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先日、お客さんとレコード談義をしている会話の中で「シゴトが一段落したら脱サラしてレコード屋をやってみたいんだよね・・・」ってハナシがでました。
思いっきり「マジッスか!?」って言っちゃいました。
最近、お店でお客さんから「レコード店を始めたいんケド・・・」的なハナシはほとんど訊かれなくなったんですが、昨今のアナログレコード人気の影響もあるのか、「もしかして今ならレコード屋やればイケるのか?」みたいな想いを描いている人もいるかもしれないですね。
ちょっとGoogleで調べて見ると・・・。
レコード店の開業についてイロイロな記事がヒットします。
ん~オイラが書いた記事が、上位に2つもヒットしているのですが・・・。

自前のエントリー以外では、気になった記事は・・・。
中古レコード店は儲かるのか 密かな開業ブーム
コチラは、客観的な目線のビジネス論としての中古レコード店についてコトをコラム風に書いています。
書いている人はタブン、レコード店を営んでいる人ではナイでしょう。
もしかして、書いている人も「ちょっとレコード店、ヤってみたいかも?」って思うフシもあるのかもしれません。
で、思考ゲーム的にちょこっと調べて、「あぁ・・やっぱりカンタンじゃないのね・・・」って思ったコトを書いているのかもしれないですね。

中古レコード店を営むことについて再考してみた。
で上の記事は、現役のレコード店主さんが書いた記事。
コチラは結構、生々しくレコード店を営んでいく上でのリアルな実情を書いています。

オイラがnext. recordsをはじめたのは2000年です。
で、next. recordsをはじめる前に他店の中古アナログレコードの通販のシゴトに携わった経験が2年ほどあります。
やっぱりその頃は若かったので、ビジネス的な視点で中古レコードのコトをよく見て考えていなかったんだと今なら思います。
「レコードがメチャ大好き = レコード店をやりたい」
もう、純粋にこの気持ちだけで突っ走っちゃったカンジでしたね。
当時の自分では、一生懸命考えて導き出したひとつの道ではあったのですが、今のオイラの視点だと「全然、あまちゃんのナンにも解ってない小僧がっ!ナニ言ってんだっ!」って思うかも・・・(笑)

単純に考えて「レコード店をはじめたいんだけど・・・」って訊かれて、オイラが言えるコトってあんまりナイんですよね。
ヤった方がイイのか、ヤラない方がイイのか・・・ドッチが損でドッチが得か・・・?
しくじったらソコにかけたお金はムダになるかもしれない・・・でも、一応レコード屋を続けるコトが出来ても大儲けの目はタブン、ナイ・・・。
つまりそんなに美味しい商売ではナイ。
それなら、メリット・デメリットを単純に天秤にかけて答えを考えればイイだけなんだケド、「ホントに、損得だけでイイのか?」っていう部分もあるんですよね。
自分の趣味である大好きなレコードだけを扱うお店を営むという充実感は、サラリーマンでは感じるコトができないかもしれません。
そういった気持の部分ってお金だけの問題ではナイですからね。
でも、「ホントにヤっていけるのか・・・?」っていう不安もあるのも事実。
あ~でもこういうのってレコード屋をはじめるだけに限らず、どんなお店でも会社でもフツー起業の時には考えるコトですよね。

以前にこんな記事を書いたコトを思い出しました。
独立開業する友人
この時の友人・・・上のエントリーを書いた時から5年と半年が経過しましたが、まだガンバって自分で立ち上げた事業を継続中です。
まぁ~相当、悩みを抱えているそうですが、とりあえず食いブチは確保出来ている様子です。
やっぱり、レコード屋をはじめるだけでなく独立開業を考えるっていうコトは、事業の内容とかオーナーの資質だとかお店の立地だとか、ビジネスのスタイルだとかイロイロな条件が複雑に絡んでくるので単純にイケる or イケない って答えを出せないですよ。
上のブログ「中古レコード店を営むことについて再考してみた。」を書いたレコード店主さんが
「結局は店主の人柄が長期営業できるかのカギになる」
ってコトを書いていますが、その部分も確かにあるけど、だけどソレだけではナイっていうのも事実だとオイラは思います。
レコード店を営んでいながら辞めちゃった人を何人か知っているのですが、オイラの経験上そういった人に共通していたのが、経営者思考がイマイチな人が多いような気がしました。
まぁ~そういうオイラも、経営者的には相当ポンコツなのは、自覚しているのですケドね。
趣味の延長線上からはじめる様なビジネスは特にこの経営者思考になるっていうのが、かなり難しい様な気がします。
やっぱり、自分がお店のオーナーなので、ナニをするにも自分の好き勝手出来るんですよ。
忙しくするコトも出来るし、手抜きして楽するコトも出来る。しかも叱責するような上司もいない。すべてのルールは、自分の思うままです。
そういった立場になると、ラクする方へ結構ズルズル引き寄せられがちになりやすいんですよね。
もともと、好きなレコードを聴くってコト自体が、リラックス時での行為なので、シゴトという緊張状態とレコードを聴くというリラックス状態という状況がなかなか相容れない部分ではあります。
ソコをウマく折り合いをつけるっていうのが結構、むつかしいのかも?
「趣味をシゴトにしない方がイイ」ってコトは、よく言われますが、趣味がシゴトになってそれでお金を稼げるっていうのはホント、理想なんですけどね。


幸いにもnext. recordsの場合、共同経営というカタチで2人でお店立ち上げたので、お互いの目もありダラダラ出来なかったっていうコトがお店の初期には、イイ意味で相当な原動力になりました。
お店をはじめて17年目の現在でも、オイラの今やっているこの働きは、一体ナン円なのか?
オイラが経営者で、従業員のオイラへは一体いくらの給料が妥当なのか?
なんてコトを結構よく考えちゃうんですよね。
ちょっとでも、「レコード屋をやりたい!」って思っている人がいるならば、ポンコツレコード店主から言えるコトは、経営者思考で物事を考えてみれば、イイんじゃないかな?
「うわぁ~たかが中古レコード屋のクセに上から目線で物言いしちゃってヤなヤツ・・・」って自分で言って自分で思う・・・スイマセン・・・。