「レコードって最近また流行ってますよね?」
そんな一言から会話が始まるお客さんが増えてきた。
再評価、再発見、リバイバル…まぁ〜理由はいろいろあると思うけど、サブスク全盛の今だからこそ、
音楽を手で触る体験に魅力をカンジる人が確実に増えているのを、日々の接客の中で実感しています。
初めて来店した人が、
「また来ますっ!」
と言って、数週間後に再びご来店いただける…しかも毎回、数枚ずつレコードを買っていってくれる。
ん〜店主として本当にうれしい瞬間であります。、
その流れの中で、最近ちょくちょく訊かれる質問があるんですよ。
それが…
「レコードって、どうやって整理したらいいんですか?」
レコード整理は、実はめちゃくちゃ難しい
正直に言うと、オイラはこの質問に一言で答えられた試しがないんですよ。
ナゼなら、レコードの整理方法って 万人に通用する正解が存在しないと思うんですよね。
・持ち主の音楽の趣味は千差万別
・聴くジャンルも年代もバラバラ
・しかも気分は日によって変わる
・気づけば枚数はどんどん増える
最初は30枚だったコレクションが、いつの間にか100枚、300枚、500枚……時間の経過と共に無限大に増殖してゆくっていうのはレコード好きにはアルアルです。
それで「今日はあれを聴きたいっ!」って思ったのに、お目当てのレコードがドコにあるかわからない。
見つける前に疲れて、諦めてしまい結局いつもの1枚を聴くっていうパターンもお決まりですね。
「レコードは、どうやって整理したらイイの?」っていうこのお悩みの人も結構多いんじゃないでしょうかね。
よくある整理方法、でもどこかしっくりこない
一般的に知られているレコード整理法といえば、
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ジャンル別
-
アーティスト名のアルファベット順
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年代別
レコード店の売り場も、ホトンドがこのスタイルで店頭に並んでいますね。
モチロン、これは間違いではないですよ、むしろ「戻しやすい」「探しやすい」という点では、とても優秀な整理方法だと思います。
でも、家でレコードを聴く時ってレコード好きは我々は本当にこうやって探しているだろうか?っていう観点からするとちょっと違うと思うんですよね。
人は「ジャンル」でレコードを探していない
認知心理学的に見ると、人がレコードを探すときの思考はこんなカンジのようです。
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今は夜だから、ちょっとメロウなやつ聴きたい
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雨の日に合う曲
-
昔よく聴いてた、ちょっと懐かしいカンジの曲
-
友だちが来るから、間違いないアガる曲
つまり、検索軸はその雰囲気やシーン、はたまたその日の天気や気分によって毎回変わっていると思うんですよね。
ジャンル → アーティスト → 曲 っていうお目当てのレコードへ一直線の探し方っていうのは、実はかなりレアなんじゃないでしょうかね。
ココでオイラは気づいたんですよ。
レコード整理って、「収納」じゃない。
情報設計 なんじゃないか?って。
レコード整理=情報設計という考え方
情報科学の世界では、「情報そのもの」よりもどうアクセスできるかってコトが重要視されるそうです。
レコード1枚には、
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音(音楽)
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ジャケット(視覚情報)
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プレス国・年代(背景)
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自分の思い出・使いどころ
こういったカンジの情報が詰まっているんだケドそれを「棚をきれいに並べる」っていうだけで解決しようとするから、ムリが出るんじゃないのかって思うんですよね。
たどり着いた答え:「レイヤー分離型レコード整理法」
オイラ自身、散々試行錯誤した末に、「コレはイイんじゃないのか」っていうレコード整理の考え方があるんですよ。
それが
レイヤー分離型レコード整理法。
まぁ〜気取ったそれっポイネーミングだけどやっているコトは、意外と全然シンプルなんですケドね。
固定棚と可動棚(箱)を分ける
まず、すべてのレコードには正式な住所を与える。
これが「固定棚」です。そこには下記のようなカンジで分類するワケです。
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フォーマット別 (アルバム・12インチシングル・7インチシングル)
-
ジャンル → アーティスト順
ココの並びは個人の感情をまったく入れないようにします。もうシンプルにアルファベット順で並べるワケです。
で大事なのはレコードを戻す場所が常に同じであるコトが最優先になります。
例えばMichael JacksonのThrillerなら「Pops」や「Soul」ジャンルの「M」の棚に必ず入れるワケです。コレはもう絶対にココに入れると決めたらそのレコードの固定の住所となります。
そして、もうひとつ用意する。
それが 可動棚(用途別セレクション箱)というワケです。
可動棚(箱)とは「今の気分」を入れる場所
可動箱には、
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最近よく聴く盤
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今ハマっている音
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シーン・シュチュエーション別
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DJ用
