渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

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26年間レコード店を営んで見えてきた、「人がレコードを買いたくなる日」の不思議

渋谷でオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店を始めて、今年で26年になります。

こうして長く商売を続けていると、「さすがにお客さんの動きくらい読めるんじゃないですか?」なんて訊かれるコトがあります。

オイラも開業したばかりの頃の新米レコード店主時代はそう思っていました。

何年も商売を続けていれば、「今日はこれくらい売れそうだな」という感覚が自然と身に付くものだろう、と。

ところが、26年経った今、胸を張って言えることがあります。

実は、未だによく分かりません。(笑)

モチロン経験則はありますよ。

今日は土曜日だから人が多そうだ。

月末だから財布の紐も少し緩むだろう。

天気もいいし、渋谷の街には人が溢れている。

週末に合わせて人気盤やレア盤もたくさん店頭へ並べた。

SNSでも紹介した。

メルマガも配信した。

オンラインショップにも公開した。

「よしっ!今日は忙しくなるぞ。」ってカンジで店を開ける前は、いつもそんなコトを思っています。

ところが、そんな日に限ってお客さんがホトンド来ない。

レコード棚には自信を持っておすすめできる盤が並んでいるのに、お店の中は静まり返っている。

「えっ…今日はナニが起こっているんだ?」

閉店後、今日1日の売上を見ながら、マジで頭を抱えるコトもあります。

逆に、まったく予想していなかった日に信じられないことが起こるケースもあります。

平日。曇り空。給料日前。小売店として考えれば、決して条件が良いとは言えない日です。

むしろ、「今日は静かな1日になりそう…」って思うような日です。

ところが、そんな日に限って、お店を開けた瞬間から空気が違うんですよ。

日本のお客さんが来る、そのあと海外からのお客さんも来る、さらにまた別のお客さんが来る。

1人帰ると、また1人入ってくるってカンジで次々と来店客が訪れる。

レコード棚の前では、いつも以上に時間をかけておすすめコメントを読んでいる人がいたり、スマホで作品を調べている人がいるし、試聴をお願いされる回数も増える。

「この曲、メチャいいですねっ!」

「これも聴いてみてイイですか?」

そんな会話が自然と増えていく。

そして、レジへ持ってくる枚数がいつもより明らかに多いんですよ。

1人のお客さんが10枚、20枚とレコードを抱えてレジへ向かう姿を見ると、不思議なコトに他のお客さんまで同じようにレコードを棚から抜き始める。

「あの人がそんなに買うなら、自分ももう一度見てみよう。」

そんな心理が働いているのかどうかは分かりませんケドね。

でも、長年店頭に立っていると、空気が変わる瞬間は確かにカンジるんですよね。

で、スタッフ同士でも目が合います。

「……今日、なんかキテるね〜」

そしてこう言うんです…「今日はレコード欲しい光線が出てるな。」って。

「レコード欲しい光線」という、店だけの合言葉

もちろん、本当に宇宙から怪しい光線が降り注いでいるワケではありません。

これはオイラたちスタッフの間で自然に生まれたコトバです。

当店は渋谷の人が多く集まるメインではなく少し離れた場所にあります。

2000年前後、DJブーム真っ只中の頃、この界隈には数え切れないほどレコード店が並び、「世界一レコード店が密集している街」とまで言われていました。

ところがブームが終わると状況は一変します。

デジタル音源でのプレイが主流になり、DJプレイとしてのアナログレコードの役目は終わりました。

そして渋谷界隈のレコード業界は長い冬の時代を迎えました。

リアル店舗よりネット通販へそんな流れも加速しました。

オイラのお店も、実店舗と通信販売の両輪で何とかその時代を乗り越えてきました。

それでも不思議だったのは、そんな逆風の時代にも、年に何度か「今日は一体どうしたんだ?」という日が必ずあったコトです。

開店から次々とお客さんが訪れる、しかも、お客さんはまったくの他人で知り合い関係ではではありません。

にも関わらず、示し合わせたようにレコード店に集まり次々とレコードを買っていく日。

まるで誰かが「今日はレコードを買う日ですよ」と合図を出しているような光景なんですよね。

その様子を見て、

「もしかして宇宙から『レコード買いたい光線』でも照射されてるんじゃない?」

そんな冗談をスタッフ同士で言い始めたのが、このコトバの始まりです。

光線が出ているなんてもちろん冗談ですよ、でも26年間店頭に立ち続けた今でも、このコトバ以上にしっくりくる表現をオイラは知りません。

最近は世界的なアナログレコード人気もあって、こうした「レコード欲しい光線」が出ているように感じる日が以前より増えた気もします。

ただ、ひとつだけ変わらないコトがあります。

それは、「どうしてその日に限って、みんなが一斉にレコードを欲しくなるのか、その理由だけは今でも分からない」というコトです。

だからこそ、この現象について、少し真面目に考えてみたくなりました。

人は本当に、それぞれ自由に買い物をしているのでしょうか、それとも私たちが気付かないだけで、「今日は何かを買いたい」と思わせる共通のスイッチが、ドコかに存在しているのでしょうか。

26年間レコード店を続けてきた現場の感覚と、人の購買心理を研究する考え方を重ね合わせながら、この不思議な現象について、少し掘り下げてみたいと思います。

経験則は確かにある。でも、その経験則だけでは説明できない。

商売をしている人なら、おそらく誰もが「売れそうな日」という感覚を持っていると思います。

オイラも毎朝、渋谷駅を降りてお店へ向かうまでの道で、街の様子を自然と観察しています。

「今日は人が多いな。」

「天気も良いし、なんとなく街全体が浮き足立っている。」

「今日は売れそうだぞ。」

そんなコトを毎日のように考えています。

実際、小売店にはある程度の法則があります。

週末は人が増える。

月末は財布の紐が緩みやすい。

連休やボーナスシーズンは買い物モードになりやすい。

みたいなカンジでこれは長年商売をしていなくても、多くの人が感覚的に理解しているコトでしょう。

だから当店でも、毎週金曜日の夕方には新入荷の商品をイッキに店頭へ並べます。

いわゆる「花金(死語ですね)」を意識した品出しです。

「仕事を頑張った自分へのご褒美に、週末はレコードでも探しに行こう。」

そんな気持ちになる人は少なくありません。

さらに月末には、人気盤やレア盤をいつもより多めに投入します。

SNSでも毎日のようにおすすめ盤を紹介し、メルマガも配信する。

オンラインショップにも同時に掲載するってカンジでお店としてできることは、できる限りやっています。

ところが、ココから先が本当に難しい…同じコトをしているのに、結果がまったく違う日があるんですよね。

ある月末の最終土曜日。

天気は快晴。

街にはたくさんの人。

「今日はかなり忙しくなるだろう。」

そう思っていました。オイラの経験則では100点満点の好条件が揃っている日です。

ところが…お客さんが来ない、ホントにまったく来ない。

渋谷の街にはあれだけ人が歩いているのに、お店だけ時間が止まってしまったような静けさです。

「あれ?ナンかおかしいぞ。」ってそんな感覚になります。

もちろん、商売ですからこういう日はあります。

26年もやっていれば、「今日はダメだったな」と気持ちを切り替える術も多少は身に付きました。

でも、それに慣れるコトはありませんよ。

閉店後、1人で売上を見ながら、

「今日は、ナニが悪かったんだろう…。」って考えます。

店頭の商品構成がイマイチだったのか。

SNSの内容がショボかったのか。

接客だったのか。

ナニか見落としがあったのか。

思いつく限り考えるのですが、本当にナニも思い当たらない日があるんです。

改善点が見つかれば、次につなげられます。でも、原因そのものが分からないんですよ。

これは経営者として、実はかなりツライことです。

極端な話、「今日は店先に鬼でも立っていたのかな。」とか「悪霊が店内を漂っていたんじゃないか。」ってそんな冗談を言いたくなるくらい、お客さんが入ってこない日もあります。(笑)

もちろん冗談ですが、それくらい理由が見当たらないんですよね。

ところが翌日になると、商品は昨日とまったく同じ。

天気はむしろ悪い。

それなのに、お客さんが次々と来店してレコードが飛ぶように売れる。

こんな経験を何度も何度も繰り返してきました。

26年前のオイラは、「長年商売を続ければ売上はある程度予測できるようになる」と思っていました。

でも現実は違いました。

少なくとも当店のような零細小売店では、その日の売上を完璧に読むコトなんてできません。

この仕事は、思っていた以上に「人の気持ち」を相手にしている商売だったんです。

人は本当に、自分の意思だけで買い物をしているのだろうか。

そんなことを考えているうちに、オイラはある疑問を持つようになったんですよね。

もしかすると、お客さん自身も、

「今日はどうしてレコードを買いたくなったのか。」ってその理由を説明できないのではないか…と。

もちろん、「今日はレコードを掘るぞ!」と朝から目的を決めて来店されるお客さんもいます。

遠方から渋谷を目指して来てくださる方もいます。

そういうお客さんは、最初からレコードを買うスイッチが入っています。

でも一方で、

「今日は服でも見ようかな。」

「食事をしようかな。」

ってそんな目的で渋谷へ来た人が、街を歩いているうちに、ふとレコード店へ立ち寄るコトもあります。

そして店内で流れている音楽を聴き、ジャケットを眺め、他のお客さんが熱心にレコードを掘っている姿を見ているうちに、

「ちょっと1枚買ってみようかな。」ってそんな気持ちになる人も少なくありません。

つまり、「レコードを買う」という行動は、お店へ入る前から決まっている場合もあれば、お店へ入ってから生まれる場合もあるというコトです。

その違いは、どこから生まれるのでしょうか…。

ココで少し、行動経済学という分野の考え方がヒントになるかもしれません。

行動経済学では、人は常に合理的に行動するわけではなく、そのときの気分や周囲の環境、他人の行動など、さまざまな影響を受けながら意思決定をしていると考えられるそうです。

