渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:洋楽

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昨年(2018年)の12月にnext. recordsのホームページのリニューアルを行った際にスマホでも見易くなるように最適化を施しました。
その影響もあってか、はじめて当店のホームページを見たお客さんからの問い合わせが増えたんですよね。
今まで、他のレコード店で購入していた人や最近レコードを聴きはじめた人などリニューアルを行う前よりホームページが結構多くの人の目につくようになったのかなぁ・・・なんて思っています。
前回のこのブログの記事にもしたなぜレコードで聴きたいのか若いお客さんからの問い合わせもやっぱりGoogle検索した時にウチのホームページが目に付きやすくなったのかもしれません。
で、早速こんな問い合わせをいただきました。
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「そちらのお店のホームページにオリジナル盤のレコード店って書いてあるのですが、オリジナル盤って何ですか?」
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もうずいぶん前に「オリジナル盤とは何か」ってコトはこのにブログで書いたコトありますが、もうちょっと解りやすく書き改めてみます。

■オリジナル盤についての解説
オリジナル盤とは、スゴくシンプルに説明すると、そのレコードが発表された時に生産されたレコード盤のコトを指します。
アナログレコードには、オリジナル盤以外のレコードっていうのも存在していてオリジナル盤以外のレコードのコトを再発盤といいます。
オリジナル盤というのは、上で書いたとおり「その曲が発表された時期にプレスされたレコード盤」っていう確固とした定義があります。
同じ曲でもアメリカやヨーロッパでレコード盤の発売時期が多少違ったりしている場合があるのですが、そういった場合は「US盤のオリジナル」とか「UK盤のオリジナル」なんて言ったりします。
その曲が発表された時期以外に作られたレコードを再発盤と呼ぶワケです。

レコード好き界隈では、オリジナル盤は再発盤より価値があるとされています。
では、ナゼ、オリジナル盤が再発盤より価値があるのかというと一般的には音が良いと言われているからです。
ナンでオリジナル盤は音が良いのかっていうのは、コレはレコードを生産する工程や技術的なちょっと難しいハナシになるのですが、古いレコード盤というのはアーティストがその曲を作った当時は、磁気テープに録音されていたワケです。
その磁気テープからレコードの元となるラッカーディスクというのに音溝が刻まれるワケですが、このレコード盤が作られる一番始めのマスター音源である磁気テープが、時間の経過とともに劣化するんです。
レコードの製造工程のハナシにまで及ぶとメチャ難しくなるのでココでは省略します。
レコードが出来るまでをもっと詳しく知りたい人はコチラ見てください。
THE MAKING レコードができるまで


日本唯一のレコードプレスメーカー東洋化成のエンジニアにレコードの疑問について聞いてみた
基本的にアナログっていうのはデジタルと違って全く同じモノをコピーするコトが出来ないので、全然劣化していないマスター音源である磁気テープから作られたレコード盤とはじめに作られた時期から年数が経過して劣化が進んだ磁気テープから作られたレコード盤だと当然、音も変わってくるワケです。
しかし、レコードに収録されているサウンドの善し悪しで価値が有るとか価値が無いっていうコト以外にも、オリジナル盤の希少性やコレクタブルだって言う部分でオリジナル盤が求められている場合が結構あると思います。

