渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

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こんにちは、渋谷・宇田川町の12インチシングル専門中古レコード店Next Recordsです。
毎日お店では新しく入荷したレコードをクリーニングして、コンディションのチェックして、コメントを添えて店頭に並べてるんですが、そのコメントの中でオイラがやたらと使ってる言葉があります。
それが「グルーヴ(Groove)」です。

「グルーヴィなベースライン!」とか「最高のグルーヴをカンジさせてくれる!」とか……気づけばホトンドのコメントに登場している最頻出ワードとなっています(笑)
でも、ある日ちょっとした出来事があって、その「グルーヴ」というコトバについて、改めて考えるコトになったんです。


「グルーヴって何ですか?」と聞かれてハッとした

ある日、20代くらいの若い男性のお客さんが来店してくれました。
「こちらのお店は、全部のレコードにコメントが書かれていてすごく参考にしてます」とウレシイお言葉をもらったんですが、続けてこんな質問をされました。

「そのコメントによく“グルーヴ”って書かれてるんですけど、グルーヴって何ですか?」

たしかに、オイラのコメントやInstagramの投稿でも、高確率で「グルーヴ」という単語を使っています。
でも、そのお客さんの質問を訊かれてハッとしました。
——「あれ、自分でもちゃんと説明できるホド『グルーヴ』って理解してるかな?」って。

フダンは「ノリがいい」とか「リズムが気持ちいい」っていう感覚で使ってるケド、
「グルーヴって何?」と問われると、うまくコトバにできない。
その時は「その曲のノリのコトですよ〜」と答えたんですが、正直、自分でもモヤっとしていました。
だから今回は、自分自身の勉強の意味も込めて、「グルーヴとは何か」を掘り下げてみたいと思います。


グルーヴ=「ノリ」だけど、それ以上のもの

一般的には、「グルーヴ」って「ノリ」やとか「リズム感」のコトを指します。
ドラムのビートやベースラインのうねり、演奏全体の流れの中で自然に身体が動くあの感覚のコトですね。
でも、厳密に言うと「リズム」や「テンポ」そのものではなくて、リズムの中で生まれる「流れ」や「呼吸」のコトなんです。

たとえばファンクの帝王 Godfather of Soulコト、James Brown
彼の「Funky Drummer」を聴くと、ドラムとベースがぴったり合ってるのに、どこかゆるやかで、うねっている感じがする。
この「タメ」がまさにグルーヴ。
機械のように正確ではないけど、その“わずかなズレ”が人間らしい心地よさを生んでるんです。


人間は“ズレ”を心地よいと感じる

不思議なコトに、人間の脳は「完璧なリズム」よりも、ほんの少しズレたリズムを心地よいと感じるようにできてるそうです。
また逆に機械のように正確なテンポは安定しているケド、予想通りすぎてちょっと退屈に感じる。
逆に人間が演奏すると、ミリ秒単位で微妙に前後に揺れる——この“ゆらぎ”が「生きたリズム」を作るんでしょうね。

脳は音を聴くと「次はこう来るかな?」と予測していて、予測通りすぎると刺激がなくなるケド、少し外れると「おっ!」と反応して快感を感じる。
これを心理学では「予測とズレのバランスの快感」と呼ぶそうです。
つまり、グルーヴの心地よさ=予測とズレの快感というワケですね。


リズムがなくてもグルーヴは存在する?

「グルーヴ=ビートのある音楽」だと思われがちですが、実はリズムが弱くても、グルーヴを感じる音楽はたくさんあります。

例えば、Bill Evans Trio のようなジャズのピアノトリオ。


テンポは緩やかでも、演奏者たちの間に“呼吸のような流れ”があって、
そこに確かにグルーヴがある。

また、ボサノヴァの「さざ波のようなゆらぎ」や、
Brian Eno のアンビエント音楽の“時間がゆるやかに流れていく感覚”も、
静かなグルーヴの一種といえます。



つまりグルーヴとは「ビートの強さ」ではなく、
“時間を感じる心地よさ”そのものという解釈ができそうです。


機械のリズムにも「グルーヴ」はある

では、TechnoやHouseのような「マシンビート」の音楽はどうでしょう?
「一定のテンポで打ち込まれたビートにグルーヴはない」と思うかもしれませんが、それは違うんですよね。

Jeff MillsCarl Craig のようなテクノ・プロデューサーのトラックを聴くと、
正確無比なリズムが延々と続くのに、なぜか身体が自然に動いてしまう。
これは、人間の脳と身体が「周期的なリズム」に同期していく「エンレインメント」という現象によるもの。



リズムが規則的に繰り返されると、脳波や呼吸、心拍がそのリズムに同調していくんです。
つまり、Technoのグルーヴは「ズレによる快感」ではなく、「同期による恍惚感(トランス)」という快感というコトですね。


文化や環境によって「グルーヴの感じ方」は違う

実は、どんなリズムにグルーヴを感じるかは、文化や育った環境によって異なります。

例えば、アフリカ系音楽では裏拍ポリリズムに快感を感じる傾向が強い。
FunkやReggaeの「溜め」はその系譜ですね。
一方、西洋のクラシックでは、拍が正確で秩序ある構造に美しさを見出す文化とも言えます。
日本や東アジアでは「間(ま)」や「呼吸」を重視するリズム感が発達しています。

だから、どの国の人も「ノる」ことはできるけケド、何にノるかは文化によって違うというコトになります。
それはまるで、言葉のアクセントが違うようなものみたいなカンジでしょうか。
その人の育ったリズムの文法が、そのまま「グルーヴの感じ方」につながっているようですね。


なぜ人はグルーヴを感じると体を動かしたくなるのか

人間は音を聴くとき、耳だけでなく体でも聴いている
脳がリズムを感知すると、運動を司る「運動野」や「小脳」が反応し、
身体が勝手に動く準備を始めるんです。

だからクラブでDJプレイを聴いていると、誰も「踊ろう」と考えていないのに、自然に体が揺れ始める。
ん〜コレは人間に備わった原始的な共鳴反応とも言えるんじゃないでしょうかね。
人間は太古の昔から、リズムを共有するコトで一体感を得てきました。
狩りや儀式、祭り——そこにはいつもリズムがあり、グルーヴがあった。
つまりグルーヴは、人間が「つながる」ための本能的な仕組みに近いのかもしれません。


