larryspinosa_guitar2

ココ最近、レコード買取のオファーが結構多いんです。
しかも、相当な枚数のコレクションが・・・。
中古レコード店を営んでいる立場からすると、とてもありがたいハナシです。
しかしながら、レコードの処分を考えている人の立場からすると、ナンていうか結構な心の葛藤というか苦渋の選択であるコトがおハナシしているとヒシヒシと伝わってきます。

長い時間をかけて自分の好きな曲だけを買って集めてきたレコードですが、いざ「処分」というコトを考えると躊躇してしまい、なかなか踏ん切りがつけられない場合が多いようです。
個人的にもレコードが大好きなのでその気持ち、めちゃ解りますっ。
直近の買い取りでは、レコードを1000枚以上のボリュームで所有しているんだケド、ターンテーブルはもうずいぶん前に処分してしまってレコードを聴けない状態なのにナン年もレコードを持ち続けていたというケースがありました。
ターンテーブルなし、レコード大量保有・・・このパターン結構多いんですよ。
当店へのレコード買取依頼をいただくお客さんは、本業や趣味でDJプレイを楽しんでいた人が多いのですが、DJプレイをするにはターンテーブル2台&ミキサー等オーディオ機材一式をいつでもプレイ出来る状態でセットしておくというコトが必須になるのですが、やっぱりDJプレイをすること自体に興味がなくなるとそのスペースを常に確保するのが難しくなるようで、レコードよりも先にターンテーブル&オーディオ機材を処分される人が多いみたいです。
ウチが、中古レコード店だからか、レコードなし、ターンテーブルありという逆パターンのオファーは、当たり前だけど全然ありませんね〜(笑)
だけど、もう既にターンテーブルがナイのでレコードを聴くコトが出来ないのにも関わらず、どうしてナン年間も長期間に渡って聴けないレコードを保有し続けるのか・・・ってコトです。

数年前から「断捨離」というワードが認知されていますよね。
テレビなんかでも家の中を片付けられない主婦が、「断捨離の専門家」みたいなアドバイサーの指導のもと、部屋の中が片付いてスッキリしました〜的な内容の映像を何度も見たコトがあります。
ゴミ屋敷なんかと同じようにある程度、数字が見込めるコンテンツになっているのかもしれません。
ま〜多くのご家庭でもかなりのケースで、「あるあるネタ」になっているので共感されやすいんでしょう。
そういった中、レコードプレーヤーも既にナイので聴くコトが出来ないレコードは、整理対象の真っ先に挙げられるアイテムに思えるのですが、持ち主の心情的には、コレがなかなか処分の踏ん切りがつけられないんですよね。

自宅にある大量のレコードを整理する方法としては
捨てる・売却する・譲る
の3つにケースが考えられるのですが、一番カンタンのは「捨てる」コトなのですが、心情的にはコレが一番困難なんですよね。
ナンていうか、レコードを捨てるというコトに対してモノ凄い罪悪感が伴う・・・みたいなカンジがして、一番カンタンな方法だけど一番難しいというか、そもそも「レコードを捨てる」という概念自体がありえないっ!って感じる部分もあるかもしれません。
で次に売却なのですが、自分のコレクションしているレコードは、自分なりの価値観がトーゼンあるワケです。
そんな中、レコードを売却すると考えた時にそのプライスレスな価値観が、明確な金額として提示されるコトが受け入れられないって感じるようです。
例えば、1000枚のレコードを持っていて購入した時には、1枚1000円くらいで買ったとしてザックリ100万円くらいの費用をそのコレクションに費やしたって解ります。
中には、結構苦労して手に入れたレコードもあったり、メチャ思い入れ深い好きな曲もあったりと、そういった気持が積み重なって「トータルで100万円位かかったケド、半分の50万円くらいの価値にはなるかな・・・」ナンて風に想像したりするみたいです。
「半分の50万円とはならないまでもとも、3分の1で30万円くらいかな・・・」って自分で見積もりしたり・・・。
だけど、レコード店の買い取りに電話して内容を伝えると、かなり想定外の返事をされて「よしっ!売却しようっ!」って決心したにも関わらず、その決心をポキっと折られるような査定額を提示されて、売却を躊躇するようになるってコトも多いようです。
現在、ダンス系やHIPHOPのレコードの買い取りに関しては、他のレコード店では内容によって結構、塩対応されているようで・・・。
自分の価値観が現実的な市場原理に基づく価値観にさらされて、そのギャップのあまりにも大きい差が受け入れられなくって、「そんな金額なら持っていたほうがイイな」って思うのかもしれません。
だけど、置いておいても聴けないし・・・もうこの部分は「モノの整理」というよりも「気持ちの整理」になる・・・みたいなカンジです。

最近、TVでもフリマアプリのCMをやたら見かけます。
そんな中、フリマアプリ運営会社の社員がお年寄りがもう何十年も前に買ったカバンや洋服、アクセサリーなんかを出品できるように手取り足取りレクチャーする・・・みたいな内容のニュースを見かけました。
高齢なお年寄りが持ち寄ったアイテムを見ていると20年とか30年前のモノもあったりします。
相当古いアイテムが自宅に眠っていたようなカンジです。
タブン、「ナニか不要なモノがあれば持ってきてください」って言われた時にソレがスグ出てくるトコロなんかすると、意識の中でちゃんと忘れずにいたんでしょうね。
もう使っていないのだから捨てればイイのかもしれませんが、やはり捨てるコトは出来なかった・・・みたいです。
やはり、自分が認めた価値のあるモノを捨てるというコトに対して罪悪感みたいな感情があるのかもしれませんね。
だけど、あんまりお金にはならなくてもその価値を解ってくれる人へ譲渡されるというコトが整理や処分に繋がっているのかもしれないなぁ〜ナンてTVを眺めながらカンジました。

当店でも、レコードの買い取りのご依頼を頂いたお客さんへ買い取り決定後に、ありがとうございますのお礼のメールをお送りした時に、譲って頂いたレコードのコトに関して「キチンと引き継ぎます」というような内容の一文を付け加えてご返事しているのですが、ほとんどのお客さんが、「ありがとうございます。よろしくお願いします。」というようなご返事をいただきます。
ナンか、そういうご返事をいただくとレコード屋としての使命感がモーレツに湧いてくるんですよね。

LARRY SPINOSA / THE GUITAR EP No 2
LARRY SPINOSA / THE GUITAR EP No 2 の試聴
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コレは自分の経験でもあるのですが、「この曲メッチャ好きだっ!」って購入したレコードに関しては、その1枚1枚のレコードに自分の体験や気持ちが込められたりするコトが、処分することへの罪悪感になっているような気がします。
20年以上前のサラリーマン時代に、オイラがレコードで音楽を聴いて楽しんでいるというコトを知った自分より上の世代の人から300枚くらいレコードを貰ったコトがあります。
一応、一通り聴いてみたのですが、まったく自分との好みに合わなかったので、近所の中古レコード屋に速攻で買い取り処分にだしました。
この時が、初めてでしたね〜レコードを処分したのって。
譲ってくれた人も捨てるコトが出来なかったのでオイラに譲ったんでしょうね〜貰って欲しいみたいな・・・(笑)
だけど、コチラ的にはそのレコードにはナンの思い入れもなかったので、心情的には罪悪感なんてカケラも感じるコトがなかったので容赦なく処分出来たのだと思います。
やっぱり好きなレコードに関しては、多くの気持ちが込められちゃうの、処分を考えた時にナンらかの「罪悪感」をカンジてしまうんでしょうかね・・・。


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