■次に再発盤についての説明です。
コレもシンプルに説明すると再発盤っていうのは、その曲が発表された時期ではなく後年になって再び生産されたレコード盤という説明になります。
しかしながら、この「再発盤」というのは、広義な呼び方で厳密に分けると「本当の再発盤(リイシュー盤)」と「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのに別けるコトが出来ます。
本当の再発盤というのも、アーティストが曲を発表した時のレコード会社から発売したレコードと、そうでないレコード会社から発売されたレコードが存在します。
「再発盤(リイシュー盤)」っていうのは、発表された時期に一度レコードを発売(コレがオリジナル盤)して、その後、数年経ってそのレコードが名盤になったり再評価されたりして再度レコードを生産した場合などに「再発売したレコード盤」という意味で使われます。
こういった再発盤は、劣化したマスター音源からの再生産ではありますが、ちゃんと正規のレコード会社や正規のレコード会社からライセンスを受けたレコード会社から発売されているという場合が多いので、音質も比較的良好だったりします。
「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのは、アーティストやレコード会社の許諾を得ずに勝手に作ったレコード盤のコトを指します。
解りやすくカンタンにいうと「模造品」とか「コピー商品」「パチもん」という類のレコードになります。
レコードは複雑な工程を得て生産されるモノなので当然、コストが掛かるワケですが、海賊盤(ブートレッグ盤)と云われる再発盤はそのアタリは適当にコストカットされていて音質面で問題がある場合が多いです。

■オリジナル盤と再発盤の見分け方について
今このご時世にあえてレコードで音楽を楽しみたいっていう気持ちがあれば、オリジナル盤のレコードを聴いてみたいという気持ちになると思います。
で、リアルのレコード店やレコード店HP、ヤフオクやメルカリなどのショッピングサイトを見てもオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)が混在して販売しています。
同じ曲のレコードなのに価格もピンからキリまであります。
購入する側としては、オリジナル盤を出来れば安価で手に入れたいという気持ちになりますよね。
だけど、このオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方っていうのが、かなり一般の人にはわかりにくいんですよ。
もともとオリジナル盤を持っていないからオリジナル盤のジャケットやレーベルなんかの微妙な違いが解らないのは当然です。
レコードを何千枚も所有している様な人でもその見分け方は判断出来ないくらいですから。
当店にも常連のお客さんがオリジナル盤としてヤフオクや他店で購入したレコードを、「本当にオリジナル盤か真贋を見極めてほしい」ってレコードを持ち込まれるコトがあります。
今から15年以上前に書いたオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方についての記事です。
オリジナル盤とブート盤の見分け方
再発 / ブート盤の見分け方 2




個人的には、やっぱりオリジナル盤でレコードは所有したいって言う気持ちがあります。
なので、オリジナル盤専門のレコード店をはじめたっていうのがあるんでケドね。
しかし、モノを所有して楽しむコトの満足度は人それぞれですからね。
古い楽曲をその当時の空気感を感じるコトが出来るオリジナル盤のレコードで聴きたいっていう人もいれば、別にそんなにコダワリなく多少音質は気にせず手軽に聴ければイイっていう人もいますし・・・。
しかし今、あえてレコードで音楽を楽しむ意義を考えたらゼヒ、オリジナル盤で聴いてもらいたいというかコダワリを持ってほしいって想う部分もあります。



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つい先日、「お訊きしたいコトがあるんですけど・・・」と神妙な面持ちで、メチャ若いお客さんがはじめて来店してくれました。
ナンでもレコードで音楽を聴きたいのですが、どこからはじめてイイのか全く解らず教えてほしい・・・とのコト。
年齢を訊いてみると、中学生・・・。
現在のレコードを聴く環境を訊いてみると、ターンテーブルもナシ、レコードも1枚も持っていない・・・という、まさにコレからレコードを聴き始めるっていう状況です。
世間で言われているアナログレコードの人気の余波がついに中学生レベルにまで浸透したのか・・・?(笑)

