訪れた。
で、日本に訪れたら前から欲しかったTechnics SL-1200を必ず購入するって決めていた。
東京〜京都〜大阪と観光名所をひとしきり訪れて堪能した。
で、帰国を翌日に控えた本日、日本でゼッタイに買うと決めていたTechnics SL-1200を探し回っているのだが、ドコにも売っていないので焦っている・・・というコト。

時刻は、既にもう夜7時を過ぎています・・・当店の取引先の業者さんへ今、頼んでも発送は明日になるので到着は2日後になるので間に合いません。
「どうしても欲しんだ・・・ドコで売っているのか、おしえてください」って。
「渋谷では、新品のSL-1200は、売っていないですが、新宿か池袋の大手家電量販店に行けば、売っているんじゃないかな?」って伝えると。
「調べてくれないか」って・・・グイグイきます(笑)
ん〜ナンでソコまでヤラなかきゃ・・・って思うのですが、その外国人も正直かなり切羽詰まっていますよね・・・ココでオイラ達に見放されるともうターンテーブルナシで帰国となるコトが確定します。
乗りかかった船ですのでまぁ〜人助けだと思って対応してあげました。
渋谷からだと池袋よりも新宿の方が近いのでまずビックカメラの新宿店へ電話するとTechnics SL-1200 mk7の在庫は1台あるコト。
で、そのコトを伝えると、「2つナイのか?」って「おいおい今さっき、1台しかナイって言ったでしょっ!」って、「もう1台、必要だ」って。
ん〜言ってくれますね・・・で、仕方ないので今度はヨドバシカメラの新宿店へ電話するとコチラも1台だけの在庫とのコト。
結局、東京を代表する繁華街、激戦エリアでもある新宿の家電量販店で、Technics SL-1200 mk7を2台在庫しているお店は、ナイってコトでした。

この時点で、時刻は7時半を過ぎています。
東京に詳しくない外国人が新宿に行ってビックカメラとヨドバシカメラの2店舗をハシゴしてTechnics SL-1200 mk7をスムーズに購入できるのか・・・ってコレは、コレでなかなかハードルが高いですよ。
2つの家電量販店の閉店時間は夜10時なのですが、お店を訪れて免税での購入手続き、梱包、商品のお渡しってソレだけでも少なくても30分位かかると思うんですよね。
日本人のオイラでもまぁ〜結構、ギリギリだな・・・ってカンジがするのですが・・・。
「もう時間がナイから急げっ!」って送り出しました・・・果たして、彼は無事、2台のTechnics SL-1200 mk7を手に入れるコトができたのでしょうかね・・・。

で、「そう言えば以前にも同じ様なシーンがあったなぁ」って思い出しました。
そのコトを書いた記事がコチラ
今スグ、DJ出来る機械が必要っ!
上記の記事を書いたのは1年前ですね。
今回のケースも以前のケースもそうですがフツーに考えたら「急にSL-1200が必要になる、しかも2台」っていうありえないようなケースが年1回くらいの頻度であるんですね。
今回の外国人客に訊いたんですよ、「ナンで先にSL-1200を買わなかったんだ?」って。
すると「Technicsは、日本の製品だからいつでもドコでも買えるものだと思った」って言っていました。

実は、Technicsの製品って製造しているPanasonicの製品の中でもちょっと特殊な扱いになっていてナンでもTechnics製品を販売してもOKというライセンス的なモノが必要なようでドコの家電量販店でも売っているモノではないようなのです。
そしてSL-1200 mk7自体あまり数も作られていないようで家電量販店が10台仕入れたいってメーカーにオーダーしても制限があって少ししか在庫が持てないようです。
まぁ〜しかし、購入する側からするとそんなコト、フツー知りませんよね。
今回の外国からのお客さん、SL-1200 mk7のブラックが欲しいって言ってたんだケド、ブラックの在庫あったのかな・・・もしかして1台は、ブラックでもう1台はシルバーかもしれませんね〜(笑)
そういう選択になった場合は、どうするんだろ・・・ちょっとおもしろいね。

