
■ ようやく終わった…けど、気持ちはちょっと複雑
2026年3月に下記の記事を投稿しました。
レコード屋の宿命?大量の在庫と戦う日々|倉庫をまたもや引越しするコトになった話
で、月をまたいで4月20日、ようやく旧物件の明け渡しが完了となりました。
3月のアタマころから始めて約2ヶ月にわたるレコードの移転作業でした。
ダンボールにして約350箱、枚数にするとざっと28000枚ホド。
コレだけの量を動かしきったワケだから、本来なら達成感に満ちていてもおかしくないんですが…オイラの中にあったのはドチラかというと「やっと終わったか…」という安堵と、そして少しの違和感でした。
今回の引越しは、物件オーナー側の建て替えという完全に不可抗力な理由です。
移転までに時間的には2ヶ月の猶予があったから、過去の引越しに比べればまだ余裕はあった方だと思います。
ただ、それでも正直に言うと、家賃の大幅なアップはマジでイタい。
移転に伴い様々な物件を調べてみてココ最近、渋谷の賃料はホントに肌感覚でもわかるくらい高騰しているなぁ〜ってカンジた。
でもオイラのように「事務所兼倉庫」として使うスペースって、直接売上を生む場所じゃないんですよ。
だからこそ思うんですよね…。
「この固定費、ちゃんと回収できるのか?」って。
とはいえ、経営者としてはやるしかない。
家賃に見合うだけの収益を作るっ!それが現実だし、それが使命。
ん〜…頑張らねばっ!と決意を新たにするのであった。
■ 引越しはやっぱり地獄だった
結論から言うと、やっぱり引越しは二度とやりたくない(笑)
とは言いつつもコレまでの13年間で事務所兼倉庫は2回移転しているんですよね。
今回で3回目…イヤ、多すぎでしょって自分でも思うんですが。
しかも移転って全部、自分の意思というより「やらざるを得なかった」ケースばっかりなんですよ。
カンゼンに不可抗力です。
それでも毎回やるたびに思うんですよね〜「もう絶対やりたくないっ!」って。
ただ、今回に関してはひとつだけ良かったこともある。
それは、引越しによって強制的に在庫を見直す機会ができたってコトです。
ん〜コレね、やろうと思ってもなかなかできないんですよね。
日々の業務に追われているとこういった「時間がある時にやろう」って思っていることって必ず後回しになる…というか後回しどころかずっとそのまま放置になっちゃう。
でも引越しはそれを許してくれないですからね〜全部、一度動かさなきゃいけないから。
強制的に全部のレコードを確認する作業が入るワケです。
■ 28000枚という現実
で、改めて数字にすると、レコード28000枚。
ダンボールで350箱ホド。
イヤ〜…よくこれだけ溜め込んだなって我ながら思うんですケド(笑)
でも面白いのは、これが棚に収まっているとそこまで多く見えないんですよ。
ま〜なんとなくだけどキチンと収まっているように見えるから。
トコロが、それをダンボールに詰め替えた瞬間、イッキに「物量」として襲いかかってくる。
次々とダンボール箱が積み上がってゆくあの感覚、スゴいですよ。
「え、こんなにあったの?」っていう。
■ 一番キツかったのは「棚からの解放」
今回の作業で一番キツかったのは、棚からダンボール箱への移し替えの作業なんですよね。
すでにダンボール箱に入っているものは、どんなレコードが入っているのかってコトをチラッと確認して運ぶだけだからまだマシなんですけどね。
でも壁一面に積み上がっているレコード棚にぎっしり詰まっているレコードを引き抜いて詰め直す作業は、本当にしんどかった。
ガバッと掴んで、引き抜いて、ダンボール箱に入れる。
これをひたすら繰り返す。
コレね、単調な作業なんだけどオイラの持病である「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」にジワジワと効いてくるんですよね。
でコレがもう、見事に悪化しちゃいました。
引越し期間中はずっと利き腕がジンジンと痛くてレコードを握るチカラがでなかった(泣)
■ ココロが折れかけたコンテナ倉庫での地獄
さらに追い打ちをかけたのが、コンテナ倉庫への移動。
