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東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード Next Recordsです。
つい先日、NETFLIXを観ていたら「あなたにオススメの作品」というレコメンド動画の欄に「The Playlist」というドラマが表示されました。
「ん?何だろう・・・コレ」って概要を読んでみるとスェーデンの音楽ストリーミングサービスのSpotifyの創業を描いたドラマだというコトでした。
個人的には、Spotifyってアプリをダウンロードしてちょっと触ってコトがある程度で、まったく興味が湧くコトなく「あ〜なるホドね・・・こんなカンジのプレイヤーなんだ・・・」って程度で自分では使うわないなぁってカンジだったのです。
だけど、まがいなりにも一応、零細中古レコード店主という音楽コンテンツを販売する立場っていうイミも含めてNETFLIXがオススメしてきた「The Playlist」って観てみました。
このドラマは、2022年に配信されたドラマでエピソードが全6話という構成になっています。
概要を読んだカンジでは、創業者がSpotifyという音楽ストリーミングサービスと開始するに至るストーリーを描いた内容なんだろうなぁ〜って想像していたのですが、ちょっと違っていました。
ドラマの6話ごとにSpotifyというサービスを取り巻く関係者のそれぞれ視点で描かれているような内容になっていてカンタンに言うと各話でメインとなる主役が若干変わっているんですよね。
アイデアの発案者(Spotifyの創業者)・違法ダウンロードサイトに悩むレコード会社社長・サービスを法律をまとめる弁護士・創業者のアイデアを実現するプログラマー・創業者を支援する出資者・Spotifyに楽曲を提供する悩めるアーティスト という6人の視点でドラマが進行するという内容でした。
正直、音楽配信サービスとか使っていないしタブン、これからも使うコトない、さらにSpotifyにもソレホド興味がないというかなり低いテンションでドラマを見始めたのですが、想像以上にこのドラマ・・・ハマりました。

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NETFLIXによる「ザ・プレイリスト」のあらすじ
「ザ・プレイリスト」は、無料かつ合法の音楽ストリーミングサービスを世界に向けて提供し、業界全体に革命を起こしたスウェーデンの若きIT起業家ダニエル・エクと、彼の協力パートナーたちの物語。小さな企業が、世界中の人が音楽を聞けるようにする方法を考案し、現状を打破しようとするとき、確固たる信念や、不屈の意志、人とのつながり、そして大きな夢を持つことがいかに大切かを描きます。
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第1話目の創業者が、Spotifyという音楽配信サービスのアイデアを発案してソレを実現化するために奔走するエピソードは、オイラ的には相当刺激的なハナシでしたね。
コレ、ナニかイイアイデアを思いついて「こんなコトが出来ればイイなぁ〜」ってコトは、多くの人が経験としてあると思います。
しかし、その思いついたアイデアを実現化する為に実際の行動に移せる人ってホント、一部の人だけなんですよね。
ナンか、この1話目のエピソードを見た時にオイラが中古レコードの販売に携わった時のコトやNext Recordsを渋谷ではじめようと思った時のコト、紙のカタログ通販からネット通販へ移行した時のコト、もっとレコードが購入しやすいオンラインショップをするためにイロイロと試行錯誤したコトなどなどコレまでの自分の経験とナンダカ、共感する部分が多々あってかなり楽しくドラマを見るコトができました。
しかもこのSpotifyというサービスが立ち上がった当時の状況っていうのもオイラは、リアルタイムで知っているので余計、あ〜そういえばあの時、そんなコトがあったなぁ・・・って思える部分もあって余計にハマりましたね。
ちなみにSpotifyは、2008年にサービスが開始されてアメリカには2011年に進出して、日本では2016年9月29日にサービスが開始されたそうです。
Spotifyの創業者、Daniel Ekは、2006年ごろにSpotifyというサービスのアイデアを思いついたそうです。
その当時、音楽業界は深刻な変化の最中で、違法ダウンロードが急増し、NapsterやLimeWireといったファイル共有サービスが音楽業界の収益に大きな影響を与えていたんですよね。
ソコでDaniel Ekは、この状況を見て「違法ダウンロードがカンタンすぎるからこそ、人々が正規の音楽サービスを使わないのではないか」と考えてもっとこうすればイイのに・・・というコトでSpotifyのアイデアを思いついたみたいです。
使いやすさと合法的でちゃんと収益できるビジネスモデルを構築するために2年ホドの歳月がかかったんですね。
アイデアの原点には、Daniel Ek自身が相当な音楽リスナーであり、さらにテクノロジーやインターネットの可能性を深く理解していたコトがバックグラウンドとしてあって、さらに彼は「人々が無料で音楽を楽しみながら、アーティストにも正当な報酬を提供する世界を作りたい」という理想を持っていたコトが創業の理念にありました。

違法ダウンロードによって大ダメージを被っているその時のレコード会社が於かれていた状況が第2話のレコード会社社長の視点で描かれているという流れになっています。
ドラマでは、描かれていませんがSpotifyのサービスがはじまる数年前(タブン2003年頃)にAppleによるダウンロードで楽曲を購入するというサービス(iTunes Music Store)が存在していましたね。
コチラは、1曲99セントでデジタル音源を購入するというサービスで当時は、1曲$1以下で購入できるというコトで話題になったのですが、後発のローンチされたSpotifyが無料で音楽を聴き放題できるというサービスからイッキにシェアを広めたんですね。
音楽の所有からからアクセスへという潮流の背景や変化があったんですが、その一旦をになったのが、Appleが作ったiPhoneっていうのもナンダカ不思議なめぐり合わせですね。