「グルーヴ」という言葉がわかりにくい理由

「グルーヴって何?」と訊かれても説明しづらいのは、
それが感覚的な現象だからなんでしょうね。

リズムやテンポのように数値化できないし、同じ曲を聴いても「グルーヴしてる」とカンジる人と、そうでない人がいるしね。

また、「グルーヴ」はジャンルによって意味が違うコトバでもあります。
Funkでは「リズムのうねり」、Jazzでは「ウィング感」、Technoでは「反復のトランス」、Rockでは「推進力」みたいなカンジですよね。
つまり、「グルーヴ」という言葉は多義的で、文脈によって姿を変えるコトバなんですね。


「グルーヴ」という言葉の語源

もともと “Groove” は英語で「溝」や「筋道」を意味しています。
実はコレ、レコードの「溝(Record Groove)」のコトでもあり、
また「決まった流れ」や「慣れた型」というイミでも使われていました。

1930〜40年代のジャズ時代に、演奏が調子よくハマっている状態を
In The Groove(調子が出てきた)」と表現したのが始まりといわれています。
そこから「Groovy(グルーヴィ)」=「かっこいい」「ノリのいい」というコトバが派生して、やがて音楽のフィールやリズム感そのものを指すようになったという経緯になります。

レコードの針が溝をなぞるように、ミュージシャンが「リズムの流れ」にピタッとはまっている——
そんな比喩から生まれたのが「グルーヴ」という言葉なんです。

ん〜グルーヴというコトバの意味がレコードの音溝から由来しているというのもナンかうれしいですね〜。


グルーヴは「生きている時間」

結局のところ、グルーヴとはナニか。
個人的にはそれは、音の中に感じる「生命の時間」なんじゃないかなぁ〜って思うんですよ。

機械のように完璧ではないけれど、呼吸のようにゆらぎ、一瞬一瞬が生きているように動く。
だからこそ人はそのリズムに惹かれ、体を揺らし、心が動く。
オイラが毎日コメントで「グルーヴが最高!」と書いてしまうのは、その「生きた瞬間」をレコードの中にカンジるからなんですよね。ん〜ロマンチック(笑)


針を落とせば、グルーヴが見えてくる

レコードは、まさに「Groove=溝」に刻まれた音楽。
そこには、当時のミュージシャンたちの呼吸や、スタジオの空気が封じ込められています。

CDやストリーミングのように完璧ではないけれど、だからこそ、アナログ盤には「人間的な時間」が流れている。
針を落とした瞬間、その溝(Groove)の中から、生きたリズムが立ち上がる…。

だからオイラは、これからもコメントに「グルーヴ」というコトバを使い続けちゃうんでしょうね。
まぁ〜そのコトバが一番シックリきますからね。
「グルーヴがある」——それはつまり、音楽が生きているというコトですからね。ん〜ロマンチック(笑)


STOP / I CAN FEEL IT
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「グルーヴって何?」と訊かれた時、どう答えればよかったのか

あの日、お客さんに「グルーヴって何ですか?」と訊かれて、オイラは「曲のノリですよ」って答えたケド、今になって思うと、もう少しわかりやすく言えたかもしれないなって思うんですよ。

たとえば——

「グルーヴっていうのは、音に体が自然にのっちゃう気持ちよさのことですよ」

これがいちばんシンプルで伝わりやすいんじゃないかなぁ。
難しい理屈じゃなくて、「聴いた瞬間に体が動く感覚」——それがグルーヴ。

もう少し音楽的に言うなら、

「リズムがちょっとゆらいだり、溜めたりすることで生まれる、人間らしいノリのこと」
って説明してもいいかもしれない。

要するに、機械が刻むリズムが「時間」そのものだとしたら、グルーヴは“生きた時間”。
それは数値ではなく、感覚で感じるものなんだ。

だからお客さんに「グルーヴって何?」と訊かれたら、コレからは「キタキタっ!」と思いながら、
音にカラダが勝手にのっちゃう感覚ってあるじゃないですか、それがグルーヴですよ
って答えようと思います。


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jeralddaemyon_summermadness
こんにちは。渋谷でオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店、Next Recordsです。このブログ「渋谷レコード店日記」では、いつもアナログレコードの魅力や、音楽文化の面白さについてイロイロと書いてきましたが、今日はちょっと「お知らせ」と「気づき」を兼ねたお話をしたいと思います。

タイトルの通り、「12インチシングルFAQページ」を作ってみましたぁ。
名前は「About 12" Single」
ザックリ言えば、「12インチシングルってナニなの?」という疑問に全部答える解説ページです。

でも、このページを作るまでには、いろいろな気づきや葛藤があったんですよね。
今日はその裏話も交えながら、「なぜそんなページを作ろうと思ったのか」「作ってみて感じたコト」、そして「12インチシングルという存在の面白さ」を、オイラなりの言葉でお伝えしたいと思います。




■ なぜFAQを作ろうと思ったのか?──“伝わらないもどかしさ”からの出発

Next Recordsを渋谷で始めてが、もう25年。
渋谷でずっと同じスタイルを貫いてやってきました。
取り扱うのはオリジナル盤の12インチシングルだけ。再発盤も、ブートレッグもなし。

これはもう、今の時代にしては相当「ストイック」なスタイルかもしれません。
でも、このコダワリは「アナログレコードが持つ本来の魅力」を守りたかったからなんですよね。

ただ、最近ちょっと悩んでいたんです。
それは──新しいお客さんに、12インチシングルの魅力がなかなか伝わらないコト。

お店に来てくれたお客さんの中には、
「レコードが流行ってるからどんなカンジなのか来たんです!」という人が増えています。
ありがたい話ですよ…ホント。
でもその多くが、「レコード=LPアルバム」というイメージなんですよね。

だからオイラが「このお店は、12インチシングル専門のレコード店なんですよ」と伝えると、「ソレって何ですか?」とか「へぇ〜そうなんですね(←タブンよく解っていない)」というカンジで返ってくるんですよね。




■ 「ミスマッチ問題」との長年の付き合い

オイラの店に来るお客さんの中には、探していたLPが見つからなくて残念そうに帰っていく人っていうのが結構な割合でいます。
それを見るたびに、ナンダカちょっと胸が痛い。
ナゼなら、「その人が求めていた音」は、実は12インチシングルにも存在するコトが多いからなんですよ。