で、ナンで日本でTechnics SL-1200を購入したいのかっていうとズバリ、「自分の国で買うよりもかなり安いっ!」っていうコトのようです。
ちなみにヨーロッパ圏では、Technics SL-1200 mk7の価格は、€975っ!日本円で15万円ホドになります。
eu-sl-1200mk7
日本でのTechnics SL-1200 mk7の販売価格は、12万円(税込)なので外国人は免税だと9万円で買うコトが出来るんですよね。
コレ、メチャ安いっ!得じゃんっ!って思うでしょ?
しかし、大きな落とし穴があるんですよ・・・コレ。
Technics SL-1200 mk7 って本体だけで重量が約10kgあるんですよ。
トーゼン丈夫な梱包がされていますのでダンボールに入った梱包状態だと15kgくらいになります。
で、2台だと30kgです。
今回のケースもそうですが、例えばターンテーブルを2台買って帰りの飛行機で持って帰ろうって思っているようですが、自分のスーツケースに加えて2台のターンテーブルを帰りの飛行機に乗せるとなると明らかに重量オーバーしちゃうんですよ。
利用している航空会社にもよりますが、重量オーバーした分の追加料金っていうのが、トンデモなく高いんですよね。
その預け入れ分のオーバーチャージ費用を含めるとどれ位の価格になるのか・・・ってトコロですよね。
もしかしたら自国で定価で買ったほうが安かった・・・ってコトもあり得るワケです。
ちなみにオイラは、以前イギリスへ買い付けに行った時ウッカリ1箱分のレコードを持って帰るコトとなりオーバーチャージの費用で往復の航空券が買えるくらいの費用を請求されて撃沈したコトがあります。

KEN LASZLO / TONIGHT
KEN LASZLO / TONIGHTの試聴
next recordsのサイトでKEN LASZLOのレコードを探してみる

最近だとLCCの様な激安航空券で旅行する外国人も多いのですが、LCCは特に荷物の重さにキビシイんですよね。
はたして、今回の外国人のお客さん、希望通りのTechnics SL-1200 mk7のブラックを2台買うコトができたのか、そして納得したオーバーチャージ費用を払って持って帰るコトができたのか・・・気になりますね〜(笑)

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渋谷の小さな中古12インチシングル専門のレコード店、ネクストレコードです。
当店では、渋谷 宇田川町のヘンピな場所で2000年から12インチシングルの中古レコード店として営業しているワケですが、店頭で販売している商品というのは、コレまでレコードの中でも12インチシングルというLPと同じサイズのシングル盤だけを長年販売してきました。
で、主力商品の中古レコードは、一般の人から買い取りさせていただいているのですが、買取の時にレコードの引取でご自宅に訪問させていただいた際に「レコードプレーヤーも処分したんですけど・・・」ってカンジでレコードと一緒にレコードプレーヤーも買い取りさせていただいています。
レコードプレーヤーといってもホボ、Technics SL-1200 シリーズのだけですが・・・。
そんなカンジで買い取りさせて頂いたレコードと一緒に中古のレコードプレーヤー(Technics SL-1200)も一通りメンテナンスや動作チェックして店頭で販売しているワケです。
確か、中古のレコードプレーヤーの販売は、2017年くらいから本格的に、はじめたのですが、当初はまったく売れませんでした・・・。
そもそも当店は、お客さんの認識では中古レコード店であって、中古家電ショップではナイのでレコードプレーヤーを探しているお客さんが当店を訪れるコトがなかったからそりゃあそうですよね。
当店で中古のSL-1200の販売をはじめた経緯のエピソードは以前にこのブログでも書きました。
「中古のTechnics SL-1200の販売をはじめました。」

「コレではいかんっ!」というコトで、中古レコード店だけど中古のSL-1200の販売もやっていますというコトを大々的にアピールするために積極的に当店のオンラインサイトで在庫状況を提示したり、このブログでも書いたりしたおかげで、「渋谷 SL-1200」とか「渋谷 中古 レコードプレーヤー」ってググるとかなりの確立でGoogle様から上位に表示してもらえる様になりました。

