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海外にレコードを買い付けに行った時に感じるコトなんですがやはり突き詰めると
ビジネスとしての人と人との交渉術が必要なんだなと思い知らされます。
買い付けってレコードの知識が豊富なだけでは務まらないってコトです。

普通にお店に行ってエサ箱に入っているレコードを購入する時は、
あまり感じないけど、ウェアハウスのストックを見せてもらう時とか
個人のコレクションを売ってもらう時にそういったコトを感じたりします。

レコード店にとってレコードの買い付けってビジネスなんだけど
相手の出方によってやはり感情的になってしまい交渉がウマくいかなくて
気分がワルくなるコトもあったりします。
オイラに問題があるんでしょうね~タブン・・・

オイラがヨーロッパのあるお店に行った時の話です。
そこのレコード店は、かなり広いスペースのショップで面積は、およそ小学校の
体育館位の広さにスチール棚が整然と並べられて雰囲気的には図書館みたいな
レコードショップでした。
入り口の近くにはHOUSEや TRANCEの新譜のシングルが壁にディスプレイされてて
試聴用のターンテーブルも5台くらいあって平日の昼間にも関わらず、
結構お客さん入ってました。

そのスチール棚には、大量の中古レコードがABC順に並んでいて
初めて訪れたレコード店でやはりそれだけの枚数のレコードを見るとコチラとしては
気持ちがアガるわけですよ。
だけど中古レコードには相変わらずプライスのシールは貼ってないワケです。
初めて訪れたレコード店の場合、アベレージの価格が全く解らないのでオイラの場合
こんな時には先にあらかじめ値段を訊いておくんですよ。

オイラ 「ハロー中古レコードは一枚いくらですか?」
レコード屋のオヤジ 「タイトルによって値段は違う」

オイラは近くにあったHIPHOPのUK盤を手にとって
「これはいくらですか?」

レコード屋のオヤジ 「たくさん買うのか?」

オイラ 「イエス」

レコード屋のオヤジ 「たくさん買うならディスカウントしてやるから
買いたいレコードをオレに見せろ」

オイラ 「オーケー」

と言ってレコードを見始めたワケです。
かなりのレコードの枚数を盤のコンディションを確認しながら見なくてはいけないので
結構時間がかかるだろうなと覚悟してレコードみてました。
しかも、レコードが本の様に縦に並んでいているので体力的にかなりキツい。
結局10時間位かけて、「たくさん買うならディスカウントしてやる」と言うコトバを
アテにして300枚超位のレコードを抜きました。
一店舗で300枚のレコードが買えるってちょっとした当たりなんですよ。
超レア盤はさすがになかったけど売値で1800-4800円位の中堅どころの
定番レコードが出てきました。
それらのレコード達をオヤジに見せると価格別にオヤジが分けていきます。
その間、無言…
まあ、大体思ってた通りで、UK / EU盤とUS盤がそれぞれ分けられてるってカンジです。
ヨーロッパだとUS盤はインポートなんで高く値段がつけられるんですよ。
その間にオイラは

「あ~あの盤、ちょっと高い目の値段の束に入ったか~」なんてドキドキしながら
見てたのです。
5本のレコードの束が出来たのですが、気になるのはプライスです。
一体スタートはいくらなのか…
オヤジの口から出たのは、一番安い束で日本円で
約1200円 次は1600円 2400円 3200円 4200円
というオイラにとっては驚愕のプライス分けでした。

計算しなくても見ただけで完全に赤字の値段です。
オヤジは全部買うなら10%ディスカウントしてやる とのコト。
とてもじゃないけど買えるワケないです。
スタートの値段からしてオイラの買える値段の倍以上差があるので値段交渉は不可能です。

いや~この時はかなり重いイヤ~な空気が漂いましたよ。
コチラは、1日かけてレコードを抜いたのに手ぶらで引き下がるワケいかないし
レコード屋のオヤジは、「お前の為に営業時間伸ばしてやってるんだ」なんて言ってるし。
「オマエがピックアップしたレコードを誰が後片付けするんだ?ハ~ン?」
ってなカンジです。

言いたいコトは、山ほどあるのですが如何せんオイラの拙い英語力では
1/10 も伝えられない…嗚呼・・・

結局、かろうじてオイラの価格と折り合いがついたレコードだけ買うことになりました。
その数約30枚ほど…10時間かけて30枚って、かなりガックリです。
しかも売ったレコード屋のオヤジもオイラもお互いワルい気分だけ残るというオマケ付き。

「なんでこうなったんだろ…」と疲れた体で思うのでした。
日本で買い物していてこんなコトになることないのに、
オイラの交渉の仕方が悪いんだろうな~反省しきりでした。


今回紹介するのは、
ROGER / YOU SHOULD BE MINE
ROGER / YOU SHOULD BE MINEの試聴


nextのレコード買付人 Nが、レコード買い付けの旅にアメリカに行ったトキの話です。
その時の買付は、事前に情報を得ていて25000枚くらいのレコードのコレクションを
見るコトが出来るというのが解っていたんですよ。
そのレコードの中に ROGER / YOU SHOULD BE MINE も入っているという事も
あらかじめ解っていました。
ROGER / YOU SHOULD BE MINE がコレクションの中に入っていると言うことは
「アレもあるな、コレもあるな~」という風にその時代のおもだったHIT曲や
定番のレコードが混じって入っているのはレコードバイヤーとしては、
周知の通りです。

後日、買い付け中のNから電話が入って

オイラ
「あ~例のコレクションどうだった?」

買い付け人N
「うん、全部見たよ」

オイラ
「ROGER の YOU SHOULD BE MINE あった?」

買い付け人N
「あったヨ、だけどHIPHOPのDJのコレクションでさ~
もうズタボロでキタナかったので買わなかったヨ」

オイラ「ガ~ン・・・」

この話はホンの一例ですが、海外のレコードディーラーからは、
「コレクション入ったぞ!見に来い!」など色々情報が来るんですが
結構、話に「オチ」があることが少なくありません。
(ウチのお店だけかもしれないけど・・・w)

「5万枚のレコードのコレクションが入ったから見に来い!」
ってメールが来て行ってみると、全部TECHNOやHOUSEのレコードだったりとか
「知り合いのDJが、2万枚のレコード売りたがっているから連絡してみろ」って
言われて連絡すると、「やはり気が変わったので売りたくない」とかね。
結構、苦労もあります。

そうは言ってもnextのレコード買付人Nは、オイラより遥かに交渉上手なので
なんとかしてレコードをウマく引っ張って買って来ますけどね。

お店で商品としてちゃんと値札がついて並んでいるレコードを
レコード店側、お客さん側が納得して売買することが出来るっていうのは
シアワセなのかもしれません。


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