nealhoward_tobeornot
つい先日、ご来店いただいた常連のお客さんから
「最近、レコードの値段ってアガってきていません?」って訊かれました。
モノの値段が徐々にアガってきているって状況は、最近のニュースなんかでも頻繁に取りあげられていますね。
ガソリンや電気代等のエネルギー関連は、もとより食品や生活雑貨までホトンドの商品が少しずつではありますが、値上がっているっていう状況です。
で、我らが愛する愛しきアナログレコードもこの物価上昇の波の影響を思っきり被っている・・・っていうコトが実はココ最近、もう目に見える形で明らかになってきているんですよね。
アナログレコードという極めて趣味性の高いアイテムがナンで物価上昇の影響を受けるんだろう・・・ってちょっと不思議なのですが、このブログでも度々伝えていますが今現在、世界的に見ても物価上昇、つまりモノの値段があがるというインフレ傾向にあります。
アメリカ、ニューヨークでラーメンにちょっとトッピングしただけで日本円で5000円くらいなるそうです・・・ってコトを以前、紹介しました。
今、米国への買い付け費用はいくら必要?
まぁ〜アメリカは、日本以上に凄まじい状況ですが、日本人からすると最近の円安も影響して上記のコトを書いた時よりも2023年9月は更に高くなっているんじゃないでしょうかね。

で、レコードの値段がアガってきているというコトに関してですが、経済的な観念からモノの値段がアガってきている状況の中で「アナログレコード」というマニアックなアイテムまで少しずつですが値段がアガっているのは、やはり世界的なレコード人気が明らかに影響しています。
当店を利用していただいている人は、中古レコードをメインにディグしている人が多いと思うのですが、新譜の値段って2023年の今現在いくら位かというと・・・。
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『炎のファイター/アントニオ猪木のテーマ INOKI BOM-BA-YE』7inchアナログ
2200円
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はっぴいえんど 風街ろまん<完全生産限定盤(透明クリアヴァイナル)>
4070円
いずれのレコードも近々再発される予定です。
タイトルによって価格差があるようですが、7インチは2000円〜2500円
アルバムは、4000円〜5000円っていう価格帯になっていますね。
2枚組となると6000円〜7000円にもなるみたいです。
ん〜レコードの価格も高騰も気になるのですが最近は再発されるレコードのタイトルもかなり際どくなってきていますね〜(笑)
はっぴいえんどのアルバムは、海外でも人気なので再発されるのはまぁ〜理解できるのですが、アントニオ猪木のテーマは、今どれくらいのニーズがあるのかまったく読めません(笑)

モノの値段がアガっていくインフレ傾向に加えて、レコード人気という拍車がかかるという。ダブルの要因が関係しているようです。
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ちなみに「アントニオ猪木のテーマ」は、ヤフオクだと1200〜2000円位が相場のようです。
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「はっぴいえんど / 風街ろまん」の方は、状態によって価格の差にかなり幅があるのですが、概ね5000〜1万円というカンジでしょうか。
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中には、状態のイイ初回プレスは、数万円というコトもあるようです。
新譜に関しては、昨今のレコード会社の苦境からこういったアナログレコード人気からニーズの見込める過去タイトルは、積極的に再発していこうっていう販売戦略になっているコトがうかがえます。
「はっぴいえんど / 風街ろまん」は、帯とライナーノートが付属の完品状態だとDiscogsでも2万円くらいが相場のようなので、再発がリリースされたら相当数の販売が見込めそうですね。
新譜に関しては、やはりレコードの元となる塩化ビニールの原材料費の高騰とトーゼン、素材自体が輸入なのでその輸送費、さらにプレスを行う東洋化成の製造費がトーゼン、上がってきているコトが影響しているでしょう。

