先日、店頭にご来店いただいたお客さんから「すいません・・・ちょっと訊きたいコトがあるのですが・・・」というご相談がありました。
オイラに訊きたいコトがあるという内容はこんなカンジです。
「つい先ホド、他店でこのレコードを購入したのですが・・・」と言ってロゴマークがプリントされたショッパーから1枚のレコードを取り出されました。
そのレコードを見ると、とあるHipHopのレコード(12インチシングル)でした。
「大変失礼なのですがコレを他のレコード店で1000円くらいで買ったんです。」
「あ〜そうなんですか」とオイラ。
「実は、前からこのレコードを探していてNextさんで売っているのをホームページで見つけたんですよ。」
見せていただいたレコードは、確かに当店で販売しているタイトルと同じレコードです・・・でもその価格は、3000円ホドです。
「で、他店で同じレコードが1000円で売っていたので安いなと思い購入したのですが、大変失礼なのですがどうしてこんなに値段が違うのですか?」
「ちょっと見せてもらってもイイですか?」とそのレコードを手にとって近くで見ると見た目がソックリなブートレッグ盤でした。
「あ〜コレ、オリジナル盤じゃないんですよ」とお伝えすると
「ソレって再発盤ってコトですか?」って訊かれたので「再発盤とブートレッグ盤は、ちょっと意味が違うのですが、このレコードは、誰かが勝手に作ったレコードなんですよ」
「ソレってどういう意味ナンでしょうか?」って訊かれたので「レコードには、そのレコードが当時発売されたレコードと後年になって発売されたレコードがあって〜」的なコレまで何百回も店頭で説明してきた同様のハナシをさせていただきました。
版権を持っている正規のレコード会社がチャンとプレスしたホントの再発盤っていうのならまだマシですが、そのお客さんが購入されたのは、オリジナル盤は90年代のはじめ頃にリリースされたタイトルでその後のレコードの人気が高まってオリジナル盤が入手困難な2000年以降に作られたブート盤でした。
その時に店頭でお客さんが他店で購入したタイトルと同じモノのオリジナル盤の在庫があったので具体的に見比べてその違いを説明しました。
パッと見てスグ判るようなブート盤もありますが、ホント見た目がソックリでなかなか良くできているブート盤もあったりするのでフツーの人は、訪れたレコード屋の棚にそんなモノが売っていると買ってしまうでしょうね。
今回、質問されたお客さんは、当店のHPでそのレコードの存在と価格を知っていてたまたま偶然、他店で同じレコードが当店よりも安価で販売されていたのを見かけて「あっ!安いっ!」って思って購入されたんでしょうね。
でもナンか引っかかるトコロがあったのかオイラに質問してきたようなカンジですね・・・まぁ〜当店で他のレコードを購入していただいたついでに訊いてみようって思ったのかもしれませんが。
このオリジナル盤・再発盤・ブート盤のハナシは、このブログでも何度も書いたのでオイラの中では「もう充分書き尽くした」感があるのでもうイイんじゃないの・・・って思っているのですが、今回はより具体的にオリジナル盤とブート盤の見分け方をより実践的に解説してみようと思います。
ちなみに今回、例としているCrooklyn Dodgerのレコードは、お問い合わせいただいたお客さんが持参したタイトルではありません。
以前にもオリジナル盤とブート盤の見分け方の記事を書いた時に「ジャケットのバーコードを観てください」ってコトを書きました。
上記の画像はジャケットの裏面に印刷しているバーコード部分をアップにした画像です。
よく見るとバーコードの縦の線がオリジナル盤の方は鮮明に印刷されているコトがわかります。
一方、ブート盤の方は、バーコードの縦の線が真っ直ぐではなくギザギザになっていますよね。
その下に書いている文字もオリジナル盤の方は、クッキリと印刷されていますがブート盤の方は、ぼやけているし鮮明ではないですよね。
この「鮮明ではナイ」って部分がブート盤を見分ける大きなヒントになっています。
どうしてこんなコトが起きるのかというとコレは、ジャケットを印刷する時にオリジナル盤の方は、アーティストをカメラで撮影してその上に写植という文字をノセて印刷の大元となる版をデザイナーが作っているんですよね。
でもブート盤は、トーゼンアーティストの写真とか印刷の元となる版なんて持っていません。
で、オリジナル盤のジャケットをスキャナーでスキャンしたりカメラでジャケット自体を撮影してそれを元にして印刷の版を作っているんですよ。
印刷って元々の現物とカンゼンに同じモノを複製するコトって出来ないんですよね。
なのでこういった小さな文字とかクッキリした線とかってどうしてもぼやけてしまうんですよね。
次にレーベル面を見てみましょう。
よく出来ていますね〜ホント、パッと見たカンジでは、まったく同じです。
でもバーコードの部分を拡大してみてみると・・・
同様にバーコードの下に印刷されている数字もオリジナル盤とブート盤とでは明らかに鮮明度が違いますね。
こうやって具体的に見比べてみるとオリジナル盤とブート盤の見分け方は、バーコードが比較的わかり易いですね。
よく見比べるとオリジナル盤の方は、文字が鮮明なのに対してブート盤の方はやはり文字がギザギザしていますよね。
バーコードが付いていないレコードでも小さな文字をよく観察してギザギザしていないコトをチェックするコトが出来ます。
あとね・・・レーベルの周辺の無音部分に刻まれている刻印とかでも判断するコトができます。
今回、例としてあげたCrooklyn Dodgerのレコードには、こんな風になっていました。