例えば、誰かがレコードを何枚も抱えてレジへ向かう姿を見ると、

「そんなにいいレコードがあるのかな。」と気になってしまう。

これは「同調行動」と呼ばれる心理に近いものです。

また、店内で流れている音楽や、おすすめコメント、ジャケットのデザインにココロを動かされる。

それまで意識していなかった作品なのに、急に欲しくなる…これは「プライミング効果」と呼ばれる考え方とも重なります。

さらに、「このオリジナル盤は次にいつ出会えるか分からない。」そんな希少性が購買意欲を後押しすることもあります。

どれも「ナルホドなぁ〜」って自分に置き換えても心当たりがある理論です。

実際、店頭に立っていると、「確かにそういうことはあるな」と感じる場面も少なくありません。

でも、オイラは同時にこうも思うんです。

「これだけでは説明しきれない何かが、まだあるんじゃないか。」って。

だって、同じように音楽を流し、同じように接客をし、同じようにSNSで紹介していても、「今日はレコード欲しい光線が出ている日」と「まったく出ていない日」があるんですから。

そこに、もうひとつ別の視点があるような気がするんですよね。

「レコード欲しい光線」は、創発という現象なのかもしれない。

行動経済学の本を読んでいると、

「あぁ、ナルホド…」と思うコトはたくさんあります。

同調行動・気分一致効果・プライミング効果・希少性効果。

どれも、店頭で見てきたお客さんの行動と重なる部分があります。

でも、それでもオイラの中には、まだ説明しきれない感覚が残ります。

例えば、ある1人のお客さんがレコードを20枚買います。

その姿を見た別のお客さんも、レコード棚へ戻ります。

さらに別のお客さんも試聴を始めます。

店内で流れている音楽が盛り上がる。

スタッフも自然とテンションが上がる。

接客にも熱が入る。

すると、お客さんも楽しそうにレコードを掘り始める。

その空気がまた次のお客さんへ伝わる。

まるで店全体が一つの生き物になったように、熱量がどんどん増幅してゆく感覚です。

逆に、静かな日はどこまでも静か…。誰も悪くない。レコードも昨日と同じで店内で流れている音楽も悪くない。

なのに、不思議なくらい静寂だけが流れている。

オイラは、この現象を見ながら、最近ある考え方に興味を持つようになりました。

それが「複雑系」や「創発」という考え方です。

ちょっと聞き慣れない少し難しいコトバですが、考え方は意外とシンプルです。

例えば、鳥の群れ。

何百羽もの鳥が空を飛んでいるのに、一斉に向きを変えます。

誰かリーダーが笛を吹いているわけではありません。

アリの行列もそうですね、一匹一匹は単純な行動をしているだけなのに、全体として見ると、とても秩序だった動きをしています。

これを「創発」と呼ぶそうです。

全体を指揮する存在はいない。

それでも全体として、ひとつの現象が生まれる。

もしかしたら人間社会にも、似たようなコトが起きているのかもしれませんね。

もちろん、お客さん同士が事前に連絡を取り合って、「今日は渋谷のレコード屋へ行こう。」なんて相談しているワケではありません。

でも、その日は同じニュースを見ていたかもしれない。

たまたま同じ音楽を聴いていたかもしれない。

SNSで同じ投稿を目にしたかもしれない。

仕事が一段落した人が多かったのかもしれない。

旅行中だったのかもしれない。

渋谷へ用事が重なっただけかもしれない。

そうした無数の小さなキッカケが、偶然同じ方向へ積み重なった結果、

「今日はレコードを買いたい。」という空気が生まれるみたいなイメージです。

そんなコトがあっても、不思議ではないような気がしています。

もちろん、これはオイラの仮説です。

「レコード欲しい光線」の正体が創発だ、と言い切るつもりはありません。

でも、26年間店頭で見てきた景色を思い返すと、この考え方が今のところ一番しっくりきています。

レコードを買う人は、音楽だけを買っているワケじゃない。

もう一つ、この仕事を続けていて感じるコトがあります。

それは、お客さんは「音楽」だけを買っているワケではないというコトです。

90年代から2000年代前半のDJブームの頃は、憧れのDJがプレイしたレコードを探す人がたくさんいました。

「あのDJと同じレコードが欲しい。」

そんな気持ちだったと思います。

心理学では「同一化」と呼ばれる考え方がありますが、まさにそんな感覚だったのでしょう。

でも、今は少し違います。

・レコードブームだから始めた人。

・ストリーミングでは味わえない音を楽しみたい人。

・大きなジャケットを飾りたい人。

・スマホではなく、「モノ」として音楽を所有したい人。

・偶然レコード店で探していた1枚に出会い、その瞬間の喜びを味わいたい人。

つまり、人それぞれが違うものを求めてレコードを買っています。

音楽を聴くため。

コレクションするため。

思い出を増やすため。

休日を楽しむため。

宝探しをするため。

その全部が重なって、「レコードを買う」という体験になっている。

だからこそ、レコードは面白いんでしょうね。

そして、その「欲しい」という感情が、ある日どこかで同期するコトがある。

オイラには、そんなふうに思えちゃうんですよね〜。

だから今日も、「来てよかった」と思える店でありたい。

もし本当に、

「レコード欲しい光線スイッチ」

なんてものがAmazonで売っていたらどうするか?

迷わず買います。(笑)1000万円でも買うと思います。

そして毎朝、お店を開ける前にポチッとスイッチを押します。

でも、そんな便利なスイッチは存在しません。

だから商売は難しい…でも、だからこそ面白いんでしょうね。

26年間お店を続けてきても、売れる日もあれば、まったく売れない日もあります。

その理由は、今でも分かりませんっ!

きっと、この先も分からないでしょうね。

でも、ひとつだけ分かっているコトがあります。

「レコード欲しい光線」を店側が自由に出すことはできない。

しかし、その光線を浴びたお客さんが店へ来てくれた時に、

「今日は来てよかったなぁ。」

「この店なら、また来たいな!」

そう思っていただける店を作るコトは、オイラたちの努力で実現できます。

26年間商売をしてきて思うのは、結局そこなんですよね。

流れは読めないし、人の気持ちも完全には分からない。

でも、お店の努力だけは自分たちで決められるし、実践できる。

だからオイラは今日も、おすすめコメントを書き綴るし、店頭でレコードを磨きます。

試聴の準備もするし、新しい入荷をレコード棚へ並べます。

「この店に来ればナニかよいレコードが必ず見つかる。」

そう思ってもらえる店を目指して、毎日お店を開けています。


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next recordsのサイトでPHARRELLのレコードを探してみる

そして、この記事を読んでくれた人にも、ひとつだけ訊いてみたいコトがあります。

あなたにはありませんか?ナゼか急にレコードが欲しくなる日…って。

特に探していたワケでもないのに、気が付けばレコード店へ向かっている日。

オイラは、その不思議な現象を勝手に「レコード欲しい光線」と呼んでいます。

さて、あなたの「レコード欲しい光線」は、一体ナニがきっかけで出ているのでしょうか。


Next Recordsではインスタグラムもやっています!
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12インチシングルとは何なのか、その良さをわかりやすく解説したQ&Aもゼヒ参考にしてください。
12インチシングルのFAQ

渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!


毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。

このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。

Next Records Shop at Shibuya Tokyo Japan.
We are a small record store but we welcome you with a huge selection of original pressed 12" singles.
If you visit Tokyo, please visit our record store!

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「うわっ! このレコード、久しぶりに見たな!」

先日、いつものようにeBayをチェックしていた時のコトです。

「あっ! このレコード、久しぶりに見たな!」って思わずそんな声が出てしまうくらい超久しぶりにみかけた12インチシングルが出品されていました。

タイトルはあえて伏せておきますが、Garage系Discoの中でも当店ではメチャ人気の高いレア盤です。

実は、そのセラーからはオイラが「ゼヒ仕入れたい!」と思うようなレアタイトルが2枚も同時に出品されていました。

しかも、それだけではなくって出品リストを見てみると、全部で300枚くらいのレコードが並んでいるのですが、その内容が実にスバラシイっ!

