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6月1日より渋谷での店舗営業を再開しているnext recordsです。
お世話になっています。
おかげさまで、ボチボチお店にもお客さんに来ていただけるようになりました。
前回のこのブログ記事でも書きましたが、やっぱり楽しいですね〜レコード店を運営するのは・・・。

で、お店の営業を再開したら当店へはじめてご来店いただいたお客さんからこんな質問をいただきました。
「あの〜プロモ盤って書いてあるんですが、コレってナンですか?」
お客さんの状況を訊いてみると、コロナ自粛の間にどうやら今まで気になっていた「レコードで音楽を聴いてみたい」っていうコトを実現したようで、自粛期間にプレーヤーと数枚のレコードを通販で手に入れたそうです。
で、好きな曲をググったトコロ、当店のWEBサイトに辿り着いていただいたらしく熱心に見ていただいたとのコトです。
当店のレコードの商品説明を読んでいると「PROMO 12」とか「US盤はPROMOのみのリリースです!」や「レアPROMO!」なんていうワードが多数出てきているのを見て
「プロモ盤?ナニそれ・・・レコードとどう違うの?」という疑問を持ったそうです。
当店のようにオリジナル盤とか12インチシングルとかっていうのは、最近レコードを購入し始めたような人からすれば、「オリジナル? 12インチシングル?」ってなるのかもしれませんね。
「プロモ盤」っていうのもそんなちょっと解りにくいワードになるのかもしれません。
というワケで、「プロモ盤ってナニ?」っていう人のために解りやすく説明してみようと思います。

プロモ盤とは・・・
レコード店でのコメントや表記で説明されるプロモ盤っていうのは、レコード本体のジャケットやレーベルに下記のように記載されています。
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PROMOTION COPY. NOT FOR SALE.
この記載のPROMOTION COPYという記載のPROMOTIONを略してPROMO(プロモ)のレコード、すなわち「プロモ盤」というワケです。
このPROMOTION COPY. NOT FOR SALE.の記載がナイレコードは通常、正規盤っていうワケです。
レコードによっては、PROMOTION ONLYとかDEMONSTRATION等の記載になっています。
上記のコトバをカンタンに訳すると「販促用・非売品」ってコトになります。
つまり、「プロモ盤」というのは、「販促用非売品のレコード」というコトになります。

正規盤とは・・・
あらたに正規盤ってワードも出てきましたが、通常「正規盤」って言い方は、意識して使うコトはナイと思います。
カンタンに説明すると正規盤っていうのは、レコード会社が販売用のためにリリースしたレコードのコトです。
そう、新品でリリースされた時期にフツーにレコード店の店頭に並んで販売されていたレコードのコトです。
なので、正規盤単体で見た時に「正規盤」というコトは特に意識するコトはなく、「プロモ盤」に対して「正規盤」っていう相対する表現として使用されるコトが多いです。
使用例としては、
「正規盤には、REMIXは未収録で、プロモ盤には収録されてるよ〜」ってカンジで使います。

■プロモ盤は、販促用非売品のレコード
■正規盤は、販売用のレコード

シンプルに説明すると上記のようになるのですが、本質は非売品なのか販売用なのかというその部分ではナイんですよ。
一般的に、プロモ盤も正規盤も内容が全く同じ出れば、価値もホトンド同じです。
が、しかし世の中には、プロモ盤と正規盤とで内容が違うレコードが多数存在します。
その説明の前に、前提としてどうして販売用のレコードである正規盤とは別に、プロモ盤という非売品のレコードが存在するのかという説明が必要となります。

プロモ盤とは、「PROMOTION ONLY. NOT FOR SALE.」という記載通り、プロモーション(販売促進/販促)用で非売品のレコードなんですよ。
例えばのハナシとして説明すると、アーティストがある曲を作るとします。
で、レコード会社は、その曲を販売しようと計画します。
だけど、その曲のレコードが、ホントに売れるのか、人気になるのか、評判はどうか、というコトが解りません。
売れるかどうか解らないのに何万枚も大量のレコードをプレスしちゃって売れなかったら不良在庫になりますよね。
なので、正規盤を発売する事前に、市場調査のために、プロモーション用のレコードを少しだけ作るのです。ソレがプロモ盤というワケです。
そのプロモ盤というのは、普通のレコード店の店頭には基本的に並ぶコトがありません。
なので、基本的にプロモ盤っていうのは、制作された時期にもよりますがお店での商品管理に使われるバーコードの記載がありません。
レコード会社が、ラジオ局やCLUB DJなどに「このレコードをプレイしてください、そしてその曲をプレイした時の評判を訊かせてください」っていう目的で無料で配布するのです。
で、レコード会社は、ラジオ局やDJ達のリクエストの状況や評判を集めてその曲を正式に販売するかしないか、どれくらいの枚数をプレスするのか等の判断するデータとして利用するワケです。

プロモ盤の目的というのは、基本的に上記のようになるのですが、レコードマニア的にはコレだけではナイっていう理由もあったりします。
例えば、プロモ盤には、いくつかのREMIXやバージョンを収録したりしてその中の人気のバージョンだけを正規盤に収録して発売したりするコトがあります。
つまり、プロモ盤には正規盤には未収録の収録されているっ!っていう状態になるコトがあります。
レコードが新譜としてリリースされた80年代とか90年代の当時は、こういったコトはソレホド、注目されるコトはありませんが、後年になって中古のレコードとして出回った時にプロモ盤にだけ収録されたバージョンが評価されたりすると希少性が高まる場合があります。
各レコードの事情にもよりますが、一般的に正規盤というのはプロモ盤よりも多く作られたりします。上記のような事情があったりするとプロモ盤の価値が正規盤よりもあがるというケースが度々あるんですよね。
結構、文章も長くなってきましたので、プロモ盤のメリットなんかのハナシはまた別の機会に書きたいと思います。

THOMPSON TWINS / (BIGGER AND BETTER) LIES
THOMPSON TWINS / (BIGGER AND BETTER) LIESの試聴
next recordsのサイトでTHOMPSON TWINSのレコードを探してみる

ホント、単純というかシンプルに「プロモ盤ってナンですか?」って訊かれて説明すると、「販売促進用の非売品のレコードですよ」というコトになります。
この説明だけだと、「あ〜そうなんですね。」となります。
だけど、収録のバージョンが違うとか、プロモ盤のほうが音がイイとか、正規盤が未リリースでプロモ盤しかナイとか・・・そういった様々な事情があったりするコトで同じ曲でも正規盤とプロモ盤の価値が変わってくるコトが解りにくくなっているのかもしれません。
実際、この「プロモ盤とは・・・」って解説を書き始めたら「あのコトも書かなきゃ、このコトも書かなきゃイケない・・・」ってプロモ盤の裏側にある様々な事情のコトを説明しないと本質の部分が理解しにくいかも・・・って思いました。
でもこういったコトを知るコトで、レコードの奥深さや趣きなんかを実感出来そうな気もするような・・・?


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