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常連のお客さんから「もう全然聴かないレコードが200〜300枚あるんだけどどうしようかなぁって思っているですよ。」というおハナシがありました。
ちなみにレコードの内容はというと、90年代から2000年前半にリリースされたHIP HOP / R&Bのいわゆる「メインストリーム系」の12インチです。
中古レコード屋を営むオイラからすると一番、扱いにくいジャンルのレコードです。
そのお客さんも「このレコードは、全然価値がナイだろうな・・・」って言うのは重々承知しているんだケド、やっぱり「レコードを捨てる」っていう行為に関してはちょっと罪悪感を感じるというか気が引ける部分もあるんですよね。
タブン、遠まわしに「よかったらnextさんに差し上げますケド・・・どうです?」的なカンジも含んでいるような・・・笑
ん〜お申し入れは、ありがたいですがサスガに内容的にキビシイので・・・という理由で辞退しました。
今でも、「不要とされるレコードでも回りまわってウチの店に入ったレコードはナンとかして活路を見出したいっ!」って言う気持ちは個人的には相変わらずあるんですケド、そういったレコードだけのコレクションを引き取るっていうのは、難しいワケです。

まぁ〜例えば、300枚のレコードの内、半分とか3分の1のレコードがレア盤ではナイけど多少なりとも中古レコード市場で価値が見いだせそうなレコードが含まれていて、残りが不人気なメインストリーム系のレコードだったりすると「査定が付かないレコードも引き取りますよ」って言えるのですが、全部がまったくどうにも難しいメインストリーム系のレコードだけっていうのはね〜。
レコードは、自宅にあるのですが、宅急便で送るにしてもクルマで引き取りに行くにしても費用がかかる・・・つまるトコロその部分をどうするのかっていうのが、難しいんですよね。
「お店に持っていただけるのでしたら、引き取れないコトもないですが・・・」ってハナシをしたのですが、レコード200〜300枚の重量は50〜60Kgにもなります。
宅配便で送ると費用は5000円くらい、お客さんはクルマを持ってないというコトなので、レンタカーを借りても同じくらいの費用がかかる・・・でレコードを引き渡しても自分の手元にはお金は一切入ってこない・・・。
捨てる以外の方法で自宅のレコードをなくす為にはどうしてもコストがかかるっていう状況になっちゃうんですよね。
自力で、nextに買い物のついでに少しずつ運ぶのもやっぱりレコードは重いですし、結構しんどいですしね。
でも、オイラ的にはそういうハナシを聞くと「レコードを不用品として捨てるっていうのはちょっと心が痛む・・・」っていういつもの感情が・・・。
他のレコード店にレコードの買い取りを依頼しても、そのジャンルのレコードはどこのお店も「お断り」状態なのでやっぱり行き場がナイんですよね。
お客さん的には、そのレコードを「出来るだけお金に変えたい」って気持ちがナイので、苦労せずになおかつ、費用がかからずレコードを自宅から無くしたいっていうコトなんですよね。

ナンかイイ方法がないかなって考えたんですケド、個人が出来るコトってヤフオクとかメルカリで売却するってコトしか思いつきませんでした。
でも、そういったトコロに売却するのも写真を撮ったりという出品作業や梱包したり発送したりという煩わしさが必ず伴いますしね。
個人の人が費用をかけずに数百枚単位のレコードを一度に整理するコトって実質難しいのかもしれませんね・・・。
中古レコード屋に買取りに出すと、絶対に「どういった内容のレコードか?」ってコトを訊かれるので、もしかしたらリサイクルショップとかに訊いたほうがイイのかも・・・。

で、こんな記事をみつけました。
50、60代の“かくれ資産”って?フリマアプリから読み解く“かくれ資産”の実態とその内訳とは?
上の記事で、「かくれ資産を多く持つ50、60代は、いったいなにを出品しているのでしょうか。」の男性の出品カテゴリーランキング1位にレコードがランクインしているんですね。
やっぱりレコードって、男にとって「捨てられないアイテム」なんだというのがよくわかるような気がします。
タブン、記事の対象のほとんどの人が決してレコードマニアなんかではなくって一般リスナーだと思うのですが、50代くらいの人がレコードを買っていた時代っていうのはタブン、CDが一般的になる前の80年代始め頃なので、30年間以上聴かないレコードを所有していたってコトになります。
今は、レコード人気が高まっているって世間では時々話題になっていますが、出品カテゴリーでは1位のレコードも購入カテゴリーではランクインしていない・・・というコトを見ると出品してもそれほど売れていない・・・?

また、こんな記事も。
妻との別居で“汚部屋”に住む男が、レコード40箱分を処分できたワケ
上記の記事を読んで気になる文章が・・・ソレは・・・。
「いらないものを捨てるという発想ではなく、自分の世界観を際立たせるものだけ残すという感覚が大切。自分の感性を表現するつもりで楽しむこと」
ん〜この感覚・・・すごく解ります。
タブン、今回ハナシをした常連のお客さんも完全にこの気持が優先したんでしょうね。
オイラもこの「自分の世界観を際立たせるものだけ残す」っていうのスゴく共感できるんですよね。
だけど現実は、ソレが実行できないでいるワケです。


もしかしてレコードって、自分自身のアイデンティティの一部みたいな部分があってソレが結構大きく影響しているから、レコードの本来の目的である「音楽を聴いて楽しむ」というコトをしなくなっても捨てるコトが出来ないのかもしれませんね。
でも、「自分の世界観を際立たせるものだけ残す」っていう解釈で「本当に好きなものだけを取捨選択する」っていうのは、大切なコレクションの純度を高めるみたいでソレはソレでアリなような気がします。
だからといってレコードを捨てるっていうのもナンダカ気が引ける・・・。
ん〜どうすればイイんだろう。