で、我らが中古レコードなのですが・・・当店の場合、海外のディーラーからの仕入れと国内のレコード買取の2つが主なレコードの入手となるのですが、海外からの仕入れは、正直に日本の中古レコードの値上げ幅以上に高騰しているのが実情です。
コレがもう、マジでヤバいくらいになっています。
トーゼン、ナンでもカンでも値段がアガっているというワケではなくって、人気の浮き沈みがとても激しいんですよね〜イヤ、浮きはあっても沈みはあまりナイか・・・。
コレまでレア盤とされていたタイトルは、超レア盤に、フツーの中古盤は、ちょいレア盤になったりというカンジで、レコードの価値のステージみたいなモノがあるとすれば概ね結構なタイトルがワンランク上がっている印象です。
多くの人が手に入れたいと思うタイトルに関しては、日本人レコードマニアは、カンゼンに海外のレコードマニア勢に買う気の勢いが負けている様なカンジがしますね。
しかも今って円安でしょ・・・海外からのレコードを仕入れる立場としてはメチャ、キビシイですよ。
ディーラーから送られてくるリストを見て数ヶ月前は、$10で買えたタイトルが、今は$20なんてイキナリ倍の価格になっちゃうコトも珍しくありません。
だけど、円安のコトも含めるとドルの価格以上に仕入れ額が上がっていますからね。
で、人気のあるタイトルに関しては、当店としては目玉として是非とも仕入れたいトコロなのですが、例えば$100で仕入れたレコードを送料や利益をノセてイッタイいくらで売れるのか・・・って考えると、タブン日本のお客さんは「高っ!ムリっ!」ってなるんじゃないかな〜って思うってちょっと躊躇してしまうんですよね。
オイラは、時々海外のオークションに出品されているレコードもチェックするのですが、オークションというちょっと興奮状態も入っているのかコチラも「このレコードが、こんな値段に?」って場合が少なくありません。
Sadeとか当店でも入荷したら必ず売り切れるホド人気があるのですが例えば、こんな状況です。
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うむ〜〜〜〜〜£64って言ったら円換算すれば、11000円位ですからね。
サスガにコレは、イキスギでしょう・・・
ちなみにヤフオクだと2000〜3000円くらいですね。
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コレ、海外の人が見たらどう思うでしょう、「ヤバっ!日本、レコードの値段マジで激安じゃんっ!」ってなりますよね。
しかし、Sade / Kiss Of Life の12インチ、十年くらい前にデッドストックで50枚くらい大量に仕入れるコトが出来たのでウハウハで販売して全部売り切ったのですが、何枚か残しておけばよかったなぁ〜ちょっと後悔しています(笑)
この日本と海外とのレコードの価格差のコトもあって海外のレコード好きなマニアが大挙して日本のレコード店へ押し寄せてきている状況なのかもしれません。
最近は、EUや北米だけでなくアジア圏のレコードマニアが日本でレコードを買いまくる様子も頻繁に目にするようになりましたしね。

で、日本のレコードの買い取りに関しては、当店がメインで扱うような12インチシングルに関しては90年代から2000年代のダンスミュージックに関しては、比較的まだ入手しやすいのですが、80年代にリリースされた12インチシングルがなかなか手に入れづらい状況です。
まぁ〜言っても、もう40年ホド前のレコードですからね・・・しかも、12インチシングルって当時のレコード店でもアルバムをメインに扱っていて12インチシングルは、ホンの少しだけの取り扱いだったという事情もありますし、そもそもの全体数がそれホド、多くないですからね。
だけど、今の日本人の評価としていわゆる「カス盤(不人気盤)」とされているタイトルとかでも世界の中古アナログレコード・マーケットでは、比較的ニーズがあったりするので、これまたホント解りません。
先日、イタリア盤のユーロビートのレコードをまとめて店頭へ出したのですが、日本では80年代に流行ったユーロビートのレコードってそれホド、人気が高くないのですが店頭で値付けされたレコードを見て結構イイ価格が付けられているのを見てスタッフに「こんな値段で売れるの?」って訊いたトコロ、「アジア圏や南米でこの時代のユーロビートが人気みたいでこのくらいの価格でも全然イケるみたいですよ」と。
で数日後、ご訪問いただいた外国人のお客様がゴッソリ買っていかれました・・・。
ん〜海外勢のレコードの購入意欲は、ハンパないなぁ〜って実感しました。
で、その外国からのお客さんに自国のレコード事情を訊いてみると・・・。
「日本の価格の倍の値段が付いているのでとても安いっ!」ってみなさんおしゃられる始末です。
タブン、日本のレコード店も今後、海外のお客さんからのニーズに合わせて価格が見直されていくんじゃないかな・・・ナンて思ったりしました。

NEAL HOWARD / TO BE OR NOT TO BE
NEAL HOWARD / TO BE OR NOT TO BE の試聴
next recordsのサイトでNEAL HOWARDのレコードを探してみる

で、今後どうなるかですよ・・・。
タブン、まだ数年間は、このモノの値段が上がっている傾向は続くんじゃないかな〜って思うのです。
でもレコードに関しては、やはり生活必需品ではなくってあくまでの嗜好品なので、世界中の人が「レコードは、もうイイや・・・」って思えば、ニーズがなくなってコレまで持っていたレコードがマーケットに大量に吐き出されて妥当な金額へと価格が下がってくると思います。
だけどコレ、レコード人気がいつまで続くのかってコトは、誰にも解りませんからね。
世の中の経済の流れみたいな大局は、ニュースを見たりして比較的傾向が読みやすいですが、例えば90年代の後半から2000年代の不況の中の日本においてもDJ人気のアオリを受けて渋谷ではレコードを買い求め人がウジャウジャいましたからね。
経済的なモノと人々が作り出すブームは、カンゼンに一致しないというコトなんでしょうね。
なので、オイラの見解は「正直、どうなるか、解りませんっ!」です。

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