で、さらに2020年から店頭でコレまで当店のお隣で営業を続けていたDJ機材店ディスクジャムさんが実店舗での販売からオンライン販売へとシフトするというコトで、主力商品である樽屋レコード針(レコード・カートリッジ)の店頭販売を当店で引き継いだワケです。
その時にディスクジャムさんから「Technics」と「樽屋レコード針」の宣伝用の垂れ幕も一緒にもらって店先にデカデカとブラ下げています。
その効果もあってかココ最近は、「レコードプレーヤー目的・レコード針目的」のお客さんがありがたいコトにメチャ増えてきたんですよね。
Googleの検索結果で表示させるお店の画像は、こんなカンジですからね〜。
next-tentou

中古レコード店の存在感よりも明らかに「Technics」と「樽屋レコード針」の方が目立っています(笑)
そして昨今のアナログレコード人気です。
この「渋谷レコード店日記」でのコレまでのレコードに関する情報量の多さも蓄積されている影響もあってかレコードに関する質問だけでなく、レコードプレーヤーやオーディオに関する質問をご来店頂いたお客さんから頻繁に受けるようになりました。
ま〜コレまで、ず〜っとレコードで音楽を嗜んできた人からすると全然大した内容の質問ではナイのですが、ココ最近にレコードに興味を持った & レコードで音楽を聴きたい & レコードをもっとイイ音で聴きたいっていう「レコード・ビギナーさん」からすると「レコードで音楽を聴く」というコトを始めるにアタリ、かなり悩むトコロが多いコトが窺えます。
特にオーディオに関するご相談・・・コレ、結構訊かれるのですが、ナンて言ってあげればイイのかメチャ悩むんですよ。

ご相談頂いたお客さんがコレまでどんな風して音楽を聴いていたのか判りません。
だけど、折角レコードで音楽を聴くのであれば「出来るだけイイ音で聴きたいっ!」って思う欲求は、その通りだと思います。
レコードで音楽を楽しむために先ずは、レコードプレーヤーが必要です。
レコードプレーヤーに関しては、ちょっと調べれば多種多様な機種が販売されていますが、オイラとしては、Technics SL-1200 一択です。
Technics SL-1200 を使い続けて30年以上・・・もうナンの不満もありません。
じゃあレコードプレーヤーは、Technics SL-1200に決まりました。
では、スピーカーは、どうします?
パッシヴスピーカーでイキますか?それともアクティブスピーカーにしますか?
パッシヴスピーカーならアンプは、どうします?
あ〜その前に、フォノアンプが必要ですね、ドレにしましょうか?
さらにカートリッジは、どうします?
ケーブルもコダワッてみます?
という具合に、レコードを聴くために選択しなければイケないコトが、メチャあるんですよ。
しかも、それぞれの組み合わせで音の鳴り方が、ガラリと変わるという・・・。

だけど、スピーカーはコレ、アンプはアレ、カートリッジはソレ・・・ってカンジで自分の予算でプランを想像してみてもそれ等の組み合わせで、一体どんな音が鳴るのか・・・ってコトは、実際に購入して自宅に設置してみないと全くわからないという・・・。
本当であれば、シュミレーション出来れば、イイんですけどね。
で、調べますよね・・・アンプ・スピーカー・カートリッジ・ケーブルなどそれぞれの紹介記事やレビューを読みます。
オーディオの機器単体の紹介記事やレビューは、カンタンに見つけるコトが出来ますが、じゃあ自分が考えたプランでの組み合わせででは、どんな音になるのかってコトは、全然わからないんですよ。
先に書いたように、買って部屋に置いてみないとわからない。
そういう状況下で、「オススメの機材はドレですか?」って訊かれても、ナンてアドバイスしてあげればイイのか・・・って思うんですよね。
でも、相談者さんは、カンゼンにレコードビキナーさんです。
初めてのレコードで音楽をイイ音で楽しみたいのです。
そして、その選択で失敗はしたくないのです。
しかし、その答えは、ソレこそ情報が溢れかえっているハズのネット上にも、まったく書かれていません。
そりゃ〜悩みますよね・・・。
オーディオにおける音の正解は、ビキナーさんであっても、まぁまぁの玄人さんであっても解らないのではナイかとオイラは思うんですよね。
さらに言うなら、そのオーディオで聴きたいレコードの種類やジャンルによっても、また変わってきますから。