個人的には、「レコードイイよ〜!サイコーだよっ!」って思う気持ちはヤマヤマなのですが、サスガに中学生にその良さをそのままストレートにアピールしてイイのか・・・ってちょっと複雑な気持ちもありました。
やっぱりレコードを聴くというスタート地点に立つまでにぶっちゃけカネがかかる・・・っていう部分があります。
ま〜今だと、安価なスピーカー内臓のコンパクトなターンテーブル1台で、「とりあえずレコードを聴く」という環境を整えるコトは出来るとは思います。
でも、カンジ方は人それぞれだと思うのですが、個人的にはソレはあんまりオススメ出来ないんですよね。
確かにソレ1台でレコードを「聴くコトは出来る」のですが、レコードの良さはちょっと伝わらないんじゃないかな・・・って思うんですよね。
前にもこのコトは、書いたコトありますね。
となると、ターンテーブルを単体で1台用意するとなります。
すると、必然的にターンテーブルの先にナニに繋ぐか・・・ってなります。
で、今の音楽を聴く環境を尋ねると、ミニコンポなどのちょっとしたオーディオで聴いているって場合が多いのですが、大体そういったオーディオには今はPHONO入力が付いていないんですよね。
とりあえず、「今のオーディオにPHONO入力ついてますか?」って聴いてみますが、はじめてレコードで音楽を聴いてみたいって人は、「PHONO入力?ナニそれ?」ってなるワケです。
お店に来てくれた中学生のお客さんは、ネットで自分なりに頑張って調べたみたいで持っているオーディオにPHONO入力がなければ、ターンテーブルの音は鳴らない、そのためにはターンテーブルと手持ちのオーディオの間にPHONOアンプっていうのを用意しなきゃイケないっていうのは理解していました。
でも、PHONOアンプも数千円の安価なモノもあれば、ン万円の高級機もあったりするので、ドレを買えばいいのか・・・っていう結構難しい悩みになると思います。
モチロン、PHONOアンプの種類で音も変わってきます。
イヤイヤ、その前にどのターンテーブルを買うのかっていう方が先ですよね。
とりあえず、オイラはTechnics SL-1200をオススメしましたケドね。
とにかくターンテーブルは、SL-1200を用意しておけばそれ以上のモノもそれ以下のモノもナイので大丈夫ではナイのかな・・・って思ったのですが、イヤ待てよ・・・新品のSL-1200は高額すぎて大人でもおいそれと手が出ない状況なのでそうなると必然的に比較的手に入れやすい中古のSL-1200MK3が候補にあがるのですが、果たして個体差がある中古のSL-1200MK3を全くターンテーブルを使ったコトのない人にオススメしていいのか・・・?っていう難しい部分もあります。
それにSL-1200を使うとなるとカートリッジは、ドレを選ぶのか?ってトーゼンなります。
カートリッジも千差万別で多くの種類が存在します。またその音色もそれぞれ個性があったり、聴く人の音の好みにも大きくカンケーしてきます。

レコードで音楽を聴いてみたいって思っただけでそういった多くの選択する悩みみたいなモノをスゴく難しい問題を抱えなきゃいけないって状況になるって・・・。
タブン、若いお客さんもケッコー悩んだで「とりあえずレコード屋の人に訊いてみよう」って思ったんじゃナイのかな・・・。
イヤ〜でも相談されるコッチも、その人がどういった音楽を、どれくらいの予算で、どういった楽しみ方をしたいのかっていう部分まで加味して考えるって言うのはなかなか難しいワケですよ。しかも未成年だしね。
「お父さんとかに相談してみたらイイんじゃないの?」って訊いたのですが「お父さんにも訊いたみたんですがレコードで音楽を聴くのはよくわからないって言われました・・・」って。
中学生のお父さんだとタブン年齢的に40代位だと思うのですが、今の40代となると多感な時期に音楽を楽しむというのはCDになる世代になるワケなんですよ。
ちなみにオイラには今40代の弟がいるのですが、レコードで音楽を聴いているってシーンは人生において一度も見たコトがありません。ま〜この世代はフツーに音楽を聴く=CDになるので、レコードを聴く為にナニを用意してどうしたらイイかって言うのは解らないのかもトーゼンです。

