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お店の整理をしていたら懐かしいモノが出てきました。

ネクストレコードの紙の通販リストです。
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ココ、2~3年の間でレコードを買い始めた若い世代の人にしてみれば、「ナニ?それ?」って感じでしょうね。
また、長年、ネクストをご利用していただいているお客さんにしてみれば、「おーそんなのあったな~」みたいな感じではないでしょうか(笑)

今では、ネット通販が当たり前になってますが、ほんの6~7年前は、紙の通販リストでレコードを選んで電話でオーダーするというスタイルが普通でした。

ウチのネクストでは、この紙の通販リストを月イチのペースで発行してお客さんに郵送していました。
紙の通販リストには、やはりページの制限があったので毎月、200~300枚のレコードを掲載していたんですよね。
だけど、その内容は、当時を振り返ってみれば、お店の仕入れのチカラを最大限に注ぎ込むくらいの勢いで作っていました。
極端なコトを言えば、買い付けに行って仕入れたレコードの内、レア盤や人気のあるタイトルなどは全て、通販リストに掲載するために、キープしていました。

当然、お店にはそれらのタイトルが並ぶコトはありません。
レギュラー的なタイトルや複数枚あるタイトルばかり店頭に並ぶって感じでした。
それでも充分、店頭ではよく売れてましたけどね。
お客さんもその辺は承知していて店頭に出して知らないウチに売られるより「メチャ、欲しいので通販リストに載せてください!」って言われてました。
今では、レコード屋の在庫はWEBサイトを見れば、どういうタイトルがあるかってスグに解りますけどその当時は、レコード屋にいちいち電話して欲しいレコードの在庫確認しなきゃナニがあるか解らなかったですからね。
よく「在確いいですか?」って電話かかってきましたよ。
(在確ってなつかしい響き・・・最近、そんなコトバ全然聞いてないよ w)
昨日は、その欲しいレコードはなかったけど、今日は入荷しているかも?って毎日、在確の電話をしてくるお客さんもいたくらいですから・・・。
そういった意味では、通販リストっていうのは確実にお店にそのレコードの在庫があるっていうコトですからね。
レコードが好きな人にしてみれば、結構、重宝したのかもしれません。

当時、人気のタイトルやレア盤は、当然複数のお客さんからの注文が集中します。
しかし、レコードは1枚しかありません。
そこで、今じゃ考えられないですが、ビッドシステムという方法が採用されていました。
つまり、通販受付期間内にそのレコードをお客さんが買いたいと思う金額を提示して最高値をつけたお客さんがそのレコードを購入出来るという方法でした。
ま~なんというか、今でいうところのオークションに近い感じです。
ん~オークションというより入札制と表現した方が解りやすいかも知れません。
ホントに人気のあるレコードは1枚しかないのに何十人ものお客さんがビッドされるんですよ。
こんな、自分がレコードを買える極限の値段をつけてレコードを買うというハナシを、当時のコトを知るよしもない、20代前半のお客さんにハナシすると「マジですか?そんな風にしなきゃレコード買えなかったんですか?」って相当驚かれます。
当時は、それ程、レコードの人気があってんでしょうね~。
で、通販受付期間最終日にそれらを振り分けて、地方にお住まいのお客さんには、宅配便で送って、都内近郊のお客さんで来店受け取り希望のお客さんには取り置きしてって感じでレコード買っていただいていました。

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だけど、この紙の通販リストは、マジで作るのに苦労しました。
いい内容のレコードを揃えるのは、モチロン大変なのですが、買い付けに行ってレコードを探すっていうそれ自体は好きなコトなのでそれ程、苦労ではないのですが、リストを作る為のデータ制作や、プリントアウトしてからの冊子にする作業、それを織り込んで封筒に入れていく作業などの通販リストの発送に関わる仕事量がハンパなくキツかったです。
紙の通販リストの発行部数は、月によって変化するのですが多い月で800~1000部ほど発行していました。
それを店のスタッフ4人総出で丸2日くらいかけて織り込み作業していました。
まず、パソコンで作ったリストをプリントアウトしてコピーするのですが、そのコピーする作業だけで丸1日かかってましたからね。
今では、メールで「入荷しました!」ってコストが0円で出来ますけど、切手代にコピー代、封筒代とリスト制作に関わる人件費なんかも含めると結構費用がかかってました。
そういった絡みもあってか、通販リストをお客さんに3ヶ月間お送りしてその間、一度もご注文頂けなかったお客さんには、「FINAL LIST」ってスタンプを押して「この通販リストでご注文がない場合はもうリストは送りません」っていうやり方をしていました。
おもしろいことに、この「FINAL LIST」のスタンプを押したお客さんからは、なぜかオーダーが多いんですよ。
ナンていうか、通販リストを継続して郵送してもらうためにオーダーしているというフシもあったりと・・・。


久しぶりに通販リストの中を見ると、いまでは全く入荷できていないタイトルや、今ではそれ程でもないけど、当時は人気があって「ヤバイ、レア盤」扱いされていたレコードなんかあったりと、結構不思議な感じがします。
タイトル別にみる人気度の上がり下がりぶりがアリアリと感じさせますね~。
例えば、2001年の通販リストから抜粋すると
DAYTON / THE SOUND OF MUSIC(US)が当時は、7800円
JOUBERT SINGERS / STAND ON THE WORD(US) 5800円
ARMENTA & MAGIC / I WANNA BE WITH YOU(ジャケット付 FRANCE盤) 4800円
とか・・・DANCE CLASSICSは、10年前に比べて今の方が、概ね価格が上昇していますね。
一方、HIP HOP や R&B は、今の感覚で言えばあり得ない価格になっています。
ココにその値段を公開するのは、如何なモノか・・・と思う位の凋落ぶりです。
さすがのオイラも大人な事情なので自主規制した方がイイかも・・・と判断するくらいですからね。
でも、そんな値段が付いていてもそれ以上のビッドをつけて手に入れたいって当時は思われていたんですからね・・・スゴイものです。

もしかして、お客さんの中にも当時のnextの紙の通販リストをまだ持っている人もいるかもしれませんね。
そんな人にお願いです・・・「恥ずかしいので早く捨ててください・・・w」