ホントにレコードプレーヤーにアンプとスピーカーが内蔵しているようなオールインワン型のお手軽プレーヤーってオイラ個人としては「絶対にナイっ!」って思うのですが先に書いた状況なんかを考えると、まぁ〜アリなのかもしれませんね。
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オイラは、お客さんにアドバイス出来るコトって先ずは、レコードで音楽を聴くにあたってどれくらいの予算を見込んでいるのか・・・ってトコロから組み合わせのプランをスタートしていくのがイイんじゃないでしょうかね〜って伝えています。
オーディオは、ハイエンドな高級志向を目指せばソレこそン百万円以上のレベルまで達します。
現実的な問題としてレコード聴くにためにどれくらい費用をかけるコトが出来るのかっていうのは、あるイミその人の音楽へ対しての尺度を図るのにイイと思うんですよね。
オイラ自身は、Technics SL-1200 2台にDJミキサー、アンプ、スピーカー、カートリッジにかかった総額は、20万円くらいですね。
カレコレ20年間は、同じ組み合わせで聴いているので、もう全然元は取れていると思いますケドね(笑)
だけどレコードの方にかけた費用は・・・軽く4桁万円に達していてもうヤバいコトになっていますが・・・(笑)

MELBA MOORE / UNDERLOVE
MELBA MOORE / UNDERLOVE の試聴
next recordsのサイトでMELBA MOOREのレコードを探してみる

先日、コレからレコードで音楽を楽しみたいっていう若いお客さんに「レコードプレーヤーの購入を考えているのですが、オススメはありますか?」って訊かれました。
先に書いたようにオイラはレコードプレーヤーに関しては、Technics SL-1200 一択です。
なのでそのまま「SL-1200がイイですよ!」とオススメしたのですが、「SL-1200がとても良いレコードプレーヤーであるコトは知っているのですが・・・」そんなに予算はナイという状況・・・で、一応ご自分で考えた「候補にあがっているレコードプレーヤー2つ(価格が2〜3万円ホドの機種)があってドッチがイイでしょうかね?」って。
思わず「ドッチでもイイと思いますよ」って返事したのですが、ナンダカちょっと気まずい空気感になりました・・・。
結局、明解な答えのないままそのお客さんは、帰られたのですが、ん〜ナンて言えば良かったんだろう・・・ってアノ時の状況を思い返してみると、いつもナンだか気持ちがモヤモヤします。
店頭で中古のSL−1200を販売しているコトを先に書きましたが、結構な割合でソレまで使っていたレコードプレーヤーに満足出来ず買い替えでTechnics SL-1200を購入するケースが多いんですよね。
ちょっと高いな・・・ってカンジて2〜3万円クラスのレコードプレーヤーを購入したケド、購入したあとになって、やはりアタマの中にTechnics SL-1200がず〜っと残っていて結局、買い直すというパターンです。
程度のイイ中古のSL-1200であれば4〜5万円で購入出来るので新品の2〜3万円クラスのレコードプレーヤーからあと少しガンバれば決して手の届かないレコードプレーヤーではナイと思うんですケドね。
サスガに新品のTechnics SL-1200 MK7となると高値の華ですが・・・。
なら、イロイロ悩みはあると思うのですが、まずレコードプレーヤーに関しては、Technics SL-1200に決めておいて、周辺機種を自分の予算から割り振ってオーディオのプランを考えればイイんじゃないかな・・・って思ったりします。

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