「この人、かなり良いコレクションを持っていたんだな。」ってそんなコトが一目で分かるようなラインナップでした。

人気タイトルはもちろん、ちょっとマニアックだけど評価の高いタイトルも混ざっていて、しかも全部オリジナル盤の12インチシングルっ!12インチシングル好きなら思わずニヤリとしてしまうような内容です。

やっぱ。こういう出品リストを見ると、レコード店をやっている人間としてはワクワクするんですよね〜。

モチロン、同時にライバルも世界中から見ているワケですが(笑)。

でも、この時のオイラはそんなコトよりも、「コレは、ゼヒ仕入れたいっ!」その気持ちの方がずっと強かったですね。


レア盤は、お店の「顔」になる

Next Recordsは、いわゆるナンでも置いてあるレコード店ではありません。

比較的入手しやすい定番タイトルも扱っていますが、お店として一番チカラを入れているのは、「他のお店ではなかなか見つからないレコード」です。

一生に一度出会えるかどうか分からないような超レア盤から、マニアの間では高く評価されている隠れた名曲まで、そんなレコードを探して店頭に並べるコトが、Next Recordsらしさだと思っています。

珍しいレコードが入荷すると、お客さん同士で話題になるコトもありますしね。

「これ、入ったんですね!」

「コレ、メチャ探してたんですよ!」

そんな会話が自然に生まれるのも、このシゴトの楽しさのひとつです。

だから今回見つけた2タイトルも、「ナンとかして仕入れたいなぁ」って思うのは、ごく自然なコトでした。


「4年前に売っていたな...」

そういえば、このタイトルって最後にいつ販売したんだろう?ってフト気になって、お店の販売履歴を調べてみました。

すると驚いたコトに、そのレコードを最後に販売したのは約4年前…しかも、その1回だけ。

「えぇ〜もう4年も入荷していなかったのか。」

正直、自分でも少し驚きました。

4年前でも決して安いレコードではありませんでした。

当時でも十分レア盤と言われる存在でしたし、店頭に並べれば比較的早い段階で売れてしまう人気タイトルです。

でも、それ以前を思い返すと、年に数回くらいは入荷できていたような気がします。

まぁ〜そうカンタンに見つかるレコードではありませんでしたが、それでも、「探せば何とかなる」という感覚はまだあったんですよね。

トコロが今は違います。

「久しぶりに見つけた。」そう思って履歴を調べたら、前回から4年も空いていた。

この時点で、レコード市場が以前とはまったく違う世界になっているというコトを改めて実感したんですよね。


オイラの「モノサシ」では届かなかった

モチロン、4年前と今では状況が違うコトは分かっていますよ。

ココ数年でレコード人気が高まっているコトも知っていますし、円安や世界的なインフレの影響も理解しています。

なのでこんなふうに考えました…「前回より1.5倍くらいの販売価格になるとしても、このタイトルなら十分価値がある。」って。

利益率は多少下がってもイイ。

こういうレア度の高いレコードは利益だけではなく、お店の価値にもつながるしね…だから多少ムリをしてでも仕入れたいなぁってそんな気持ちで、オークションの終了を見守っていました。

しかしっ!.現実は、オイラが考えていたよりもずっと先を行っていたんですよね。

終了間際になると価格はドンドン上がっていき、最後の30秒ではイッキに競り上がります。

結果は...オイラが4年前に販売した価格の倍以上の落札価格で終了ぅ〜(チーン)

しかも、それは落札価格だけのハナシです。

そこにアメリカから日本までの送料。

さらに仕入れにかかる諸経費。

そして、お店として適正な利益。

それらを考えると、とても販売できる価格には収まりません。

落札結果を見た瞬間、

「わちゃーっ! コレが今の相場なのか!?」って思わず苦笑いしてしまいました。

と同時に、「オイラの中にある『このレコードならこれくらい』という価格のモノサシは、もう世界のマーケットには通用しないのかもしれない。」ってそんなコトも感じたんですよね。

レコード店として最前線に立っているつもりでも、市場は想像以上のスピードで変化していたということなんですね。

ん〜レコードは世界経済と無関係じゃなかった…オークションの結果を見ながら、オイラは改めて考えていました。

「ナンで、ココまで高くなったんだろう?」

モチロン、そのタイトル自体が人気盤であるコトは昔から知っています。

レア盤というものは、その時々の人気や評価によって価格が上下するのは珍しいコトではありませんしね。20年以上レコードを扱っていると、「昔は見向きもされなかったのに、今では高額盤」といったケースも何度も見てきましたし、その逆もあります。

だから、ある程度の値上がりは想定していたんですケドね。

でも今回カンジたのは、それだけでは説明がつかないというコトです。

レコードそのものの人気だけではなく、その背景にはもっと大きな流れがあるんじゃないかって…それが、世界の経済です。


4年間で、日本円は約19%安くなっていた

今回のオークションが終わったあと、ちょっと気になって為替レートを調べてみました。

オイラがそのレコードを前回販売した約4年前。

当時のドル円相場は、1ドル=約135円だったんですよね、そして今、2026年6月現在は1ドル=約161円です。

つまり、この4年間で日本円はアメリカドルに対して約19%も安くなったコトになります。

コレって改めて数字で見ると結構インパクトがありますよね。

例えば、レコードの価値が4年前とまったく変わっていなかったとしても、日本人が海外から買う場合は、為替だけで約19%高くなってしまうというコトです。

レコードの人気が上がったワケでもないし、希少性が増したワケでもない。

ただ円安になっただけで、仕入れ価格は上がってしまう。

ニュースで「円安」というワードは毎日のように耳にしますが、オイラにとっては、その影響が「1枚のレコードの仕入れ価格」というカタチで目の前にガーンと現れるワケです。

こういう仕事をしていると、経済ニュースが急に他人事ではなくなりますね(笑)


レコードだけじゃない。送料まで高くなっている

さらに頭を悩ませるのが送料です。

今、アメリカからレコードを1枚送ってもらうだけでも、おおよそ25〜40ドルかかるんですよ。

今の為替なら、日本円で4,000円〜6,500円くらいですね。

「送料だけでそんなに?」ってそう思われる方もいるかもしれません。

でも実際、それくらいかかることは珍しくないんですよね。

昔なら送料は必要経費くらいの感覚でした。

もちろん安いとは思いませんでしたが、レコードそのものの価格に比べれば、そこまで大きな負担ではなかったんです。ま〜ザックリと1枚12ドル〜15ドルくらいあればエアメールで送れていたんですよ。

トコロが今は全然違っていてレコード本体の価格が上がり、その上に高額な送料が乗ってくる。さらに円安。

つまり、三重苦なんですね。

レコードの値段だけを見ていても、本当の仕入れコストは見えてきません。


コロナ以降、風向きは明らかに変わった

オイラが「ナニかが変わったな」と強くカンジたのは、やはりコロナ禍以降ですね。

モチロン、それ以前からアナログレコード人気が高まっているコトは実感としてアリました。

ただ、その頃の人気の中心ってシティ・ポップだったんですよね。

日本のシティ・ポップが海外で人気になり、その流れがニュースになるコトも多かったですよね。

でも、その頃は正直言って、当店が専門としている12インチシングルには、そこまで大きな影響はなかったんですよ。

「ナンかレコードの人気はあるみたいだけど、うちとは全然違う世界のハナシかな。」ってそんな印象だったんですよね。

ところがコロナ禍を境に状況が変わりました。

シティ・ポップだけではなく、Disco、Garage、House、Hiphop、R&B…ってカンジでさまざまなジャンルへ人気が広がり始め、その波が12インチシングルにも押し寄せてきたんです。

しかも、この現象は日本だけではなくってアメリカも、ヨーロッパも、アジアも世界中でアナログレコード人気が再燃していったワケです。

つまり、以前は日本国内の相場をある程度意識していれば良かったものが、今では世界中のコレクターやレコード店と同じ市場で競争しているワケです。

渋谷に店を構えていても、仕入れの現場では世界中がライバルになっているというワケなんですね。


「仕入れ」の形も時代とともに変わってきた

そう考えると、この20数年で仕入れのスタイルそのものも大きく変わりましたね。

オイラがNext Recordsを始めた2000年頃は、海外へ直接買い付けに行くのが当たり前でした。

アメリカやヨーロッパへ飛び、レンタカーを借り、レコード店やディーラーを何軒も回って、1枚1枚掘り出していく。

今思えば体力勝負でしたが、それが一番レア盤を見つけられる方法でもありました。

トコロがインターネットが発達すると、海外ディーラーとのメールのやり取りで仕入れができるようになります。

さらに2010年前後になると、今度は現地のレコード店が次々と閉店し始めました。

音楽のデジタル化の影響もあり、アナログレコードの需要が一時的に大きく落ち込んだからです。

すると、現地へ行ってもレコードそのものが見つからない。

航空券や宿泊費をかけても、以前のようには仕入れられないというそんな時代になったんですよね。

だから当店も、海外買い付け中心から、国内買取や海外ディーラーとのメールでの取引へと少しずつシフトしてきたんです。

トコロがコロナ禍以降、その海外市場自体が再び活気を取り戻しました。

しかも、以前とは比べものにならないほどのインフレと価格高騰を伴ってです。

時代が変われば、仕入れの方法も変わる…レコード店というシゴトは、実はそんな変化の連続なのかもしれませんね。

オイラは昔、「レコードって趣味の世界だから、景気や経済とは少し違う場所にあるんじゃないか」と思ってたんですよ。

好きな音楽を聴く、お気に入りの一枚を集める、そんな純粋な趣味の世界ですからね。

でも、現実は違っていて趣味だからこそ、その背景には世界中のコレクターがいて、世界中のお金が動き、円安やインフレ、物流コストまでもが、1枚のレコードの価格に影響を与えている。

