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お店に来てくれるお客さんとの会話の中で
「レコードってこれからどうなるんでしょうね~」
なんてハナシをすることがあります。
どうも、こうも、もう一般的な認識では、過去のモノ的なアイテムになっているのは間違いないと思います。

銀行員やら不動産屋やら、保険屋などなど、とりあえず顔見知りになった人から
「お仕事は何をされているのですか?」 と訊かれて
「レコード屋です。」 と答えると、必ず
「レコードってまだ作っているのですか?」 という会話になります。
「数は多くはないですけどまだ作られてますよ」 というと
「へ~」って一様に驚かれます。
普通の人が、驚くほどレコードって一般的に目にすることがないからなんでしょうね。
個人的にはもう、レコードを1日に1回も見ない日はないって位の生活をしているので
レコードってそんな風に思われてるんだ・・・って若干の違和感を感じますけどね。
普通の人の認識では、レコードショップの中で幅をきかせていたアナログレコードが80年代のある時期を境に
CDに切り替わった時点で、アナログレコードはなくなった、作られなくなった
と思われているようです。
今じゃ地元の駅前や商店街なんかにあったCDショップもなくなってますけどね。

それに20数年位前にはテレビと同様にどこの家庭にでも当たり前の様にあったハズのレコードプレーヤーも、
今じゃ一掃されてますし、久しぶりに押し入れから数十年前に買ったレコードでも聴いてみるかと
思いたってみてもプレーヤーは既になしって感じじゃないでしょうか。

新譜のアナログレコードはまだ、プレスされてはいますが4~5年前に比べると
確実に作られる枚数は少なくなって来ているような気がしますし・・・
これからもず~っとまだ、新譜のアナログレコードがプレスされ続けるかどうかは正直言って判りません。
レコード会社的にはプレス費用や流通コストが、他の音楽メディアに比べて一番負担ですからね。
アナログレコードって。
タブン、しばらくはある一定量の枚数は作られると思うけどニーズがなくなれば、
もうプレスさなれなくなるかも知れません。

そこで今後、アナログレコードに再び光が当たるコトがあるのか? です。
(あくまで、ウチのお店で扱っている様なレコードのハナシだけですが・・・)

オイラがネクストレコードを始めた2000年当時は今の2008年の状況って想像も出来なかったです。
だけど、当時、友人に言われた一言を思い出しました。
オイラが12インチシングルのアナログレコード専門のショップを作ると話すと
「レコード屋なんてやってイケるの?」
と言われたコトがありました。
その時は、レコードを買うのに多くの人がお店に行列を作って買っているだとか、
レアなレコードは数万円でも売れるだとか、アツく説明したのですがそれってマニア寄りのハナシであって
始めに述べたような一般的な認識ではレコードはもう作られなくなっている、普通の音楽ファンは
CDを買って聴いているという状況の中で、オイラがアナログレコード専門のショップを
オープンさせるって言ったから
「アナログレコードが、どんだけのニーズがあるの? 」
「超ニッチな商売に感じるけどやってイケるの?」
って心配したようです。
「大丈夫、大丈夫。キミが思っている以上にニーズはあるしマーケットは思いのほか大きいからやってイケるょ」
とハナシをしたのですが、ブームの真っ只中にいる時は事細かに状況が判っているつもりなのですが
実はつもりであって客観的に見るとあまり判ってないって状況だったのかも知れません。

そもそも2000年始めの時点で、本来なら過去のモノだったハズのアナログレコードが、DJ PLAYやMIX TAPE、
CLUBなんかの影響で一部の人の間で支持されて光が当たっていたのかもしれません。
あくまでホント、一部の人の間だけですが。

その当時に比べると今はそれ程、レコードが注目されているってコトはないと思うのですが、
90年代から2000年初頭のブームのような盛り上がりに乗っかったカジュアルなレコード好きやDJは現在では
淘汰されていなくなって、今は流行りとは違う本当のアナログレコード好きに支えられているのかもしれません。


レコードを所有して音楽を聴くっていうのは、今ではレコードへの愛着からくる物質的な欲求か
アナログレコードでしか聴けない音楽を聴きたいという知的な欲求からだと思います。
ジャケットのアートワークやクレジットの記載、レコードの手触りやレコード自体の存在感など
他の音楽メディアでは感じることが出来ない良さを理解出来るかってところが今後、アナログレコードの
存在価値になるのかな・・・どうなんだろ。(物質的欲求)
オイラは完全にコッチですね。
レコードは、存在してもCD化や音源化に未だなっていない素晴らしい音源を聴いてみたい(知的欲求)
こういった気持ちもよく判ります。

だけど、何がキッカケでアナログレコードが再び注目されるようになるかホント判りません。
再び、レコードに光があたる時が来るのか、来ないのか。
もし、数年後に一般の人が何かのキッカケで突如の様に古いレコード買うようなことがあったとしたら、
次はそんなに供給は、出来ないような気がするので今ぐらいのバランスの方が今レコードを買っている人は
ちょうど良いんじゃないでしょうか。

最近、DJなんかに使う大げさなターンテーブルではなくて、コンポやパソコンなんかに繋いで使うような
ポータブルなレコードプレーヤーの新製品がちょくちょく発売されています。
USBでPCに繋いでレコードの取り込みが出来るとか、SDカードにレコードの音がMP3化されて保存できるとか
従来のレコードプレーヤとは違う機能が盛り込まれています。
「ちょっとレコードを聴いてみようかな・・・」って人には結構便利なモノの様です。
今までレコードを聴いていなかった人もこういったコトがキッカケでレコードの良さにハマっていくって
コトもあるかも知れませんね。

next recordsのような小さなレコードショップのサイトでも、レコードを買う買わないは別にして1日に
数千人の人がサイトを見てくれているトコロをみると、あながち潜在的にはレコードのコトを気になっている人は
少なくないんじゃないかなって思ったりもします。