たとえば、同じ曲でもアルバムバージョンと12インチバージョンでは構成が全然違う。
12インチの方は、DJプレイ用にイントロが長くて、グルーヴが深くて、音圧が強い。
つまり、“超のれる曲の真の姿”がそこにあるワケです。

でも、それって聴いたコトがない人には伝わらないんですよね。
「あ〜この曲、アルバムで持ってるからいいや」と思われてしまう。

それが、オイラが長年感じていた「お客さんとのミスマッチ問題」でもあったりします。




■ キッカケは、ご来店いただいたお客さんとの会話

ある日、ひとりの若いお客さんが店にやってきた。
「Michael JacksonのLPありますか?」と尋ねてきた彼に、オイラはこう言いました。
「LPは扱っていないんですけど、12インチなら何枚かありますよ。」って在庫していたSmooth Criminal等のレコードを見てもらいました

彼は最初、「12インチ?」と何それ…ってカンジで首をかしげていました。
でもせっかくだからとSmooth Criminalを試聴してもらったら…針を落とした瞬間、表情が変わった。
「うわ…なんですかこの音!めちゃくちゃ太いですね!」って。

そう。これなんですよっ。
オイラが25年間、伝えたかった「12インチシングルの真髄」は。

音の太さ、空気の振動、深く沈む低音。
それはデータでは伝わらない「手触りのある音」。
その日、彼は初めて12インチシングルを買って帰りました。




■ 店頭なら伝えられる。でも、ネットでは伝わらない。

店頭なら、こういうやりとりができるんですよね。
「聴いてみますか?」と言えるし、「この曲の良いトコロはですね…」と解説もできるんですよね。
でも、オンラインではそうはいかない。

ネットショップを利用していただけるお客さんって、もう12インチシングルのコトを知っている人がほとんどです。
12インチシングルのコトを知らない人に「その良さ」を伝える機会が、まったくなかったんですよね。

「WebサイトのSEO対策で検索順位を上げれば新しいお客さんが来る」──
たしかに、長年に渡ってコツコツと地道に努力したおかげで渋谷のリアル店舗はGoogleで検索すると結構上位に出るようになった。
でも、「12インチシングルのコトを知らない層」までは届かない。

「12インチシングルって何?」「LPとどう違うの?」「どんな音が鳴るの?」
そういう疑問を持つ人たちこそ、これから12インチシングルを好きになる「未来のお客さん」なんですよね。




■ そこで思い立った──「FAQで伝えよう!」

ある日、フト思いました。
「店頭でよく訊かれる質問を、そのままオンラインに出せばイイんじゃないか?」って。

そうして始めたのが、「12インチシングルFAQページ」の制作。
最初は軽い気持ちでした。
「とりあえず10個くらい質問に答えればいいかな」って思っていたんですが…

気づけば70項目を超えてました(笑)

書き始めると、オイラ自身がどんどん楽しくなってきたんですよね〜もともと超がつくホドの12インチシングル・マニアですからね。
「これはどう説明しようかな」と考えているうちに、自分でも「そういえば、コレってなんでだっけ?」と再発見がたくさんあったんですよね。




■ FAQを書きながら気づいたコト

このFAQを作っていて、一番大きかったのは、「自分自身の整理」になったコトなんです。

オイラはこれまで長年お客さんと話してきたケド、あらためて「12インチシングルとは?」を言語化しようとすると、意外と感覚で理解してたコトが多かったんです。

たとえば「12インチは音が太い」ってよく言われるケド、
「どうしてそうなるのか」を説明するために、溝の幅や回転数、カッティングレベルのハナシを掘り下げてみた。
すると、オイラ自身も「あ〜なるホドね」と再確認できる。

また「12インチシングルはDJ文化と共に進化した」という点も、FAQにまとめるコトでより明確に伝えられるようになった。

つまりこのFAQは、お客さんに向けたページであると同時に、オイラ自身の学び直しの記録にもなったんですよね。




■ 「About 12" Single」──誰が読んでも楽しめるように

このFAQは、初心者にもわかりやすく、でもマニアも「へぇ、そうだったんだ」って思ってもらえるように構成しています。

・基礎知識・入門:
「12インチって何?」「LPとの違いは?」

・仕様・見分け方:
「レコードの見分け方」「プレス国による違い」

・歴史・文化:
「なぜ12インチはDJ文化とともに広がったのか?」

・音質・カッティング:
「なぜ12インチは音が太いのか?」

などなど、全部で70項目以上。
エントリー層には「学べる楽しさ」を、マニア層には「深掘りの快感」を…ってカンジでどちらにも刺さるようにしました。

そして何より、読んでいるうちに「実際にちょっと聴いてみたいなぁ」って思えるような内容を意識しました。

👉「About 12" Single」FAQページはこちら




■ 12インチシングルの魅力は、“音”だけじゃない

12インチシングルの魅力って、もちろん音の良さは大きい。
でもそれだけじゃないんですよ。

オイラが思う12インチシングルの魅力は、「その存在のストーリー」っていう部分も結構あるんじゃないかなって。

例えば同じ曲でも、12インチシングルには異なるRemixが収録されていたり、エンジニアやリミキサーの名前がクレジットされていたりする。
そこから派生して、DJ文化、クラブカルチャー、スタジオ技術…ってカンジで音楽の裏側まで掘り下げられるのが12インチシングルの面白さだと思うんですよね。

まるで、ひとつのレコードが「音楽の百科事典」みたいな存在っていうカンジかなぁ。
ただ音を聴くだけでなく、「知る楽しさ」があるみたいな。
それが、オリジナル盤12インチシングルの世界だと思うんですよね。




■ オンラインでも「接客」がしたい

FAQを作ってイチバン感じたのは、「オンラインでも『接客』はできる」というコトかもしれないですね。

もちろん、直接顔を合わせて話すような臨場感はないんだけど、でもFAQを通じて、「こういう質問が多いんだ」「そういう楽しみ方があるんだ」と伝えるコトで、画面越しでもそれなりのコミュニケーションは生まれるじゃないかなぁ〜って感じました。

