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昨年(2018年)の12月にnext. recordsのホームページのリニューアルを行った際にスマホでも見易くなるように最適化を施しました。
その影響もあってか、はじめて当店のホームページを見たお客さんからの問い合わせが増えたんですよね。
今まで、他のレコード店で購入していた人や最近レコードを聴きはじめた人などリニューアルを行う前よりホームページが結構多くの人の目につくようになったのかなぁ・・・なんて思っています。
前回のこのブログの記事にもしたなぜレコードで聴きたいのか若いお客さんからの問い合わせもやっぱりGoogle検索した時にウチのホームページが目に付きやすくなったのかもしれません。
で、早速こんな問い合わせをいただきました。
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「そちらのお店のホームページにオリジナル盤のレコード店って書いてあるのですが、オリジナル盤って何ですか?」
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もうずいぶん前に「オリジナル盤とは何か」ってコトはこのにブログで書いたコトありますが、もうちょっと解りやすく書き改めてみます。

■オリジナル盤についての解説
オリジナル盤とは、スゴくシンプルに説明すると、そのレコードが発表された時に生産されたレコード盤のコトを指します。
アナログレコードには、オリジナル盤以外のレコードっていうのも存在していてオリジナル盤以外のレコードのコトを再発盤といいます。
オリジナル盤というのは、上で書いたとおり「その曲が発表された時期にプレスされたレコード盤」っていう確固とした定義があります。
同じ曲でもアメリカやヨーロッパでレコード盤の発売時期が多少違ったりしている場合があるのですが、そういった場合は「US盤のオリジナル」とか「UK盤のオリジナル」なんて言ったりします。
その曲が発表された時期以外に作られたレコードを再発盤と呼ぶワケです。

レコード好き界隈では、オリジナル盤は再発盤より価値があるとされています。
では、ナゼ、オリジナル盤が再発盤より価値があるのかというと一般的には音が良いと言われているからです。
ナンでオリジナル盤は音が良いのかっていうのは、コレはレコードを生産する工程や技術的なちょっと難しいハナシになるのですが、古いレコード盤というのはアーティストがその曲を作った当時は、磁気テープに録音されていたワケです。
その磁気テープからレコードの元となるラッカーディスクというのに音溝が刻まれるワケですが、このレコード盤が作られる一番始めのマスター音源である磁気テープが、時間の経過とともに劣化するんです。
レコードの製造工程のハナシにまで及ぶとメチャ難しくなるのでココでは省略します。
レコードが出来るまでをもっと詳しく知りたい人はコチラ見てください。
THE MAKING レコードができるまで


日本唯一のレコードプレスメーカー東洋化成のエンジニアにレコードの疑問について聞いてみた
基本的にアナログっていうのはデジタルと違って全く同じモノをコピーするコトが出来ないので、全然劣化していないマスター音源である磁気テープから作られたレコード盤とはじめに作られた時期から年数が経過して劣化が進んだ磁気テープから作られたレコード盤だと当然、音も変わってくるワケです。
しかし、レコードに収録されているサウンドの善し悪しで価値が有るとか価値が無いっていうコト以外にも、オリジナル盤の希少性やコレクタブルだって言う部分でオリジナル盤が求められている場合が結構あると思います。

■次に再発盤についての説明です。
コレもシンプルに説明すると再発盤っていうのは、その曲が発表された時期ではなく後年になって再び生産されたレコード盤という説明になります。
しかしながら、この「再発盤」というのは、広義な呼び方で厳密に分けると「本当の再発盤(リイシュー盤)」と「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのに別けるコトが出来ます。
本当の再発盤というのも、アーティストが曲を発表した時のレコード会社から発売したレコードと、そうでないレコード会社から発売されたレコードが存在します。
「再発盤(リイシュー盤)」っていうのは、発表された時期に一度レコードを発売(コレがオリジナル盤)して、その後、数年経ってそのレコードが名盤になったり再評価されたりして再度レコードを生産した場合などに「再発売したレコード盤」という意味で使われます。
こういった再発盤は、劣化したマスター音源からの再生産ではありますが、ちゃんと正規のレコード会社や正規のレコード会社からライセンスを受けたレコード会社から発売されているという場合が多いので、音質も比較的良好だったりします。
「海賊盤(ブートレッグ盤)」というのは、アーティストやレコード会社の許諾を得ずに勝手に作ったレコード盤のコトを指します。
解りやすくカンタンにいうと「模造品」とか「コピー商品」「パチもん」という類のレコードになります。
レコードは複雑な工程を得て生産されるモノなので当然、コストが掛かるワケですが、海賊盤(ブートレッグ盤)と云われる再発盤はそのアタリは適当にコストカットされていて音質面で問題がある場合が多いです。

■オリジナル盤と再発盤の見分け方について
今このご時世にあえてレコードで音楽を楽しみたいっていう気持ちがあれば、オリジナル盤のレコードを聴いてみたいという気持ちになると思います。
で、リアルのレコード店やレコード店HP、ヤフオクやメルカリなどのショッピングサイトを見てもオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)が混在して販売しています。
同じ曲のレコードなのに価格もピンからキリまであります。
購入する側としては、オリジナル盤を出来れば安価で手に入れたいという気持ちになりますよね。
だけど、このオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方っていうのが、かなり一般の人にはわかりにくいんですよ。
もともとオリジナル盤を持っていないからオリジナル盤のジャケットやレーベルなんかの微妙な違いが解らないのは当然です。
レコードを何千枚も所有している様な人でもその見分け方は判断出来ないくらいですから。
当店にも常連のお客さんがオリジナル盤としてヤフオクや他店で購入したレコードを、「本当にオリジナル盤か真贋を見極めてほしい」ってレコードを持ち込まれるコトがあります。
今から15年以上前に書いたオリジナル盤と再発盤、海賊盤(ブートレッグ盤)の見分け方についての記事です。
オリジナル盤とブート盤の見分け方
再発 / ブート盤の見分け方 2




個人的には、やっぱりオリジナル盤でレコードは所有したいって言う気持ちがあります。
なので、オリジナル盤専門のレコード店をはじめたっていうのがあるんでケドね。
しかし、モノを所有して楽しむコトの満足度は人それぞれですからね。
古い楽曲をその当時の空気感を感じるコトが出来るオリジナル盤のレコードで聴きたいっていう人もいれば、別にそんなにコダワリなく多少音質は気にせず手軽に聴ければイイっていう人もいますし・・・。
しかし今、あえてレコードで音楽を楽しむ意義を考えたらゼヒ、オリジナル盤で聴いてもらいたいというかコダワリを持ってほしいって想う部分もあります。