その時々の気分や用途に合ったレコードを複数枚選抜して入れる。この選抜する枚数は人によりますケド、オイラの経験では選抜する枚数が増えるとルーズになりガチなのでパッと選べるくらいの枚数がベストだと思います。
で、ココがミソで、「その可動箱には絶対に永住させない」というコトが大事です。
一通りの役目が終わったら、必ず固定棚に戻すというルールを徹底するワケです。
棚は静的にそして体験は動的にという分け方です。
この分離ができた瞬間、レコード整理が一気に楽になると思うんですよね。
コレ、DJプレイをする人ってこういった分類の仕方をしているんじゃないでしょうかね。
キチンと分類されているレコード・ライブラリーから目的のプレイに応じてセレクトしたレコードを選抜して箱に入れてゆくというコト。
コレをアレンジしたカンジの分類となります。
さらに効いてくる「一行メモ」
そして、もうひとつ…オイラが本気でオススメしたいのが「一行メモ」です。
これは、レコードに直接貼る必要はなくって下記のようにします。
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ノート(アルファベット順に一行のメモを書き留める)
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カードやラベルシール(ジャケット貼ったり、入れたりする)
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スマホのメモ
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Discogsのコレクション「note」欄
自分のスタイルにあったらどれでもイイと思います。
で、書くのは、
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どんな気分に合うか
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どの時間帯がいいか
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A面よりB面
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使ったときの印象
たった一行でいいと思います。あんまり長く書くと義務感が出てきて面倒になりますからね。
で、この時に書いた一行が、あとから効いてくる。
枚数が増えるほど、メモは「財産」になる
100枚くらいまでは、正直、記憶でなんとかなると思います。
でも500枚、1000枚を超えてくると、記憶は必ずこぼれ落ちてきます。
その時に、過去の自分が残した一行が、未来の自分を助けてくれるワケです。
「そうそう、この盤、こんな時に良かったんだ」みたいなカンジですね。
レコードの整理が、自分の音楽遍歴を辿る行為に変わる瞬間でもあります。
規模別・レイヤー分離型整理の考え方
100枚規模
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固定棚:シンプルにアルファベット順でOK
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可動箱:1箱
-
メモ:気軽に
500枚規模
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固定棚:ジャンル設計が重要
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可動箱:用途別に2箱
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メモ:判断のために必須
1000枚以上
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固定棚:完全固定
-
可動箱:最大3箱
-
メモ:第二の脳
枚数が増えるほど、動かさない領域を強くするのがコツとなります。要するにレコードを動かしても元の場所にキチンと戻さなかいから行方不明になっちゃうんですよね。なのでその時の気分によって聴くレコードと今は聴かないレコードを分けるという考えです。
レコード整理は「完成」しない
でオイラは思ったんですがレコード整理は、「完成しない前提でやるもの」ナンじゃないのかって。
なぜなら、
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趣味は変わる
-
聴き方も変わる
-
人生も変わる
だからこそ、動かせる余白を残すんですよ。
物理はシンプルに、意味は自由に、記憶は外部化する
そしてこれが、長期に渡って大量のレコードをコレクションしていて様々な並べ方を試してきた今のオイラの結論だ。
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棚は静的
-
体験は動的
このバランスが取れたとき、レコードは増えても破綻しない趣味になるような気がします。
T.H.P. ORCHESTRA / TWO HOT FOR LOVE
T.H.P. ORCHESTRA / TWO HOT FOR LOVE の試聴
next recordsのサイトでT.H.P. ORCHESTRAのレコードを探してみる
渋谷の店で、こんな話をよくしてます
オイラの店では、レコードを売るだけじゃなく、こんな整理の話もよくしている。
「コレだっている正解はナイですよ」
「でも、楽になる方法はありますよ」
そんな会話をキッカケに、またレコードを楽しんでもらえたら、店主としてこれ以上うれしいコトはないですね。
もし今、レコードの整理でちょっと立ち止まっているなら、今日のハナシをヒントに、自分なりの並べ方を考えてみて欲しいなぁとも思います。
レコードは聴くだけでなく並べたり選んだりっていうコトもレコードコレクションの大事な楽しみのひとつですからね。
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