実際、FAQを公開してから、「解説を読んで初めて12インチシングルを買ってみました」なんてコメントをいただきました。
ん〜作っている時は、「反応あるのかな」って思っていましたが、やっぱり作って良かった。




■ 小さな店でもできる、コンテンツの力

オイラの店は大きな宣伝もしていないし、広告費もかけていません。
でも、こうして自分のコトバでコツコツと伝えていくコトが、一番の集客になるんじゃないのかってあらためてカンジました。

たしかに時間はかかる。
でも、読んでくれた人が「なるほどね」って思ってくれて、そのままオンラインストアを覗いてくれたり、渋谷の店に立ち寄ってくれたりする。
それがオイラにとって、ナニよりの「成果」なんですよね。




■ 最後に──12インチを知らないあなたへ

もしあなたがこの記事を読んでいて、
「レコードにちょっと興味あるけど、12インチシングルってナニ?」と思っているなら、
ぜひ一度「About 12" Single」のページを覗いてみてください。

難しいハナシは抜きにして、まずは「知るコト」から。
そしてもし、興味が湧いたら──
渋谷のNext Recordsにもゼヒ、ご来店くださいっ!

店頭ではコメント・カードにプリントしているQRコードでその場でカンタンに試聴もできますよ。
で、スマホのイヤホンだけでなく実際にスピーカーで聴いたみたければスタッフにお声がけしていただければ店内のスピーカーで試聴も出来ますよ!

12インチシングルは、あなたがまだ知らない「音の世界」への入り口かもしれませんよ。
この「About 12" Single」FAQページ」を読んでくれている人への12インチシングルへの興味へとつながる一助になれば幸いであります。

JERALD DAEMYON / SUMMER MADNESS
JERALD DAEMYON / SUMMER MADNESSの試聴
next recordsのサイトでJERALD DAEMYONのレコードを探してみる

■ 追伸:FAQを作ってみて思ったコト

最後に、ちょっと個人的な話を…
今回このFAQを書いていて、オイラ自身もたくさんのことを再確認できたんですよね。
「当たり前」と思っていたことの中に、実はまだまだ知らないコトが結構あるんだなぁって。

音楽の世界って、ホント掘っても掘っても終わりがないですよね。
まるで、レコードの溝みたいにね。

だからオイラは、これからもこのブログで、少しずつその溝の奥にある「音の物語」を掘っていこうと思っています…と言いつつもう20年以上も書き続けていますケドね(笑)

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こんにちは、渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいるNext Recordsです。
今回は、ある程度の年齢を重ねた人で音楽が好きな人にはちょっと心当たりがあるコトをテーマに書き綴ってみたいと思います。




■レコード・リバイバルな人たちと出会って

最近ありがたいことに、当店には連日たくさんのお客さんが増えてきました。特に目立つのが、40代後半〜60代くらいの「昔レコードで音楽を浴びるホド聴いていた世代」の人たちです。
ココ数年のアナログレコード再評価ブームで、若い世代だけじゃなく、かつてのリスナーが再びレコードに手を伸ばしているってカンジでオイラはそういう人たちを、ちょっと親しみを込めて「レコード・リバイバルな人」と呼んでいます。

「もう一度レコードで音楽を楽しみたい」と思ってもらえるのは、レコード屋をやっている身としてはホントに嬉しいですね〜。レコードの楽しみ方は十人十色だけど、針を落とした瞬間にしか味わえない特別な体験がそこにあるのは間違いないですからね。




■50代のお客さんとの会話から

先日ご来店いただいた50代男性のお客さんとの会話がとても印象的だったんですよ。そのお客さんもまさにレコード・リバイバルな人で、10代〜20代の頃は最新のヒットチャートをチェックして、PopsやRock、流行りのダンスミュージックを聴きまくっていたそうだ。

最近またレコードを聴くようになって、若い頃に聴いた懐かしい曲を店内で試聴しながらを「やっぱりイイですよね〜」と笑顔で話してくれたんだけど、同時にこんなことも言っていた。

「最近のアーティストの曲も聴いてみたけど、全然ピンとこないんですよ。やっぱり昔の曲の方が良い曲だなって思っちゃうんですよね」

ん〜コレ、オイラは今までに何度も聞いたコトバなんですよね。ある程度の年齢がいっている人の「最近は良い曲がない」と嘆くのって結構少なくないんですよね。じゃあ、なぜ人は若い頃の音楽を今も「最高の音楽」として聴き続けてしまうのか?

ここからは、心理学や脳科学の視点を交えつつ、レコード店主としての体験談もまぜながら解説して、みようと思います。




■レミニッセンス・バンプ ― 青春の音楽が強烈に残る理由

心理学には「レミニッセンス・バンプ」という概念があるんですよ。これは、10代後半から20代前半に体験した出来事を人が特に鮮明に記憶している現象のコトです。
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この時期は人生の中で初めての経験が多い…例えば、初恋とか、進学、友人関係、社会に出る一歩…みたいな感情が揺れ動く場面が山ほどあって、その時の感覚は強く脳に刻まれんですよね。

そして音楽は、その瞬間の「BGM」になるみたいなのです。だから、当時の曲を聴くと一瞬で記憶がよみがえり、「やっぱり良い曲だ」と感じやすくなるみたいな気持ちになるようです。

オイラも高校時代に聴いた12インチシングルを今聴くと、あの頃の友達との思い出や、学校帰りにチャリに乗りながら歌いながら帰ったコトなど空気感まで一緒に蘇るんですよね。単なる音楽以上の意味を持つから、今でも鮮明に覚えいて色褪せないんでしょうね。




■ドーパミンと脳の可塑性 ― 若い頃は「音楽が刺さりやすい」

脳科学の研究によれば、10代〜20代は脳が柔軟で、新しい刺激に対してドーパミン(快感や学習を司る神経伝達物質)が出やすいというコトがわかっています。

つまり、新しいジャンルやサウンドに触れると「うわぁ!スゴいっ!」と強烈な快感が生まれやすいようです。逆に年齢を重ねると、新しいものに対するドーパミンの反応がやや鈍くなる。

そのため、若い頃に受けた衝撃的な音楽体験は生涯の基準になりやすいようです。
「昔の曲の方が良かった」と感じるのは、必ずしも曲の質の問題じゃなく、聴く側の脳が新しい音楽に反応しにくくなっているコトも影響しているんでしょうね。