とりあえず、安価なスピーカー内臓のオールインワンなターンテーブルでレコードを聴く環境は整えたとしても、果たして聴きたい曲のレコードがあるのか・・・っていうのもしかして難しいんじゃやないかな〜ナンて思いました。
最近はレコードのリバイバル人気の影響もあって最新の音楽も一部ですがリミテッドで、アナログ盤がプレスされています。
でも、世の中に存在している99%のレコードは過去の音楽となります。
その過去の音楽もレコードが一番生産されていた70〜80年代の曲が大多数を占めるわけです。
そういった限られた時代の音楽の中に自分が聴きたいと思う音楽があれば、イイんだけど、どうだろう・・・中学生という若いメチャ若い世代のリスナーにすんなりと受け入れられるのか・・・って思う部分もあるワケです。
時々、レコードを聴き始めたばかりのビキナーなお客さんに「どんなレコードを聴けばイイんのですか?」ってコトを訊かれるコトがあるのですが、そういった場合「自分が好きな曲を聴けばイイと思いますよ」とスゴくシンプルな返答をしているのですが、若い世代の人が自分の好きな曲を30年とか40年前の音楽の中から見つけ出すコトが出来るのかってホント、こういった部分も思うんですよね。
ちなみにオイラは、自分が中学生だった1980年頃に、30年前の1950年代の曲なんて全く興味を持つコトは出来ませんでした・・・(笑)

やっぱりレコードが流行っている的な話題を見聞きして「ナンかちょっとおもしろそう・・・」といった気持ちダケだと続かない気がするんですよね。
ホント、ナンていうかレコードで音楽を聴くというコトを趣味に出来るっていうのは結構、人を選ぶと思うんですよね。
何度もこのブログで書いていますが、音楽を聴くという本質的な部分だけを満たすダケなら、必ずしもレコードでなくてもイイワケです。
自分のオーディオのセッティングを見直してスピーカーから流れる音色の変化を試したり、巷ではやっている流行とは全然違ったトコロでイイ曲がないかな・・・って探究心で音楽を探したり、自分が好きな音楽をコレクションしたりというコトを楽しんだり出来るようになればイイんですけどね。
その部分に至るまでが、やっぱりお金と時間と手間というハードルの高さがあると思います。

「なぜレコードで聴きたいのか」ってコトを突き詰めてコトバや文章にするとナンダカ哲学的部分になるカンジがしてちょっとイヤなんですけどね。
もっとホントはシンプルな気がするんですケド・・・。
なぜ、いま「アナログレコード」なのか? “古くて新しい”スタイルが人を惹きつける



どのターンテーブルにしようかな〜とかカートリッジはドレがイイかな〜とか、探しているレコードが全然見つからないヨ〜とか、このレコードどんな曲なんだろう・・・とかっていう部分は煩わしい部分の反面、ソレが楽しい部分もあると思うんですよね。
レコードで音楽を楽しむって言う部分はある意味メンドーなコトを受け入れて楽しめるかってトコロも確実にあるのかもしれませんね。
果たしてお店に来てくれた中学生のお客さん、レコードで音楽を聴く魅力をカンジてくれるコトになるのかな・・・。


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こんなニュースを読みました。
アナログレコードは5年連続増加 2018年の音楽ソフト生産、3年ぶりのプラス転換。アナログレコードは18年ぶりの20億円超え
数年前から言われている「アナログレコード人気」についてのニュースです。
オイラがレコード店主で、この手のニュースを積極的に探してなおかつ、常にそういったアンテナを張り巡らしている影響もあってかホントにいわゆる「レコード売れまくりニュース」っていうのを頻繁に見かけます。
上記は、「日本レコード協会」っていうトコロが発表しているので日本国内のレコードの生産量が去年と比べて105%の112万枚。売上の金額は前年比108%の20憶8,000万円だったってコトが伝えられています。
112万枚のレコードは、その年に新譜のアナログレコードがプレスされた枚数ってコトなんでしょうね。
で、もって20.8億円の売上金額は、その年に売れた新品のレコードの金額ってコトでしょうね。
このレコードの生産数と売上金額の数字が、世間一般的からみると「多い」って思われているからコレだけ頻繁にニュースになるんでしょうね。
新譜のアナログレコードの20.8億円って売上金額が多いのか、どうかっていうのはちょっとよくわかりませんが、ウチの店のような小規模な中古レコード店での1年間の売上でも数千万規模なのでもしかしたら中古レコードの売上を含めると何百億円規模の売上になるような気もします。

