
渋谷で中古レコード店をやっていると、時々お客さんに訊かれるコトがあります。
「レコードってどこに保管しているんですか?」って。
店内に並んでいる膨大なレコードの量を見れば、たしかに気になりますよね。
しかしですね、実はあれは氷山の一角なんです。
Next Recordsでは店頭に並んでいるレコードの何倍もの在庫が、店舗とは別の場所に保管されています。
そしてその倉庫が、今回またしても引越しすることになってしまいました…。
いや〜もうね、本当にこれはレコード屋の宿命と言っていいかもしれません、決して宿命にはしたくないのですケドね。
今日はそんな「レコード屋の裏側」の話を書いてみようと思います。
渋谷でレコード店を始めて26年
オイラの運営しているNext Recordsは、2000年に渋谷・宇田川町でスタートしました。
気がつけば今年で26年目になります。
お店をはじめた当初の渋谷といえば、レコード店の密集地帯でした。
最盛期はホントに凄かった。
90年代から2000年代前半、宇田川町から神南あたりまで歩けば、あちこちにレコード店がありましたからね。
当時に比べると今はさすがに数は減りましたが、それでもこのエリアにはまだ何軒ものレコード店が営業しています。
この街には、やっぱり音楽文化の土壌があるんでしょうね〜今でも海外からのレコードコレクターやDJもよく来てくれます。
そんな渋谷で長くレコード店をやってきて思うのは、レコード屋のイチバンの悩みは在庫の保管…。
これに尽きるんですよ。
中古レコード屋はとにかく在庫が増える
レコードというのは不思議なもので、仕入れを続けていると本当に増えていきます。
オイラの店でもホボ毎日のようにレコードが入荷します。
買取もありますし、海外から仕入れるコトもあります。
そして中古レコードは基本的に1枚1枚違う商品なんですよ、つまり同じ商品を大量に売る商売ではないんですね。
中古レコード屋は、「1枚しかない宝物」を扱う商売です。
だからこそ、良いレコードはできるだけ持っておきたい…次はいつ再び入荷できるか解らないのでストックしておきたいっていう心理が強く働くんですよね。
でもその結果どうなるかというと…店がレコードで埋まります。(笑)
今のお店の状態はというと
・入口 → レコードのダンボール山盛り
・店内 → エサ箱の下のストック棚がパンパン
・バックヤード → 指が入らないほどレコードが詰まっている
・カウンター → 入力作業中のレコードで溢れている
つまり、完全に飽和状態です。
店主としては、お客さんを迎える入り口くらいはキレイにしておきたいって常に思っているんですよ。
でもレコードがそれを許してくれないっ!
これがレコード屋のリアルです。
2013年、最初の倉庫を借りた
この問題が限界に達したのが2013年でした。
もう店内では保管しきれない。
そこでオイラは自宅の近くにコンテナ倉庫を借りました。
その時の記事はコチラ
ダンボールに詰めたレコードを大量に移動して、
「いや〜スッキリした!」と思ったんですよ。
しかしですね…数年後にはまた店内がレコードのダンボールだらけになりました。
そしてコンテナ倉庫をもうひとつ借りるコトになりました。
それでもまた数年後には店内がレコードだらけになっちゃいました…。
もうこの頃から物理的に店が破綻し始めていたんでしょうね。
2017年、倉庫兼事務所を借りる
そこで2017年、オイラは一大決心をしました。
倉庫兼事務所を借りるコトにしたんです。
ご存知の通り渋谷の賃貸物件って、めちゃくちゃ高いんですよ。
でももう店内だけでは仕事が回らないんですよ。
フダンの入力作業にご来店いただいたお客さんとの接客に1000枚単位で持ち込まれる買い取りの査定…ソレを店内の限られたスペースで行うのはゼッタイにムリっ!って状況になっちゃんたんですよね。
そうして借りたのが、築60年の超古い雑居ビルでした。
広さは23平米くらい。広さ的には約14畳くらいの広さです。
でもこれがレコード屋的には最高だったんですよね
なぜなら
・ビルの1階の物件だった
・しかもレコードを積んだ車を横付けできる
・さらに天井高め(レコードが詰まったダンボールを積み上げることが出来る)
・オマケにリアル店舗からメチャ近いっ!(徒歩2分)
・さらに家賃は10万円以下っ!(ありえないっ!)
