渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:オリジナル盤

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こんなコラムを読みました。
山下達郎のレコード・カセット再販で爆売れ。なぜいま世界でアナログメディアが復興?

明らかに今のアナログレコード・ブームをけん引しているシティポップの最右翼、山下達郎のアルバムが40年以上ブリに再発されたコトに関する記事です。
記事にも書いていますが、41年ブリに再発された山下達郎 / For You がオリコン週間アルバムランキングで第4位にランクインしたとのコト。
一応発売日が2023年5月3日でその週の売上2.0万枚っ!
要するに1週間で2万枚売れたって・・・ちょっとスゴいっすね。
どんだけみんな欲しかったんでしょうね〜(笑)
というか、単純に2万人の人がこのレコードを購入したってコトでしょう・・・当店とはジャンルこそ違いますがまだまだマーケットの規模が想像の規模以上に大きいな・・・ってちょっとカンドーしました。
でオモシロイのがこの爆発的な人気を受けてラジオ番組に出演した山下達郎氏ご本人に「どうしてこの時期にアナログのLPレコードがブームになっているのでしょうか?」って訊くと
「わからない・・・」って。(笑)

まぁ〜コレ、オイラも時々お客さんとシティポップに限らず、アナログレコードの人気についてハナシをした時にその理由を訊かれるんですが明確な「人気の理由は、コレだっ!」っていうコトができないんですよね。
ホント正直に「わかりません」ってカンジで。
今回のFor Youのアナログレコードの再発盤にしてもコレまでズ〜っとCDは、売られ続けていたのだから楽曲としての良さはモチロンあると思うのですがソレ以上にコレクション・アイテムとしての「アナログレコード」がニーズとして求められてきたんではないでしょうかね。

で、こういった人気のアイテムの再発盤がリリースされるとオリジナル盤の価値がいつも問われるようです。
あ〜このパターン・・・ホント、ありガチですね。
今回、再発されたFor Youについてオリジナル盤と再発盤の価格推移が気になったのでちょっと調べてみました。
まずは、基本情報です。
山下達郎 / For You 再発盤 発売日 2023年5月3日 定価4400円
で、再発盤が販売される前は、ヤフオクでは、オリジナル盤はだいたい5000〜9000円くらいの相場で落札されていたようなカンジです。
オリジナル盤は、ライナーノート等の有無やジャケット・レコード盤の盤質によって価格の幅がありますね。
比較的盤質の良い平均の落札価格体は、7000〜8000円くらいのようです。
一応、山下達郎 / For Youの再発盤がリリースされるという情報は、2023年1月には情報としてあったのですが、その時にオリジナル盤の価格にはあまり影響がなかったようなカンジでしたね。
で、5月3日に再発盤がリリースされます。
と同時にオリジナル盤の落札価格がちょっと下がって5000〜6000円ホドになりました。
で、5月3日の再発盤の発売日を境に再発盤の出品数が爆増していますね。
いわゆる大量の転売ヤーがココに参入して来きたようです。
5月3日の発売日に大手のレコード店の店頭にFor Youは、並んだようですが結構早い段階で売り切れちゃったようですね。
ま〜元々、人気のアイテムだったので転売ヤーも事前に目星をつけて仕入れに動いていたようですね。
今では、Amazonをはじめとしてネット販売ではドコのオンラインショップでも「売り切れ」表示がされていて購入はできない状況です。
そしてヤフオクでは、今だと再発盤の落札価格は、6500〜7000円が相場のようです。
中には、即決8000円オーバーで落札されているのもありますね。
一方、オリジナル盤は、またまた少し上昇して6000〜7000円くらいになっています。
タブン、再発盤の人気がアガってそのアオリを受けてオリジナル盤の価格が影響しているような状況でしょうか。

中古盤だけど、リリース当時の空気感で奏でられるエモい雰囲気のオリジナル盤か
通常盤よりも高音質でプレス出来る重量盤でなおかつ最新のデジタル・リマスタリングを施された再発盤か
まだ、For Youを持っていない人からすると悩ましい問題でしょう〜(笑)
コレまでは、オリジナル盤一択という選択しかできなかった中に再発盤がリリースされることによって「ドッチがイイのか?」って思いますよね。
で、実際に聴き比べをしている動画もすでにYouTubeにアップロードされていますね。

まぁ〜オリジナル盤と再発盤の聴き比べは、かなりその人の主観による部分が大きいので一概に「絶対にコッチの方がイイっ!」って言い切れないので難しい判断ですよね。
あと、リスナーの再生環境、イチバン大切な部分は、どういった環境でそのレコードを聴くかって部分は、とても大切ですからね。
コレ、難しいのですが必ずしも「音質」だけでドッチがイイのかって判断できないっていう部分もありますからね。