今回のeBayでの出来事は、それを改めて痛感する出来事だったように思うんですよ。

「見つかったのに仕入れられない」というイチバンつらい現実…。

以前、常連のお客様からこんな質問をされたコトがあります。

「店長、レコードが見つからないのと、見つかったけど仕入れられないのって、どっちがツライですか?」って。

その時は思わず笑ってしまいました。

「イヤ〜、どっちも超ツライですよ(笑)」ってコレが本音です。

でも、改めて考えてみると、やっぱりつらいのは「見つかったのに仕入れられない」ほうですね。

レコードが見つからないなら、まだ諦めがつきますしね。

「あぁ、今回は縁がなかったな。」ってそう思えば気持ちの整理もできます。

でも、目の前には確かにある。欲しかったレコードが、ちゃんと存在している。

あと一歩、お金を出せば手に入る…それなのに、仕入れるコトができない。

これは本当に「ヘビの生殺し」という表現がぴったりなんです(笑)

バイヤーをやっている人なら、この感覚はきっと分かってもらえるじゃないかなとって思います。


「売れる」のに、仕入れない理由

ココで、レコードに詳しくない方はこう思うかもしれません。

「人気があるんだったら、高く仕入れて、高く売ればいいんじゃない?」って。

たしかに理屈だけで考えれば、その通りなんです。

商売なんだから、仕入れ値に経費と利益を乗せて販売するっていうそれだけのハナシです。

でも、実際のレコード店は、そんな単純な世界ではありません。

例えば今回のレコード…もしオイラがあの価格で落札していたら、当然その仕入れ値をベースに販売価格を決めるコトになります。

でも、その価格を店頭に付けられるかと言われたら…正直、オイラにはできないんですよね。

モチロン、売れる可能性はあると思いますよ、レア盤ですし、探している人は必ずいると思うので。

でも、それでも「この値段では売りたくない」と思ってしまうんですよね。


オイラの中にある「価格のモノサシ」

レコード店を長くやっていると、不思議と自分の中に「モノサシ」ができます。

例えば、

「このタイトルなら、今ならこれくらい。」とか「コレは結構レアだから、この価格帯かな。」ってそんな感覚です。

モチロン、それは絶対的なモノではありませんケドね。

でも、20年以上レコードと向き合ってきた経験の積み重ねから生まれた、自分なりの相場観なんです。

トコロが最近は、そのオイラのモノサシを世界のマーケットが軽々と飛び越えていくんですよね。

eBayの落札価格。Discogsの取引履歴。海外ディーラーの販売価格。

どれを見ても、「えっ、そこまで上がるの?」っていう場面がホントに増えてきたんですよね。

そうすると、自分の感覚が古くなったのかな…とも思います。

でも、一方では日本のお客様の感覚も知っています。

だから、その間で揺れちゃうんですよね。


「仕入れ値」だけでは価格は決められない

一般のお客様には、あまり知られていないコトかもしれません。

でも、お店の販売価格というのは、仕入れ値だけで決まるワケではありません。

もちろん、仕入れ値は重要ですよ、でもそれだけではナイんです。

特にオイラが気にするのは、

「過去にいくらで販売していたか。」

「今、日本ではどれくらいの相場なのか。」

「他のお店では、どんな価格で売られているのか。」

そして何より、

「Next Recordsらしい価格なのか。」というコトです。

最近はeBayやDiscogsのおかげで、世界中の販売価格や過去の取引履歴を誰でもカンタンに見るコトができます。

つまり、お客様も調べようと思えば調べられる時代なんです。

だからこそ、お店としての価格には責任があります。

「仕入れが高かったので、この値段です。」ってそれだけでは済まされないって思うんですよ。

お店のカンバンを背負っている以上、「この店は納得できる価格を付けている」という信頼を失いたくないんですよね。


コレはレコード店だけの話ではない

この感覚は、実はレコード店だけではないような気がしています。

海外から商品を仕入れている専門店や個人で輸入販売をしている人、小さなお店の経営者はきっと同じような悩みを抱えているのではないでしょうかね。

ニュースでは、「円安」「インフレ」という一言で片付けられてしまいます。

でも、その影響は現場ではもっと具体的です。

「この商品を仕入れるか、やめるか。」

「この価格で販売するか、見送るか。」

そんなヒトツひとつの判断になって現れるんです。

テレビでは数秒で終わる経済ニュースも、オイラたち現場の人間にとっては、毎日のシゴトそのものなんですよね。

だから最近は、経済ニュースを見る目も昔とはずいぶん変わりました。

「また円安か。」ではなく、「このドル円なら、あのレコードはもうムリかもしれないな…」ナンてそんなコトを考えるようになってしまいました(泣)


それでも、お店として譲れないもの

ココ最近は、仕入れを諦めるレコードは、以前よりずっと増えてきたように思います。

体感では、ebayのウォッチリストに入れたタイトルの8割くらいは、オイラの想定を超える価格になってしまうんですよね。

以前なら普通に仕入れて出来ていたようなレコードでも、今では最後まで見届けるダケ…そんなコトも珍しくありませんね。

でも、不思議なコトに、お店として海外から仕入れる枚数そのものは、それほど減っていないんですよね。

ソレはナゼかというと単純に仕入れるレコードが内容が少しづつ変わってきたからですよね。

世界中で争奪戦になる超人気盤だけを追いかけるのではなく、「Next Recordsらしい1枚」を、もっと大切にするようになったっていうカンジですね。

当店だからこそ見つけられるレコードや「これは面白い」と思えるレコード…そんな独自のセレクションを、以前にも増して意識するようになったんです。

皮肉なコトですが、レア盤が仕入れにくくなったコトで、逆にお店らしさを見つめ直すキッカケにもなったのかもしれませんね。

確かにレア盤は魅力的ですが、それだけがレコードの魅力じゃないですしね。


「Next Recordsらしい1枚」を探すというシゴト

昔は、人気盤やレア盤をどれだけ集められるか…そんなトコロで勝負をしていた部分がメチャ多かったと思います。

まぁ〜モチロン今でも、人気盤が入荷すれば嬉しいですよ。

「コレは、ゼヒ店頭に並べてお客さんに紹介したいっ!」っていうその気持ちは昔とナニも変わりません。

でも、世界中が同じ1枚を狙う時代になった今、オイラがもっと大切にしたいと思うようになったものがあります。

それは、「Next Recordsらしいセレクション」です。

他のお店にもある人気盤だけではなく、「えっ、この曲、こんなにカッコよかったんだ。」っていうそんな発見があるレコード。

プロのDJなら知っているけケド、一般にはあまり知られていない1枚や知名度は高くないけれど、フロアでかけたら一瞬で空気が変わるような12インチ…そういうレコードって、実はまだまだたくさんあると思います。


レコードは「有名だから価値がある」とは限らない

やはり、どうしても人気タイトルには人が集まります。

爆発的なヒット曲に有名DJがプレイした1枚やメディアやSNSで紹介されたレコード…そういうタイトルは、世界中のコレクターが欲しがります。

だから価格も上がってしまう、コレは需要と供給を考えれば自然なコトです。

でも、それだけがレコードの面白さではありませんよね。

20年以上レコードを見続けてきて思うのは、

「まだ評価されていない良いレコード。」

「忘れられてしまったけれど、今聴くと新鮮なレコード。」

そんな1枚が、ホントにたくさんあるというコトです。

オイラはそういうレコードを見つけるのが好きなんですよね。

そして、お客さんに「この曲、知っていますか?」って紹介するのも好きなんですよね。

「これ、知らなかったけど最高ですね。」ってそんな感想をいただけた時は、レア盤を販売できた時とはまた違ったウレシさがあります。


キュレーションも、レコード店のシゴトだと思う

最近、「キュレーション」というコトバを耳にする機会が増えました。

カンタンに言えば、「良いモノを選び抜いて紹介するコト」です。

インターネットには情報があふれています。

eBayもDiscogsもあるし検索すれば、世界中のレコードが見つかる時代です。

でも、「何を選べばいいのか…」それは意外と結構ムズかしいのかもしれません。

だからこそ、専門店には専門店の役割があると思うんですよね。

当店が長年培ってきた経験や耳、そして現場で積み重ねてきた感覚…そういうものを通して、

「これはNext Recordsだからおすすめしたい。」そんなレコードを紹介していく。

これからのレコード店は、単に商品を並べるだけではなく、「選ぶ価値を提供する場所」になっていくのかもしれませんね。


オリジナル盤と12インチシングルへのこだわり

Next Recordsが創業以来ずっと変わらず大切にしてきたものがあります。

それは、

オリジナル盤であるコト…そして、12インチシングルであるコトです。

音楽を聴くだけなら、今はサブスクでも十分楽しめます。CDでもイイし、データでもイイ。

極端なハナシをすれば、同じ曲を聴くという意味では、どのメディアでも大きな違いはないのかもしれません。

でも、不思議なんですよね〜人はレコードという「モノ」に愛着を持つんですよね。

ジャケットを眺める。

盤を取り出す。

ターンテーブルに乗せる。

針を落とす。

そして流れてくる音。

そのヒトツひとつの行為も含めて、レコードを楽しんでいるんだと思うんです。

さらにオイラは、できることなら当時発売されたオリジナル盤を聴いていただきたいっ!

