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このブログでも時々書いていますが、「最近、レコードを聴き始めました〜」とか「はじめてレコードを買うんですケド・・・」といったカンジで当店へご来店いただけるお客さんが結構増えてきました。
特に週末の土日は、必ずと言っていいホド、数組のレコードビキナーさんにご来店していただいています。
そんなレコードビキナーさんと店頭でおハナシをしていると、「コレって〇〇なんですか?」とか「アレってどうなんですか?」なんてオイラからすると不思議な疑問を持っているんだな〜って思うコトが結構あります。
例えば、レコードを最近、聴きだしてDJプレイにも興味が出てきた人が、今持っているプレーヤー(非ダイレクトドライブ)をもう1台買えば、DJ出来るんでしょうか?とか・・・。
「小さいレコード(7インチシングルのコト)を聴きたい時は、小さいレコード専用のプレーヤーがいるのですか?」などなど、なかなかオイラからすると新鮮な目線で疑問も持っているんだな〜なんて思ったりします。
前にこのブログでも紹介しましたが、ターンテーブルから出ているアースケーブルをドコに接続して良いのか解らず、この線が「アース線」だとわかったので洗濯機が接続されているコンセントの横にターンテーブルを持っていってソコに接続した・・・っていう人もいたりしますからね。
ん〜笑い話みたいなケースなのですがご本人は、いたって真剣だったようです。

で先日、ご来店いただいたお客さんからこんな質問をされました。
「レコードって何回も聴くと音が出なくなるのですか?」
一瞬ソレを聴いて「えっ?どういうコト?」って詳しくおハナシを訊いてみると・・・。
最近、アナログレコードに興味を持って実際にレコードプレーヤーを手に入れて自宅でレコード・ライフを楽しんでいた20代の若いお客さんなのですが、そんな最近お気に入りの趣味のハナシを勤めている会社の上司に
「最近、レコードにハマっていてよく聴いているんですよね〜」って雑談をしていたら
「あ〜オレも若い頃は、〇〇のレコードを溝が擦り切れるまで聴いたな〜」ナンてコトを言われたそうです。
「へ〜そうなんですかぁ〜スゴイですね!」ってハナシはソコで終わったのですが、それからそのお客さんは、レコードは何回も聴いていると音溝が擦り切れて聴けなくなるのか・・・ってちょっと疑問を持ったようです。
大好きなお気に入りのレコードが聴けなくなるのは、ちょっと嫌だな・・・って思いつつも溝が擦り切れて聴けなくなるのを我慢してレコードを聴かないっていうのも本末転倒だし・・・しかし、お気に入りのレコードはもう何回も聴いているケド、今のトコロはフツーに再生出来て聴けているしな、一体レコードって何回くらい聴けるんだろう・・・なんてモヤモヤとした疑問が浮かんだそうです。
「レコードは、何回も聴くと音溝が擦り切れて聴けなるなるのか?」とか「レコードは何回くらい聴くコト、再生するコトが出来るのか?」とオイラからすると
「え?そんなコト、思うの?」ってちょっと目からウロコというか新鮮な視点なんですケドね・・・というか、「ブログのネタを提供していただいて、ありがとうございますっ!」ってカンジなんですケドね〜(笑)

では、本題です。「レコードは、何回も聴くと音溝が擦り切れるのか?」
当店では、今年で営業22年目なのですが、今までにもう何十万枚ものレコードを販売してきました・・・販売したレコードだけでン十万枚なので買い付けや査定とかで必ず検盤をするのですが、そのレコードの盤のチェックした枚数までも含めると販売したレコードの数十倍の膨大な枚数のレコードを手にとって見てきました。
中古レコード店経営という職業柄、フツーの人が見たコトのない枚数のレコードを今までチェックしてきましたが・・・
「ナンだ?このレコード、聴かれまくって音溝がナイじゃんっ!」ってレコード・・・実際に見たコトがありません。
タブン、聴かれまくってすべての音溝が擦り切れたレコードなんて存在しないですよ。
でも、質問していただいたお客さんの上司は、「レコードの溝が擦り切れるまで聴いたな〜」って言ってるワケですが、それはウソなのか・・・ってコトですね。
コレ、言葉尻だけ読むと、そのまま「好きなレコードを何回も再生したら聴きすぎて音溝がなくなった」ってコトになるのですが、実際はレコード盤にはそんなコトは絶対に起きていなくてタブン、今でもフツーに再生出来る状態だと思います。
要するにコレ、古くからレコードを聴いている人が頻繁に使う「比喩表現」なのです。
レコードならば、「溝が擦り切れるまで聴いた」だしカセットテープなら「テープが伸びまで聴いた」っていう比喩がよく使われています。
実際にはそんな状態には、全然なっていないケド、そんな状態になるんじゃないか・・・って思うくらいそのレコードを何回も聴いたっていう喩えの表現なワケです。