世界的なレコードマーケットでもあるDiscogsでも Tatsuro Yamashita / For You は、Want数がすでに200オーバーとコチラも人気が加熱しているようです。
かなり利益を上乗せしているセラーが多いですが、実際に売れているのはヤフオクと同じくらいの6500円くらいの価格帯ですね。
一方、オリジナル盤は、日本よりも価値が高くてMintコンデションで12000円くらいですね。
 
で、この山下達郎の過去の名盤が再発されるのは、今回の For You が第一弾で、6月にはRide On Time 7月にはMoonglow とGo Ahead! 8月にはSpacy とCircus Town 9月にはIt's A Poppin' Time とGreatest Hits! Of Tatsuro Yamashita という5ヶ月連続での怒涛の名盤再発ラッシュとなります。
タブン、今回のFor Youと同じ状況になりそうですね。
ニーズの高い人気版が再発されて次々とリリースされるってのは、今のレコード人気では、致し方ない部分があるとは思いますが、コレを追いかける方も結構、タイヘンですね。
今回の山下達郎の歴代の再発盤はリリースされるコトに対して山下達郎氏ご本人は、どういった心境なのか知りたいですね。
山下達郎氏自身、超がつくほどの鬼レコードコレクターであるコトは、有名ですね。
2017年の時点、6万枚のコレクションを所有しているとのコトなので今だと更に増えていると思われます。
そんなレコードコレクターでもあるご本人なのでオリジナル盤・再発盤等の思い入れや見識は相当なモノだと思うのですが、自身の作品となると結構、フクザツな心境なのではないのかなぁ〜って勝手に思っちゃうのですが、どうなんでしょうね。

そう言えば、2022年7月に下記の内容で記事を投稿しました。
人気の高いレコードは、ニセモノが出てくるっ!
奇しくも今回、正式なレコード・レーベルから再発盤がリリースされたFor Youの中国産ブート盤(ニセモノ盤)について言及した記事です。
一応、今でも中国で最大規模のECサイト「タオバオ」でブート盤は、販売されていますがコレもういずれ淘汰されるでしょうね・・・。

BONNIE BOYER / GOT TO GIVE IN TO LOVE
BONNIE BOYER / GOT TO GIVE IN TO LOVE の試聴
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今回のFor Youの件は、今はまだ再発盤がリリースされたばかりでその状況がかなり流動的ではあるのですが、ナン年か後には、再発盤は「再発盤」という評価に定まってくると思います。
コレまでにもレコードは、多くのタイトルで再発盤がリリースされて存在していますが、よほどナニか特別な事情がない限り、再発盤がオリジナル盤の価値を上回るコトってオイラの経験上あまりナイんですよね。
もしかしたら再発盤がリリースされることによって認知度がより高まってオリジナル盤の価値が高騰するパターンもケースとしてはありますからね〜むしろコチラのケースのほうが多いような気がします。
最近はアナログレコードがとても人気になったコトもあって話題に挙がるコトも影響してかライトなレコードリスナーが増えてきています。
でも、そういったライトなレコードリスナーさんもオリジナル盤とはナニか、再発盤とナニがどう違うのか・・・人気で有名なビッグ・タイトルが再発されるコトでイロイロ思う部分があるんじゃないかなぁ〜ナンて思ったりするのですが、どうでしょうか・・・そんなコト思わない?(笑)

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whitney_didntwealmost_ger
このブログ管理者であるオイラは、「渋谷レコード店日記」では、「どの記事がアクセスが多いのか」って言うコトが解るアクセス解析を見るコトが出来るのですが、ダントツでイチバン読まれている記事があります。
ソレがコチラです。
「レコードのオリジナル盤について」
もう3年以上前に書いた記事なのですが、この記事が最も多くの人がアクセスして読まれています。

で、この記事にどうやってアクセスして来たかというリンク元を辿るとホボ、Google検索からナン等かのキーワードで検索した結果、上記の「レコードのオリジナル盤について」という記事に辿り着いたというコトが判ります。
最近は、「アナログレコード人気」のコトを多くのメディアで度々取り上げられているコトで、新しくレコード盤で音楽を聴く楽しみを知った人が多くなってきて、レコードについて知見を広げるにつれてレコードにおける「オリジナル盤」というモノがあるというコトを知ってソレについて調べているのかな〜って推測しています。
また、ちょっと難易度の高い内容である「オリジナル盤」と「再発盤」の違いについて知りたいっていう人も結構いるかなぁ〜って思います。
このブログでも以前に書いたコトがありますが、再発盤には、「コレは、再発盤です」ってコトなんか一切書いていないので、ココをみたらオリジナル盤か再発盤かイッパツで判断できるって言うコトは判りません。
そのアタリのコトについては、下記の記事に書いていますので興味のある人はド〜ゾ。
オリジナル盤とブート盤の見分け方
再発 / ブート盤の見分け方 2


