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最近nextによく来てくれるレコードを買い始めてまだ期間が浅いあるお客さんから素朴な質問を受けました。

「値段が高いレアなレコードってすごくイイ曲なんでしょうね」
「えっ?そんな風に思ってるの?」 とオイラが訊くと
「そうじゃないんですか?」と訊き返されました。

値段が高いレアなレコードは、さぞやイイ曲なんだろうってコトは絶対当てはまらないってオイラ思ってます。
コレって曲の善し悪しと言った曲の内容よりもその曲のレコードに対する人気度が値段に関係していると思います。
そのお客さんは、万越えするような値段が高いレア盤はスゴくいい曲で、2~3000円のレコードは、
フツーにイイ曲、500円とかで売っているレコードはイマイチな曲だと思っていたようです。
レコード店を営んでいるような業者やハードなコレクターならそのレコードが持つプレミアムの意味を
意識しないでも自然と把握していたりするので、ひとつひとつのレコードの価格の
「どうしてこの価格がついているのか」ってコトを考えたりなんかしないと思うんです。

その彼曰く、レコードを買い始めた時に、新譜よりも中古レコードは安いからと言う理由で
中古のレコードを買い出したようです。
それで自分のバイブルとも云える程のMIX CDに収録されている曲のレコードが全然見つからなくて
インターネットでレコードを検索した時に、next recordsに在庫があるって言うのを知って
お店に来てくれるようになりました。
その時、新譜より高い中古レコードを買ったのは初めてだった言ってました。
自分なりに一生懸命探して全く見つけるコトが出来なかった好きな曲のレコードが見つかったと喜んでました。
それで、「イイ曲っていうのは高い値段がついているモンなんだ」と思うようになったようです。
それって、ちょっと違うというか誤解してるよって説明したんですけどコトバでは伝わりにくいので
レコードを実際聴いてもらって説明することにしました。

そのお客さんのだいたいの好みは判っているので価格を伏せて、
彼が好きそうなレコードを聴いてもらいます。
予想通り
「コレカッコイいですね。 」と好印象でした。
「このレコードの値段いくらだと思いますか? 」と訊ねると
「いや~判らないですけど、いい曲なんで3000円位ですか?」
「ウチではこのレコード1280円の値段をつけてます。」
「へ~こんなイイ曲なのに僕が思っていたより安いですね。」
「そうですね~曲の善し悪しに値段が全く関係ないってこともないけど、彼が思っている程、
高価=イイ曲ってこともないと思いますよ。 逆に値段は安いけどイイ曲っていうのは沢山あると思いますよ。 」
ってハナシをしました。

イイ曲っていうのも聴く人の価値観や好みで大きく変わりますからね。
それにDJの技量でその曲が本来持っている良さが増幅されたりするから
「レコードの値段=曲の良さ」なんて絶対ないハズです。
同じく超レアなレコードを沢山持っている人が、イイDJっていうとそんなワケありませんからね。
「逆になんだコレ?」的なイマイチな曲をカッコ良くプレイ出来るDJの方が素晴らしいって思います。

突き詰めると多分、イイ曲というのは自分の耳が判断の基準になるってコトなのでしょうか・・・
そのレコードの値段っていうのは、曲の善し悪しといった内容よりマーケットでの
人気度の方に大きく左右されていると思います。

COLONEL ABRAMS / MUSIC IS THE ANSWER
COLONEL ABRAMS/MUSIC IS THE ANSWER の試聴

一般的にレア盤と言われているレコードばかりを求める人もいます。
その人が定番な曲からマイナーな曲まで多くのレコードを聴き込んで、どうしても手に入りにくいレコードを
求めるならわかるのですが、インターネットや音楽情報誌のレビューを鵜呑みにして
その曲の良さが自分の中で理解出来ていない未消化なまま単に「レアだ」という理由だけで
手に入れたいっていうのは違うんじゃないかなぁと思うんです。
(他人が持っていない希少価値の高いモノを持ちたいっていうのは理解出来ますが・・・)
オマケに欲しがっているレコードにも関わらず、実は聴いたこともなかったりする場合も
あったりするから笑えません。
イイ曲の情報をネットや書籍から得るということもキッカケとしてアリだと思うのですが
その曲の善し悪しっていうのは、それを書いた人がそう思って書いているだけで、
自分にピッタリとハマるかどうかっていうのは実際に聴いてみないと判りませんからね。
イイ曲だと決めるのはやはり自分の耳というかセンスなんじゃないかなと思ったりします。