レコード屋にとって、「車を横付けできる1階」は神物件なんですよね。
重たいレコードを何箱も運ぶワケですから。
この築60年の超古い雑居ビルはまるで当店の倉庫兼事務所のために存在するような物件でした。
そして2023年、突然の退去通告
この場所を倉庫兼事務所として6年くらい使っていました。
店内から溢れ出た大量のレコードを保管したり、数千枚規模の買い取り査定のレコードを査定したりとメチャ重宝していました。
ところが更新のタイミングで大家さんから
「次回の更新はできません」って言われたんですよ。
その理由は、「建物の老朽化による取り壊し」でした。
まあ築60年ですからね。
仕方ないとはいえ…また引越しです。
新しい倉庫はより最高の物件だった
物件探しをして見つけたのが、お店からすぐ近くの物件。
しかも
・徒歩1分いや走ったら30秒っ!
・しかもコチラも1階の物件
・モチロン、車を横付け可能
・さらに築60年の物件よりも天井が高い
・オマケに広さも前より少し広い。
これはもう「理想的で完璧なレコード倉庫」でした。
築60年の物件も相当なレア物件でしたがコチラは更にソレを上回るくらいの好条件の物件だったんですよね〜。
ただしっ!「家賃は2割アップ」でしたが…(泣)
しかしもう退去勧告がすでに出されていたので内覧したその日のうちに即決で契約しました。
家賃が上がるのは正直イタかったですがそれでも「ココで腰を落つ付けて長くやっていこうっ!」と思って引越ししました。
その時の記事はコチラ
しかし2年でパンパンに…
上記に紹介したブログ記事を見て思ったのですが広いですね〜数万枚のレコードを積み込んでもまだスペースに余裕があるように見えます。
トコロがですね、レコードというのは本当に恐ろしいもので最初は
「収納力スゴいっ!」
と思っていた倉庫も2年足らずでパンパンになりました。
イヤ〜マジでに恐ろしい…。
レコードは増える生き物なんじゃないかと思うくらいです。
まぁ〜だけど四方八方をレコードが詰まったダンボールに囲まれた中でオイラはレコードの選別作業や査定に勤しんでいました。
そして再び退去通告
で、はじめての倉庫件事務所の更新を終えた翌月に管理会社から通知が来ました。
「オーナーチェンジしました〜」
まぁコレは、収益性の高い繁華街の賃貸物件ではよくあるハナシなので
「ふ〜ん…そうなんだ…」
くらいに思っていたんです。
しかしその2ヶ月後。
新しい不動産会社から電話がかかってきました。
その内容は、
「建て替えるので退去してください」
えっ…「マジかっ!?」
もう本当に青天の霹靂でした。
少し前に更新したばっかりなのにナンでだよっ!って。
渋谷で倉庫を探すのは大変
急いで物件探しを始めました。
条件は
・店から徒歩2〜3分
・できれば1階
・車横付け可能
・20平米以上
・家賃安め
しかし…
そんな好都合な物件はナイっ!
