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先日、お店に来ていただいたお客さんとレコードのコレクタブル性についていろいろハナシをして盛り上がっていました。
ず~っと探していたレコードが見つかった時の喜びとか、大枚をはたいて買った超レア盤を家に持って帰って自分のコレクションに加えた時のナンとも言えない達成感とかやっぱりレコード好きならありますよね~なんてハナシをしていました。
そんな大好きなレコードなのですが、このブログでも再三書いてきたことですが、レコードが好きな人の間では、共通した感覚も、それ以外の他人にはなかなか理解されないものです。
長年探し続けてやっと手に入れたレコードのコトを奥さんに
「このレコード、10年以上探していたんだよ~!やっと手に入れるコトが出来たよ!」
「この曲は、ドイツ盤だけしかリリースされていないんだよね~」
「しかも、ロングバージョンになっていて、そのMIXがまたカッコイイんだよ!」
「前にみた時は、ヤフオクではン万円の値段につり上がっていたモノを俺は、それより安く手に入れたんだよ!」
な~んて自分が手に入れた逸品についてのウンチクを一生懸命ハナシしても
「へ~そうなの・・・良かったね・・・」の一言で終わりですからね。
これが、同じレコード好きな仲間なら生中のおかわりが確実に出来るくらい盛り上がるんですけどね。
やはり、レコードのコトをそれほど解らない人からすると、なかなか理解してもらえないものです。

このハナシをしていたお客さんは、オーディオ関連機器の製造に携わっている人なのですが、「オーディオのマニアックな世界にも同じ様なコトが多いんですよ~」なんてハナシしてくれました。
レコード好きがたくさんのレコードを所有する様にオーディオ好きも数々の機材を所有するようです。
オイラからするとオーディオ機材なんてひとつあれば十分な気がするのですが、オーディオ好きな人は、スピーカーやアンプ等何台も所有するようです。
それはそれで結構なスペースが必要な気がしますけどね~。まぁ~レコードもソノ部分は同じですケドね。
ハナシの流れで、今後レコードがもう作られなくなるとか、レコードを聴く人の年齢層がだんだん上がってくるんじゃないかとかの会話になったんですよね。
お店に来てくれたオーディオ関連機器会社にお勤めのお客さんのトコロの製品を使っているユーザーさんもかなり年齢層が高いようで、そういった高年齢なユーザーさんがご存命な時はいいのですが、もしお亡くなりになったら所有しているオーディオ機材がどうなるのかってハナシになりました。
「そういうのポックリジャンクって言うんですよ~」って教えてくれました。
「え?何ですか・・・ソレ?」

大切にコレクションされていた数々のオーディオ機材も所有者以外の人からすれば、結構ジャマモノ扱いされるようでオーナーが存命な時はその機材の用途や価値を解って所有されているモノも家族からすればなんの為に使うものかすら解らない無用の長物以外の何モノでもナイみたいな意味で使われるようです。
ポックリジャンク = 所有者のオーナーがポックリ亡くなった後に残されたものは、家族からすれば全てジャンク という意味のようです。
ん~これは・・・、オーディオ機器だけでなくレコードを好きにも該当するコトだな~って思いました。
今までこのブログでもレコードが好きな人の間では、そのコレクションはなかなか家族の理解を得るのが難しいってコトを書いてきたのですが、もし自分が死んじゃっていなくなれば残されたレコードってどうなるんだろうって思うんですよね。
よくお客さんの間では、「好きなレコードは墓場まで持っていくぜ!」みたいなコトを聞くんですが現実問題どうなんだろうって。
自分が、大切にしていたレコードも数枚であればず~っと家族が受け継いでくれるかもしれないけど、何千枚もあれば実際問題として所有し続けるのって難しいですよね~。
そういえば、ナンかの本で書いていたんだけど、レコードマニアの人が亡くなると「彼のコレクションを形見として引き受けたい」と言ってその友達という人が何人も自宅に訪れてきてごっそりレコードを持って帰るみたいなエピソードを読んだコトがあります。
当然、残されたご家族はレコードの価値なんて全くわかりません。
しかも、レコードマニアってレアで高額なレコードであればあるホド、ウシロメタイ気持ちもあってか家族にはその価格を言いませんからね~。なおさらそのコレクションの価値がどれくらいのモノなのかって解りませんよ。
本にも書いてあった様に「私にはその価値が解らないので、主人のコレクションを形見として引き受けてくれるのなら、どうぞ」っていうなるんでしょうね。
ナンて言うか、自分の死んだ後のコトを考えてもしかたないんだけど、コレってコレクションをする人の間ではやっぱり自分の思う通りにしたいって気持ちもありますよね。
オイラだったら、もし自分が死んじゃったら出来るだけ、コレクションを高額な金額で処分してそのイクラかのお金を家族に渡してあげたいって思います。

実は、以前、オーナーが亡くなったコレクションを買い取りしたコトがあります。
その買い取りのハナシは、知人経由でオイラの店に伝わってきたのだけど、はじめにレコードの買い取り処分をお願いしたいって聞いてから亡くなったご主人の趣味のコレクションを奥さんが気持ち的に整理できなかったという理由で3年くらいたってから査定をするって言う風に時間がかかりました。
内容的には、レコード自体は3000枚くらいあったのですが、ウチのお店で扱うジャンルや12インチシングルがあまりなかったので200枚くらいしか査定対象にならなかったのですけどね。
全部見たコレクションの内容は、80年代から90年代のROCK, POPS, SOULのアルバムがほとんどでした。
オイラは査定しなかったけど、あえて査定額をつけるとしたら1枚10円くらいでしょう。
奥さんはそのオーナー亡きコレクションを維持する為に月3~4万円程のレンタル倉庫を借りて3年間保管し続けていたそうですが、経済的にも負担になってきたので整理したいと言っていました。
残されたレコードの中古レコード的価値は、1枚10円として3000枚で3万円、そのレコードを維持する為に費やした費用は3年間で100万円以上・・・。
決してお金とかで割り切れるハナシではナイのですが当時、その奥さんと話していてナンダか複雑な気持ちになりました。
今回の「ポックリジャンク」のハナシを聞いてこのコトを思い出しました。


まぁ~オイラが死んだら、「オイラのコレクションは全てnext.で売ってくれ」って相棒の買い付け人Nには言ってますので、店頭にゴッソリ並びますよ~。
実際は、もう既にイイタイトルはnext.で売ってしまっているのでたいしたモノはナイんですけどね~。
というか、「ゴミレコばっかりなのでイラナイよ!」って言われるかもしれません・・・それはそれでちょっとヘコみますね・・・orz
しかし、「ポックリジャンク」ってうまいコト、言い当てていますね~。
オーディオやレコードに限らず、何らかのコレクションをしている人は、本人が亡くなった後は全てポックリジャンクになるような気がしますけどね。
ん~ナンか複雑な気持ちがします・・・w

つい先日も、古着や不用品を集めて販売するボランティア団体のトコロにサルバトール・ダリのオリジナル版画が持ち込まれたってニュースになっていました。
その版画も当初は、ガラクタ扱いされていたって書いていました。
このニュースも見る人が見たら、価値あるモノでもそれ以外の人が見ればジャンクになるっていうのを物語っていますね~。