渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:再発盤

bonniebyer_nevernever
こんなコラムを読みました。
山下達郎のレコード・カセット再販で爆売れ。なぜいま世界でアナログメディアが復興?

明らかに今のアナログレコード・ブームをけん引しているシティポップの最右翼、山下達郎のアルバムが40年以上ブリに再発されたコトに関する記事です。
記事にも書いていますが、41年ブリに再発された山下達郎 / For You がオリコン週間アルバムランキングで第4位にランクインしたとのコト。
一応発売日が2023年5月3日でその週の売上2.0万枚っ!
要するに1週間で2万枚売れたって・・・ちょっとスゴいっすね。
どんだけみんな欲しかったんでしょうね〜(笑)
というか、単純に2万人の人がこのレコードを購入したってコトでしょう・・・当店とはジャンルこそ違いますがまだまだマーケットの規模が想像の規模以上に大きいな・・・ってちょっとカンドーしました。
でオモシロイのがこの爆発的な人気を受けてラジオ番組に出演した山下達郎氏ご本人に「どうしてこの時期にアナログのLPレコードがブームになっているのでしょうか?」って訊くと
「わからない・・・」って。(笑)

まぁ〜コレ、オイラも時々お客さんとシティポップに限らず、アナログレコードの人気についてハナシをした時にその理由を訊かれるんですが明確な「人気の理由は、コレだっ!」っていうコトができないんですよね。
ホント正直に「わかりません」ってカンジで。
今回のFor Youのアナログレコードの再発盤にしてもコレまでズ〜っとCDは、売られ続けていたのだから楽曲としての良さはモチロンあると思うのですがソレ以上にコレクション・アイテムとしての「アナログレコード」がニーズとして求められてきたんではないでしょうかね。

で、こういった人気のアイテムの再発盤がリリースされるとオリジナル盤の価値がいつも問われるようです。
あ〜このパターン・・・ホント、ありガチですね。
今回、再発されたFor Youについてオリジナル盤と再発盤の価格推移が気になったのでちょっと調べてみました。
まずは、基本情報です。
山下達郎 / For You 再発盤 発売日 2023年5月3日 定価4400円
で、再発盤が販売される前は、ヤフオクでは、オリジナル盤はだいたい5000〜9000円くらいの相場で落札されていたようなカンジです。
オリジナル盤は、ライナーノート等の有無やジャケット・レコード盤の盤質によって価格の幅がありますね。
比較的盤質の良い平均の落札価格体は、7000〜8000円くらいのようです。
一応、山下達郎 / For Youの再発盤がリリースされるという情報は、2023年1月には情報としてあったのですが、その時にオリジナル盤の価格にはあまり影響がなかったようなカンジでしたね。
で、5月3日に再発盤がリリースされます。
と同時にオリジナル盤の落札価格がちょっと下がって5000〜6000円ホドになりました。
で、5月3日の再発盤の発売日を境に再発盤の出品数が爆増していますね。
いわゆる大量の転売ヤーがココに参入して来きたようです。
5月3日の発売日に大手のレコード店の店頭にFor Youは、並んだようですが結構早い段階で売り切れちゃったようですね。
ま〜元々、人気のアイテムだったので転売ヤーも事前に目星をつけて仕入れに動いていたようですね。
今では、Amazonをはじめとしてネット販売ではドコのオンラインショップでも「売り切れ」表示がされていて購入はできない状況です。
そしてヤフオクでは、今だと再発盤の落札価格は、6500〜7000円が相場のようです。
中には、即決8000円オーバーで落札されているのもありますね。
一方、オリジナル盤は、またまた少し上昇して6000〜7000円くらいになっています。
タブン、再発盤の人気がアガってそのアオリを受けてオリジナル盤の価格が影響しているような状況でしょうか。