モチロン再発盤にも価値はあります。

ブートレッグにも役割があります。

でも、

「1980年代に、この音を、この盤で、多くのDJがプレイしていた。」

そんな歴史まで含めて楽しめるのがオリジナル盤の魅力なんですよ。

そして12インチシングル。

これはオイラが何度も言っていたコトですが(笑)、「音質というイミでは、本当に素晴らしい音楽メディア」なんですよ。

もっと多くの方に、その良さを知っていただけたら…って思っているんですよね。


10年後、この記事を読み返した時に

オイラはこの「渋谷レコード店日記」をカレコレもう20年以上書き続けています。

時々、昔の記事を読み返すコトもあります。

「あぁ、あの頃はこんなコトがあったな。」ってそんなふうに思い出すコトがよくあります。

だから、この記事もきっと10年後に読み返すでしょう。

その時、もしかすると、

「2026年は高い、高いって騒いでいたケド、今思えばまだ安かったなぁ。」ナンて笑っているかもしれません。

それとも逆に、「あの頃が価格のピークだったのか…。」って言っているかもしれません。

それはダレにも分かりません。

でも、ひとつだけ言えるコトがあります。

レコードというものは、欲しいと思った時に必ず次も出会えるとは限りません。

そして、価格も同じとは限りません。

だから昔からよく言われますが、

「レコードは、見つけた時が買い時。」

コレは、今の時代になってますます実感するようになりましたね。

円安やインフレ、世界的なレコード人気も送料の高騰。

そんな時代だからこそ、1枚のレコードとの出会いを、これからも大切にしていきたいと思っています。


DJ QUIK / QUIK'S GROOVE VII
DJ QUIK / QUIK'S GROOVE VII の試聴
next recordsのサイトでDJ QUIKのレコードを探してみる

そしてNext Recordsも「探していたレコードなら、まずあのお店をチェックしてみよう。」ってそう思っていただけるレコード店であり続けたいですね。

人気盤も、隠れた名盤も。オリジナル盤も、最高の12インチシングルも。

Next Recordsらしい目利きで、1枚1枚を選びながら、これからも皆さんに紹介していけたらと思っています。


Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!

12インチシングルとは何なのか、その良さをわかりやすく解説したQ&Aもゼヒ参考にしてください。
12インチシングルのFAQ


渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
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毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。

このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。

Next Records Shop at Shibuya Tokyo Japan.
We are a small record store but we welcome you with a huge selection of original pressed 12" singles.
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気が付けば、お客さんは何時間もレコードを見ている

渋谷でオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいるNext Recordsです。

店の広さは決して大きくありませんが店頭には約6000枚、さらにバックヤードには品出し前のレコードが約2000枚ホド。またストックされたレコードが2万以上という小さな個人店としてはなかなかの物量ですが、大型店と比べれば決して巨大な店ではありません。

そんな小さな店を長年続けていると、毎日いろいろなお客さんが来店してくれます。

常連さんもいれば初めてのお客さんもいます。

最近は世界的なアナログレコード人気の影響もあって、海外からのお客さんもかなり増えました。特にオーストラリア、ヨーロッパ各国、北米からのお客さんが多く、台湾や韓国、東南アジアからのお客さんも来てくれます。

店主としては、買う・買わないは別として、お店に足を運んでいただけるだけでも本当にありがたいことです。

しかし、長年店頭に立っていて、ひとつ不思議に思うことがあります。

それは、「お客さんの滞在時間がとても長い」というコト。

30分はフツーで1時間の滞在も全然珍しくありません。

で、レコード好きな人だと2時間以上レコードを見続ける人もいます。

まぁ〜常連さんだと4〜5時間というコトよくありますケドね(笑)

