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こんな記事を読みました。
プロは音楽をこう聴いている。音楽評論家 柳樂光隆が教える2019年的音楽DIGの4ステップ
「ジャンルの聴き分けは必要はない」違和感こそが音楽の手触りを知るきっかけに。
音楽を聴くという行為自体は凄くプリミティブな行為だと思うのですが、その今聴いている音楽を自分は、はたしてちゃんと聴けているのか・・・というちょっと小難しいハナシです。

フダンから好きで聴いている曲があるとは思うのですが、「どうしてその曲が好きなのか」とか「ナゼ、その曲をイイと感じるのか」っていうコトは、なかなか言語化し難いってなっていうは、個人的に結構以前からカンジていたんですよね。
レコードで聴く音楽が好きが興じてレコード店をはじめちゃったのですが、やっぱり根底には「音楽を聴くのが好き」っていうのがあるとは思うのですが、ナンで、イイなと思える曲とそうでない曲があるのかっていうのは、感覚的にナンとなく解っているつもりではいるのですけどね・・・。

例えば、お客さんから「良さそうな曲をオススメしてください」ってリクエストがあった時、そのお客さんの趣向をあらかじめ理解しておいた上で、自分の経験や知見などから「良さそうな曲」をセレクトして聴いてもらうのですが、お客さんからは全然、感触が伝わらない時があります。
一応、個人的にもその曲は「イイ曲」だと思ってオススメしているのですが、なかなか反応してもらえないっていうカンジですね。
店頭ではこういったケースってありがちなんですケド、レコード店をはじめたばかりの時って、お店の人的には「どうしてこの曲の良さが伝わらないのか・・・」ってジレンマをカンジた時なんかもありました。
音楽を聴いている人の大多数の人がナニか特別に音楽のコトについて学んだってコトはないと思うのですが、イイ曲だなって好きな曲がある一方、そうでもない曲もある・・・ワケです。
その境界ってドコにあるのかって言うのも結構気になるのですけどね。
そもそも境界が線のようにピッタリと◯と✕に別けるコトも出来ないような気もします。

今回、上記の記事を読んで心アタリがあるコトがありました。
10代の頃にあるアーティストのアルバムを購入してよく聴いていたのですが、トーゼンアルバムなので複数の曲が収録されています。
で、その中には自分が感じる「イイ曲」と「そうでない曲」があるワケです。
そのアーティストが作る曲は、自分的には結構好きだったのでアルバムが発売されるたびに購入したり、過去に発売されたレコードも遡って購入したりしたのですが、やっぱりどうしても「イイ曲」と「そうでない曲」がアルわけです。
「イイ曲」って書いてますケド、具体的には「自分が好きな曲」ってコトですね。
10代の当時は、好きなアーティストの曲なのに好きになれない曲は、ナゼなのか・・・なんてコトは全く考えてもいなかったのですが、自分なりに「好きな曲」と「そうでない曲」の傾向がナンとなく解ってきました。
なかなか展開しない曲や音のトーンが重い曲、物静かな曲調・・・こういった曲っていうのが、自分は受け入れなれないってその時は、カンジていたんですよね。
で、自宅でアルバムを聴く時もその手の曲はワザワザ飛ばして聴いてたりしました。
その後、イロイロな音楽を聴きまくり、レコードも買い漁ってDJもちょっとやってみたりなど様々な経験を経たワケですが、20代になって10代の頃に聴いていたアルバムを久しぶりに聴いてみたトコロ、当時とは全く違った聴こえ方がしたんですよね。
「好きな曲」だった曲は相変わらず、好きなのですが「そうでなかった曲」や「苦手な曲」が全然そうではなくなっていたんですよね。
コレは、タブンイロイロな音楽を聴くコトによって耳が鍛えられたんじゃないかなって個人的には思っているんですよね。

美しい音やきれいな音とノイジーな音やぼやけた音っていう様にコトバにすると◯か✕って、解りやすく出来るとは思いますが音ではなくそういった成分が含まれた曲となると明確な判別が出来ないようになります。


(以下引用)
普通に考えたら、それぞれの楽器が鮮明に聴き取れて、きれいな音で録音された音楽の方が良いのが当たり前じゃないですか。そうではなく、あえて汚したり、ぼかしたりした質感がかっこいい


こういう感覚を「カッコいい」って感じるっていうのも音楽の多様性だと思います。
グルーヴっていう概念もどうしてソレがイイのかって論理的に述べるコトは難しいのですが、実際に聴いてみると良いって感じるワケです。
文章でグルーヴを述べると下記のようになるのですが、文字だけではナンノコッチャってカンジですし・・・。
グルーヴ(Wikipedia)
グルーヴがある曲の方がカッコいいっていう感覚はあるのですが、グルーヴが全くない反復的な音楽もカッコいい・・・。
まぁ〜曲にもよりますけど、そういった要素が入っていたり入っていなかったりっていう部分だけで曲の善し悪しになるワケではナイですしね。

店頭で、多くのお客さんとイロイロ音楽についての趣味嗜好を聞いてカンジたのは・・・
「多くの曲を聴いている人は、音楽に対する許容度がかなり広い」って感じるコトが少なくありません。
逆に、あんまり音楽の種類や曲を聴いた経験のない人は、ひとつのジャンルにこだわる傾向が多いような気がします。
やっぱり様々な音楽を聴くという経験をたくさん積むことで得るモノがあるような気がします。
長い間活動しているベテランのDJさんナンかとハナシをしてみるとホント、ジャンルとか全然関係なく音楽を聴いてますしね。
音楽にコレっていう聴き方の定番はありませんから人それぞれだと思いますが、どうしてその曲がイイと感じるのかってコトを考えてみるのもアリかもしれません。


上記の紹介した記事のプロの音楽評論家さんでさえ解りやすく音楽の良さを言語化・文章化するためにフィギュアスケートを例えにしていますが、音楽を良さを具現化するのは相当難しいような気がします。
しかし、評論家でもなければ、曲の善し悪しを言語化する必要な全くナイので「イイ曲はイイっ!」ってコトだけでも構わないのかもしれませんが、音楽の良さの深いトコロに近づくコトが出来るともっと多くのイイ曲に巡り会えるんじゃなかなか〜って思います。