新しい物件が狭くなった関係で、販売頻度の低い2軍・3軍のレコード約80箱を25km離れた場所に借りているコンテナ倉庫へ移動しました。
これを車で何往復もするワケです。
で、借りているそのコンテナが2階なんですよね〜1階は、やっぱ賃料が高いので節約して2階を借りています。
約20kgの箱を抱えて階段で上げるんですよ、でコレを80往復…。
しかもコンテナ倉庫内では最大6段まで積見上げます。
もうね、完全に引越し業者さながらですよ。
一番上に持ち上げるたびに
「おりゃぁっ!」って1人倉庫内で叫んでいましたからね(笑)
当然、翌日は全身筋肉痛。
あの瞬間はさすがに
「オレ、何やってるんだろう…」って思いましたね。
■ 新しい環境で起きた変化
今回の引越しで一番良かったのは、収納スタイルを大胆に変えたコトでした。
コレまではレコードが入ったダンボール箱をアングル棚に収納するというスタイルだったんですよね。
それを今回の引越しを機会にLEXBOX(レコード専用収納棚)で背表紙がちゃんと見える収納に変更したんですよね。
コレ、めちゃくちゃ良いですね〜というか当たり前ですが。
ナニが良いって、ソコにナニがあるのかってコトがちゃんと「見える」コトなんですよね。
「あ、このレコード売り切れてたな」ってすぐ気づけるし、探す時間が圧倒的に短くなった。
ただ、全部は入りきってない(笑)
まだ60箱はダンボールのままなんですよね。
コレをどうするかってのは今後の課題ですね。
■ 明るい部屋の落とし穴
移転先の新しい物件は、前よりも開放的で明るい。
ワンルームだけど壁一面が窓になっていても、しかも窓から見える景色は遮るものがまったくなくって見晴らしもイイっ!
気分的にはかなり良くなった。
4月の時点で既に暑いんですよ。
デカい窓ガラスから日差しがガンガン入ってくる。
この物件を内覧した時は2月だったんだけど、大きな窓から光が差し込んで結構ポカポカして暖かかったんで「あ〜コレは、過ごしやすいな〜」って思っていたのだけど、まさか4月の時点で「暑いっ!」ってなるとは思わなかった。
ちなみにこのデカい窓の半分はすでに窓を遮るように前にレコードが天井近くまで積み上がってしかも遮光カーテンをしているにも関わらず暑いって…。
「コレ、夏どうなるんだ…?」っていう不安がすでにある(笑)
あと、マンション特有の問題もある。
玄関、台所、風呂、洗面台、クローゼット、洗濯機置き場に冷蔵庫のスペース、ベランダ。
もう全部いらないっ!
その分スペースくれって思う(笑)
■ 在庫という終わらない問題
今回の引越しでイチバン痛感したのはコレですね。
在庫管理の難しさ。
正直に言うと、事務所兼倉庫に保管されていたレコードって今まで全然管理ができてなかった。
「ドコにナニがあるか分からない在庫」が大量にあるっていう状態です。
「あのレコードってドコにある?」って訊かれても「タブン、あると思うんだケド、ドコにあるのか解らない」っていうにはソレ、ナイのと同じなんですよね。
確実に在庫があるレコードのハズなのに見つけるコトが出来ないために販売が出来ないってのは完全に機会損失なんですよね。
在庫管理ってコレ、物販をやっているんなら本来、ゼッタイにやるべきコトなんですよね。
でもレコードの枚数が膨大すぎてソコまで手が回らないからずっと後回しになっていたワケです。
ただ、今回の移転で「在庫管理の重要さ」っていうのを強烈に実感したんですよね。
ホント、これはやらないとダメだなって。
■ なぜレコード屋は在庫が増え続けるのか
これはもう明確で、中古レコードはカンゼンに「在庫ビジネス」だからです。
しかも一般のお客さんから買取をやっているとホント入荷のタイミングはまったく読めないのです。
さらに最近のレコード人気もあると思います。
昔は全然動かなかったタイトルが急に売れたりするケースもよくある。
そうなるとどうなるか。
「これ、もしかして来るかも?」って思うんですよ(笑)
で、仕入れる。
結果、増える。
当店は26年やってるけど、在庫は増え続ける一方です。
タブン、いや確実にコレからもレコードの在庫数は増えるでしょう。
■ レコードの在庫は多い方がイイのか?