ご来店いただいたお客さんに熱心にレコードを見てもらえるというのは店主としてはホント嬉しいハナシです。

でも、ふと思うんですよね…「そんなに時間をかけて疲れないのだろうか?」って。


そもそもレコード探しは、とても面倒な趣味である

冷静に考えると、レコード探しというのは非常に手間のかかる行為だと思います。

お客さんの様子を見ていると、

・まず棚からレコードを抜く。

・アーティスト名 & 曲名を見る。

・コメントを読む。

・ジャケットやレーベルに記載されているプロデューサーやリリース年のクレジットをクレジットチェックする。

・さらにスマホを取り出してSpotifyやApple Music、DiscogsやYouTubeを開いて曲を検索する。

・試聴する。

・Wantリストと照らし合わせる。

・そしてまた棚に戻る。

この繰り返しを何度も行うワケです。

サブスクなら数秒で済むコトを、レコード店では何十分も何時間もかけてやっています。

客観的に見ればメチャ効率が悪いですよね…というかむしろ非効率の塊ですよ。

それなのに、多くの人が夢中になっているワケです。

これは改めて考えると不思議な現象ですよね。


実はオイラ自身も、かなり面倒なコトをしている

自分でレコード店を営むくらいなのでオイラ自身も筋金入りの12インチシングル好きなワケです。

だからレコード店に行くと、とにかく全部見たくなります。

本当に全部です。

数千枚あろうが関係ありません…全部チェックしないと気が済まないんですよ。

ナゼか。

それは経験上、思わぬお宝的レコードがドコかに隠れているというコトを知っているからなんですよね。

12インチシングルは、多くのレコード店ではLPと同じ棚に混ざっているコトがあります。

そして、その中に意外なレア盤が紛れ込んでいるたりします。

そういった状況を知っているので見落とせないんですよね。

さらに、欲しかったMixがちゃんと収録されているかとか、ブートレッグではないかとか、盤質は大丈夫かといった確認も徹底します。

正直言ってメチャ面倒ですよ。

でもやってしまうんですよね。

ナゼならやっぱり後悔したくないからなんですよ。

そして、そういう面倒な確認作業も含めて、実は結構楽しんでいる自分がいるのです。


お客さんの負担を減らしたくてQRコード試聴を始めた

そんなお客さんの様子を見ていて、

「もっと簡単に試聴できたらイイのにな〜」って思うようになりました。

以前のお客さんは、気になるレコードを見つけるたびにスマホで曲名を入力して検索していました。

ホント、傍目から見ていて大変そうでした。

そこで導入したのがQRコード試聴です。

当店オリジナルの商品札のQRコードをスマホで読み込むだけで試聴できる仕組みです。

今では多くのお客さんが利用してくれています。

「すごいサービスですねっ!」

「めちゃ便利ですね〜」

「クレイジーだ!」

海外のお客さんからそんな声をいただくこともあります。

ホトンドすべてのお客さんから好評を得ているので店主としては嬉しい限りであります。


トコロが、ひとつ予想外だったコトがある

QRコード試聴を導入した当初は、試聴が簡単になれば、お客さんは短時間で効率よくレコードを探せるようになるだろうってオイラは考えていました。

トコロが現実は少し違っていて、むしろ試聴する枚数が増えたのです。

そして滞在時間もそれホド短くなりませんでした。

便利になったのに、時間は短縮されない…これは興味深い現象でした。

そこでオイラは思ったんですよね…。

もしかするとお客さんは、

「時間短縮そのものを求めていないのではないか?」って。


レコード好きは「買い物」をしているのではなく「発見」を楽しんでいる

店頭でお客さんを観察していると面白い瞬間があります。

お目当てのレコードを見つけた瞬間です。

「おっ!コレはっ!」ってカンジでちょっと仰け反る人。

「オッシャー!キタっー!」って勢いよく棚から抜く人。

「ヨシっ!」ってカンジで小さくガッツポーズをする人。

「これ、ずっと探してたんですよ!」と報告してくれる人。

その姿は、まるで宝探しに成功した人のようです。

考えてみれば、レコード探しは宝探しに近い趣味なのかもしれませんね。

欲しいレコードを見つける喜びや知らなかった曲との出会いに思いがけない発見。

これらは効率だけでは得られない体験になっているんでしょうね。


偶然の出会いはアルゴリズムでは作れない

オイラも過去に探していたワケではないのについつい買ってしまったレコードがあるっていうコトを何度も経験しています。

その多くは店内でたまたま偶然流れていた音楽なんですよね。

「コレ、何て曲ですか?」ってレコード店のスタッフに訊いて、そのまま購入してしまうというパターン。

そんなコトが何度もあるんですよね〜。

もしネット検索だけだったら出会わなかったかもしれません。

SpotifyやYouTubeのおすすめ機能は確かに優秀だと思います。

自分の好みに近い曲を次々と紹介してくれますしね。

でも、それはどこか予定調和でもあります。

似た曲。

近い曲。

好みに合う曲。

メチャ便利です。

しかしレコード店では違います。

予想外の出会いや偶然があって寄り道があります。

そして、その寄り道こそが面白かったりするんです。


効率化の時代だからこそ、非効率が贅沢になる

あきらかに現代は効率化の時代だと思います。

欲しいものは検索すれば出てくるし、音楽もすぐ聴けます。

ネットで注文した買い物も翌日には届きますしね、ホント便利になりました。

でも面白いコトに、人は便利さだけを求めているワケではないようです。

音楽の歴史を振り返ってもそうだと思うんですよ。

レコードよりコンパクトでノイズも皆無、さらに長時間収録できるCDがレコードに変わる存在として登場しました。

さらにそもそもアイテムとして所有すらしなくてもよいサブスクが登場しました。

トコロが今、再びレコードが人気になっているワケです。

合理的に考えればメチャ不思議だと思うんですよ。

なぜ重たいレコードなのか。なぜ針を落とすのか。なぜ棚を何時間も掘るのか。

そこには便利さでは測れない価値があるからなんじゃないかなって思ったりするんですよね。


人は不便さそのものを楽しんでいるのではなく、その過程を楽しんでいるのかもしれない

QRコード試聴を導入すれば、お客さんはもっと効率的にレコードを探せるようになると思っていました。

しかし実際には違いました。

便利になったにもかかわらず、多くのお客さんは相変わらず長い時間をかけてレコードをチェックしています。

もしかすると人は、不便さそのものを求めているワケではないのではないのかなって思ったんですよね。

例えば、誰だって欲しいレコードが最初の1枚目で見つかるなら、その方が楽ですよね。

盤質のチェックもしたくないし、検索する手間もない方が良い、それは間違いありません。

しかし、レコード探しには効率だけでは説明できない魅力があります。

棚を眺めているうちに、当初探していたレコードとはまったく別の作品が気になり始める。

試聴してみたら予想以上に良かったとか、ジャケットに惹かれて手に取った1枚が、その後何年も聴き続けるお気に入りになるとか…。

そんな経験はレコード好きなら誰しもあるのではないでしょうか。

オイラ自身もそうですしね…探していたレコードを買うコトもありますが、それ以上に印象に残っているのは偶然の出会いだったりします。

店内で流れていたレコードにココロを掴まれて、そのまま購入したコトも何度もあります。

もし最初から効率だけを求めていたら、そういう出会いは生まれなかったかもしれません。

そう考えると、人が楽しんでいるのは不便さそのものではなく、

「何に出会うか分からない時間」なのかもしれませんね。


レコード店はこれからも残り続けるのだろうか

もし将来、AIが完璧に好みを分析して、「あなたが好きそうなレコードだけ」を表示してくれる時代が来たらどうなるのでしょう。

正直、オイラには分かりません。

でもひとつだけ思うコトがあります。

ネット通販が普及した時、多くの人は今後は実店舗がなくなるんじゃないかと思っていました。

しかし現実にはレコード店は今も存在しています。

場合によっては、むしろ増えている地域もありますね。

もしかしたら人は商品だけを買いに来ているワケではないのでしょうね。

店の空気感や偶然の出会いに棚を掘る時間…そうした体験もレコードに求めているのかもしれないなぁ〜って思うんですよね。

まぁ、だけどレコードは決してメインストリームにはならないでしょう。

しかしニッチな文化として、これからも生き続けるんじゃないかなぁ〜って気がしています。


BILLY NICHOLS / GIVE YOUR BODY UP TO THE MUSIC
BILLY NICHOLS / GIVE YOUR BODY UP TO THE MUSIC の試聴
next recordsのサイトでBILLY NICHOLSのレコードを探してみる

レコード好きは「探す時間」を買っている

今回改めて考えてみて思ったことがあります。

レコード好きはレコードを買っているだけではなくって、探している時間そのものを楽しんでいる。

だから店内で過ごした1時間や2時間はムダな時間ではなくって、むしろその時間こそが趣味を満喫している時間になっているんでしょうね。

効率化が進んだ時代だからこそ、あえて非効率を楽しむ…それがレコードという文化の面白さなのかもしれません。

今日も世界中のレコード店でダレかが棚を掘っています。

レコードを抜いては戻し、また抜いて、スマホで試聴して、悩んでいる。

でもその表情は辛いわけではなくってドコか楽しそうです。

もしかするとレコードの魅力とは、音楽そのものだけではなく、その音楽に出会うまでの遠回りにあるのかもしれませんね。


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渋谷の小さなレコード店が越境ECと向き合った1年間

オイラは渋谷でオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいます。

気が付けばこの渋谷という街でレコード屋を始めて26年が経ちました。

ネット通販も20年以上続けています。

昔は、お目当てのレコードを探すためにレコード屋を何軒もハシゴして巡るのが当たり前でしたが、今ではスマホひとつで世界中のレコードが探せる時代になりました。

当店もそんな時代の変化に合わせながら、店頭販売だけでなくネット通販にもチカラを入れてきました。

ありがたいことに国内向けの通販は多くのお客様に利用していただけるようになり、小さなレコード店ながら全国のお客様にレコードを届けられるようになりました。

トコロがひとつだけ大きな課題がありました。

それが海外への販売です。

実店舗には毎日のように外国人のお客様が来店してくれます。

今では売上の半分以上を海外からのお客様が占めることも珍しくありません。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ、シンガポール、韓国…。

世界中のレコード好き、特に12インチシングル好きが渋谷の小さなレコード店であるNext Recordsに足を運んでくれています。

それなのにネット通販では海外からホトンド注文が来ない。

この不思議な状況を何とかしたい。

そんな思いから昨年、本格的な越境ECをスタートさせました。
その時、投稿したブログ記事はコチラ
世界中にレコードを通販したい!目指せ越境EC化っ!