で先日、ご来店いただいたお客さんにこんなコトを訊かれました。
「再発盤ってダメなんですか?」
この記事のタイトルでは「ブート盤ってダメなんですか?」って書いちゃっていますが、実際に訊かれたのは「再発盤」です。
でも、ご質問いただいたお客さんの言いたいコトを察するに「ブート盤」のコトを言っているんだろうな・・・と思います。
上記の記事でも言及していますが、「再発盤」と「ブート盤(ブートレッグ盤・海賊盤)」は、ゴッチャになって混同される場合が多いんですよね。
最近は、アナログレコード人気のコトもあって過去の名盤が再発されるコトが多いですよね。
特にアルバム(LP)は・・・もう再発盤が出まくりです。
で、7インチシングルもこのムーブメントにちょっとノッかりつつあるようで、コレまでアルバムでしか収録されていなかった曲が、初のシングル化ってコトで7インチでリリースされてるというコトもよく目にするようになりました。
一方、我らが愛すべき12インチシングルは・・・というと、この人気にはあまりあやかるコトはなくって、90年代から2000年代前半に起きたDJブーム時に売り出された非オリジナル盤が、中古レコード店のエサ箱によく入っています。
ご質問いただいたお客さんなのですが、HipHop好きな20代のお客さんでココ1年くらい前から好きな90年代のHipHopのレコードを買い始めたいたトコロ、当店のコトを知ってご来店いただきました。
ソレまで他のレコード店でSpotify等で知ったお気に入りの古いHipHopのレコードを他店で買っていたトコロ、はじめて当店へ訪れて自分が持っているレコードを買った時の値段と当店での販売価格が10倍も違っていたコトに驚いてイロイロをググって調べたトコロ、レコードには「オリジナルのレコードとそうでないレコードが存在している」というコトを知ったようです。
で、上記の記事を読んで頂いたようです。
ソレまで好きな曲をレコード店で見つけたらオリジナル盤・ブート盤を意識ぜず買っていたとのコトです。
よく利用していたレコード店でも同じ曲でオリジナル盤とブート盤が一緒クタになって、販売されていてその時は、今までは安い方を買っていたトコロ、レコードにはオリジナル盤とそうでない盤が存在するという事実を知ってナニか気持ち的に釈然としない部分があったようです。
他店では売っていないレコードを当店で、時々購入していただいていたトコロ、オリジナル盤でないレコードを安いという理由でソレまで買っていた気持ち的に釈然としない部分に関する意見を訊いてみたい・・・というコトで、ご質問いただきました。

かなり主観的なコトしかお伝えできないのですが・・・。
オイラ的には、購入する人がとりあえず好きな曲が聴けるのであればイイと思うのであれば、再発盤でもブート盤でもイイと思うのです。
つまるトコロ、レコードを購入する人が、そのレコードにナニを求めるのか・・・っていう部分なのでは、ナイでしょうかね。
オイラも12インチシングルを買いはじめた知識のない頃に、同じ曲のレコードなのに中古レコード店で5000円で売っているモノが、新譜のレコード店で1000円で売っているコトに対して「ナンでこんなに値段が違うんだろう?」って不思議と思っていた時期ってありましたよ。
ソコで、レコードには、オリジナル盤とそうでない盤(再発盤・ブート盤)が存在するコトを知ったワケです。
その当時は、DJブームの真っ只中にあってとにかくレコード盤を持っていないとプレイが出来なかった事情もあり、レアなレコードは滅多にお目にかかれない・・・つまり、購入するコトが出来ない即ち、DJプレイが出来ない・・・そんな事情もあって人気の12インチシングルのブート盤が大量に作られた時代でもありました。
まぁ〜ソコは、プレイする目的のために仕方ナシで多くの人が再発盤・ブート盤を購入していたと思います。
しかし、時代は変わって今現在、好きな音楽をレコードで聴くコトにナニを求めるのか・・・ですよ。
音楽自体は、タダで楽しむコトが出来る時代にあえてアナログレコードで聴く意義をドコに求めるのかってコトですよね。

オイラ自身、レコードにナニを求めるのか・・・っていうと、やはりリリースされた当時のレコードから漂う独特の空気感とかその存在感を第一に求めちゃうんですよね。
個人的には、もうこの雰囲気は、再発盤・ブート盤からは、絶対に得るコトは、出来ないって思っているんですよ。
なので、再発盤・ブート盤は、買わないって決めています。
だけど、レコードにナニを求めるのかって人それぞれですからね・・・。
この質問をしたお客さんもオリジナル盤の良さをナンとなく感じるようになったトコロ、それまで買って持っていた再発盤・ブート盤が、あまりイミのない存在のようにカンジてちょっと自分自身の中でココロの葛藤があるようなカンジがしたんではないでしょうかね。

ブート盤って明らかにレーベルやジャケットが異なっていれば、まだイイのにオリジナル盤と見た目が一緒ってちょっとイヤらしいですよね。
ナンかダマして売ろう、とか見た目が一緒で安いならコッチの方がイイでしょ・・・っていうカンジがして。
ま〜でもそういったレコードをでも構わないよっていう部分も人それぞれですからね・・・。

