こんにちは、渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店をやっているNext Recordsです。
毎日、店を営んでいると、ホントにいろんなお客さんに出会います。レコードを買い始めたばかりの20代の若者もいれば、30年以上もクラブDJとして活動しながらDiscoやHouseの12インチを掘り続けているベテランもいる。レコードとの付き合い方は千差万別で、そのどれもが面白いとカンジ日々お店の営業をしています。そんな中、最近ちょっと考えさせられる出来事がありました。
■ かつての常連さんからの連絡
つい先日、昔よく通ってくださっていたお客さんから「レコードを処分したいので買い取り査定をお願いしたい」という連絡をいただきました。
最後にお店に来てくれたのはもう5年ホド前になります。思い返せばそのお客さんとのお付き合いは20年近くになります。お店を始めたばかりの頃から通ってくれていた常連さんで、若い頃は週末になると必ずといっていいほど店に顔を出し、次々と12インチを手にしていった姿をよく覚えています。
ご自宅へ伺って査定をしてみると、コレクションはなんと2000枚以上!DiscoからSoul、R&B、Houseまで幅広いラインナップで、部屋の棚にズラリと並ぶ姿はまさに壮観でした。
でもふと「どうしてあれほど熱心だった趣味をやめてしまうんだろう?」と不思議な気持ちになりました。
■ 趣味に人がハマる理由
人が趣味に没頭するのは、心理学的には脳の「報酬系」が関係しているといわれます。
例えば、久しぶりに立ち寄った中古レコード屋で欲しかったレコードを発見した瞬間、心臓がドキドキしてイッキにテンションがアガるコトってありますよね。あれは脳が「快感」と「達成感」を報酬として与えているからなんです。要するにドーパミンがドバドバ出ているっていうカンジですね。
さらに、趣味は「自分で選んでいる」という自律感や「できるようになった」という成長感をくれるし、同じ趣味を持つ人たちと語り合える関係性も生まれる。だからこそ人はレコードに夢中になるんだと思うんですよね。
オイラ自身も若い頃に初めて手に入れた某タイトルのダブルパックのUSプレスのPromo12インチを手に入れた時の感覚は今でも忘れられません。音を聴く前から「これは自分の人生に欠かせないレコードになる」って直感しましたからね。
■ 無関心が趣味になる瞬間
不思議なのは、最初からレコードに興味があった人ばかりじゃないコトです。
たとえば「友人に誘われてクラブに行ったらDJのプレイに衝撃を受けた」とか、「たまたまナニゲに訪れたレコード店に入って店内でかかっていた音が予想外に良かった」とか。
最初は無関心でも、偶然の出会いと小さな成功体験…例えば「初めて自分で選んだ1枚がメチャ良かったっ!」という体験——が人を一気に引き込んじゃうみたいですね。そこから「楽しい」が「自分の一部」になっていく。この過程こそが趣味の芽生えなんじゃないかなって思います。
■ それでも趣味をやめてしまう理由
ところが、どんなに熱中していた趣味でも、ある時を境に「もういいかな…」とやめてしまう人もいます。
オイラの体感では、コレクションをジャンルごとに整理する程度の人が2割で残り8割は思い切ってすべてのレコードを一斉に処分してしまう人みたいなカンジですね。
理由はいくつか考えられます。
・新鮮さが薄れる
どんなに好きでも、同じ行動を繰り返すと新鮮さは減っていきます。かつて心躍った曲も、慣れてしまえば刺激は弱まります。
・ライフスタイルの変化
結婚、子育て、仕事の忙しさ、健康の問題などで趣味に割ける時間や体力が減るってこういった理由も多いですね。
・アイデンティティの変化
以前は「自分=レコード好き」だったのが、年齢や環境の変化で別のアイデンティティが前に出てくる。
・過剰投資による疲れ
夢中になるあまり、いつしか「買わなきゃ」という義務感に変わり、楽しさより疲労感が勝ってしまう。
今回査定を依頼されたお客さんも「最近はレコードを聴く時間がなくて…」とおっしゃっていました。やめる理由は「飽きた」ではなく、その人の生活全体の流れの中での自然な選択なんだと思います。
■ 続けられる人とやめてしまう人の違い