以前から思っていたのですが、中古レコードを含むアナログレコードの市場規模って一体どれくらいなんだろうって・・・。
最近のアナログレコードの人気も相まって新譜のレコードがたくさん作られるようになって、そしてそれ等が売れていく数字は毎年、業界から発表されていますが、存在するレコードの枚数っていうのは中古の方が何千倍も多いと思うんですよ。
「私は、小汚い中古レコードなんて絶対に買わないザマ〜す」って言う人は別にして、レコードで音楽を楽しむってコトに興味を持てば必ず中古レコードを買うようになると思うんですよね。というか中古レコードを購入するっていうのは避けて通れないですよね。
そういったコトから考えると、新譜のレコードが1年間に20.8億円売れてるっ!スゲェ〜!!ってニュースになっていますが、もし中古レコードの売上の金額がちゃん解れば、もっとスゴイ売上金額になるような気が・・・。
ナンカそれっぽい数字はナイのかな〜なんて調べてみると、例えば中古レコード業界の巨人、ディスクユニオンさんのWikipediaによると。2009年の売上高で128億円って書かれています。
ん〜10年前という超古い実績なのですが、タブン現在ではアナログレコード人気の追い風の影響も確実にあるのでもっと多くなっていると思うんですよね。
ディスクユニオンさんの128億円の売上の内訳で、どれくらいがアナログレコードでの売上なのかっていうのは解りませんけどね・・・実際にお店を訪れるとCDやオーディオ機材を見ている人よりも全然アナログレコードのエサ箱を掘っている人が多いのでタブン、結構な比率がアナログレコードによる売上なんじゃないかな〜って勝手に想像しています。

日本国内で消費される市場規模もさることながら、やっぱり海外からの購入者による売上っていうのも相当あると思うんですよね。
オイラも度々このブログでも外国人客がメチャ多いっ!って内容の記事を書いています。
外国人のお客さんの店頭での販売も多いのですが、海外への通販も毎年増加しているんですよね。
海外向け通販も1年通してだと、お店的には無視できない売上規模になっちゃってます。
もう毎日、確実に数個のレコードを海外向けへ出荷するために郵便局に通っていますし。
ウチの様な小規模の中古レコード店ですらこんな状態なんだから、中古レコードの市場規模ってコトを考えると日本国内だけでの売上だけ見ても仕方ないような気もします。
海外向け通販に関しては今まで、北米やヨーロッパがやっぱり多かったのですが、昨年アタリからアジア圏からの注文が確実に増えてきているんですよね。
そう考えるとまだまだレコードを買ってもらえる人の数って増えそうな気がします。

「レコードを購入する人が増えてイイんじゃない!?」って思われるのですが、単純にイイトコロだけじゃないんですよね。
それは、価格の高騰の影響が確実に出てきているって思います。
数年前なら$5とかでも仕入れが出来ていたレコードも、いきなり倍の$10になっちゃうってコトも多いんですよ。またレコードのタイトルによっては、ソレ以上の価格になる場合もあったりするのでホント、キビシイです。
コレは、レコードのニーズが高まったから価格が上がったって部分も確かにあるとは思うのですが、海外と日本のお金の価値に依る部分も結構あると思うんですよね。
例えば、日本から海外へレコードを送る時って北米だと1枚、1300円位で送ることが出来るんですよね。ドルに換算すると約$12くらいです。実際にはダンボールの費用などの手数料を含めて$15くらいですね。
だけど、逆に北米から日本へレコードを1枚を送る送料っていうのは、だいたい$20〜$25請求されるんですよね。
郵送費ってその国の経済状況とか貨幣価値って結構反映している部分があると思うんですよね。
で、同じ大きさと重さのレコードを郵送する費用が1.5倍以上差があるっていうのは、そういった貨幣価値的な見方だと外国人の人からすれば日本のレコードは、安いって感じるのかもしれません。
L.A.に住んでいるアメリカ人からUS産のHIPHOPのレコードの注文とかを頂くと、「L.A.のレコード店には、2 PacとかNOTORIOUS B.I.G.とか売ってないのか・・・?」って思いますよ。
実際にお店にご来店してくれた外国人のお客さんにそんなコトを訊くと「売ってるけど、コンディションがよくないね」とか「売っていてもあなたの店より値段が高い」とか言われました。
かと言って、ウチのお店的には、やっぱり日本国内での値段をメインに考えているので値上げする気はナイのですけどね。
ホント、海外からの仕入れに関しては仕入額と販売価格が見合わなくなって、仕入れできなくなったレコードが実際にたくさんあります。