■音楽はアイデンティティそのもの

青春時代の音楽は「自分はこんな人間だ」というアイデンティティ形成にも関わるようですね。

例えば、Rockを聴いて反骨精神を表現したり、ダンスミュージックで仲間との一体感を感じたり…そうやって音楽は「自分の鏡」として機能している部分って結構あるんじゃないでしょうか。

だから大人になっても当時の曲を聴くと、「あの頃の自分」に出会えるみたいな感覚になってそれが「良い曲」として残り続ける理由のひとつになっちゃうんでしょうね。




■ノスタルジア効果と認知バイアス

「懐かしさ」自体も結構大きな快感になるコトも解っているそうです。昔の曲を聴くと、当時の感情や景色がセットで思い出されて幸せな気分になれる。これを「ノスタルジア効果」といいます。

さらに、過去の音楽は「生き残った名曲」が中心で、凡庸な曲は忘れ去られている。つまり、人間は昔の「ベスト盤」だけを記憶していて、それを現在の玉石混交の音楽と比べているワケです。これが「生存者バイアス」という認知のトリックにつながっているんですね。




■感受性の変化 ― 若い頃は「オープンな耳」だった

若い頃は感受性が豊かで、新しいジャンルやリズムにすぐ反応できる。ところが、歳を重ねると「慣れた型」に安心を感じ、新しいものに違和感を覚えやすいというふうになるようです。

これは「感受性が衰えた」というより「感受性のチューニングが変わった」と言えるかもしれません。
昔は激しい爆発的なビートに反応していた人が、大人になると歌詞の深みやコード進行の美しさに感動するようになるみたいな風に楽しみ方が変化するみたいなカンジですね。
確かにオイラ自身のコトを振り返ってみてもそういった感覚は結構ありますね。




■若い頃の曲を聴き続けるメリット

・記憶を呼び起こす:幸せな瞬間を再体験できる。
・安心感:予測しやすく心が落ち着く。
・アイデンティティの確認:「自分らしさ」を思い出せる。
・脳の健康:音楽療法の研究では懐かしい音楽が記憶を刺激するコトが確認されている。
・交流のきっかけ:同世代や親子で共有できる話題になる。

だから「昔の曲を今も楽しめる」とういうコト自体はあるイミ素晴らしいことだとも言えますね。




■だけど、古い曲しか聴かなくなるデメリットもある

一方で、「昔の曲しか聴かない」となると、いくつかデメリットもある。
・新しい発見がなくなる
・世代間で音楽の共通言語を失う
・感受性が硬直化する
・「昔は良かった」ばかりになり、今を楽しめなくなる


ん〜コレって、せっかく音楽が毎日新しく生まれているのに、入口を自分で閉じちゃうようなカンジでナンダカちょっともったいないようなカンジがしますね。




■感受性を再チューニングする方法

じゃあ、どうすればもう一度「新しい音楽の良さ」を楽しめる耳に戻れるのか?オイラなりの方法をいくつか考えてみました。

1.昔好きだった要素を含む新曲を探す
例:80s好きならNu-Discoやシンセポップ寄りの新曲から入る。最近だと過去の曲の雰囲気を現代風のエッセンスで再構築したような曲もありますよね。

2.何度も曲を聴いてみる
単純接触効果で、繰り返すほど好きになる可能性がある。要するにヘビーローテーションですね。オイラの経験では最低でも7回くらい聴いた方がイイような気がします。オイラはコレを「7回ルール」と自分では言っています(笑)

3.ストーリーを知る
アーティストの背景や曲の制作秘話を知ると、音楽に感情移入しやすい。オイラは毎日インスタで1枚の12インチシングルのレコメンド記事を書くためにそのアーティストや曲の背景をイロイロと調べるのですがコレは結構効果ありますね。

4.身体と結びつける
散歩や通勤など、日常の動作とセットで聴くと馴染みやすい。コレも単純接触効果に近いですね。

5.ライブ等に行く
他人の熱量と一緒に音楽を体験すると感受性がイッキに開く。コレも絶大な結構がありますよ!某有名なパーティでメチャ盛り上がったタイミングでプレイされた曲の人気が高まったりするのもこの影響でしょうね。

要するに外部からナンらかの音楽的な刺激を受けるコトで自分の感受性のアンテナが再び立つみたいになるんでしょうね。




■今回のテーマで思ったコト


オイラ自身は「最近の音楽に良い曲がない」とは職業柄思わないように意識しているんですよね。むしろ、良い曲は昔も今も必ずアルっ!。ただ、それを「良い」と感じられるかどうかは聴く側の姿勢に大きく関わっているんじゃないかなってと思うんですよ。

もちろん、青春時代の音楽を大切にするのはステキなコトです…でも、同時に「今の音楽」に少しでも耳を傾けてみると、思わぬ出会いが待っているのも事実です。

「昔の曲を楽しむコト」と「新しい音楽を取り入れるコト」――その両立が、音楽の楽しみ方として一番バランスが良いんじゃないかなぁって個人的には思うのです。

RUBEN STUDDARD ft. FAT JOE / WHAT IS SEXY
RUBEN STUDDARD ft. FAT JOE / WHAT IS SEXYの試聴
next recordsのサイトでRUBEN STUDDARDのレコードを探してみる

つい先日、70代の音楽好きな人とハナシをする機会があったのですがその人のスマホのプレイリストには70年代の曲から2025年の今の曲までありとあらゆる曲が登録されていました。
で、今回の40〜50代が抱える「新しい曲が刺さらない問題」のコトをお話すると「新しい曲、メチャ良いじゃないですかっ!」って言っていたのがとても印象的だったんですよね〜その70代の人…感性がそうとう若いのか見た目が全然70代に見えないのもナンダカちょっと魅力的でしたね、感受性や感性がいつもフレッシュだと見た目にも影響するのかなぁ〜って思っちゃいました。

