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東京 渋谷 宇田川町のオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店、Next Recordsの店主です。
当店は、知る人ぞ知るかの有名なシスコ坂でお店を営んでいるのですが、お店とは別にお店に出せていない未整理の状態の大量のレコードを保管するために別に倉庫を借りています。
その倉庫では、仕入れた時のダンボール箱に入ったままのレコードが5段くらい積み上がった状態で保管されています。
この倉庫は、2023年から借りていて、面積的には15帖ホドの広さがあるのですがレコードを保管しているといえば聞こえは良いのですが実際は、もうかなりカオスな状態でダンボール箱だらけになっちゃっています。

イッタイ、どれくらいの枚数がこの倉庫に詰め込まれているのかってまったく想像がつかないのですが今の倉庫に引っ越す前に数えた時のレコードの枚数が約3万枚くらいだったのでその時よりもさらに枚数が増えているのは、確実なので推定4万枚以上のレコードが積み上がっている状態です。
一応、それらのレコードが詰め込まれたダンボール箱には、HipHopだとかHouseだとかジャンル別に判るように書いてはいるのですがそのレコードがいつ当店に入ってきたのかというのは、わからないんですよね。
まぁ〜積み上がったダンボール箱の手前の列は比較的新しいかも・・・ってカンジでナンとなくですが雰囲気的なカンジで把握してはいるつもりなのですが・・・。
で、時々その積み上がったダンボール箱からお店に出せそうなレコードをピックアップするのですが、少し奥の方にあったダンボール箱からレコードの間に書籍・雑誌が挟まっているのを見つけました。
ソレがコチラです。
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左側のは、DJ'S ROOMというインテリア系のムック本で内容は、タイトル通りDJ達の部屋を紹介している写真集みたいなカンジの書籍です。
右側の雑誌は、FRONTというHipHop系の音楽情報雑誌でラッパーやシンガーたちのインタビューや現地のClubやシーンのレポート等を紹介している雑誌です。
で、コレいつ発売された本なのかというと1998〜1999年の頃の書籍なんですよね・・・今から25年前・・・四半世紀以上前ね。
ちなみに当店は、2000年にレコード店を開業したのでオイラがレコード店を始める前に出版された本です。
タブン、レコードをすべて処分したお客さんから買い取った時にそのままレコードの間に挟まっていたってカンジですね。
どういった経緯でそのレコードを買い取ったのかっていうのは、ちょっと覚えていないのですがタブン、コロナ前の2019年頃に買い取ったレコードだと思われます。

で、実はこの2つの本・・・オイラも当時1998年頃に買っていて今でも鮮明に覚えているんですよね〜ドコにあるかは解らないケド。
久しぶり開いたその内容を紹介したいと思います。

DJ'S ROOM
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各々のDJ達のプライベートな空間である部屋の写真の紹介と共に年齢・職業・居住年数・DJ歴・レコードの所有枚数・DJ機材・クラブシーンと関わりをはじめたキッカケ・よく行くレコード屋 等が一緒に紹介されているというカンジです。

普段から古いレコードを毎日見ているオイラからすれば20年前とか30年前、はたまた40年前にリリースされたレコードなんて別に「懐かしい〜」なんて感傷ひたったりセンチメンタルな気分になるコトなんてまったくナイのですが、このDJさん達の部屋を見て思ったのが「メチャ、エモいな・・・」って率直にカンジたんですよね。
ターンテーブルやDJミキサー、スピーカーやアンプ等のオーディオ機器に関しては25年以上たった今でもそれホド変化はないのですが、そのプライベートな部屋の雰囲気がもう25年以上前なんだなぁ・・・っていうエモさが満載になっているんですよね。

例えば、部屋の中にテレビが置いてあるんだケド、書籍に紹介されているすべてのテレビがブラウン管のテレビなんですよね。
当然、オイラもその時代を過ごしているので1990年代後半ってブラウン管のテレビが当たり前だったコトは知っているのですが、「あ〜そういえばテレビってこんなカンジだったなぁ・・・」って改めて思い出されました。
あとね・・・DJさん達の部屋に時々、パソコンが置いてあるんですよね、ソレがまた古いパソコン感が溢れていてコレがまたエモいっ!
モチロン、写っているパソコンはすべてデスクトップ・パソコン、さらにパソコンの上にブラウン管のモニターというダブルのセットで!
そのデスクトップパソコンのデザインも白っぽいカンジで全面にフロッピーディスクドライブとCDRドライブが並んでいるという・・・当時の最先端のパソコンです。
今だとプライベートな利用だとノートパソコンが多いと思うのですがノートパソコンが普及しはじめたのって1999年くらいからなんですよね。
まぁ〜まだまだ一部の個人の人が所有するくらいで当時はパソコンといえばデスクトップが当たり前という時代です。
モチロン、Wi-Fiなんてありませんしね・・・ちなみに日本でWi-Fiが普及したのは2010年くらいからです。
1999年頃はまだADSLがではじめた頃なので多くの人は、モデムでインターネットに繋いでいました。
あとね、多くのDJさん達のテーブルには、タバコ・ライター&灰皿が置かれているっていうのも今とは違いますね。
マンションの部屋は、今とそれほど変化はナイのですが、やはり和室まるだしの古い文化住宅的な部屋は、今でも時代をカンジさせる風情がありますね。
畳に部屋にラグを敷いてそれっぽくしているんだケド、フスマがあったり鴨居にレコードをディスプレイしたりして・・・25年という時代をカンジさせる雰囲気が漂っていますね。
実は、このDJ'S ROOMって本、2010年に一度この渋谷レコード店日記ブログで紹介したコトがあるんですよね。
その時の記事はコチラ
DJ'S ROOM(10年以上前の写真集)