店頭でレコードを買って頂いた外国人のお客さんかた「ヤフオクに欲しいレコードが売ってるんだケド、買い方がわからないので代わりに買ってくれないか・・・?」ナンてコトを時々訊かれることがあります。
いや〜ホント、日本のレコード市場・・・世界中から見られていますね。
実際に海外からの購入者のための代理入札専門の業者も結構多いですしね。
そんなコトを考えてたら、レコードの売買ってワールドワイドな規模になっちゃってますね・・・確実に。
nextも頑張らなきゃっ!


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常連のお客さんから「もう全然聴かないレコードが200〜300枚あるんだけどどうしようかなぁって思っているですよ。」というおハナシがありました。
ちなみにレコードの内容はというと、90年代から2000年前半にリリースされたHIP HOP / R&Bのいわゆる「メインストリーム系」の12インチです。
中古レコード屋を営むオイラからすると一番、扱いにくいジャンルのレコードです。
そのお客さんも「このレコードは、全然価値がナイだろうな・・・」って言うのは重々承知しているんだケド、やっぱり「レコードを捨てる」っていう行為に関してはちょっと罪悪感を感じるというか気が引ける部分もあるんですよね。
タブン、遠まわしに「よかったらnextさんに差し上げますケド・・・どうです?」的なカンジも含んでいるような・・・笑
ん〜お申し入れは、ありがたいですがサスガに内容的にキビシイので・・・という理由で辞退しました。
今でも、「不要とされるレコードでも回りまわってウチの店に入ったレコードはナンとかして活路を見出したいっ!」って言う気持ちは個人的には相変わらずあるんですケド、そういったレコードだけのコレクションを引き取るっていうのは、難しいワケです。

まぁ〜例えば、300枚のレコードの内、半分とか3分の1のレコードがレア盤ではナイけど多少なりとも中古レコード市場で価値が見いだせそうなレコードが含まれていて、残りが不人気なメインストリーム系のレコードだったりすると「査定が付かないレコードも引き取りますよ」って言えるのですが、全部がまったくどうにも難しいメインストリーム系のレコードだけっていうのはね〜。
レコードは、自宅にあるのですが、宅急便で送るにしてもクルマで引き取りに行くにしても費用がかかる・・・つまるトコロその部分をどうするのかっていうのが、難しいんですよね。
「お店に持っていただけるのでしたら、引き取れないコトもないですが・・・」ってハナシをしたのですが、レコード200〜300枚の重量は50〜60Kgにもなります。
宅配便で送ると費用は5000円くらい、お客さんはクルマを持ってないというコトなので、レンタカーを借りても同じくらいの費用がかかる・・・でレコードを引き渡しても自分の手元にはお金は一切入ってこない・・・。
捨てる以外の方法で自宅のレコードをなくす為にはどうしてもコストがかかるっていう状況になっちゃうんですよね。
自力で、nextに買い物のついでに少しずつ運ぶのもやっぱりレコードは重いですし、結構しんどいですしね。
でも、オイラ的にはそういうハナシを聞くと「レコードを不用品として捨てるっていうのはちょっと心が痛む・・・」っていういつもの感情が・・・。
他のレコード店にレコードの買い取りを依頼しても、そのジャンルのレコードはどこのお店も「お断り」状態なのでやっぱり行き場がナイんですよね。
お客さん的には、そのレコードを「出来るだけお金に変えたい」って気持ちがナイので、苦労せずになおかつ、費用がかからずレコードを自宅から無くしたいっていうコトなんですよね。

