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渋谷 宇田川町で12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいるnext recordsです。
紆余曲折ありつつも今年で23年間、なんとかレコード店を続けております。
ココ最近、この「渋谷レコード店日記」ブログでも何度か言及しましたが、店頭で在庫しているレコードの減り方がハンパありません。
単純計算ですが今年のはじめ頃から店頭在庫のレコードが2000〜2500枚ホド、少なくなっている状態です。
2000枚以上のレコードが売れてなくなっている・・・って商売的にみると「結構なコトじゃないか」って一見思われそうですが、店主的にはなかなか悩ましい問題でもあります。
例えば・・・お客さんに「ナンかオススメないですか?」って聴かれてそのお客さんの趣向に沿ったオススメのレコードを店頭在庫から選ぼうとすると、そのタイトルが売り切れてナイってコトが度々起きるんですよね。
しかも、当店的には「定番中の定番っ!」みたいな在庫があって当たり前のタイトルですら、売り切れてナイっ!って事態が起きてしまったり・・・といった具合にちょっとマズいな〜ナンて思っているワケです。
「ココで、イッパツ、ドッカーンとレコードの買い付けに久しぶりに行ってみるか?」ってスタッフと冗談交じりでハナシていて思ったのですが実際に今、アメリカにレコード買い付けに行ったらどれくらいの予算が必要なのかな・・・ナンて思ったんですよね。
当店は、現在仕入れに関しては、国内でのレコード買い取り & 海外のレコード・ディーラーの2つのルートからレコードを仕入れを行っています。
最後にアメリカへ買い付けに出向いたのってもう覚えていないくらい前なんですよね〜タブン、10年以上前ですよ。
海外へ買い付けにいかなくなった理由っていうのは、今では考えられないかもしれませんが、10数年前ってレコードが売れなさスギて価格がメチャ下がって仕入れの為のコストが割高になったコトもあって海外へ買い付けに行かなくなったんですよね。

で、買い付けに行きまくっていた時期から10数年を経て今、アメリカへレコード買い付けに行くとするとその予算は、如何ほどかかるのかとちょっとカンタンに見積もりをしてみました。
プランは、こんなカンジです。
出発は2023年7月上旬で帰国は2週間後の14日間です。
成田からN.Y.へ飛んでレンタカーを運転して各地を移動しながらレコードを仕入れるという計画です。
仕入れるレコードの枚数は、約1000枚です。
買い付けにかかるコストの大きい部分ってやはりエアチケット・レンタカー・ホテル、このあたりが結構大きな割合を占めています。

で、コレまでよく利用していた旅行会社へエアチケットの値段を訊くと・・・
直行便でイチバン安い、ユナイテッド航空で約26万円(燃料サーチャージ込)とのコトでした。
結構、しますね〜というか当店が、年に10回以上買い付けに行っていた2000年はじめ頃は、高くても10万円位だったんですよね〜今だと2.5倍以上に値段が上がっているんですね。
その次に安いのは、アメリカン航空で29.5万円なのでもうソレくらいが当たり前なんですね。

で、レンタカーの費用は、コンパクトカーで保険付き、空港で借りて同じ場所で返却するというプランで2週間の費用は$1600、今の為替レート($1=¥140)だと22.4万円・・・ん〜こちらもなかなかの金額です。
クルマに入れるガソリンの費用は、今までの経験だとホボ毎日、給油(約50L)します。
現在アメリカのガソリンは、1ガロン(約3.8L)$4くらいなので毎日15ガロン$60のガソリンを12日間だと$720(10.8万円)です、ガソリンは、日本よりも少し安いですね。

そして宿泊ですが、アメリカでも比較的安価に泊まれるモーテルでの宿泊を想定すると、そのエリアにもよりますが1泊$45〜$60くらいなので平均で$50として12泊だとすると$600なので8.4万円こちらは、まだソレホド高額になっていませんね〜だけど大きな都市で宿泊となると同じチェーン店のモーテルでも$100超えの価格になるので基本、宿泊は地方の街での宿泊にします。
あと、買い付け人の飲食費等の滞在費ですが、かなり切り詰めて1日に$50くらいを想定します。
なので$50X12日間なので$600(8.4万円)です。