中古盤だけど、リリース当時の空気感で奏でられるエモい雰囲気のオリジナル盤か
通常盤よりも高音質でプレス出来る重量盤でなおかつ最新のデジタル・リマスタリングを施された再発盤か
まだ、For Youを持っていない人からすると悩ましい問題でしょう〜(笑)
コレまでは、オリジナル盤一択という選択しかできなかった中に再発盤がリリースされることによって「ドッチがイイのか?」って思いますよね。
で、実際に聴き比べをしている動画もすでにYouTubeにアップロードされていますね。

まぁ〜オリジナル盤と再発盤の聴き比べは、かなりその人の主観による部分が大きいので一概に「絶対にコッチの方がイイっ!」って言い切れないので難しい判断ですよね。
あと、リスナーの再生環境、イチバン大切な部分は、どういった環境でそのレコードを聴くかって部分は、とても大切ですからね。
コレ、難しいのですが必ずしも「音質」だけでドッチがイイのかって判断できないっていう部分もありますからね。

世界的なレコードマーケットでもあるDiscogsでも Tatsuro Yamashita / For You は、Want数がすでに200オーバーとコチラも人気が加熱しているようです。
かなり利益を上乗せしているセラーが多いですが、実際に売れているのはヤフオクと同じくらいの6500円くらいの価格帯ですね。
一方、オリジナル盤は、日本よりも価値が高くてMintコンデションで12000円くらいですね。
 
で、この山下達郎の過去の名盤が再発されるのは、今回の For You が第一弾で、6月にはRide On Time 7月にはMoonglow とGo Ahead! 8月にはSpacy とCircus Town 9月にはIt's A Poppin' Time とGreatest Hits! Of Tatsuro Yamashita という5ヶ月連続での怒涛の名盤再発ラッシュとなります。
タブン、今回のFor Youと同じ状況になりそうですね。
ニーズの高い人気版が再発されて次々とリリースされるってのは、今のレコード人気では、致し方ない部分があるとは思いますが、コレを追いかける方も結構、タイヘンですね。
今回の山下達郎の歴代の再発盤はリリースされるコトに対して山下達郎氏ご本人は、どういった心境なのか知りたいですね。
山下達郎氏自身、超がつくほどの鬼レコードコレクターであるコトは、有名ですね。
2017年の時点、6万枚のコレクションを所有しているとのコトなので今だと更に増えていると思われます。
そんなレコードコレクターでもあるご本人なのでオリジナル盤・再発盤等の思い入れや見識は相当なモノだと思うのですが、自身の作品となると結構、フクザツな心境なのではないのかなぁ〜って勝手に思っちゃうのですが、どうなんでしょうね。

そう言えば、2022年7月に下記の内容で記事を投稿しました。
人気の高いレコードは、ニセモノが出てくるっ!
奇しくも今回、正式なレコード・レーベルから再発盤がリリースされたFor Youの中国産ブート盤(ニセモノ盤)について言及した記事です。
一応、今でも中国で最大規模のECサイト「タオバオ」でブート盤は、販売されていますがコレもういずれ淘汰されるでしょうね・・・。

BONNIE BOYER / GOT TO GIVE IN TO LOVE
BONNIE BOYER / GOT TO GIVE IN TO LOVE の試聴
next recordsのサイトでBONNIE BOYERのレコードを探してみる

今回のFor Youの件は、今はまだ再発盤がリリースされたばかりでその状況がかなり流動的ではあるのですが、ナン年か後には、再発盤は「再発盤」という評価に定まってくると思います。
コレまでにもレコードは、多くのタイトルで再発盤がリリースされて存在していますが、よほどナニか特別な事情がない限り、再発盤がオリジナル盤の価値を上回るコトってオイラの経験上あまりナイんですよね。
もしかしたら再発盤がリリースされることによって認知度がより高まってオリジナル盤の価値が高騰するパターンもケースとしてはありますからね〜むしろコチラのケースのほうが多いような気がします。
最近はアナログレコードがとても人気になったコトもあって話題に挙がるコトも影響してかライトなレコードリスナーが増えてきています。
でも、そういったライトなレコードリスナーさんもオリジナル盤とはナニか、再発盤とナニがどう違うのか・・・人気で有名なビッグ・タイトルが再発されるコトでイロイロ思う部分があるんじゃないかなぁ〜ナンて思ったりするのですが、どうでしょうか・・・そんなコト思わない?(笑)