ナンかイイ方法がないかなって考えたんですケド、個人が出来るコトってヤフオクとかメルカリで売却するってコトしか思いつきませんでした。
でも、そういったトコロに売却するのも写真を撮ったりという出品作業や梱包したり発送したりという煩わしさが必ず伴いますしね。
個人の人が費用をかけずに数百枚単位のレコードを一度に整理するコトって実質難しいのかもしれませんね・・・。
中古レコード屋に買取りに出すと、絶対に「どういった内容のレコードか?」ってコトを訊かれるので、もしかしたらリサイクルショップとかに訊いたほうがイイのかも・・・。

で、こんな記事をみつけました。
50、60代の“かくれ資産”って?フリマアプリから読み解く“かくれ資産”の実態とその内訳とは?
上の記事で、「かくれ資産を多く持つ50、60代は、いったいなにを出品しているのでしょうか。」の男性の出品カテゴリーランキング1位にレコードがランクインしているんですね。
やっぱりレコードって、男にとって「捨てられないアイテム」なんだというのがよくわかるような気がします。
タブン、記事の対象のほとんどの人が決してレコードマニアなんかではなくって一般リスナーだと思うのですが、50代くらいの人がレコードを買っていた時代っていうのはタブン、CDが一般的になる前の80年代始め頃なので、30年間以上聴かないレコードを所有していたってコトになります。
今は、レコード人気が高まっているって世間では時々話題になっていますが、出品カテゴリーでは1位のレコードも購入カテゴリーではランクインしていない・・・というコトを見ると出品してもそれほど売れていない・・・?

また、こんな記事も。
妻との別居で“汚部屋”に住む男が、レコード40箱分を処分できたワケ
上記の記事を読んで気になる文章が・・・ソレは・・・。
「いらないものを捨てるという発想ではなく、自分の世界観を際立たせるものだけ残すという感覚が大切。自分の感性を表現するつもりで楽しむこと」
ん〜この感覚・・・すごく解ります。
タブン、今回ハナシをした常連のお客さんも完全にこの気持が優先したんでしょうね。
オイラもこの「自分の世界観を際立たせるものだけ残す」っていうのスゴく共感できるんですよね。
だけど現実は、ソレが実行できないでいるワケです。


もしかしてレコードって、自分自身のアイデンティティの一部みたいな部分があってソレが結構大きく影響しているから、レコードの本来の目的である「音楽を聴いて楽しむ」というコトをしなくなっても捨てるコトが出来ないのかもしれませんね。
でも、「自分の世界観を際立たせるものだけ残す」っていう解釈で「本当に好きなものだけを取捨選択する」っていうのは、大切なコレクションの純度を高めるみたいでソレはソレでアリなような気がします。
だからといってレコードを捨てるっていうのもナンダカ気が引ける・・・。
ん〜どうすればイイんだろう。



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こんなニュースを読みました。
「CD離れ」が始まったグラミー賞と、CDスルーする新世代アーティストに共通する音楽的背景
ま〜今に始まったハナシではありませんが・・・ってカンジですが。
CDの売上どうこうって話題の前に記事の冒頭から、「グラミー賞」自体のテレビの視聴率がガクッと大幅に下がっているってちょっとウケるハナシが書いてますね。
グラミー賞自体に多くの人がそれほど興味がなくなってきたってコトなのかな・・・。
で、グラミー賞の最優秀アルバム賞にCDが発売されていないタイトルがノミネートされたってコトが伝えられていました。