同じレコード趣味でも、何十年も続ける人もいれば途中でやめる人もいます。その違いはドコにあるのか…ちょっと考えてみました。
●続ける人の特徴
・趣味のスタイルを柔軟に変えられる。聴くだけでなく、DJ、コレクション、ジャケ買い、レビュー、発信など幅広く楽しむ。
・コミュニティや仲間との交流を重視する。
・結果よりも過程そのものを楽しめる。
●やめてしまう人の特徴
・レア盤入手や「成果」だけに依存する。
・他人との比較や承認欲求に動機づけを依存しがち。
・趣味を「自分のすべて」と固定し、変化に対応できない。
実際、長年通ってくださる常連さんは、昔はクラブユースなレコードばかり買っていたけど、今はSoulやAORを中心に集めているなど、趣味を少しずつシフトさせながら続けている人が多いような気がします。
■ 趣味を長く続けるための工夫
じゃあ、どうすれば趣味を長続きさせられるのか。オイラなりに思う工夫をいくつか考えてみました。
●目的を更新する
若い時は「DJで現場を盛り上げたい」、年を重ねたら「ゆっくり音楽を楽しむ」など、年齢や環境に合わせて目的を柔軟に変える。
●サブ的な楽しみを取り入れる
レーベルの深掘りやそのアーティストや曲の背景を調べたりライナーノーツの読み込み、レコードのクリーニングや保存方法の工夫など。
●小さな挑戦を続ける
「未知の知らないレーベルを1枚買ってみる」「毎月新しいジャンルを試す」など。
●義務感を避ける
「毎週買わなきゃ」ではなく「気分がノった時に買う」みたいな買い方に変化をつける。
●コミュニティに参加する
同じ趣味仲間やSNSでの交流、レコード店スタッフと会話するコトで新しい刺激を得られる。
■ 趣味をやめても戻ってくる人たち
おもしろいのは、一度やめた趣味を数年後に再開する人がいるコトです。
子育てが落ち着いたり、退職して時間に余裕ができたり、あるいは街で偶然レコードを見かけたり…などなどキッカケは様々ですが、「やっぱりレコードってイイよなぁ〜」と再び戻ってくるんです。
心理的には「懐かしさ」や「未完了感」が働いているそうです。昔の趣味を思い出し「またあの感覚を取り戻したい」と思うコト。あるいは「まだ掘り尽くせていない」という気持ちが再開のキッカケになるようですね。
そして再開した人は「前よりも肩の力を抜いて楽しんでいる」コトが多い印象があります。
若い頃は熱中しすぎて疲れたケド、今は自分のペースでじっくり音楽に向き合える。それも趣味の面白い再開の仕方だと思います。
■ 趣味と人の気持ちの移ろい
今回の常連さんの壮大なコレクションを前に、オイラはあらためて「趣味って不思議だなぁ」とカンジたんですよね。
人は状況や気分によって趣味を始めたりやめたりする…でも一度楽しんだ趣味は、忘れているようで心の奥に残っていて、フトしたキッカケで再び呼び戻される。
レコード店主としては、趣味であるレコードをずっと続けてほしいと思います。音楽と共に人生を歩むって、それだけで素晴らしいコトだと思うんですよね。
でも現実には「もうレコードはいいや」とやめる人がいる。だからオイラは買い取りをして、そのレコードを次の世代に引き継ぐ役割を担っている。
正直なトコロ、「ずっと楽しんでほしい」と「でもやめてくれないとレコードが入ってこない」という、ちょっとした心の葛藤もあるんですよ(笑)
オイラ自身、レコードに人生を捧げてきた人の宝物を引き受けるのは責任重大だと思っています…でも、それをまた新しい誰かに届けられるのはレコード店主の醍醐味でもあります。
結局オイラは、趣味の始まりも継続も再開も、そして「やめること」さえも全部ひっくるめて、アナログ文化の一部として楽しんでいるのかなぁって思います。
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やめたもの、続けているもの、また再開したいと思うもの。
もしその中にレコードがあるなら、ぜひ渋谷のnext recordsに来てみてください、あのレコードに情熱を注ぎまくっていた頃の感覚を再びカンジさせるようなアツいレコードを用意してお待ちしていますよっ!
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