WHITNEY HOUSTON / DIDN'T WE ALMOST HAVE IT ALL
WHITNEY HOUSTON / DIDN'T WE ALMOST HAVE IT ALLの試聴
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で、結局「ブート盤ってダメなんですか?」ってコトなのですが、全然イイと思いますよ、ご自身がソレで納得できるのであればね。
そのお客さんと一通りおハナシして帰られた後にスタッフとこのコトについてハナシしたんですよね。
当店のカンバンは、中古レコード店となっているのですが、別の言い方だとアンティークショップ的なトコロも多分にあるんじゃないかなぁ〜って。
そういったイミでは、オリジナル盤って真作でブート盤は、贋作みたいなカンジでしょうか。
よく例えるのですが、ブランド品ってフェイクがたくさんありますよね。
まさにレコードもアレに近いんじゃないかなって思います。
ま〜でも、ちゃんとクレジット通りの曲が収録されているし、音も鳴ります・・・だけどホントにソレでイイの?って思っちゃうみたいなカンジでしょうかね〜。
オリジナル盤の良さを伝えたいためにこの「渋谷レコード店日記」を始めたのですが、なかなかその良さをストレートに伝えるのってホント、ムヅカシイなぁ〜って思います。
ホント、解る人にしか共感できない超マニアックな世界ですからね・・・そうカンタンでは、ナイですよね〜。

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渋谷も人の出が少しずつですが増えてきました。
このブログでもお伝えしていますが、コロナによる巣篭もりの影響で自宅でレコードを聴いて楽しむ人が以前に比べると増えてような気がします。
それに伴い、渋谷に店をかまえる当店にも初めてご来店していただいたと思われるお客さんが少し多くなってきました。

先日、「Googleで検索してはじめてお店に来ましたっ!」というお客さんにお越しいただき、少しハナシをする機会がありました。
レコードプレーヤーを購入して3ヶ月とのコトで、好きな曲をのレコードを探して購入しているそうです。
「自分の好きな曲が少しずつ増えていくっていうのは、レコード好きにとってこの上ない喜びですよね〜」なんてハナシをしていたのですが、あるレコードを手にとってこんな質問をされました。
「ボク、この曲のレコードを持ってるんですが、他のレコード店で700円で買ったんですよ。でもコチラのお店では、全然値段が違うのですがナンでなんですか?」
当ブログを読み込んでいただいている人は、そのワケをすぐ理解していただけると思うのですが、レコードを買いはじめて3ヶ月だと「再発盤」と「オリジナル盤」との違いっていうのは、なかなか理解しにくいんでしょうね。
ま〜そういったコトを教えてくれる人も周りにナカナカいないですし・・・。
このケースの説明については今までに何度も店頭ではしてきたので、コレコレこういう理由なんですよって解説しました。
で、「ウチの店では、オリジナル盤のレコードだけを販売しているんですよ」って説明させていただきました。
「そうなんですね〜というコトは、あそこのレコード店で売ってるのは、全部再発盤だってコトなんですね。」
「イヤイヤ・・・そうではナイですよ。オリジナル盤もあると思いますよ、というかオリジナル盤と再発盤の両方売ってるんですよ・・・」
長年、レコードを購入していて造詣の深い人には、当たり前のコトでもこういったコトって解りにくいコトなんでしょうね。

「再発盤ってダメなんでしょうか?」って訊かれました。
全然、そんなコトないと思いますよ。コレは完全にレコードにナニを求めるのかっていう人それぞれの考えによる部分だと思います。
レコードとして人気の高い曲は、結構な割合で再発盤が出ていますが、だいたい安価な再発盤、再発盤より高価なオリジナル盤というカンジでその価値が値段に反映されている場合が多いです。
聴くコトが出来れば、安いレコードの方がイイという価値観であれば、ソチラを購入すればイイし、聴く以上の価値観をレコードに求めるのならオリジナル盤を購入すればイイんじゃなかなって思うんですよ。
ホントにコレは、完全に個人の価値観だけの問題だと思うんです。
当店は、再発盤に関してはショップ的にナンら価値が見いだせないので扱っていないというだけなのです。

オイラもレコード・ビギナーだった頃、多くの再発盤を購入していましたよ。
だけど、その時は買ったレコードが「再発盤」だという認識は、全くありませんでした・・・。
再発盤もオリジナル盤もレコードという括りだけで買っていたっていうカンジでしたね。高校生の頃にCDが発売されるのですが、CDにはまったく良さを見出すコトが出来ず、音楽を聴く=アナログレコードというカンジで、アンチCDではありましたが、アンチ再発盤ではありませんでした。
というか、そんなに再発盤も出ていませんでしたしね。
新譜でも中古でもお店に売っているのは、意識しなくてもだいたいオリジナル盤でした。
しかし、90年代に入ると状況が一変してしまいました。
世間一般では音楽を聴く環境はほとんどCDになっている状況の中、DJブームが到来するワケです。
その当時、CDでのDJプレイはまだまだ満足にできる状況ではなくって、DJプレイをするには、アナログレコードが必須という事情だったのですが、過去の名曲のレコードなんて、もう見つからないんですよ。
つまり、そのレコードを購入したいというニーズは、あってもレコードが売っていないワケです。
そういった状況下の中で、再発盤が販売されるようになったというのが、経緯じゃないかな・・・って思います。

