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こんなニュースを読みました。
「世界に2社しかないアナログ原盤の原料最大手が火災で全焼、レコード業界に波紋」

アナログ・レコードの製造工程を知らない人には、ナンのコトやらサッパリ理解出来ない内容のニュースに見えますね・・・。
確かにレコードを買ったり聴いたり、コレクションが趣味な人でも「レコードがどうやって作られているのか」っていうトコロまで知っている人はそんなに多くないですしね・・・。
どういった内容のニュースなのかってコトを解説します。
今現在、ちょっと話題になっているこのアイテムを見てください。
『大人の科学マガジン』でアナログレコードを自作できるカッティングマシン組立キット「トイ・レコードメーカー」発売
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コレ何かというと、レコードの音溝を彫る機械なんですよ。
「音溝を彫る」という表現よりもココは、業界っぽくいうと「音溝を切る」ってイイの方のがピッタリかもしれません。
なので、この機械のコトを「カッティングマシン」って呼びます。
上記の小さなカッティングマシンは、個人でレコードを作って楽しむモノなので簡易的なモノですが、本格的なカッティングマシンも原理としては同じです。
で、本格的なのがコレです。
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かなりゴツい機械ですが、見た目もちょっとターンテーブルみ見えますね。
この画像の左側にレコードっぽいモノが載っているのが見えますが、コレがラッカー盤というモノです。
ミュージシャンが、曲をレコーディングしたモノをCDとか記録媒体に保存するじゃないですか。
この時点ではレコードのカタチになっていないですが、カンタンにいうと録音された記録媒体を再生してその伝わる音を振動に変えて音溝を切るという原理でレコードの音溝が作られるワケです。
はじめて音溝が作られる盤っていうのがラッカー盤なのです。
ラッカー盤は、平面の薄いアルミ板の上に特殊な樹脂(ニトロセルロースラッカー)が塗布されたモノで、表面は傷が付きやすい柔らかいモノなんです。

カッティングマシンでラッカー盤に音が切られる様子は、このタモリ倶楽部の動画が解りやすいですよ。

タモリ倶楽部 / アナログレコード工場(東洋化成)訪問
8分くらいの箇所です。

このラッカー盤を製造している工場が、火事で全焼した・・・っていうニュースなんです。
ニュースにも書いていますが、ラッカー盤を作っている工場っていうのは世界で2社しかありません。
その2社は、アメリカと日本にあります。
しかも、そのほとんどのシェアを占めていたアメリカの工場が全焼したんですよ。
アナログレコードを作る上でこのラッカー盤とカッティングマシンがナイと音楽を音溝化するコトが出来ないんですよね。
代替が出来ない必需品なワケです。
近頃のアナログレコード・ブームで、新譜のレコードがかなりたくさん作られています。
アナログレコードの製造が出来る工場自体もそんなに多くはナイのですが、レコード人気でタブン、今はドコの工場もフル稼働状態だと思います。
だけど、レコード盤の一番はじめの元になるラッカー盤がナイとレコードのプレスの型が作れないワケです。
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以下引用
「すべてのレコード工場、バンド、レーベル、マスタリングエンジニア、めっき工場など、レコード生産にラッカー盤を使用している者すべてに直接的な影響を及ぼすでしょう」
「ほぼ40年にわたる経験から言うと、レコード業界全体は非常に回復力があり、優秀な人材が集まっています。互いに連携して、この問題を解決する方法を見つけ出すでしょう。もうすでに解決策の模索は始まっています」
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ま〜だけど最後には、楽観的なコメントもしていますが・・・。
イヤ〜でもタブン、コレはリリースのスケジュールにも大きく影響するような気がします。
ラッカー盤を作るコトが出来る日本の工場の方も増産体制で対応していくとは思いますが、ソレホド多くのシェアがない工場だったようなので世界中でリリースされるレコードのラッカー盤の製造のすべてをまかなうコトが出来るのかな・・・ってちょっと思います。
今後、もしかして新譜のリリースが延期されたり、リリース自体が見送られたり・・・ってコトももしかして起きるのかもしれません。

VISIONARY / FREE MY SOUL
VISIONARY / FREE MY SOUL の試聴
next recordsのサイトでVISIONARYのレコードを探してみる

先に紹介した、「タモリ倶楽部 / アナログレコード工場(東洋化成)訪問」の動画は過去に何度も見たコトがあって今回久しぶりに見直したのですが、相変わらず面白いですね、というか興味がソソられるっ!
ちなみにタモリ倶楽部でもやっていましたが、ラッカー盤は音溝を切ったそのラッカー盤自体ですぐに再生がして聴くコトが出来ます。
実際に聴いた人のハナシでは、このラッカー盤で再生した音っていうのが、メチャイイ音してたっ!って言ってました。
だけど、元が柔らかい素材なので、聴けば聴くホド、音溝が劣化していくのでいい音の状態を保つには「聴かない」のが一番イイ・・っていうコトになる・・・。
なんともはや・・・アナログレコードの儚さよ・・・。

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