「これならいけるかもしれない」と思っていた

正直に言えば、オイラは越境ECにかなり期待していました。

モチロン、そう簡単ではナイとは思っていましたよ。

だけど実店舗には海外のお客様がたくさん来てくれている & インスタグラムでも海外のフォロワーが増えている。

だから少なくとも毎月ある程度の注文は入るだろうなぁ〜と思っていたのです。

海外のお客様が日本のレコード店へ注文した場合、送料が高いコトも理解しています。

だから1枚だけの注文ではなく、送料の負担を分散させるために何枚かまとめて購入してくれるのではないかなぁ〜って都合のイイ事を考えていました。

最初の1年は大きく儲けようというより、

「まずは海外のお客様に認知してもらおうっ!」

そんな気持ちでした。

トコロが現実は予想とはまったく違いました。


オーストラリアから届いた最初の注文

まぁ〜そうはいってもそれでもスタート直後は期待に胸を膨らませていたんですよね。

ナゼならサービス開始直後にオーストラリアから結構まとまった枚数の注文が入ったからです。

今でも鮮明に覚えていますよ。

20枚以上のレコードをまとめて購入していただき、金額もかなり大きなものでした。

その注文を見た時、

「あ、本当に海外でも売れるんだっ!」って思いました。

実店舗で外国人のお客様が増えている実感はありましたが、それがネット通販でも証明された瞬間でした。

そしてオイラはこう思いました。

「コレは、もしかして思ったより早く軌道に乗るかもしれないなぁ〜」

トコロが現実はそんなに甘くありませんでした。


期待のあとにやってきた長い停滞

しかし最初の注文以降、実際は思ったように売上は伸びませんでした。

ホント、注文がまったく入らない。

だけど海外からのアクセスはそこそこある。

でも売れない。

その状態が何ヶ月も続いたんですよね…ん〜コレは、正直辛かった…。

売れないコト自体も辛いのですが、それ以上に辛かったのはナンで売れないのかっていう理由が分からないコトなんですよね。

店頭なら分かりますよ。

お客様の表情を見ればナンとなく興味を持っているか分かるし、ハナシをすればナニを探しているかも分かる。

でもネット通販は違うんですよ。

世界中の誰かがサイトを見ている。

だけど何を考えているのか分からない。

ナンで買ってもらえないのかも分からない。

オイラは手探りの状態でサイトをイロイロ修正しました。

説明文を変えたり、翻訳を見直したり、配送方法を調べたり、ホント自分なりに出来る色々なコトを試しました。

しかし目に見える成果は出ませんでした。


英語でレコードを紹介し続けた日々

そんな中でも続けたコトがあります。

インスタグラムで英語のレコメンドを毎日書いて投稿するコトです。

正直、ものすごく手間がかかります。

しかも始めた当初はホトンド反応がありませんでした。

「こんなコトやってホント意味あるのかな?」

そう思ったコトが何度もあります。

だけどオイラは、いつか、ドコかでこの努力は報われるという気持ちで続けました。

やはりレコードの魅力は国境を越えると思っていたからなんですよね。

Houseも。

Discoも。

R&Bも。

HipHopも。

そしてオイラが大好きな12インチシングルも…。

良い音楽は世界共通です、その証拠に毎日世界中から様々な国籍のお客さんが店頭に訪れてレコードを買ってくれますからね〜ホント、それだけを信じて投稿し続けていました。

で、半年ホド経った頃から少しずつ変化が出始めたんですよね。

海外から問い合わせがポロポロ来るようになったのです。

オイラがインスタグラムで紹介したレコードを「このレコードは購入できますか?」とか「海外発送できますか?」なんていうメッセージが届くようになったんですよね

で、実際に購入につながったこともありました。

その時初めて、「見えないトコロでちゃんと読まれていたんだな〜」と実感しました。

だけど、越境ECを開始した当初目標としていた注文数にはまだまだゼンゼン達成出来ずにいました。


一本の営業電話が転機になった

そんなある日、一本の営業電話がお店にかかってきました。

相手は海外向けの購入代行サービスを行っている会社でした。

海外のお客様が日本の商品を購入する際に間に入って購入や発送を代行してくれるというサービスです。

以前からそういったサービスの存在は知っていました。

ヤフオクやメルカリでレコードを売買している知人からも、

「最近は購入代行経由でレコードを買う海外ユーザーが増えているんだよ」っていうハナシを聞いていましたからね。

だからオイラも少し興味がありました。

もしかしたらそういうサービスを利用すれば海外のお客様からの注文が増えるのではないか…って。

今の停滞している状況を打破できるのではないかって、そんな期待も少しありました。

トコロが営業さんのハナシを詳しく聞いてみると、オイラが思い描いていたものとはちょっと違っていたんですよね。

オイラは勝手に、

「その購入代行会社がたくさんの海外ユーザーを集めて当店のオンラインショッピングサイトへ送客してくれるのではないか」

と思っていたのです。

しかし営業さんの説明では実際には集客の主体はあくまで自分自身つまり当店の集客力にかかっているというワケです。

購入代行サービスは海外のお客様が購入しやすくする仕組みであって、お客様そのものを連れてきてくれるワケではありませんでした。

電話を切ったあと、

「ナルホドなぁ…」って思いました。

利用する価値がないというハナシではありません。

ただオイラが抱えている問題の本質はそこではナイような気がしたのです。

そしてその時、フト思ったんですよね。

もしかすると今のオイラに必要なのは新しい販路を探すコトではなく、自分のECサイトをもっと深く知るコトなんじゃないだろうかって。


店主は本当にサイトを理解しているのか?

前記しましたがオイラは20年以上ネット通販をやっています。

コレまで様々な経験を経ているのでネット通販に関してはそれなりの知見があると自負していました。

だから正直なトコロ、

「自分のサイトのコトは、自分がイチバンよく知っている」って思っていたんですよね。

どんな商品が売れるか。

どういったタイプのお客さんが買うか。

どういうレコードが今は人気なのか。

20年以上の現場で積んだ経験があるのでそれなりに理解しているつもりでした。

トコロが越境ECだけはどうも上手くいかないんですよ。

アクセス解析を見ても、

訪問者数

閲覧数

購入率

などの数字はメチャ詳細に記録されていて表示されます。

しかし数字が分かったトコロで、

「じゃあ何を改善すればイイのか」ってコトが分からない。

数字は見える、でもその数字の裏側にはどんなイミがあるのかが分からない。

ホント、そんな状態でした。

そこでオイラは、Shopify(当店が使っているショッピングカートサービス)のバックエンドに組み込まれているAIに質問してみることにしました。

ま〜たまにちょっとして手直しに使う程度でソレホドガッツリと使ったコトがなかった機能です。

正直、最初はあまり期待していませんでした。

せいぜい数字を集計してくれる程度だろうと思っていました。

トコロが、そこから予想もしなかった発見が始まったのです。


一番の誤算は「人が来ていないワケではなかった」こと

オイラはずっと「海外からのアクセスが少ないんだろうな…」って思っていました。

だからインスタグラムを頑張った。

英語の投稿も頑張った。

もっと見てもらわなければ…もっと当店の存在を知ってもらわなければってそう思っていました。

トコロが分析結果を見て驚きました。

オイラが思った以上に思った以上に世界中からアクセスがあったんですよ。

アメリカ。

オーストラリア。

シンガポール。

台湾。

韓国。

ヨーロッパ各国。

オイラが想像していた以上に多くの人がNext Recordsを見つけてくれていました。

しかもただ見ているだけではありません。

商品ページを何ページも閲覧し、レコードをカートに入れている人までいる。

コレは本当に意外でした。

問題は集客不足ではなかったのです。


台湾という予想外の発見

さらに驚いたことがありました。

オイラはオーストラリアに強い印象を持っていました。

実店舗でもオーストラリアからのお客様は本当にメチャ多いんですよね。

通販でも最初の注文はオーストラリアからでした。

だから当然、当店のECサイトでも海外からのアクセスがイチバン多いのもオーストラリアだと思っていました。

トコロが分析すると、別の国が浮かび上がってきたんですよね

それが台湾なんですよ。

台湾からのアクセスが想像以上に多く、しかも商品ページをかなりシッカリと見てくれている。

中には長時間滞在しているユーザーもいました。

さらに驚いたのは、気になったレコードをカートにまで入れている人が結構たくさんいたコトです。

だけど、最後の購入には至らない。

あと一歩のトコロで離脱してしまうといういわゆる「カート落ち」が多数起きているようでした。

これはオイラにとって大きな発見でした。

ナゼなら、

「誰も興味を持っていない」

のと、

「興味はあるケド買えない」

のでは意味がまったく違うからです。


レコードは普通のEC商品ではない

ここで改めて感じたコトがあります。

レコードは一般的なEC商品とはちょっと違うというコトです。

例えば家電や日用品なら、欲しいものを見つけたら比較して購入する。

比較的シンプルな購買行動です。

でもレコードはそういった一般消費財とは違うんですよね。

特にオリジナル盤の12インチシングルはホトンドが一点物です。

二度と出会えないかもしれない、だから興味を持つ部分があると思います。

でもスグには決められない。

で、カートに入れて考える。

後でまた見に来る。

他のレコードと比較する。

そんな独特の行動を取ります。

オイラ自身もレコードコレクターなので、その気持ちはとてもよく分かります。

だからデータを見ながら、

「ナルホド、みんな同じコトをやっているんだな」って思いました。

数字だけでは見えなかったお客様の行動が少しずつ見えてきたのです。


AIが教えてくれたのは答えではなくヒントだった

面白かったのは、AIが魔法のように答えを教えてくれたワケではないコトです。

むしろ、「ココに問題がありそうですよ」というヒントをくれた。

そんな感覚でした。

送料は分かりやすいだろうか。

海外のお客様は配送方法を理解できるだろうか。

関税の説明は十分だろうか。

商品ページの案内は親切だろうか。

そうした部分を改めて見直すキッカケになったんですよね。

オイラは自分がサイトをイチバン理解していると思っていました。

でも実際には、お客様の行動データを見続けているシステムの方が気付いているコトもあったのです。

これは素直に驚きました。


世界中の誰かに12インチシングルを届けたい

オイラは26年間レコード店を続けています。

その中でずっと思っているコトがあります。

それは12インチシングルの魅力をもっと多くの人に知ってほしいというコトです。

最近はレコード人気が復活しています。

若い人もレコードに興味を持ってくれています。

でも多くの人がイメージするレコードはLPです。

12インチシングルの魅力はまだまだ全然知られていません。

迫力のある音。

深いグルーヴ。

DJ文化から生まれた独特のエディット。

クラブで鳴らすために作られた圧倒的な存在感と音質。

オイラはそういう12インチシングルが大好きなワケです。

だから日本だけでなく、世界中のレコード好きにも12インチシングルの魅力をもっと知ってもらいたい。

その気持ちが越境ECを続けている原動力でもあります。


まだ挑戦の途中

越境ECを始めて1年。

正直に言えば目標は全然達成できていません。

オイラが最初に思い描いていた未来とは違いました。

懸命に取り組んでいる努力が空回りしているように感じたコトもあって途中で嫌になったコトもあります。

でも今回、自分のサイトを深く分析してみて思ったんですよね。

問題はあるし、課題もある…だけど改善すべき点も見えてきたってカンジなんですよね。

それは大きな前進だと思うんですよ。

以前は暗闇の中を手探りで歩いているような感覚だったんですが今はちょっと違います。

進むべき方向が少し見えてきたんですよね。

だから不思議とワクワクしています。

渋谷の小さなレコード店。

世界的な企業と比べれば本当に小さな存在です。

それでも世界中の誰かがNext Recordsのサイトを見てくれてレコードをチェックしている。

そしてお気に入りのレコードをカートに入れて悩んでくれている。

そう思うとやっぱり嬉しくなりますよ。

だけど、ナンかの事情で「ん〜やっぱり買うのヤメよう〜」ってなっているんですよね。

で、オイラの次のシゴトはそういった「買うのをヤメよう」を「やっぱり買おうっ!」ってなるような気持ちさせるにはどうすればイイのかってコトですよね。

まぁ〜国内のネット通販に関してはこの問題はある程度クリアされているので、海外特有の問題を丁寧に解決すればイイんじゃなかかなぁ〜ナンて思っています。


JANET JACKSON / WHAT HAVE YOU DONE FOR ME LATELY
JANET JACKSON / WHAT HAVE YOU DONE FOR ME LATELY の試聴
next recordsのサイトでJANET JACKSONのレコードを探してみる