再発盤っていうのもコレ、一括りではなかなか説明し難い部分もあるんですよね。
ちゃんしたレコード会社からリリースされた再発盤もあれば、オリジナル盤と見た目がそっくりなブート盤とかもあって、レコード店では一緒くたにされて「再発盤」とされている場合が、多いんですよね。
レコード歴が長い人は、そういったコトを理解して購入していると思いますが、そうでない人は同じレコードという認識で購入しているんじゃないかなって思うワケです。
そういったちゃんと説明がされていない状態で、レコードが販売されているのはちょっとフクザツな気持ちになります。

個人的なハナシですが、若い頃にフツーに再発盤を買っていたオイラが、どうしてアンチ再発盤になったのかっていうと、友人と一緒にレコード店巡りをしていた時に長年探し続けていたレコードを偶然見つけて「やったっ!欲しかったレコードが見つかったよっ!」っておもむろにそれを友人に見せると、「コレ再発やん、こんなの買ったらアカンでぇ〜」って指摘されたコトがキッカケになりました。
その友人は、オイラよりもレコードへの造詣が深くオリジナル盤、再発盤、ブート盤(海賊盤)の知識があってそういったコトをその時に、教えてもらったんですよね。
友人曰く、再発盤(ブート盤)は「カス盤」(大阪弁でくず、ごみの意味)って評していました。
「同じ曲でも、オリジナル盤のレコードがあるのに、ナンでわざわざ再発盤を買うの?」ってそういった説明を受けて諭されました。確かにその時に指摘されてスゴく納得したんですよね。
それ以降は、レコードの買い方が「欲しいレコードを買う」から「欲しいオリジナル盤のレコードを買う」という風に意識するように変わりました。

だけど、そういった意識でもってレコード店を訪れていると、ホトンドのレコード店では、ソコで販売している再発盤やブート盤についての言及が全然されていないコトに気が付きました。
レコード店の壁にはられた盤に「あの名曲の再発がリリース!」とか「みんな探していたあの曲がリイシュー!」なんてカンジでレコメンドされているワケです。
店頭では、フツーにオリジナル盤も販売しているんですよ。そんな中に一緒に再発盤やブート盤も混ざって販売されているっていうのって「どうなのかな・・・」って思うようになったんですよね。
今ならハッキリと解るのですが、「情報の非対称性」でレコードを売ってるんだなぁって。

ウィキペディアにはこう説明されています。
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商品の取引における情報の非対称性
市場では「売り手」と「買い手」が対峙しているが、一般には売り手がほぼ一方的に情報を保有し、買い手は十分の情報を保有できないため、ここにも大きな格差がある。例えばある商品を取引する状況を想定したとき、売り手は商品の品質に関する豊富な情報を所持している。
他方、買い手は商品の品質に関する情報をほとんど保有しておらず、売り手からの説明に依存するしかない。しかし、売り手には商品の正しい品質を買い手に伝えるインセンティブがないため、買い手は商品の品質に関する情報について購入するまで完全には知りえない。
このように、取引・交換の参加者間で保有情報が対等ではなく、あるグループが「情報の優位者」に、他方が「情報劣位者」になり、双方で情報を共有できていない状況(情報分布にばらつきが生じている状況)が、情報の非対称性である。
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ま〜でも世の中ではこういったコトを逆手にしているビジネスって多いかもしれませんね。

next. recordsでは再発盤を扱わない理由って、自分の経験から再発のレコードをあつかわないようにしようって思ったワケです。
実際のトコロは、再発盤に全く興味がナイので店主が興味を持てないレコードを売るっていうのは、ナイな・・・って思ったんですよね。
前回、書いた記事「next recordsのはじまり」の当時、再発盤を扱うとか扱わないというハナシじたい全くしませんでした。
何故ならそもそも創業時に再発盤についてなんて云わなくても「オリジナル盤だけを扱う」っていうのは、基本の「き」の字だったんですよね。
だけど、再発盤を購入するっていうコトに関しては、ホントに人それぞれの考えや趣向なので、まったく全然肯定的な考えでいます。
「やっぱり、好きな曲のレコードはオリジナル盤で持っておきたいっ!」っていう想いに賛同していただける人に利用してもらえればイイなぁ〜って思うのであります。