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こんにちは、渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいるNext Recordsです。
当店では、レコードの販売だけでなくお客さんからの「レコード買い取り」も積極的にやっています。
で、そんなレコード買い取りにも精を出している当店の郵便受けにこんなチラシが入っていました。
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ん〜レコードを買い取りしているレコード店からも「レコード買い取りします!」というコトのようです。
コレは、このエリアに一律でバラまかれたチラシなのか、それともレコード店である当店を狙ってポスティングされたのかは定かではありませんが、もしそうだとしたらなかなか皮肉のきいたチラシですね(笑)



■ レコード買い取りラッシュの不思議

ココ最近、ありがたいことに当店へレコードの買取依頼が結構と増えています。
しかも内容もスゴい。単なる雑多な中古盤じゃなくて、12インチシングル、それもクラブ・ダンス系がメインでドカンとまとまって依頼いただけるという…オイラが店を始めた頃から大事にしてきたジャンルが、いままさに買い取り依頼の中心になっているなんて、ホントうれしいコトです。

でも考えてみるとちょっと不思議なんですよね。ウチは大々的に「レコード高価買取!」と広告を打っているワケじゃないし、店前に派手な看板を出しているワケでもない。それなのにこんなに依頼が続くのはナゼか。その裏にはお客さんの動きや、業界全体の流れが関係しているようにカンジていたりします。



■レコード買い取り業界は今やレッドオーシャン
アナログレコードの人気が再燃しているのは皆さんご存じの通りです。
若い世代のDJやコレクターも増えてきて、メジャーアーティストも新譜をアナログで出すようになったりして、そうした背景もあって、レコード買い取り市場は拡大していると思います。

ところが、それに目をつけたのは従来の中古レコード店だけじゃない大手リユース業界も「これは儲かるかも」と参入してきていますね。ブランド品や家電を扱う総合リサイクルショップも「レコード買取ります」と打ち出して、業界全体は一気に競争が激化しているような印象です。いわゆるレッドオーシャンになっているワケですね。

当然、どの業者も「うちに売ってください!」と広告費をつぎ込み、「高額査定します!」という派手なキャッチコピーを並べています。けれどその実態はどうかというと…お客さんのハナシを訊くと、必ずしも誠実とは言えない対応が少なくないようなカンジがします。



■「高額査定」の実態とお客さんの憤慨
当店に来てくれたお客さんからよく聞くのが、「期待していたのに拍子抜けする査定」のハナシです。

ある人は「クラブ・ダンス系も高価買取!」と宣伝していた店に500枚のレコードを送ったそうです。ところが結果は衝撃的で、半分以上が「買取不可」要するに0円査定、残りも1枚平均数十円。それじゃまるで古新聞の買い取りと変わらないじゃないか!とお客さんは憤慨していた。

また別の人は、2000枚のクラブ系レコード買い取りを電話で相談したトコロ、内容もくわしく聞いてもないのに「あまり値段つかないですよ」と一蹴された。要するに「クラブ系は扱いたくない」という本音が透けて見えたワケみたいでした。

さらに、出張査定を頼んだ人の体験では、自宅にあった3000枚のコレクションを業者が10分程度ササッと眺めただけで「全部で数万円です」と提示。その査定の根拠を尋ねても「平均査定額×枚数で出しました」と…そりゃあ信頼を失って当然だよね。

これらのケースで共通しているのは、どの業者もWebサイトには「高額査定します!」と堂々と書いていたというコト。お客さんからすると、期待していたものと実態がかけ離れていてナンか「だまされた」とか「ハナシが違う」っていう感覚になるようですね。



■「高額査定」というコトバの形骸化
オイラ自身、この「高額査定」「高額買取」という言葉には昔からちょっと違和感を持っているんですよね。

ナゼなら査定というのは本来、レコード1枚ごとに条件が違うからです。同じアーティストでも、オリジナル盤と再発盤では価値がまったく違う。盤質がキレイかスリキズがあるかで評価は変わる。ジャケットやレーベルの状態やインサートが揃っているかどうかも重要だし、ジャンルによって需要の厚みも違う。

査定というのは次のような式で表すコトができます。

市場価値 × 状態 × ブランド力 × 流通のしやすさ − コスト

・市場価値=今その盤がどのくらい需要があるか。海外DJの需要が高ければ値段は跳ね上がる。
・状態(コンディション)=盤質、ジャケットの綺麗さ、付属品の有無。
・ブランド力=レーベルやアーティストの評価。人気曲が多いアーティストや名曲が多数あるレーベルなんかは強い。
・流通のしやすさ=すぐ売れるかどうか。回転率が高いものは高く評価できる。
・コスト=クリーニング、検品、在庫保管のコスト。

つまり「高額査定」とは、こうした条件が揃ったときに自然と導かれるものであって、広告コピーとして一律に言い切るのは形骸化しているんじゃやにのとオイラは思っているんですよね。



■リサイクルショップ vs 専門店:査定基準の違い
ここで、リサイクルショップと専門店の違いをもう少し深掘りしてみよう。

●リサイクルショップ
・ビジネスモデルは「大量仕入れ・大量回転」。
・買取時のチェックは効率重視で「まとめて◯円」が基本。
・需要が薄いジャンルは「値段がつかない」と一律判断しがち。
・専門知識がないジャンルでは、真贋や希少性を見抜けないコトも多い。

●中古レコード専門店
・扱うジャンルに特化し、その知識と経験で査定額を算出。
・盤質やジャケット状態を細かく評価し、オリジナル盤か再発かを見極める。
・その店の得意ジャンルなら、マニアやニーズの高いコレクションを熟知しているので正当に評価されやすい。

さらに重要なのは、専門店の中でも得意ジャンルが違うということ。
SoulやFunkに強い店、Jazzに強い店、RockやNew Waveを得意とする店、そして当店の様に12インチシングルに特化している店。

だから、自分のコレクションを売るときには、そのジャンルに強い店を見極めて査定を依頼するのがベストだと思います。
たとえばちょっとレアなHouseの12インチをリユースショップに出しても「値段がつかない」と言われるかもしれないけど、専門店なら「この盤は人気もあって需要があるから高く買える」と評価してもらえる。

査定額を左右するのは「その業者がそのジャンルにどれだけ販路を持っているか」という要素も大きいと思います。
だからこそ、レコードの買い取り依頼をしようというお客さんにはぜひ「得意ジャンルに合わせた店選び」をしてほしいと思うんですよね。