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georgebenson_nevergive_uk

渋谷も人の出が少しずつですが増えてきました。
このブログでもお伝えしていますが、コロナによる巣篭もりの影響で自宅でレコードを聴いて楽しむ人が以前に比べると増えてような気がします。
それに伴い、渋谷に店をかまえる当店にも初めてご来店していただいたと思われるお客さんが少し多くなってきました。

先日、「Googleで検索してはじめてお店に来ましたっ!」というお客さんにお越しいただき、少しハナシをする機会がありました。
レコードプレーヤーを購入して3ヶ月とのコトで、好きな曲をのレコードを探して購入しているそうです。
「自分の好きな曲が少しずつ増えていくっていうのは、レコード好きにとってこの上ない喜びですよね〜」なんてハナシをしていたのですが、あるレコードを手にとってこんな質問をされました。
「ボク、この曲のレコードを持ってるんですが、他のレコード店で700円で買ったんですよ。でもコチラのお店では、全然値段が違うのですがナンでなんですか?」
当ブログを読み込んでいただいている人は、そのワケをすぐ理解していただけると思うのですが、レコードを買いはじめて3ヶ月だと「再発盤」と「オリジナル盤」との違いっていうのは、なかなか理解しにくいんでしょうね。
ま〜そういったコトを教えてくれる人も周りにナカナカいないですし・・・。
このケースの説明については今までに何度も店頭ではしてきたので、コレコレこういう理由なんですよって解説しました。
で、「ウチの店では、オリジナル盤のレコードだけを販売しているんですよ」って説明させていただきました。
「そうなんですね〜というコトは、あそこのレコード店で売ってるのは、全部再発盤だってコトなんですね。」
「イヤイヤ・・・そうではナイですよ。オリジナル盤もあると思いますよ、というかオリジナル盤と再発盤の両方売ってるんですよ・・・」
長年、レコードを購入していて造詣の深い人には、当たり前のコトでもこういったコトって解りにくいコトなんでしょうね。

「再発盤ってダメなんでしょうか?」って訊かれました。
全然、そんなコトないと思いますよ。コレは完全にレコードにナニを求めるのかっていう人それぞれの考えによる部分だと思います。
レコードとして人気の高い曲は、結構な割合で再発盤が出ていますが、だいたい安価な再発盤、再発盤より高価なオリジナル盤というカンジでその価値が値段に反映されている場合が多いです。
聴くコトが出来れば、安いレコードの方がイイという価値観であれば、ソチラを購入すればイイし、聴く以上の価値観をレコードに求めるのならオリジナル盤を購入すればイイんじゃなかなって思うんですよ。
ホントにコレは、完全に個人の価値観だけの問題だと思うんです。
当店は、再発盤に関してはショップ的にナンら価値が見いだせないので扱っていないというだけなのです。

オイラもレコード・ビギナーだった頃、多くの再発盤を購入していましたよ。
だけど、その時は買ったレコードが「再発盤」だという認識は、全くありませんでした・・・。
再発盤もオリジナル盤もレコードという括りだけで買っていたっていうカンジでしたね。高校生の頃にCDが発売されるのですが、CDにはまったく良さを見出すコトが出来ず、音楽を聴く=アナログレコードというカンジで、アンチCDではありましたが、アンチ再発盤ではありませんでした。
というか、そんなに再発盤も出ていませんでしたしね。
新譜でも中古でもお店に売っているのは、意識しなくてもだいたいオリジナル盤でした。
しかし、90年代に入ると状況が一変してしまいました。
世間一般では音楽を聴く環境はほとんどCDになっている状況の中、DJブームが到来するワケです。
その当時、CDでのDJプレイはまだまだ満足にできる状況ではなくって、DJプレイをするには、アナログレコードが必須という事情だったのですが、過去の名曲のレコードなんて、もう見つからないんですよ。
つまり、そのレコードを購入したいというニーズは、あってもレコードが売っていないワケです。
そういった状況下の中で、再発盤が販売されるようになったというのが、経緯じゃないかな・・・って思います。