GEORGE BENSON / NEVER GIVE UP ON A GOOD THING
GEORGE BENSON / NEVER GIVE UP ON A GOOD THING の試聴
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う〜ん、ナンか想いをイロイロ書いているとかなり長い文章になってしまいました・・・。
再発盤やブート盤のコトを語るとホント、語っても語り尽くせない部分があります。
このブログを書きはじめたキッカケっていうのも「レコードには、オリジナル盤と再発盤があるんですよっ!」っていうコトを世間に伝えたいっていう気持ちだったんですよね。
2000年はじめの頃は、マジで再発盤 & ブート盤のリリースラッシュでしたからね。
ちゃんと事情を理解して購入しているのであればイイんだけど、ハタ目で見ていると全然そうではなくって、「オリジナル盤も再発盤も同じモノでしょっ!だったら安い方がイイじゃんっ!」ってカンジで再発盤が購入されているのを見てジクジたる思いでいたんですよ。
最近のレコード人気をうけてまた、再発盤が結構売れれるようになってきましたね・・・どうなるんでしょうか、すこ〜し危惧しています(笑)


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おかげさまで、緊急事態宣言明けの6月以降、渋谷の実店舗へのご来店も少しずつではありますが、増えてきました。
本当にありがとうございます。
そして、新型コロナウィルスの影響下の巣ごもり需要でアナログレコードで好きな音楽を聴き始めた人も結構、多いようで当店のネット販売でも新規のお客さんがとても増えました。
お店としては、2ヶ月もの間、営業自粛という店頭販売が出来ない状態だったのですが、ネット販売の売上は前年同月比よりUPしたという不幸中の幸いという結果でした。
この2ヶ月の間は、レコード店主としてホント、イロイロ考えさせられるコトが多々ありました。
3月のNew Yorkの状況とかをニュースで見て、「これからどうなるんだろう・・・」って相当、ビビってたのは事実です・・・(笑)
あの時は最悪、スタッフが罹患したらどうしよう・・・ってコトまで考えてましたからね。
2ヶ月もの間、ご無沙汰だった常連のお客様とも再開出来たし、ホント生きてレコードを再び、聴いて楽しめるというのは、幸せだというコトを改めて実感した次第であります。

で、ココ最近、はじめて渋谷の店舗にお越しいただいたお客さんとハナシをする機会があって、如何に当店の知名度がまだまだ全然ショボショボなのかっていうコトを感じる機会が何度かありました。
店主としては一応、渋谷 宇田川町で20年間レコード店を営んで来たのでそれなりにお客さんに知ってもらっているのではないかなぁ・・・って思っていたのですが、全然そんなコトなかった・・・というコトでした。
店舗自体にも小さいですし、メインに取り扱っているレコードもかなりセレクトしているし、マーケット自体もウルトラニッチですしね。
だけど、そうは言っても20年の間、同じ場所でレコードを販売し続けていたので、ソコソコはイケてるんじゃないかというちょっとした自負もあったのですが、全然イケてませんでした・・・トホホ・・・。

お店の中の人的には、開業当時の20年前から現在に至るまで継続してきたレコード店ですが、例えば今年からレコードを聴き始めた人からすれば、その過去20年っていうお店の歴史とかってまったくカンケーないですしね。
極端なハナシ、20年前から営業しているお店であろうが、今年から営業しているお店であろうが、はじめてレコードを購入していただくコトになったお客さんからすれば、そんなの全然知ったコトではナイっていうコトですからね。
コレは、店主としては、少々ザンネンな気持ちもあるのですが、オイラがナニかコレクタブルなアイテムの蒐集を新たに始めたりしたら・・・例えば、アンティークな雑貨とかのコレクションをはじめたとして、ネットで欲しいアイテムを探していたりなんかすると、見つけたお店がナン十年も前から営業している老舗のショップであろうと、今年できたばっかりのショップであろうと、そんなコトは全然カンケーナイって思うしね。
要は、自分が手に入れたいアイテムがそのショップにあるのか?って部分だけで、選ばれるんじゃないかなってコトだと思うです。
そういうコトを考えると、ホント毎日が「今日新規オープンしたお店である・・・」という気持ちで、商品を仕入れて紹介しなきゃいけないなぁ・・・って思う次第であります。

だけど、当店はレコード店としてはちょっと解りにくい、というか伝わりにくいコンセプトのレコード店であるのは事実です。
12インチシングルが好きっていう当店のコンセプトにドンピシャな人からすると、「ナンじゃ〜?このレコード屋は?ヤバスギルっ!」って思っていただけるかもしれませんが、「ほしいレコードがアレばイイな〜」ってカンジで漠然と「レコード」というアイテムを探している人からするとちょっとワケのわからナイ、レコード屋のように感じるみたいです。

とうわけで、改めてnext recordsってどんなレコード屋なのか・・・ということについてQ&A方式で説明したいと思います。
はじめて当店へご来店いただいたお客さんから時々訊かれる質問等もあわせて解説したいと思います。