■売り手と買い手の心理的ギャップとその埋め方
ここで改めて整理したいのが、売り手と業者の心理のギャップだ。
・売り手は「思い出のあるレコードだから、できるだけ高く売りたい」
・業者は「できるだけ安く仕入れてリスクなく売りたい」

これは商売の宿命だけど、だからといって突き放すのは安易スギるって思うんですよね〜オイラが大事だと思うのは「理由の説明」なんじゃないかなって。

「この盤は確かに有名アーティストだけど、曲のニーズはそれホドでもないので査定はこのくらいです」
「この盤はピクチャージャケットがついていれば2倍の査定額だけど、ジェネリックスリーブなのでこの評価になります」

こうして丁寧に理由を伝えると、お客さんは納得してくれるコトが多いですね。
逆に「全部で数万円」とだけ言われれば、例えその金額が相場的に妥当でも、不信感のほうが大きくなるんじゃないのかなって思います。



■競合が雑な査定をする理由
ではナゼ競合は雑な査定をするのか。これは業者の構造的な理由があると思います。
・効率優先:大量処理を前提にしているので、1枚ずつ時間をかけられない。
・知識不足:ジャンルに明るくないので細かく判断できない。
・販路の違い:売り先がないジャンルは評価を下げざるを得ない。
・コスト削減:出張にかける時間を最小限にしたい。
・リスク回避:安値一括で買っておけば損しない。

こうした背景があるから、業者としては合理的なのかもしれない。でもそのやり方は「音楽に愛着を持っている売り手」の気持ちを軽んじているんじゃないのかってとオイラは思うワケです。



■Next Recordの査定のスタンス:1枚ずつ、ていねいに
当店として大事にしているのは、やっぱり「1枚ずつ丁寧に査定するコト」です。

確かに時間はかかるし、体力的にもそうとうシンドイです。でもその1枚1枚には、お客さんの思い出や歴史が詰まっているんですよね…だから適当にハイ「まとめて◯円」なんてちょっと軽々しくは言えないっていう気持ちがあるんですよね。

モチロン、値段がつきにくい盤が混じっているコトもありますよ〜でも、それなら「ナゼ値段がつきにくいのか」ってコトをちゃんと説明する…そうするとお客さんも納得してくれるんだと思うんですよね。

結果的に、他店で雑な査定をされて不信感を抱いたお客さんが「最後はやっぱりちゃんと見てくれる店に頼みたい」と当店に来てくれる…ん〜コレはコレでありがたいコトです(笑)

GROOVE THEORY / TELL ME
GROOVE THEORY / TELL ME の試聴
next recordsのサイトでGROOVE THEORYのレコードを探してみる

■ていねいな査定でWin-Winを
レコードの査定って、ただのお金のやり取りじゃないと思うんですよね〜ナンていうか、音楽と文化の価値をどう扱うかってコトでもあるんじゃないかなって。

売り手にとっては青春の思い出の記録であり、買い手にとっては次のお客さんにつなぐタネ。その橋渡しをするなら、誠実であるべきなんじゃやないかなぁ〜って思うワケであります。

なのでNext Recordsとしてはこれからも1枚ずつ、理由を説明しながらていねいな査定を心がけたいって思っています。
それが売り手と買い手双方にとって納得できるWin-Winの関係につながるんじゃないかなって結構と信じているんですよね。

もしこの記事を読んでいるあなたが「昔のコレクション、そろそろ手放そうかな」と思っていたら、ぜひ自分のレコードのジャンルに合った専門店を探してみてほしいと思います。
そしてできれば、そのご自身のコレクションが12インチシングルなら、Next Recordsに気軽に相談してみてください。渋谷の小さな中古レコード店だけど、1枚1枚の音に宿るストーリーを大切にしながら査定いたしマスっ!

Next Recordsではインスタグラムもやっています!
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渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
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毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。

このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。


Next Records Shop at Shibuya Tokyo Japan.
We are a small record store but we welcome you with a huge selection of original pressed 12" singles.
If you visit Tokyo, please visit our record store!

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こんにちは、渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいるNext Recordsです。
日々お店に立っていると、レコードを買い始めたばかりのお客さんから、ちょっとした素朴な質問をされるコトがあります。
つい最近も、あるお客さんからこんなコト訊かれました。
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「アルバムは必ずといっていいほど写真やアートが入ったピクチャージャケットなのに、12インチシングルはピクチャージャケットのモノもあれば、ただの無地の穴あきスリーブに入っているモノもありますよね?コレってどうしてなんですか?」
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ん〜なかなか面白いです。オイラにとっては当たり前すぎて考えたコトもなかったけれど、言われてみれば確かに不思議。
初心者の方にとっては「なぜ?」となるのも当然です。そこで今回は、12インチシングルのジャケット事情について、オイラなりの考えと体験を交えながら掘り下げてみようと思います。



■レコードジャケットは音楽を拡張するもう一つの表現

まず基本から。レコードジャケットというのは「ただのパッケージ」じゃありません。
音楽の世界では、ジャケットは アーティストの作品世界を拡張するもうひとつの表現手段となっています。

たとえばThe Beatles / Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandのカラフルなコラージュ。あのジャケットはアルバムそのものの象徴であり、音楽の聴き方にまで影響を与えました。また、Pink Floyd / The Dark Side of the Moonのプリズムは、もはやバンドを超えて「ロック文化の象徴」となっています。
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これは音楽市場における商習慣とも関係していて、特に70〜80年代のレコード店では、棚に並んだときの「ジャケ買い」効果がとても大きかった…つまり、音楽を聴く前に視覚で購買意欲を喚起するツールでもあったワケです。

つまりレコードジャケットとは、単なる容器ではなく「音楽と聴き手をつなぐ入り口」であり、音楽の体験を視覚や触覚まで広げる装置だったというコト。だからアルバム(LP)にはほぼ必ずピクチャージャケットが用意されるんですね。



■LPと12インチシングルの役割の違い

ではナゼ、12インチシングルはLPのように一律でピクチャージャケットが付かないのか?
ここにはフォーマットの役割の違いが関わっています。

・アルバム(LP)
→ 作品として完成度を高める「本丸」。アーティストのキャリアを支える看板商品で、必ずある程度の売上が見込める。だからこそビジュアル面にも投資する。