CDリリースのないアルバムがグラミー最優勝アルバム賞にノミネートされるのは1984年以来35年ぶりという歴史的事件だ。


なんてコトが書いていますね。
例えば、CDショップなんかに行って、
「今メチャ、流行っているあの曲のCDが欲しいんですけど・・・」
って店員さんに相談しても、
「申し訳ありません、そのアルバムはCDが発売されていないんですよね・・・」
と言われちゃうってコトなんでしょうね。
いや〜アナログ・レコードではこういうコトは時々アルのですが、まさかCDが発売されていないとは・・・(笑)
今回、CDが発売されていないのにノミネートされて話題になったアルバムは、アナログ・レコードはちゃんと発売されているという状況です。
Cardi Bを聴いているリスナーっていうのは、10〜20代の若い世代の層だと思うのですが、もうそういう世代に向けてCDを発売していくって言うコト自体が行われていないってコトなのかもしれません。

https://jaykogami.com/wp-content/uploads/2018/12/US_music_streaming.jpg

https://jaykogami.com/wp-content/uploads/2018/12/US_music_2017_2018.jpg

ストリーミングでの売上が年々上がっているのは、よく言われて言われているコトです。
また、CDの売上がすごい勢いでダウンしているというコトも言われています。
記事でもこんなコト書いてますね。


世界の音楽業界もこの事実を受け入れつつ、いかに新しい音楽ビジネスを生み出すかのビジネスモデル移行時期に入っている。グラミー賞受賞アーティストのCDをいかに売るか、というCD時代のプロモーション戦略がすでに古く、多くの市場では通用しなくなっていることに音楽業界も気付いている。


フィジカルメディアの売上が1年足らずの間に大きく下がっている中、アナログ・レコード自体の売上は上がっているっていうレコード好きにはちょっと喜ばしい状況になってます。
とはいっても、CDの落ち込み度がハンパないくらい大きいので全体ではダウンなんですけどね。
中古レコード店主的には、新譜のアナログ・レコードの売上や発売されるタイトルの数が増えてもナントも思いませんが、長い目で見たら2018年とか2019年にリリースされたアナログ・レコードが10年後の2029年に「レアだっ!」って言われるようになるかもしれませんしね・・・(笑)
現に一部のタイトルに関しては、10年前とかにリリースされたレコードの中古での値段が新譜の時より上がっている場合もありますからね。
どうなるかは、全くわかりませんよ。



CDの役割は、限定パッケージやデジタルダウンロードやグッズとバンドルされるノベルティのように徐々に変化して、一部少数の収集志向の高いファンに購入されるフォーマットへと進化するだろう。


コレね・・・ホント、CD自体がノベルティ化していくっていうのはよくわかります。
実際もう既にCDは、ノベルティになっているって見方もありますし。
で、ちょっと思ったんですよ・・・CDショップって10年後とかどうなってるかな?って。
ま〜CDを全く生産しなくなるってコトはナイと思うんだケド、ニーズは確実に減少していく方向に向かっていると思うんですよね・・・。
CDが未リリースのCardi B / Invasion Of Privacyのアルバムですが、近々CDは発売されるようですが、タブンもうファン向けの記念品的要素が大きいような気がします。
2010年頃以降にやたらと言われるようなったアナログ・レコードのリバイバルのように一度、ポシャったモノが再び人気が出るようにCDもなるのかな・・・。
例えリバイバルでCDが人気になっても決して主流になるってコトは絶対にナイと思いますケドね。


自宅近くに大規模なショッピングモールがあります。
年明けにお正月セールが開催されていたので、1月2日に出向いたのですが、モノスゴイ人出で賑わっていました。
洋服店や雑貨店、スポーツショップなんか大々的にセールをしていてお客さんでモリモリだったのですが、そういったショップの並びにCDショップがあったのですが・・・。
20坪ほどの広い店内スペースにお客さんは、ゼロ・・・という状況でした。ちなみに店内スタッフは2人。
こういったショッピングモールってテナント料、決して安くないと思うんですケドね・・・やっていけるのだろうか・・・ってちょっと思っちゃいました。
CDショップ・・・今後どうなるのかな・・・。




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