「next recordsってどんなレコード店?」
東京 渋谷の中古のレコードを販売しているレコード店です。2000年より営業しています。
当店の沿革についてのコラム - Vice レコード屋の言葉

「どんなレコードを売っているレコード店なの?」
レコードには、1枚のレコード盤に多くの曲が収録されたアルバム(LP)と、1〜2曲しか収録されていないシングルとがあるのですが、当店では、シングルのレコードだけを販売しているレコード店です。
さらに、シングルのレコードには、大きく区別するとレコードのサイズが7インチ(約17cm)と12インチ(約30cm)のシングルが存在しますが、当店では12インチサイズのシングルだけを販売しています。

「HPには、オリジナル盤って書いてあるけどソレってナニ?」
レコードは、その曲が発表された年に作られたレコードと、後年になって作られたレコードが存在します。その曲が発表された年に生産されたレコードを「オリジナル盤」といいます。
曲が発表された後年になって生産されたレコードを「再発盤・復刻盤」といいます。当店では、その曲が、発表された年に生産された「オリジナル盤」のみの販売をしています。
レコードのオリジナル盤についてのコラム

「12インチシングルのメリットってナニ?」
アナログレコードは1枚の盤面に多くの曲を収録すると音質が低下してしまうという構造上の問題があります。
アルバム(LP)は、多くの場合片面に4〜6曲を収録していますが、12インチシングルは、片面に1〜2曲の収録で音溝にゆとりを持って刻むことでアルバムに比べると、よりダイナミックなサウンドで記録できるというメリットがあります。
同じ曲でアルバムに収録されているものと12インチシングルに収録されているものとを聴き比べれ、その音質の違いは歴然です。

「オリジナル盤の良さってってナニ?」
先に紹介した「レコードのオリジナル盤についてのコラム」にも書いていますが、一般的に再発盤に比べて音質が良いとうメリットがあります。
また、再発盤に比べてオリジナル盤の希少性やコレクタブル性が高いレコードとなります。

「どんなジャンルのレコードを売ってるの?」
当店では、12インチサイズのシングルというメディアに特化したレコード店なので音楽のジャンルでの専門性には特化してはいませんが、12インチシングルのニーズが高い、ダンス・ブラックミュージック、POPS系のレコードが比較的多いです。

結構、長くなってきました・・・また思いついたら追加していこうと思います。

ANANDA PROJECT / KISS KISS KISS (PT. II)
ANANDA PROJECT / KISS KISS KISS (PT. II) の試聴
next recordsのサイトでANANDA PROJECTのレコードを探してみる

実は、こういったショップのアピールってもっと全面的に押し出した方がイイんじゃないかな・・・ってこのコロナ問題で営業自粛している間に考えてたんですよね。
欲しいモノをドコで買うかっていう購買動機って以前であれば、「一番安いお店で買うっ!」ってケースが多かったのですが、マニアックなアイテムやこだわりのアイテムなんかは、「多少値段は高くても信頼のおけるお店や人から買いたい」っていう購買動機にシフトしつつあるっていうコトをよく聞く様になりました。
ソレに、先で書いたように当店の知名度は、ショボショボなので今一度、お店のアピールの仕方を見直した方がイイかもって思ったりなんかしたんですよね。
ドコまで出来るか判りませんが、多くの人に必要とされるレコード屋になれるように日々精進したいと思う次第であります。


渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
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昨年(2018年)の12月にnext. recordsのホームページのリニューアルを行った際にスマホでも見易くなるように最適化を施しました。
その影響もあってか、はじめて当店のホームページを見たお客さんからの問い合わせが増えたんですよね。
今まで、他のレコード店で購入していた人や最近レコードを聴きはじめた人などリニューアルを行う前よりホームページが結構多くの人の目につくようになったのかなぁ・・・なんて思っています。
前回のこのブログの記事にもしたなぜレコードで聴きたいのか若いお客さんからの問い合わせもやっぱりGoogle検索した時にウチのホームページが目に付きやすくなったのかもしれません。
で、早速こんな問い合わせをいただきました。
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「そちらのお店のホームページにオリジナル盤のレコード店って書いてあるのですが、オリジナル盤って何ですか?」
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もうずいぶん前に「オリジナル盤とは何か」ってコトはこのにブログで書いたコトありますが、もうちょっと解りやすく書き改めてみます。

■オリジナル盤についての解説
オリジナル盤とは、スゴくシンプルに説明すると、そのレコードが発表された時に生産されたレコード盤のコトを指します。
アナログレコードには、オリジナル盤以外のレコードっていうのも存在していてオリジナル盤以外のレコードのコトを再発盤といいます。
オリジナル盤というのは、上で書いたとおり「その曲が発表された時期にプレスされたレコード盤」っていう確固とした定義があります。
同じ曲でもアメリカやヨーロッパでレコード盤の発売時期が多少違ったりしている場合があるのですが、そういった場合は「US盤のオリジナル」とか「UK盤のオリジナル」なんて言ったりします。
その曲が発表された時期以外に作られたレコードを再発盤と呼ぶワケです。