・12インチシングル
→ 元々は DJ向けプロモーションツールとして誕生。音質重視で、クラブで大音量で鳴らしても最適なサウンドになるように設計された実用的フォーマット。どれだけ売れるかはリリースしてみないとわからない。ヒットするかハズれるかはレコード会社にとってもギャンブルのような部分もあり、余分なコストはできるだけ避けたい。

この構造の違いが、「LPは必ずピクチャージャケット」「12インチはケースバイケース」という結果を生んでいると思われます。



■ピクチャージャケットがある12インチの魅力

それでも12インチでピクチャージャケットが付いていると、やっぱり嬉しいものです。視覚的な満足度が高いし、棚に並んだときの存在感も抜群。特に80年代のメジャー作品では、12インチにピクチャージャケットをつけて「アルバムと並べても遜色ない商品」に仕立てるコトが多かったですね。

たとえばMadonnaやMichael Jacksonの12インチ。あの時代のジャケットは、アーティストのアイコン戦略そのもの。単に音源を届けるだけでなく、「スターのオーラ」をパッケージ化してファンに売る役割を果たしていました。
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また、アート性の高いジャケットはそれ自体がファンのコレクション欲を刺激する部分もありますよね。音とビジュアルを一体化させた作品として成立するから、ピクチャージャケット付きの12インチは今でも人気が高いワケです。



■無骨なジェネリックスリーブの魅力

一方で、無地のジェネリックスリーブに入った盤にはソレはソレで独特の渋さがあります。初心者からすると「味気ない」「手抜きか?」と思うかもしれませんが、実はこれこそが12インチシングル・カルチャーのリアルな側面だったりします。

・DJユースの利便性
→ 穴あきスリーブはレーベル面がすぐ見えて、曲名やバージョンを瞬時に確認できる。クラブの暗いブースで大きな武器になる。

・スピード重視の流通
→ プレスしたら即出荷。ジャケットデザインを待っている余裕なんてない。現場に早く届けるコトが最優先。

・レーベルのブランド戦略
→ Strictly Rhythmの赤茶のレンガレーベルやTommy Boyのロゴマークが印刷された統一デザインのように、無地スリーブ自体が「レーベルの顔」になった例もある。

この「業務用のリアル感」が逆に格好イイっていう部分も確実にあると思うんですよ。華やかさはないけど、「中身で勝負」「現場直結」という潔さがマニア心をメチャ刺激しているんでしょうね。



■ハイプステッカーがマニア心をくすぐる理由

さらに強烈なのが、ジェネリックスリーブに貼られたハイプステッカーの存在。これはもう、コレクターにはたまらない要素です。
AROUND-THE-WAY---


・情報が凝縮されている
どんなRemixが収録されているか、DJ向けのExtended Versionが入っているか…その情報がステッカーにしか書かれていないコトがある。

・限定感がある
ステッカー付き=初回プレスやプロモ盤の証だったりする。つまり「その瞬間だけ」市場に流れた証明書のような役割というのもイイっ!

・無骨さと機能美の融合
真っ白なスリーブにポツンと貼られたステッカー。そのバランスが、逆に音楽を際立たせる。これはアート的にも「ミニマリズムの美学」に近い感覚ですよね。

だから「ピクチャージャケットはアートとしての完成度」「ジェネリックスリーブ+ステッカーは現場感とリアルの証」。このふたつの魅力を両立して楽しめるのが12インチシングルの醍醐味だったりします。



■個人的に思うジャケットの面白さ

オイラ自身、最初は「やっぱりピクチャージャケットが付いている方がイイよなぁ〜」って思っていました。けれど、年月を経て無地スリーブの良さにも気付かされました。

例えば、N.Y.のHouseレーベルの白いスリーブジャケットのレコード盤。味気ないハズなのに、実際に針を落とすとクラブ直結の音が飛び出してくる。その瞬間「あぁ、コレは現場仕様なんだ…」と実感する。無骨さの裏にシーンの空気が詰まっている感覚がナントモ言えずイイんですよ。

だから今は「ジャケットがあるかどうか」というのは単なる違いではなく、その盤が生まれた背景や文化を物語る要素だと考えています。ジャケットひとつにも、音楽産業の戦略、DJの現場感覚、リスナーの所有欲、すべてが凝縮されているって思うんですよね。



■12インチのジャケットに映るカルチャーの豊かさ

「どうして12インチにはピクチャージャケットが付いていたり、ジェネリックスリーブだけだったりするのか?」
あくまでもオイラの推測ですがその答えは…

・レコード会社の投資判断
・LPとシングルの役割の違い
・DJユースとリスナー需要の差
・レーベルの戦略やシーンの文化性
といった複数の要因が重なった結果なんじゃないかなぁって思うのです。

でも大事なのは、「どちらが良い/悪い」ではなく、どちらもアナログ文化の豊かさを示す側面だというコトじゃないでしょうか。
ピクチャージャケットでアーティストの世界観を堪能し、ジェネリックスリーブで現場感を味わう。そのふたつを並べて楽しめるのが、12インチシングルの奥深さでもあります。

DIANA ROSS / LOVE HANGOVER (FRANKIE KNUCKLES REMIX)
DIANA ROSS / LOVE HANGOVER (FRANKIE KNUCKLES REMIX) の試聴
next recordsのサイトでDIANA ROSSのレコードを探してみる

派手なピクチャージャケットもあれば、無骨な無地のジェネリックスリーブ+ステッカー盤もある。どちらを手に取るかはお客さん次第。でも、選ぶ過程で「レコード文化の多面性」を体験できるのは間違いありません。

レコードを聴くという行為は、単なる再生以上の価値があると思うんですよね。手に取って、眺めて、並べて、時には飾って…音楽と視覚と触覚が融合する世界。これがデジタル配信にはないアナログならではの魅力なんでしょうね。

ぜひ、次にレコードを選ぶときには「ジャケットの有無」にも注目してみてください。その1枚が生まれた背景やシーンをカンジ取れば、音楽の聴こえ方もまた違ってくるハズっ!

📝この記事を書きながら改めて思ったのは、オイラ自身も当たり前だと思っていたことが、実はカルチャーの奥深さを象徴しているんだというコト。これをキッカケに、ぜひジャケットの有無をひとつの視点としてレコードを楽しんでみてください。

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