再発盤っていうのもコレ、一括りではなかなか説明し難い部分もあるんですよね。
ちゃんしたレコード会社からリリースされた再発盤もあれば、オリジナル盤と見た目がそっくりなブート盤とかもあって、レコード店では一緒くたにされて「再発盤」とされている場合が、多いんですよね。
レコード歴が長い人は、そういったコトを理解して購入していると思いますが、そうでない人は同じレコードという認識で購入しているんじゃないかなって思うワケです。
そういったちゃんと説明がされていない状態で、レコードが販売されているのはちょっとフクザツな気持ちになります。

個人的なハナシですが、若い頃にフツーに再発盤を買っていたオイラが、どうしてアンチ再発盤になったのかっていうと、友人と一緒にレコード店巡りをしていた時に長年探し続けていたレコードを偶然見つけて「やったっ!欲しかったレコードが見つかったよっ!」っておもむろにそれを友人に見せると、「コレ再発やん、こんなの買ったらアカンでぇ〜」って指摘されたコトがキッカケになりました。
その友人は、オイラよりもレコードへの造詣が深くオリジナル盤、再発盤、ブート盤(海賊盤)の知識があってそういったコトをその時に、教えてもらったんですよね。
友人曰く、再発盤(ブート盤)は「カス盤」(大阪弁でくず、ごみの意味)って評していました。
「同じ曲でも、オリジナル盤のレコードがあるのに、ナンでわざわざ再発盤を買うの?」ってそういった説明を受けて諭されました。確かにその時に指摘されてスゴく納得したんですよね。
それ以降は、レコードの買い方が「欲しいレコードを買う」から「欲しいオリジナル盤のレコードを買う」という風に意識するように変わりました。

だけど、そういった意識でもってレコード店を訪れていると、ホトンドのレコード店では、ソコで販売している再発盤やブート盤についての言及が全然されていないコトに気が付きました。
レコード店の壁にはられた盤に「あの名曲の再発がリリース!」とか「みんな探していたあの曲がリイシュー!」なんてカンジでレコメンドされているワケです。
店頭では、フツーにオリジナル盤も販売しているんですよ。そんな中に一緒に再発盤やブート盤も混ざって販売されているっていうのって「どうなのかな・・・」って思うようになったんですよね。
今ならハッキリと解るのですが、「情報の非対称性」でレコードを売ってるんだなぁって。

ウィキペディアにはこう説明されています。
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商品の取引における情報の非対称性
市場では「売り手」と「買い手」が対峙しているが、一般には売り手がほぼ一方的に情報を保有し、買い手は十分の情報を保有できないため、ここにも大きな格差がある。例えばある商品を取引する状況を想定したとき、売り手は商品の品質に関する豊富な情報を所持している。
他方、買い手は商品の品質に関する情報をほとんど保有しておらず、売り手からの説明に依存するしかない。しかし、売り手には商品の正しい品質を買い手に伝えるインセンティブがないため、買い手は商品の品質に関する情報について購入するまで完全には知りえない。
このように、取引・交換の参加者間で保有情報が対等ではなく、あるグループが「情報の優位者」に、他方が「情報劣位者」になり、双方で情報を共有できていない状況(情報分布にばらつきが生じている状況)が、情報の非対称性である。
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ま〜でも世の中ではこういったコトを逆手にしているビジネスって多いかもしれませんね。

next. recordsでは再発盤を扱わない理由って、自分の経験から再発のレコードをあつかわないようにしようって思ったワケです。
実際のトコロは、再発盤に全く興味がナイので店主が興味を持てないレコードを売るっていうのは、ナイな・・・って思ったんですよね。
前回、書いた記事「next recordsのはじまり」の当時、再発盤を扱うとか扱わないというハナシじたい全くしませんでした。
何故ならそもそも創業時に再発盤についてなんて云わなくても「オリジナル盤だけを扱う」っていうのは、基本の「き」の字だったんですよね。
だけど、再発盤を購入するっていうコトに関しては、ホントに人それぞれの考えや趣向なので、まったく全然肯定的な考えでいます。
「やっぱり、好きな曲のレコードはオリジナル盤で持っておきたいっ!」っていう想いに賛同していただける人に利用してもらえればイイなぁ〜って思うのであります。