レコード好き界隈では、オリジナル盤は再発盤より価値があるとされています。
では、ナゼ、オリジナル盤が再発盤より価値があるのかというと一般的には音が良いと言われているからです。
ナンでオリジナル盤は音が良いのかっていうのは、コレはレコードを生産する工程や技術的なちょっと難しいハナシになるのですが、古いレコード盤というのはアーティストがその曲を作った当時は、磁気テープに録音されていたワケです。
その磁気テープからレコードの元となるラッカーディスクというのに音溝が刻まれるワケですが、このレコード盤が作られる一番始めのマスター音源である磁気テープが、時間の経過とともに劣化するんです。
レコードの製造工程のハナシにまで及ぶとメチャ難しくなるのでココでは省略します。
レコードが出来るまでをもっと詳しく知りたい人はコチラ見てください。
THE MAKING レコードができるまで


日本唯一のレコードプレスメーカー東洋化成のエンジニアにレコードの疑問について聞いてみた
基本的にアナログっていうのはデジタルと違って全く同じモノをコピーするコトが出来ないので、全然劣化していないマスター音源である磁気テープから作られたレコード盤とはじめに作られた時期から年数が経過して劣化が進んだ磁気テープから作られたレコード盤だと当然、音も変わってくるワケです。
しかし、レコードに収録されているサウンドの善し悪しで価値が有るとか価値が無いっていうコト以外にも、オリジナル盤の希少性やコレクタブルだって言う部分でオリジナル盤が求められている場合が結構あると思います。

■次に再発盤についての説明です。
コレもシンプルに説明すると再発盤っていうのは、その曲が発表された時期ではなく後年になって再び生産されたレコード盤という説明になります。
しかしながら、この「再発盤」というのは、広義な呼び方で厳密に分けると「本当の再発盤(リイシュー盤)」と「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのに別けるコトが出来ます。
本当の再発盤というのも、アーティストが曲を発表した時のレコード会社から発売したレコードと、そうでないレコード会社から発売されたレコードが存在します。
「再発盤(リイシュー盤)」っていうのは、発表された時期に一度レコードを発売(コレがオリジナル盤)して、その後、数年経ってそのレコードが名盤になったり再評価されたりして再度レコードを生産した場合などに「再発売したレコード盤」という意味で使われます。
こういった再発盤は、劣化したマスター音源からの再生産ではありますが、ちゃんと正規のレコード会社や正規のレコード会社からライセンスを受けたレコード会社から発売されているという場合が多いので、音質も比較的良好だったりします。
「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのは、アーティストやレコード会社の許諾を得ずに勝手に作ったレコード盤のコトを指します。
解りやすくカンタンにいうと「模造品」とか「コピー商品」「パチもん」という類のレコードになります。
レコードは複雑な工程を得て生産されるモノなので当然、コストが掛かるワケですが、海賊盤(ブートレッグ盤)と云われる再発盤はそのアタリは適当にコストカットされていて音質面で問題がある場合が多いです。

■オリジナル盤と再発盤の見分け方について
今このご時世にあえてレコードで音楽を楽しみたいっていう気持ちがあれば、オリジナル盤のレコードを聴いてみたいという気持ちになると思います。
で、リアルのレコード店やレコード店HP、ヤフオクやメルカリなどのショッピングサイトを見てもオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)が混在して販売しています。
同じ曲のレコードなのに価格もピンからキリまであります。
購入する側としては、オリジナル盤を出来れば安価で手に入れたいという気持ちになりますよね。
だけど、このオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方っていうのが、かなり一般の人にはわかりにくいんですよ。
もともとオリジナル盤を持っていないからオリジナル盤のジャケットやレーベルなんかの微妙な違いが解らないのは当然です。
レコードを何千枚も所有している様な人でもその見分け方は判断出来ないくらいですから。
当店にも常連のお客さんがオリジナル盤としてヤフオクや他店で購入したレコードを、「本当にオリジナル盤か真贋を見極めてほしい」ってレコードを持ち込まれるコトがあります。
今から15年以上前に書いたオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方についての記事です。
オリジナル盤とブート盤の見分け方
再発 / ブート盤の見分け方 2




個人的には、やっぱりオリジナル盤でレコードは所有したいって言う気持ちがあります。
なので、オリジナル盤専門のレコード店をはじめたっていうのがあるんでケドね。
しかし、モノを所有して楽しむコトの満足度は人それぞれですからね。
古い楽曲をその当時の空気感を感じるコトが出来るオリジナル盤のレコードで聴きたいっていう人もいれば、別にそんなにコダワリなく多少音質は気にせず手軽に聴ければイイっていう人もいますし・・・。
しかし今、あえてレコードで音楽を楽しむ意義を考えたらゼヒ、オリジナル盤で聴いてもらいたいというかコダワリを持ってほしいって想う部分もあります。



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