不動産屋から紹介されるのは、こんなよく見るワンルームマンションばかりなんですよね。

玄関
ユニットバス
キッチン
ベランダ…いやいやレコード倉庫に風呂やベランダ、キッチンもいらないんですよ。
とにかくレコードを保管するというコトに特化した使い方としてはムダなスペースが多すぎるんですよね。
そして選んだのはマンション
退去の期限は一応決められていたのですがオイラの性分上、引越し先が未確定というそういった問題点がクリアされなければ落ち着いてシゴトが出来ないんですよ。
物件を紹介してくれる不動産屋も連日、「コレはどうですか?」ってカンジで物件のチラシを見せてくれるのですがまったくオイラの希望にカスらない…。
そんなダメダメ物件の中でも唯一、マシなのが1つだけあったんですよね。
しかしっ!家賃が今より2.5割増っ!コレは、イタい出費です。
決してキレイとは言えない古いレコードを保管するのに高額な家賃を払うのは効率的に考えて正直ムダです。
述べ30件以上の賃貸物件を紹介してくれましたがチラシを見ただけでひとつも内覧してみようって思う物件がありません。
そんな状況を見かねた新しいオーナーから「今の家賃の差額分を営業補償として補填するので移転してほしい」って条件が提示されました。
そこまでの好条件を提示されるとサスガに移転先を決めざるを得ませんよね。
で、最終的に決めたのが唯一マシな物件でした。
この物件、今の倉庫のすぐ近くのマンションなんですよ。
しかしコレが完全にオーバースペック。
・15階建ての高層マンションの6階
・オートロック
・日当たり最高
・眺望良好
・しかもリアル店舗から徒歩1分
というか、オイラが住みたいレベルの部屋なんです。
正直
「ココをレコード倉庫にしていいの?」ってカンジです。
300箱のレコード引越し
現在オイラは、台車にレコードを積んでせっせと引越ししています。
そのダンボールの数、推定300箱くらいあります。
ホントはもっと多かったんだケド、50箱をコンテナ倉庫に移動させました。
引越し先が近くとはいえ、300箱は相当な量です。
しかもレコードは重い…だいたい1箱20kg近くありますからね。
もう完全に筋トレ状態です。
新しいオーナーさんからは引越し期間として2ヶ月の猶予をもらったので少しづつダンボールを移動させて行こうと思います。
ん〜しかし、時間的に余裕があるとはいえホントにタイヘンです。
レコード屋という仕事
レコード屋ってハタから見ていると優雅なシゴトに見えるかもしれません。
音楽に囲まれて
レコードを聴いて
好きなものを売る。
でも実際は結構、肉体労働の比率が高いんですよ。
レコードは
重い
場所を取る
増え続ける
そして
引越しがタイヘン。
それでもレコードが好き
正直に言うともう引越しはホントに勘弁してほしいです。
っていうか引越しのたびに毎回言っていますケドね。
引越ししたくないのに強制的に引っ越しさせられちゃうって状況は、コレまでに何回もありましたからね。
あ〜思い返してみれば今のリアル店舗も建物を取り壊すから出ていってくれって言われて移転したんですよね。
ん〜今回の引越しストレスで口内炎までできました。
しかしですね〜それでもレコード屋を続けている理由はやっぱりレコードが好きだからなんでしょうね。
レコードという文化
アナログレコードは、単なる音楽メディアではありません。
ジャケット
盤の質感
音の温度
そして
ナニよりもレコードを探す体験
コレ等すべてが文化だと思います。
Next Recordsでは12インチシングルのオリジナル盤だけを扱っています。
すべてのレコードは
・クリーニング
・品質チェック
・試聴可能 にしています。
そして1枚1枚に推薦コメントを書いています。
これは率直に「レコードとの出会いを楽しんでほしい」という気持ちからなんです。
次の引越しはもう勘弁
今回の移転先のマンションは、築10年くらい。
なのでタブン…もう引越しはナイでしょう。
タブンですが…(笑)
むしろ心配なのは家賃の大幅UPです。
こんな高額な家賃を中古レコード販売で維持できるのか…。
それより先にオイラのカラダが300箱の引越しに耐えられるのか(笑)
ONE WAY feat. AL HUDSON / DO YOUR THANG
ONE WAY feat. AL HUDSON / DO YOUR THANG の試聴
next recordsのサイトでONE WAYのレコードを探してみる
レコード屋の裏側
もし渋谷に来る機会があればゼヒお店にも寄ってください。
店内に並んでいるレコードの裏には
こんな倉庫と在庫の物語があります。
でもそれもレコード文化を守るシゴトの一部…。
今日もまた台車にレコードを積んで倉庫と店を往復しています。
願わくば…
次の引越しは10年後くらいでお願いします(笑)
イヤ、もう引越しはしたくないっ!
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