渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:12"シングル

strangers_stepoutof_pr
東京 渋谷 宇田川町のオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店、Next Recordsです。
昨年アタリから結構な頻度で取材のご依頼をいただく様になりました。
タブン、昨今のアナログレコードの人気とかの影響なんでしょうね。
時には、動画でのインタビューとか雑誌等紙メディアとか、Web系メディアだったりとか、様々な媒体で当店を取り上げていただいています。
そういった取材では、「お店の特徴を挙げてください」って必ず訊ねられるんですよね。
当店の場合だと「オリジナル盤12インチシングル専門のレコード店」という解り易すぎるくらいの特徴があるのでそのままお伝えしているのですが、すると多くの場合で「どうしてオリジナル盤12インチシングル専門のレコード店にしようと思ったのでしょうか?」って質問になります。
まぁ〜ヒトツのトピックやハナシを深く掘り下げたり話題の幅を拡げるというのは、取材ではセオリーみたいなカンジなのでしょうね。
どうしてオリジナル盤12インチシングル専門のレコード店をはじめようと思ったのかっていうのは、もう至ってシンプルな理由で店主であるオイラと相棒のNの2人が「オリジナル盤12インチシングルが好きだから」という理由です。
レコード店主がレコード店をはじめる理由ってホボ間違いなく「レコードが好きだから」ですよね。
それがもっと幅が拡がれば「音楽が好きだから」って場合だとレコードやCD、音楽系グッズなんかを販売するようなショップになりますよね。
当店の場合だと「12インチシングルが好きだから」って幅が拡がるドコロか逆に狭まっていますね〜(笑)

オリジナル盤12インチシングル専門のレコード店というのは、お店のコンセプト自体は一点集中型の専門ショップのため、お客さんに正しく認識してもらえれば「ナニが売っているのか」というコトがとても解りやすいショップであると思うのですが、実際はその扱っているアイテムがニッチスギて全然解ってもらえない・・・というなかなかムズい状態になっているというが事実でもあります。
タブン、フツーの人が思っている一般的なレコード店という認識から当店の「オリジナル盤12インチシングル専門」というコンセプトが大きくかけ離れていて「ナンだ?このレコード屋は?」って思われるんでしょうね。
一応、渋谷の街で同じ「オリジナル盤12インチシングル専門」というコンセプトで25年間レコード店を営んでいるのですが、いまだになかなか当店の専門性が理解して貰えにくいという状況には、店主であるオイラは苦心していますね。
そのアタリのハナシは下記のような記事にしました。
お客さんとのミスマッチ問題について

で、今回はそういったハナシではなくって取材していただいた最中でレコード店主であるオイラのオリジナル盤12インチシングルへのコダワリがかなり特殊であるコトが身をもって判ったというハナシです。
インタビューしていただいた記者さんやライターさんもレコードに関する濃度に関してはかなりグラデーションの幅があって、レコードのコトを深く知っている人もいれば、今の話題性からちょっとだけレコードのコトを知った程度の人まで様々です。
そんな中で、取材中に「レコード店を営んでいるくらいなので店長さんは、相当音楽が好きなんでしょうね〜」って思われているんだなぁ・・・ってコトが判ったんですよね。
まぁ〜オリジナル盤12インチシングルというひとつのメディアという音楽が収録されているパッケージから幅を広げていけば、
レコード→音楽メディア→音楽っていうカンジにコダワリの範疇って拡がってきますよね。
ようするにそもそも音楽に興味がなければレコードを聴こうとはならないワケですから。
オリジナル盤12インチシングル専門のレコード店を営むくらいだから相当な音楽好きな店主でお店の戦略として「オリジナル盤12インチシングル専門のレコード店」を営んでるとカンジているのかなぁ〜って思ったのです。
でも実際は、オイラ自身は、どう思っているかというと、興味は「オリジナル盤12インチシングル」のみに集中していてその他のコトとかまったく興味がわかないんですよね。
オイラ自身は、もう何十年もこのスタイルなので自分のコトをヘンだとか変わっているとは、思わないんだケド、傍からみるとかなり特殊なように見えるようです。

先に書いたようにそもそも音楽が好きじゃなかったらその音楽が収録されているレコードに興味がいかないですよね・・・フツーは。
ソコには「音楽を聴くのが好き」っていう趣味が最上位にあるワケです。
しかし、オイラの場合だと例えばClubプレイやドコかで偶然「この曲、イイなぁ」って好みの曲を耳にしたとすると「12インチシングル欲しいな、手に入れたいなぁ」って思うワケです。
でも、その曲の12インチシングルそもそも存在していないというコトが判るとイッキにその曲に対する興味がなくなってしまうんですよね。
興味が薄れるとかじゃなくってカンゼンに興味が消失してしまうんですよ、もうどうでもイイというかオイラの意識とかまった無関係の存在になってしまうみたいな・・・ナンか極端なんですケドね。
また、その「イイ曲だな」って思ったその曲がアルバム(LP)にだけ収録されている曲だと判ったらコレまた同じように興味のなくなってしまうというコレもホント極端ですが、そうなっちゃうんですよね。
その曲がCDだけとか音源だけとかも同等でとにかく12インチシングルに収録されていない曲はすべて同列に興味の対象外になるんですよね。
コレね・・・音楽が収録されているメディアに対してだけでなく、実は例えばアーティストのライブとかでも同じ様に興味がナイんですよね。
あとね・・・DJプレイとかでも12インチシングルでプレイされているモノだと興味がビンビンになるのですが、デジタルのプレイだと同じ曲がプレイされているにも関わらず、もうどうでもイイってカンジに興味がゼロになるという・・・。
コレ、客観的に自分のコダワリを冷静に判断するとかなりヘンですよね〜というか異常かもしれませんね〜(笑)