これ、実にムズカシイ問題なんですよね。
店頭に関して言えば、販売スペースの関係で店頭に置けるレコードの上限はありますよね。
当店ならだいたい1万枚くらいが販売できるレコードの枚数の上限ですね。
でも、お客さんにとって重要なのはレコードの枚数じゃないんですよね。
イチバン優先すべきはその内容とクオリティです。
特に12インチシングル専門店ならなおさらです。
じゃあバックストックは?
正直、それに関しては答えはまだ出てないんですよ。
商品であるレコードの回転率重視か、それとも価値重視かっていうこのバランスは永遠のテーマですね。
■ それでも続ける理由
引越しは本当に大変だ、マジでやりたくない。
でも、それでも続ける理由はシンプルで「レコードと出会う場所」を作りたいからです。
渋谷というレコードが好きな人が必ず訪れる街で、実際に手に取って、選べる場所。
コレってやっぱり必要だと思うんですよね。
店頭でガシガシとレコードを掘るというデジタルじゃ代替できない体験や店頭でレコード盤に針を落とすあの瞬間のグワって音が鳴り出すあの体験を出来るだけ多くの人に伝えたい。
タブン、シンプルな理由なんだけどそれだけなんですよね〜。
■ タイムカプセルみたいなダンボール箱
今回一番テンション上がったのはコレ。
数年前に詰めて、一度も開けてないダンボール箱を発見したコトです。
開けてみたら…
「ヤバっ!マジかっ!?」って内容(笑)
今じゃなかなか仕入れられないレアなタイトルがそのダンボール箱からドバドバ出てきたんですよね。
コレは超絶ウレシイ、発見でしたね。
完全にタイムカプセル状態でした。
再発掘されたソレ等の内容から推測するとタブン、6〜7年前に仕入れたレコードだけどその時は店頭に在庫があったとかの理由でバックストック行きになったダンボール箱のようです。
6〜7年前の自分、ナイスすぎるっ!(笑)
で、スタッフからは
「コレ、隠してたでしょ?」って疑われましたが(笑)
■ 引越しは終わらない
まぁ〜イロイロとありましたが無事に空き物件の引き渡しを終えて事務所兼倉庫の移転はナンとか終わり、ホッと一息ついたトコロです。
がっ!
移転完了から1週間後に約100箱分(約5000枚)の買取査定が到着ぅーーーっ!
やっと片付いたと思った部屋がもうレコードだらけでパンパンになっちゃいました(笑)
…ヤバいなこれ、ホントにやっていけるのかこの場所で…って引越ししてまだ1ヶ月も経っていないのにもう黄色信号が灯っちゃいました。
ん〜でも、これがレコード屋。
増え続ける在庫と付き合いながら、どうやって価値を生み出すか。
それがこの仕事なんじゃないかなって思ったりもします。
■ レコード屋は「物量」と「ロマン」でできている
今回の引越しでレコード屋って、ただ音楽を売ってるわけじゃなくって、
物量と格闘して、
在庫と向き合って、
その中から価値を見つけていく仕事なのかもって改めて思った次第であります。
SLY CABELL / FEELIN' FINE
SLY CABELL / FEELIN' FINE の試聴
next recordsのサイトでSLY CABELL のレコードを探してみる
正直、効率だけ考えたらやらない方がイイ(笑)
でも、それでもやるのは
やっぱりレコードにはロマンをカンジているからなんだろうな〜なんて思いました。
そして、そのロマンを当店を通じてレコードを手に入れた人に届けたいっていう気持ちなんだろうなぁってカンジるワケであります。
Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!
渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!
毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。
このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。
Next Records Shop at Shibuya Tokyo Japan.
We are a small record store but we welcome you with a huge selection of original pressed 12" singles.
If you visit Tokyo, please visit our record store!