GEORGE BENSON / NEVER GIVE UP ON A GOOD THING
GEORGE BENSON / NEVER GIVE UP ON A GOOD THING の試聴
next recordsのサイトでGEORGE BENSONのレコードを探してみる

う〜ん、ナンか想いをイロイロ書いているとかなり長い文章になってしまいました・・・。
再発盤やブート盤のコトを語るとホント、語っても語り尽くせない部分があります。
このブログを書きはじめたキッカケっていうのも「レコードには、オリジナル盤と再発盤があるんですよっ!」っていうコトを世間に伝えたいっていう気持ちだったんですよね。
2000年はじめの頃は、マジで再発盤 & ブート盤のリリースラッシュでしたからね。
ちゃんと事情を理解して購入しているのであればイイんだけど、ハタ目で見ていると全然そうではなくって、「オリジナル盤も再発盤も同じモノでしょっ!だったら安い方がイイじゃんっ!」ってカンジで再発盤が購入されているのを見てジクジたる思いでいたんですよ。
最近のレコード人気をうけてまた、再発盤が結構売れれるようになってきましたね・・・どうなるんでしょうか、すこ〜し危惧しています(笑)


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昨年(2018年)の12月にnext. recordsのホームページのリニューアルを行った際にスマホでも見易くなるように最適化を施しました。
その影響もあってか、はじめて当店のホームページを見たお客さんからの問い合わせが増えたんですよね。
今まで、他のレコード店で購入していた人や最近レコードを聴きはじめた人などリニューアルを行う前よりホームページが結構多くの人の目につくようになったのかなぁ・・・なんて思っています。
前回のこのブログの記事にもしたなぜレコードで聴きたいのか若いお客さんからの問い合わせもやっぱりGoogle検索した時にウチのホームページが目に付きやすくなったのかもしれません。
で、早速こんな問い合わせをいただきました。
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「そちらのお店のホームページにオリジナル盤のレコード店って書いてあるのですが、オリジナル盤って何ですか?」
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もうずいぶん前に「オリジナル盤とは何か」ってコトはこのにブログで書いたコトありますが、もうちょっと解りやすく書き改めてみます。

■オリジナル盤についての解説
オリジナル盤とは、スゴくシンプルに説明すると、そのレコードが発表された時に生産されたレコード盤のコトを指します。
アナログレコードには、オリジナル盤以外のレコードっていうのも存在していてオリジナル盤以外のレコードのコトを再発盤といいます。
オリジナル盤というのは、上で書いたとおり「その曲が発表された時期にプレスされたレコード盤」っていう確固とした定義があります。
同じ曲でもアメリカやヨーロッパでレコード盤の発売時期が多少違ったりしている場合があるのですが、そういった場合は「US盤のオリジナル」とか「UK盤のオリジナル」なんて言ったりします。
その曲が発表された時期以外に作られたレコードを再発盤と呼ぶワケです。

レコード好き界隈では、オリジナル盤は再発盤より価値があるとされています。
では、ナゼ、オリジナル盤が再発盤より価値があるのかというと一般的には音が良いと言われているからです。
ナンでオリジナル盤は音が良いのかっていうのは、コレはレコードを生産する工程や技術的なちょっと難しいハナシになるのですが、古いレコード盤というのはアーティストがその曲を作った当時は、磁気テープに録音されていたワケです。
その磁気テープからレコードの元となるラッカーディスクというのに音溝が刻まれるワケですが、このレコード盤が作られる一番始めのマスター音源である磁気テープが、時間の経過とともに劣化するんです。
レコードの製造工程のハナシにまで及ぶとメチャ難しくなるのでココでは省略します。
レコードが出来るまでをもっと詳しく知りたい人はコチラ見てください。
THE MAKING レコードができるまで