ま〜70〜80年代からレコードを聴いていた人からすると、レコード好きな人がよく使うアルアル表現なのですが、レコード世代でナイ今の若い人からするとそのままストレートに受け取っちゃうんですね・・・レコード世代のオッサンからするとちょっと面白いカンジがします。
では、ナンでこんな比喩表現がいわれるようになったのか・・・ですよね。
コレは、あくまでも仮説ですが、レコードは音溝をレコード針がトレースするという物理的なコトで曲を再生しているワケですが、レコードは塩化ビニール出できていて決して固い物質ではないワケです。
言い換えればちょっとしたコトでカンタンにキズが入ってしまうくらい柔らかくて脆い材質で出来ています。
一方、音溝をトレースして再生するレコード針は、人工ダイヤモンドで出来ています。
コチラの方は、まぁまぁ固い成分で出来ています。
レコード世代の人達は、レコードを再生する時に誤ってレコード針を「ギャーーーーっ!」ってレコード盤上に滑らしてしまってレコードにキズを付けてしまった経験がある人が多いんです。
レコード針をレコード盤に滑らせるとキズが付くというコトは、経験的に知っているトコロからレコードを再生する度にレコード針がレコードの音溝を傷つけているのではないのか?って思ったんではないでしょうかね・・・。
2つの異なる物質をコスリ合わせると、柔らかい方は削れますよね・・・そういったコトからレコードを何回も聴くと音溝がいずれなくなる・・・=音溝がなくなるくらいになるまでレコードを聴いた という表現になったのではないでしょうかね。

では、実際はどうなのかっていうと、正しくレコードを再生している分に関してはレコードの音溝よりも先にレコード針の先端についている人工ダイヤモンドで出来たスタイラスチップの方が先に削れて摩耗していくんですよね。
問題なのはその摩耗したレコード針をそのまま使うコトの方で、ヘタったレコード針をそのまま交換せずに使い続けているとレコードの音溝の方を傷めてしまうしまうコトになります。
ま〜そうなってもレコードの音溝がなくなるワケではありませんが、再生した時に音飛びが起きやすくなったり、摩耗したレコード針が音溝にキズを付けてしまいノイズが出たりします。
なので、気をつけなければイケないのは、レコードの方よりもドチラかというとレコード針の方ナンですね。
ちなみにレコード針の寿命は一般的におよそ150〜200時間といわれています。
毎日1時間レコードを聴いていたとしたら半年ホドがレコード針の交換時期というコトになりますね。
一方、レコードの方は、古くなったからと言っても音が出なくなることはありません。
キチンとクリーニングされていてイイ環境で保管されていたレコードであれば、50年前に作られたレコードでもメチャいいサウンドを奏でてくれますよ。
やはり、レコードは、ドレだけお手入れをしてあげるかによって音質が大きく変わりますね。
手についた指紋や油脂、ホコリやチリなんかがレコード盤についたまま放置するとカビが発生したりホコリでノイズが起きたりしてレコード盤にダメージを与えてしまうのでお手入れは必須ですね。

結論
レコードの音溝は擦り切れるコトは、ナイっ!
しかし、いつまでもイイ音質でレコードを聴きたいのであれば、レコードのお手入れと定期的なレコードの針の交換は、必要です。

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当店には、常駐の元ディスコDJだったスタッフがいるのですが彼曰く、「お決まりのCheryl LynnやEW&Fの定番ディスコ・ナンバーは、今まで5000回くらいプレイしたっ!」て言っているのですが、「ディスコでそれだけ何回も再生されたレコードでも音はちゃんと出てたよ。」といっています。
ソレよりもDJプレイのつなぐポイントの部分の音溝は、みんなが同じ箇所でキューイングするものだから音溝が擦れまくってビートがガサガサに荒れてアタマ出ししにくかった・・・って言っていました。
「だけど、曲中の音溝は、まったく問題なかったよっ!」って、ま〜ソレくらいハードな使い方されていても音溝がなくなるくらいには、ならなかったのでタブン、レコードは保管状態が良ければ、50年くらいは余裕で聴けるんではないでしょうかね〜。
レコードがダメになるコトよりも、レコードを所有しているニンゲンの方が先に亡くなっちゃうってレベルですね〜(笑)

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