ま〜似たようなコトを書いていますが、改めて2010年の時に思った感想からさらに15年が経過した2025年の感覚とは少し違った印象がありますね。
そもそも「エモい」なんて表現が、2010年頃にはなかったですしね。

HipHop情報誌 FRONT
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コチラは、あらゆるジャンルの音楽系雑誌を出版しているシンコー・ミュージックの雑誌です。
シンコー・ミュージックの雑誌には似たようなHipHop雑誌にblastというのもあるのですが、FRONTが1999年1月号より『blast』という雑誌名に改名したとのコトです。
要するにFRONTからblastに雑誌名が変わったというコトですね。

で今回紹介しているFRONTは、1998年11月号なのですが、オイラの中でも特にスチャダラパーが表紙になっているこの刊は、印象深い1冊なんですよね。
というのもこの雑誌に特集されている内容が、当時としてはR&B系レコードマニアにとってはバイブル的な1冊だったんですよね。
ソレが題して「R&B お宝リミックス」特集です。
見出しのリードコピーにはこの様に書いています。
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一部のマニアだけにひっそりと聴かれている、素晴らしい内容ながらいまいち陽の当たらない
珠玉のR&Bリミックスを紹介する新企画!
ある程度ディグらないとゲットできない壁も多いけど、五段階評価の「お宝度」を参考にして探してね!

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今では、Discosで気になるレコードのコトを調べればイッパツで判るコトなのですが、1998年当時は、正規盤としてリリースされていたレコードのコトはレコード店に行けばリリース時期さえハズさなかければ購入するコトが出来たのですがPromo盤に関する情報というのはまったく入手するコトができなかったんですよね。
しかも、90年代後半という当時は、DJブームの真っ最中っ!
新しく配布される1998年の最新のPromo盤は、ManhattanやCisco、DMR等でボチボチと手に入れるコトが出来たのですがソレより以前の90年代初期〜中期にリリースされたPromo盤の情報は、まったく解らなかったんですよね。
そういった情報がない中に組まれたこの「R&B お宝リミックス」特集は、レコードマニアには、「ナンだっ!コレは!?」的なセンセーショナルな内容でした。

当時は、DJ達がミックスした所謂ミックステープが流通しはじめた頃で、彼らが正規盤とは少しアレンジの違うバージョンの曲をそのミックステープに収録していたんですよね。
一応、正規盤は手に入れますよ・・・でも、ミックステープに収録されている同じバージョンが正規盤には収録されていないんですよ。
じゃあ、このミックステープに収録されているバージョンは、いったいナンなんだ?ってなるワケですよ。
当時オイラは、大阪に住んでいたのですが東京とは、情報の格差がやはりあって、こういったどの12インチシングルにどんなRemixが収録されているナンてコトは、まったく解らなかったんですよね。
で、知り合いのDJ達や新譜のレコード店のスタッフに訊いても「知らないなぁ・・・」ってカンジで。
そんな情報に飢えていた最中にこのFRONTの「R&B お宝リミックス」特集が組まれたワケです。

今では、定番的な12インチシングルとして知られているタイトルですが、オイラはこの特集を見るまで知らなかったレコードがたくさん紹介されていて「ナンだ!コレは!?」って目ん玉が飛び出るくらいの衝撃でインパクトありまくりでした。
こういったPromo盤が存在しているという情報を知ると次のアクションは、「全部手に入れてやるっ!」ってトーゼンなるワケですが(笑)
久しぶりに読み直してみると、当時は激レアだったPromo盤も今では比較的手に入れやすくなっていたり、またその逆で当時は手に入れやすかったが今ではまったくお目にかかるコトが出来なくなった12インチシングルが紹介されていたりとなかなか興味深いですね。

1999年頃にNext Recordsを開店するにあたりこの「R&B お宝リミックス」特集のページをコピーして買い付け持っていってチェックしていたコトを思い出しました。
タブン、この雑誌の元の持ち主もこの「R&B お宝リミックス」特集のためにこの刊だけ所有していたんじゃないかなぁ。

DOCTOR FUNNKENSTEIN / SCRATCHIN' TO THE FUNK
DOCTOR FUNNKENSTEIN / SCRATCHIN' TO THE FUNKの試聴
next recordsのサイトでDOCTOR FUNNKENSTEINのレコードを探してみる

雑誌 FRONTの後ろの方のページには、各レコード店の広告が掲載されているんですよね。
ココで紹介されているHipHop/R&Bのレコードがまた時代をカンジさせるんですよ。
BIG L / DEVI'S SONだとか、RUN DMC / HERE WE GO (LIVE AT THE FUNHOUSE) 、RAMMELZEE VS K-ROB / BEAT BOPなんてもう数年お目にかかれていないような激レア盤が紹介されていたりする反面、JADE / EVERYDAY OF THE WEEKやLISA STANSFIELD / ALL AROUND THE WORLDなんて今ではカンタンに入手出来るレコードがレア盤みたいなカンジで紹介されていたりとコレまたその時代のニーズを反映した内容となっているのがとても面白いですね。
広告は、時代を反映しているとはよく言いますがレコード店の広告もまさにその通りですね。
というか、この広告を出しているレコード店・・・もうホトンドが閉店しちゃっているのも時代を反映しているのかも。

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