日本唯一のレコードプレスメーカー東洋化成のエンジニアにレコードの疑問について聞いてみた
基本的にアナログっていうのはデジタルと違って全く同じモノをコピーするコトが出来ないので、全然劣化していないマスター音源である磁気テープから作られたレコード盤とはじめに作られた時期から年数が経過して劣化が進んだ磁気テープから作られたレコード盤だと当然、音も変わってくるワケです。
しかし、レコードに収録されているサウンドの善し悪しで価値が有るとか価値が無いっていうコト以外にも、オリジナル盤の希少性やコレクタブルだって言う部分でオリジナル盤が求められている場合が結構あると思います。

■次に再発盤についての説明です。
コレもシンプルに説明すると再発盤っていうのは、その曲が発表された時期ではなく後年になって再び生産されたレコード盤という説明になります。
しかしながら、この「再発盤」というのは、広義な呼び方で厳密に分けると「本当の再発盤(リイシュー盤)」と「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのに別けるコトが出来ます。
本当の再発盤というのも、アーティストが曲を発表した時のレコード会社から発売したレコードと、そうでないレコード会社から発売されたレコードが存在します。
「再発盤(リイシュー盤)」っていうのは、発表された時期に一度レコードを発売(コレがオリジナル盤)して、その後、数年経ってそのレコードが名盤になったり再評価されたりして再度レコードを生産した場合などに「再発売したレコード盤」という意味で使われます。
こういった再発盤は、劣化したマスター音源からの再生産ではありますが、ちゃんと正規のレコード会社や正規のレコード会社からライセンスを受けたレコード会社から発売されているという場合が多いので、音質も比較的良好だったりします。
「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのは、アーティストやレコード会社の許諾を得ずに勝手に作ったレコード盤のコトを指します。
解りやすくカンタンにいうと「模造品」とか「コピー商品」「パチもん」という類のレコードになります。
レコードは複雑な工程を得て生産されるモノなので当然、コストが掛かるワケですが、海賊盤(ブートレッグ盤)と云われる再発盤はそのアタリは適当にコストカットされていて音質面で問題がある場合が多いです。

■オリジナル盤と再発盤の見分け方について
今このご時世にあえてレコードで音楽を楽しみたいっていう気持ちがあれば、オリジナル盤のレコードを聴いてみたいという気持ちになると思います。
で、リアルのレコード店やレコード店HP、ヤフオクやメルカリなどのショッピングサイトを見てもオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)が混在して販売しています。
同じ曲のレコードなのに価格もピンからキリまであります。
購入する側としては、オリジナル盤を出来れば安価で手に入れたいという気持ちになりますよね。
だけど、このオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方っていうのが、かなり一般の人にはわかりにくいんですよ。
もともとオリジナル盤を持っていないからオリジナル盤のジャケットやレーベルなんかの微妙な違いが解らないのは当然です。
レコードを何千枚も所有している様な人でもその見分け方は判断出来ないくらいですから。
当店にも常連のお客さんがオリジナル盤としてヤフオクや他店で購入したレコードを、「本当にオリジナル盤か真贋を見極めてほしい」ってレコードを持ち込まれるコトがあります。
今から15年以上前に書いたオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方についての記事です。
オリジナル盤とブート盤の見分け方
再発 / ブート盤の見分け方 2




個人的には、やっぱりオリジナル盤でレコードは所有したいって言う気持ちがあります。
なので、オリジナル盤専門のレコード店をはじめたっていうのがあるんでケドね。
しかし、モノを所有して楽しむコトの満足度は人それぞれですからね。
古い楽曲をその当時の空気感を感じるコトが出来るオリジナル盤のレコードで聴きたいっていう人もいれば、別にそんなにコダワリなく多少音質は気にせず手軽に聴ければイイっていう人もいますし・・・。
しかし今、あえてレコードで音楽を楽しむ意義を考えたらゼヒ、オリジナル盤で聴いてもらいたいというかコダワリを持ってほしいって想う部分もあります。



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