3話目の弁護士のエピソードは、レコード会社とSpotifyの権利の問題がメインに描かれているのですが、タイトルにもなっているプレイリストのアイデアに繋がっているというのもなかなか面白いですね。
広告で収益をあげるビジネスモデルだけでは、サービスを維持するコトが出来ない中で起死回生の革新的なアイデアを思いつく・・・そしてソレが大当たりして収益を押し上げる・・・ん〜なかなかドラマチックですね。
ネット通販を営んでいるオイラも時々、「コレ、イイかも?」ってアイデアを思いつくのですが、行き詰まるのはだいたいそのアイデアをどうやって収益化するのか・・・って部分でお蔵入りになるんですよね。
実は、いまもちょっと良さげなアイデアを思いついてソレが実現できればイイなぁ〜っていうネタがあるんですよね。
でも、トーゼンですがそのアイデアを実現するためには、ある程度の費用がかかるワケです。
その費用をかけて実現したその後にその費用と手間をどれくらいの期間で回収していつから収益化できのかぁ・・・って考えると途端に「イケるのかな・・・」って不安になるんですよね。
ホント、ソレホド費用がかからないアイデアであればカンタンなんですケドね〜、如何せん零細中古レコード店なので費用をかけてアイデアを実現下はイイけど失敗しちゃうと大ダメージになりますからね・・・慎重になっちゃいます。
そういったイミでは、Spotifyに於けるプレイリストは、低コストで収益を見込めるかなり効果的なサービスだと思います。

個人的に全てのエピソードがとても興味がもてる内容で面白かったのですが最終話のアーティスト視点からのストリーミングサービスの問題点を浮き彫りにしたエピソードはなかなか考えさせられるストーリーでした。
日本でもミュージシャンが「いい曲を作って発表して多くの人に聴かれて再生回数も伸びているのに全然、お金にならない」ってコトをSNSに投稿して話題になっていますよね。
まさにそのコトが最終話で描かれています。
創業者であるDaniel Ekは、リスナー視点で「合法でダレでも無料で好きな音楽を楽しめるプラットホームを提供する」という音楽が好きな人にとってはサイコーのサービスを提供出来たのですが、楽曲を提供しているアーティスト達は、Spotifyやレコード会社だけが儲かって自分たちは搾取されている・・・みたいな気持ちになる・・・ん〜コレは、なかなかムズカシイ問題です。
しかもだからといってSpotifyから自分の楽曲を引き上げるってコトをすれば、そのアーティストの音楽を聴きたいって思う人に届けるコトができなくなるというジレンマを含んでいるという問題もあります。
Spotifyのサービスには否定的でイヤなんだけど、辞めれない・・・みたいなカンジですね。
ドラマではTaylor Swiftのようなビッグアーティストが、Spotifyから全ての楽曲を引き上げるエピソードがありましたね。
その理由は、Spotifyの収益分配モデルに対する不満が原因でTaylor Swiftは、アーティストやソングライターへの報酬が不十分だと主張したコトの行動によるものです。
数億人のファンが付いているアーティストは自分の主張をSpotifyから撤退するという行動にするコトは、出来てもマイナーなアーティストは、Spotifyからの撤退は、自分の音楽活動では、リスナーとの接点を失うコトになりますからね。
ドラマではディスカバリーモードのコトが問題にされていましたね。
Spoifyのディスカバリーモードってナニか解らなかったので調べてみると・・・
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「Discovery Mode」は、アーティストやレーベルなど楽曲の権利者がリスナーに聴かせたい曲を設定し、その情報がSpotifyのアルゴリズムによる音楽セレクト機能に追加されることで、その曲が自動再生またはラジオで再生されやすくなる代わりに、通常よりも低いプロモーション用のロイヤリティー・レートに変更するというもの
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音楽を聴く側からするとちょっと解りにくいですね・・・要するにコレ、自分(アーティスト)の曲を知らない人がSpotifyのオススメのトコロに頻繁に表示されるようにするために、通常よりも低い再生料金で契約するというサービスなんですね。
解りやすく例えるとGoogleの検索で検索した結果の上位に出てくる広告のイメージに近いですね。
自分の受け取る再生料金を広告費に充てるみたいなカンジです。
なかなかコレは、エグいカンジがしますね。
多くの人に無料で音楽を聴いてもらいたいという理想からはじまったサービスだったのにアーティストは、搾取されているという印象を持つ・・・ナンかコレ、創業者のDaniel Ekからすれば、やりきれないカンジもします・・・だけど、アーティストの立場も解るんですよ・・・Spotifyからの撤退は、リスナーとの接点を失うコトに繋がるというSpotifyを利用せざるえない状況になっているワケですね。
日本においては「三方良し」というビジネス哲学を象徴するワードがあるのですが、Spotifyのサービスは「三方良し」ではナイんでしょうね。

MANHATTAN TRANSFER / TWILIGHT ZONE
MANHATTAN TRANSFER / TWILIGHT ZONEの試聴
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まったく低いテンションから観始めたドラマだったのですが、実話に基づくストーリー性とその表現の方法、観る者に考えさせる問題提起などなどに引き込まれてイッキ観してしまいました。
先にも書きましたが音楽・ネットサービス・ビジネスというオイラの関わる環境にちょっと近い部分もあったりしたのがハマる要因でもあったんでしょうね。
少し前にファイル共有ソフトWinnyの開発者のコトを描いた映画「Winny」も観たのですが、コチラの映画自体は面白かったのですが、どちらかと言うとピアツーピア(P2P)の事件性や裁判の方にハナシがよっていて「ザ・プレイリスト」のような自分の体験と共感する部分がなかったんですよね。
まぁ〜でもコレ、Winnyが元となったピアツーピア(P2P)の技術が違法ダウンロードサイトに利用されてそのコトがキッカケになってSpotifyの開発へと繋がっていくんですね。
そういったイミではコレは、地続きのハナシでもあるんでしょね。

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