上の段には「HERbIE Jr.😀」って書いてあるでしょ・・・コレは、Disco/Soul/Hiphop系の12インチシングルメインで活動していたHerb Powers Jr.という伝説のマスタリング・カッティング・エンジニアのサインなんですよ。このHerb Powers Jr.が「オレがバッチリ、カッティングしたぜっ!」っていうサインをこの部分に刻んでいるワケです。
ちなみにこのレーベル周辺の無音部分のコトを「ランアウトグルーヴ」と呼びます。
まぁ〜すべてのオリジナル盤のレコードにこの刻印がされてるワケではナイのですが盤面をチェックする時にこの刻印が刻まれていたら安心ですね。
コレは、アメリカのペンシルベニアにあるSpecialty Records Corporationってプレス工場でプレスされたレコードであるという証になっています。この刻印の有無もオリジナル盤・ブート盤の見極めの参考になります。
だけど「HERbIE Jr.😀」も「SRC」の刻印も「HERbIE Jr.😀」がカッティングしたタイトルと「SRC工場」でプレスされた盤だけに刻まれいるのでソレ以外のオリジナル盤には刻まれていません。
だから、「HERbIE Jr.😀」・「SRC」の刻印がないからブート盤だっていうワケではナイので注意してくださいね。
要するにオリジナル盤にHERbIE Jr.😀」・「SRC」の刻印があるタイトルのブート盤にはその刻印が刻まれていないというコトですね。
で、ジャケットでの真贋のコトも大切なのですが、オリジナル盤とブート盤の肝心要である音質の方も聴き比べてみました。
ブート盤の方だけを聴いてみるとまぁ〜そんなに気になるというホド音質が悪くはありません。
だけど2台のターンテーブルで同じ入力レベルにして更に曲の拍数を併せてオリジナル盤とブート盤を解りやすくシンクロさせて聴き比べてみると明らかに全然音質が違っていたんですよね。
ブート盤の方は、全体に的にHipHop特有のアタック感が控えめな印象で音質がベタ〜っとしたカンジでメリハリがないようなサウンドでした。
また、入力レベルや出力レベルを同じにして再生しているのですがブート盤の方は、幾分音圧が低いですね。
トーゼンブート盤とかを作る業者は、音質面に予算なんてかけるコトはないので、もうカンタンにレコードからダビングした音源をそのまま使ってカッティングしているんでしょうね。
そりゃ〜音質は、それなりになりますよね。
ブート盤の方だけを聴いてみるとまぁ〜そんなに気になるというホド音質が悪くはありません。
だけど2台のターンテーブルで同じ入力レベルにして更に曲の拍数を併せてオリジナル盤とブート盤を解りやすくシンクロさせて聴き比べてみると明らかに全然音質が違っていたんですよね。
ブート盤の方は、全体に的にHipHop特有のアタック感が控えめな印象で音質がベタ〜っとしたカンジでメリハリがないようなサウンドでした。
また、入力レベルや出力レベルを同じにして再生しているのですがブート盤の方は、幾分音圧が低いですね。
トーゼンブート盤とかを作る業者は、音質面に予算なんてかけるコトはないので、もうカンタンにレコードからダビングした音源をそのまま使ってカッティングしているんでしょうね。
そりゃ〜音質は、それなりになりますよね。
WAYNE WONDER / NO LETTING GO (REMIX)
WAYNE WONDER / NO LETTING GO (REMIX)の試聴
next recordsのサイトでWAYNE WONDERのレコードを探してみる
比較画像を交えて解説してみましたがどうでしたか?
解りやすかったかな・・・実は、今回のような画像でのオリジナル盤・ブート盤の比較解説って前々からアイデアとしてあったのですが、なかなか出来ないでしました。
まぁ〜そもそもブート盤を仕入れるコトがナイからね・・・。
じゃあ、ナンで今回このオリジナル盤・ブート盤の比較解説が出来たのかというと、オイラが間違ってブート盤を仕入れちゃったから・・・というしくじりからでした(泣)
千枚以上ホトンド、オリジナル盤ばかりの買い取りの査定でチェックが甘くなってしまいブート盤に関わらず誤ってオリジナル盤として査定しちゃったんですよね。
で、品出しのチェックの段階で他のスタッフに「ブート盤が混ざってるぞっ!どうなってるんだ!?」って指摘を受けて発覚した次第であります。
あぁ〜やっちゃいました・・・幸いにも店頭に出す前に発覚したので良かったのですが、ホント気をつけます・・・。
WAYNE WONDER / NO LETTING GO (REMIX)の試聴
next recordsのサイトでWAYNE WONDERのレコードを探してみる
比較画像を交えて解説してみましたがどうでしたか?
解りやすかったかな・・・実は、今回のような画像でのオリジナル盤・ブート盤の比較解説って前々からアイデアとしてあったのですが、なかなか出来ないでしました。
まぁ〜そもそもブート盤を仕入れるコトがナイからね・・・。
じゃあ、ナンで今回このオリジナル盤・ブート盤の比較解説が出来たのかというと、オイラが間違ってブート盤を仕入れちゃったから・・・というしくじりからでした(泣)
千枚以上ホトンド、オリジナル盤ばかりの買い取りの査定でチェックが甘くなってしまいブート盤に関わらず誤ってオリジナル盤として査定しちゃったんですよね。
で、品出しのチェックの段階で他のスタッフに「ブート盤が混ざってるぞっ!どうなってるんだ!?」って指摘を受けて発覚した次第であります。
あぁ〜やっちゃいました・・・幸いにも店頭に出す前に発覚したので良かったのですが、ホント気をつけます・・・。
ちなみに今回紹介しているWAYNE WONDER / NO LETTING GO (REMIX)も見た目がソックリなブート盤があります・・・ご丁寧に穴あきのカンパニースリーヴ付きです・・・よくチェックしてくださいね!
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