今では偏執的にすらカンジる12インチシングルにコダワリまくっているそういうオイラも実は10代〜20代はじめの頃は、結構な枚数のアルバムを購入したりフツーにライヴ・イベントとかにも通っていたんですよね。
でも、20代のドコかの段階で「もうオレは、レコードは12インチシングルしか買わないっ!」って決心したんですよね。
その要因になった理由っていうのは解っていて、アルバムは結構、長い期間レコード店で販売され続けているけど12インチシングルは、一旦売り切れたらもうなかなか手に入れるのは困難になるという12インチシングルならではの販売方針やその流通の仕方の状況を目の当たりにしたコトで、「アルバムなんて買っている場合じゃない、12インチシングルを優先的に先に手に入れなきゃっ!」って思ったんですよね。
ま〜若かったし、趣味使えるお金も全然なかったので限られた自由になるお金の中で優先順位を選んだ結果で購入するレコードが12インチシングル一択になったという経緯ですね。
しかし、はじめからそんなに12インチシングルに超コダワッていたというワケでなくアルバム(LP)に関しても気になるタイトルはいつか手に入れようっていう気持ちはあったんですよ。
でもね・・・次々リリースされる12インチシングルの新譜や音楽のコトを知れば知るほど欲しくなる旧作の名盤がどうしても気になっていつしか「12インチシングルしか欲しくならない」というマインドセットがされたようなカンジになってしまったんでしょうね。

こんなド変態的な12インチシングルへのコダワリを理解してもらう人ってそうそういないだろう・・・っと思いきや、実はオイラの相棒Nもまったく同じ趣味の思考だったんですよね。
そんな2人が「レコード店をはじめよう!」って思うとトーゼン自分たちがもっとも好きな「12インチシングル専門のレコード店」意外は考えられなかったというワケです。

STRANGERS / STEP OUT OF MY DREAM
STRANGERS / STEP OUT OF MY DREAMの試聴
next recordsのサイトでSTRANGERSのレコードを探してみる

つい先日、現在就職活動真っ最中の大学生のムスコと宅飲みする機会がありました。
でその時に好きな分野や興味があるコトをシゴトにするというコトについてどうか的なハナシをする流れになったんですよね。
ムスコからすると究極の趣味であるレコードを販売している店を営んでいるオヤジっていうのは、相当振り切っているように思うようで「どうしてレコード店をはじめたの?」といったそのキッカケを訊かれました。
20数年一緒に暮らしてはいますが、ムスコにそういったレコード店をはじめる経緯なんてハナシしたコトはコレまでなかったのですが、就職活動中のムスコにとってシゴトに関してナニか思うトコロがあったんでしょうかね・・・。
ザックリとオイラがレコード店を始めるようになったエピソードをハナシしたんですよね。
大学生であるムスコも最近のレコード人気のコトは少しは知っているようですが、しかしオヤジの店ではそういった流行りのレコードは一切扱っていないというコトも知っていたので、ナンで流行りのレコードを扱わないの?的なコトも訊かれました。
正直に「興味ナイんだよね〜」って大学生で就職活動中ともなれば、多少なりともビジネスとかのコトも理解しているようで「でも、ニーズがある商品って販売したほうがよくないの?」って訊かれたんですよね。
「まぁ〜でも店主がまったく興味がないアイテムを扱ってお客さんにオススメ出来ないよね〜」って言うと「フ〜ン・・・ソコまでコダワッているのもスゴイなぁ」って・・・ちょっと呆れられたのかもしれませんね(笑)

Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!

渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!

毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。

このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。


Next Records Shop at Shibuya Tokyo Japan.
We are a small record store but we welcome you with a huge selection of original pressed 12" singles.
If you visit Tokyo, please visit our record store!

soundwaves_iwannafeel
昨今のアナログレコードの再評価でレコードで好きな曲を聴くという趣のある楽しみを知ってしまった人も多いと思います。
ま〜今だと普通、音楽を聴くとなるとCDで手に入れたりスマホ経由で曲を楽しむって言うのがメインでしょう。
いや〜もしかしてCDで聴くのもレアな聴き方かも(笑)
最近は、今現在流行っている曲が新品でアナログレコードがプレスされていたり、過去の古いアルバムを再びレコードで発売する再発盤っていうのも結構、多いですよね。
レコードビギナーからしてみれば、レコードを楽しむ入り口っていうのはやっぱり「新譜」や「再発盤」なのかもしれません。