ニュースでも時々見聞きしますが、今アメリカのインフレは、かなりヤバいですからね・・・参考までにマクドナルドのビックマック・セットが$11(1540円)、コンビニでのペットボトルのコーラが$3(420円)、水は$2(280円)です。
先日、こんな動画を見ました。サムネで既にネタバレですね。
一蘭のバイト代は、1時間$21(2940円)とのことです。


で、ココまでまったくレコードを買っていない状態で日本からアメリカに行ってレンタカーを借りて14日間滞在するだけで計算すると約76万円です。
レコードの仕入れが一体いくらになるのかですが、安いお店で買えるコトもあるケド、レアなタイトルはもう安くで買うコトはかなり不可能に近いでしょうね・・・14日間の滞在で予定では1000枚くらいのレコードを仕入れたいんですが1枚あたり平均$7(約1000円)くらいにしたいですね・・・いや〜ホントは$5くらいにしたいケド、甘い見積もりだと全くレコードが買えなくなりますからね。
清水の舞台から飛び降りるつもりで1枚あたりの仕入れ費用は、$7(約1000円)に想定すると約$7000(100万円)

その仕入れたレコードを日本に送る輸送費も必要です。
レコード1000枚を買い付けるとダンボール箱が約8箱くらいになります。
2箱は、帰国時に飛行機に積んで帰る場合だとユナイテッド航空でのオーバーチャージの費用は、1個 $300(4.2万円)くらいなので2個だと$600(8.4万円)
残りの6箱を別便で配送すると今だと安いトコロだと1箱約$200(2.8万円)くらいで送れそうですなので6箱だと$1200(16.8万円)
つまり1000枚のレコードの輸送コストは、25.2万円となります。

ココまでの見積もりで1000枚のレコードをアメリカに買い付けした場合、概算ですが約201万円となります。
ホントに単純計算ですが、201万円の費用を仕入れた1000枚のレコードで割ると平均すると1枚あたりのレコードの仕入れ価格は約2000円となります。
ん〜コレは・・・なかなかの高コストですね。
この中には、買い付けに出向いたスタッフの人件費は含まれていませんからね。
実質、2週間のスタッフの人件費を含めると1枚2000円以上になるワケです。
タイトルにもよりますが、店頭売価2000円のレコードを仕入れているとカンゼンに赤字です。
レコードが日本に届いて実際に店頭に並べるコトが出来る状態にまでするには店舗の家賃とか商品化に伴う費用等さらに上乗せされます。
そう考えると・・・一体、1枚いくらの値段をつければイイのか・・・ってちょっとコレ、悩みますよね。
トーゼン、レコードには、安価なタイトルもあれば高額レア盤もあるので一概に平均価格では語れない部分があるのですが、今の円安状態で高インフレなアメリカへのレコード買い付けは、日本人からするとかなりムズかしいかもしれません。
もうホント、誰も知らない激安の仕入れができる秘密の仕入れ先があるっ!っていうんであれば別ですケド、オイラの経験上そんなアメリカンドリームなハナシは、ホボ幻想ですからね〜(笑)

WU-TANG CLAN / METHOD MAN
WU-TANG CLAN / METHOD MAN の試聴
next recordsのサイトでWU-TANG CLANのレコードを探してみる

改めて具体的な金額を提示してアメリカのレコード買い付け費用を見積もってみたのですが、恐ろしい状態でした・・・。
このブログでも言及したコトがありますが、海外から訪れたお客さんが、レコードをバンバン買っていくのが解るような気がします。
やはり今の日本の物価って世界的に見れば安いんでしょうね、というかもうバーゲン真っ最中ってカンジかもしれません。
先に書いたようにアメリカのビックマック・セットが$11(1540円)なのに対して日本は、750円と約半額ですからね。
買い付けに出向くスタッフへ、販売価格が3000円以上のレコードだけを仕入れてくるようにっ!って指令を出して送り出すなんて・・・コレ、地獄の買い付けですよ・・・マジで(笑)
この見積もりの結果を考慮してスタッフと検討した結果、かなりムリな買い付けだな・・・という結論に至りました。
とはいっても、当店も今は、まだイイとしてこのまま在庫のレコードが減り続けたらと思うと、イロイロと対策を考えていかなければイケませんね。

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