しかし、何枚かレコードを新譜で買っていると「欲しい曲があるのにレコード店に売っていない」っていうケースに必ず遭遇するハズです。
大体、調べ物をするってGoogle経由が多いと思いますが、検索するとナンらかのカタチで解答を教えてくれます。
ちなみにGoogle検索で欲しいレコードを探す時は「アーティスト名 アルバムタイトル(曲名) レコード」っていう3つのワードで検索するとイイですよ。
邦楽ならば日本語で、洋楽ならばアルファベットで・・・古い洋楽の邦題で検索するよりもアルファベットで検索した方がイイですね。
検索してみるとお探しのその曲のレコードについて知るコトが出来る思います。

ナンで、こんなコトを書いているのかというと、「最近、レコードで音楽を聴きはじめたんですよ」という20代のお客さんが先日お店に来てくれてハナシをする機会がありました。
はじめてのレコードは、やっぱり新譜(新品)のアルバムだったそうです。
中古レコードの存在自体は、知っていたそうですが、中古レコード独特の探し方自体が解りにくいため、大手のレコード店で「新品のレコード」で自分の価値基準で選んで購入していたそうです。
お店で売っている中から欲しいレコードを選んで買うっていうのは、気持ち的に自分がそのレコードを購入するか、しないかダケなので買い方としては、そんなに難しくないと思います。
だけど、はじめに「手に入れたいレコードありき」でレコードを購入するとなると、レコードが見つからないって状態になるワケです。
どうやら手に入れたい曲があるようで探しているそうです。そんな流れで、当店へたどり着いたようです。
その20代のお客さん曰く、「ナンでレコードで売っていないんだろう・・・」って疑問をず〜っと思っていたようですが、オイラとハナシをしていると大きな勘違いをしているようでした。
つまり、お客さんは「古い過去の曲はすべてアナログレコードになっている」って思い込んでいたようです。
ま〜最近の曲は、サスガにアナログレコード化されているモノとそうでないレコード化されていない、つまりCDしかないモノがあるっていうコトは解っていたようですが、「10年くらい前の曲であればレコードが存在している」って思っていたようです。

すでに中高年のオイラからしてみれば10年くらい前の曲ってもうホンのちょっと前じゃん(笑)って思うのですが、20代半ばくらいの人にしてみれば中学生とかに聴いていた曲なので「超古い過去の曲」ってイメージなんでしょうね。
また、最近レコードを聴きはじめたって人からすれば10年前のアナログレコード界隈がどういう状態だったかっていうコトなんて知るよしもアリませんからね。
で、こんなコトを説明しました。

■CDが一般的に普及したのは、1980年代の半ばくらいで、ソレまでに発表された曲は必ず、アナログレコードが存在している。
■その後、1980年代の後半頃まではCDとアナログレコードが併売されていたので曲によってはアナログレコード自体、存在していない場合もある。
■1990年代に入ってからは、一部のジャンルを除いてレコード自体がホトンド作られなくなっていくようになる。
■2000年代になると更にレコード盤は作られなくなる。
ま〜コレは、アルバムとシングルでは、状況は多少変わってきますケドね〜概ねレコードのプレス状況ってこんなカンジじゃないでしょうか。

で、結局お店に来てくれたお客さんが探している曲っていうのは、上記のGoogle検索ではヒットせず、Discogsのデータで調べたトコロ2008年リリースのCD(アルバム)に収録されている曲であったというコトが判明しました。
ま〜オイラ自身、聞いたコトもないアーティスト名だったので「ダレ、それ?」ってカンジだったんですが・・・(笑)
物理メディアはCDでしか存在しないコトを伝えると、「まさか、レコード自体が存在しないって思いませんでした・・・」ってちょっとがっかりモードのご様子でした。
どれだけ好きな曲でもレコード自体が存在しなければ、永遠にレコードで聴くコトは出来ないですよね。

SOUND WAVES / GOTTA HAVE YOU
SOUND WAVES / GOTTA HAVE YOUの試聴
next recordsのサイトでSOUND WAVESのレコードを探してみる


時々、スマホでSpotifyのプレイを見せられて「この曲探しているんですケド、ナイですか?」ってコトを訊かれたりします。日本人に限らず、外人さんからもです。
イイと感じる楽曲に出会える機会っていうのは、ネット時代になって格段に増えて音楽が好きな人にとっては良い状況になっているとは思うのですが、ソレもデジタルだけで収まっていれば、見つけたら即、タップしてその曲を聴くコトまで出来て超便利だと思います。
しかし、その曲を物理メディアで聴きたいとなると途端に手に入れにくくなるというコトになるっていうのは、ま〜ナンていうか皮肉なカンジですね。
イイ曲を教えてくれても、カンタンに手に入れさせてくれないって・・・。
だけど、手に入れにくい状況になれば、「絶対に手に入れたいっ!」っていう欲求になるっていうコトもあるし・・・。
ま〜とりあえずアナログレコードとして存在していれば、いつかは見つけるコトが出来る可能性がアルだけマシかも。
あとは、お金の心配だけで・・・(笑)


渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買い取りをやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!
毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。


このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、渋谷の中古レコード屋next recordsが、運営しています。


↑このページのトップヘ