Next Recordsの越境ECへの挑戦はまだ続きます。

そしていつの日か、世界中のもっと多くの人にオリジナル盤12インチシングルの魅力を届けられたら最高だなと思っています。


Next Recordsではインスタグラムもやっています!
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12インチシングルとは何なのか、その良さをわかりやすく解説したQ&Aもゼヒ参考にしてください。
12インチシングルのFAQ

渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
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NHK『ドキュメント72時間』を見て驚いた

先日、NHKの人気ドキュメンタリー番組『ドキュメント72時間』で、渋谷のタワーレコードを舞台にした「渋谷“音楽の塔” みんなのプレイリスト」が放送されていました。

オイラも興味深く見ていたのですが、その中で特に印象に残ったのが開店前の光景でした。

タワーレコード渋谷店の開店時間は午前11時なんだけど開店前から店の前には長い行列ができていて、その列には外国人の姿も数多く見られました。

正直なところ、コレはちょっと驚きました。

なぜなら今はSpotifyやApple Musicをはじめとするストリーミング全盛の時代です。

音楽はスマホひとつで聴けるし、世界中の何千万曲という楽曲に月額1000円程度でアクセスできる環境が揃っているワケです。

そんな時代に、わざわざ渋谷までやって来てCDを買う人たちが午前中のお店が開店前から並んでいる…しかもその多くが海外から来ている。

コレは、一体どういうことなのだろう?

オイラ自身、ホボ毎日渋谷に通っているワケですがまさか土日でもないフツーの午前中のタワーレコードの開店前がこんな状態になっているとは全然知りませんでした。

そんな疑問から、最近あらためて世界の音楽市場について調べてみたのです。

すると、思いもよらない事実に気づきました。

それは、日本は世界でも稀に見る「レコード・CD天国」だったというコトです。


世界の音楽市場は絶好調だった

まず驚いたのが世界の音楽市場そのものです。
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国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した「Global Music Report 2026」によると、2025年の世界の録音音楽市場は前年比6.4%増の317億ドルとなっていて11年連続の成長で、過去最高を更新しました。

その原動力となっているのがストリーミングです。

SpotifyやApple Musicなどの有料ストリーミング会員は世界で8億3700万人で売上全体の約7割をストリーミングが占めています。

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つまり世界の音楽産業は、「CDからストリーミングへ移行して衰退した」のではなく、「ストリーミングによって再成長した」と言った方が正しいようです。

オイラ自身も日常的にストリーミングを利用しています。

新しい音楽との出会いという意味では本当に便利な時代になりました。

ところが、このレポートを読み進めていくと、さらに興味深い数字が出てきます。


それでもレコードは消えなかった

ストリーミングがこれだけ普及したのだから、フィジカルメディアは縮小しているって思いますよね。

しかし現実は少し違うみたいです。

レコードを含むフィジカル市場は2025年に前年比8%成長していてさらにアナログレコードは19年連続で成長を続けています。

「19年連続っ!」です。

コレはもはや一時的なブームではナイってカンジでもあります。

レコードは完全に文化として定着したと言ってイイんじゃないかなぁ。

オイラはレコード店を営んでいますから毎日レコードに囲まれて生活しているワケですが、それでもこの数字には「マジでっ!?」って思っちゃいますよ。

ナゼ人はレコードを買うのか…音だけを聴きたいならストリーミングで十分です。

しかしレコードには、ジャケットを眺める楽しさや盤をターンテーブルに乗せる儀式感に針を落とす瞬間の緊張感、さらに音楽を所有する喜びがあります。

便利さだけでは説明できない魅力が確かに存在するのワケですがそういったレコードの魅力が世界レベルで広く知れ渡ったのかなって思うんですよね。


実は日本も音楽市場が拡大している

そしてもうひとつ驚いたコトがあるんですよ…ソレは日本の音楽市場もまあまあ成長しているってコトです。

2025年の日本の音楽市場は前年比6.7%増の6410億円になっていてこの数字は過去最高を更新したようです。

日本というと、

「CDだけが売れている特殊な国」

っていうイメージをオイラは持っていたんですが実際は違うようですね。

市場の約61%はデジタルになんですね、つまり日本でもストリーミングで音楽を楽しむのが主役です。

一方でフィジカルもいまだ39%を占めているんですよね

コレ、世界的に見るとこの割合はメチャ高いんですよ。

つまり日本は、

ストリーミングも伸びている

しかもフィジカルも伸びている

という極めて珍しい市場になっています。

ちなみに日本の音楽市場規模はアメリカについで世界第2位なんですよね。


当店で起きている状況

こうした数字を改めて読み解くとこのブログでもたびたび書いている外国からのお客さんの増加について「ナルホドね〜」って思うんです。

その増加具合は、個人的な体感では10年前の10倍以上です。

10年前なら外国人のお客さんは1日に1〜2人程度でした。

トコロが2026年の今では来店客の9割以上が外国人という日も珍しくありません。

英語だけで接客が終わる日もあるくらいです。

特にコロナ禍明けの2023年以降、その増加スピードは加速していますね。

これは単なる観光客の増加だけでは説明できない現象だとカンジています。


ドコの国から来ているのか?

国別の来店状況の傾向はこんなカンジです。

当店の場合、最も多いのはオーストラリア。

次いで、

イギリス

ドイツ

フランス

イタリア

などヨーロッパ勢。

その後にアメリカやカナダが続きます。

最近では、

シンガポール

タイ

台湾

韓国

フィリピン

などアジア圏のお客さんも増えてきましたね。

以前は欧米中心でしたが、近年はアジアからの来店も明らかに増えています。

コレは、アジアの音楽市場が急成長していることとも無関係ではナイでしょうね。


で、外国人は何を買っているのか?

外国人というと、

「シティ・ポップを探している人たち」っていうイメージがあるかもしれませんね。

確かにそういうお客さんもいます。

だけど、オイラの店の場合はぜんぜん事情が違います。

当店で扱っているのは12インチシングルです。

そのため、House / Disco / HipHop / Electro などを探しに訪れる人が圧倒的に多いですね。

そして彼らの多くはかなり詳しいんですよ。

Discogsのリストを見せながら探す人もいますし、目当ての盤を最初から決めて来る人もいます。

日本に来る前からレコードを購入するために綿密にリサーチしているカンジですね。

当店を中には、

「東京のレコード店を紹介するサイトで知った」

「友人から絶対に行けと言われた」

「AIに聞いたら紹介された」

という人までいます、まぁ〜コレも時代ですね(笑)。


ナゼ外国人は日本に来るのか?

なぜ彼らは日本までレコードを買いに来るのでしょうか。

個人的には大きく3つ理由があると思っています。

理由① コンディションが良い

まず圧倒的にコレですね。

日本人は昔からモノを大切に扱います。

レコードも同じです。

40年以上前のMichael JacksonやPrinceのレコードでも驚くホド綺麗な状態で残っているコトがあります。

海外で買い付けをしていると、

「どうやったらこんな状態になるんだ?」

って思うようなボロボロの盤に出会うコトも少なくありません。

一方、日本で販売されている中古レコードはピカピカっ!

コレが世界中のレコード好きやコレクターから評価されていると思います。


理由② 価格が安い

間違いなく円安も大きな要因でしょうね…。

日本人から見ると高く感じるレコードでも、外国人から見ると驚くホド安く見えるようです。

しかもコンディションも良いっ!

だから買わない理由がないのです。

実際、日本人なら躊躇する価格のレコードを勢いよくまとめ買いしていく外国人のお客さんを何度も見ています。


理由③ レコード店が多い

コレが日本人には意外と理解されていません。

海外から来るお客さんとハナシしていると、

「自分の街にはレコード店がない」

という話をよく聞きます。

街に一軒もない…結構、それが普通みたいですね、まぁ〜日本に訪れる外国人の人のみんながLondonやParisやNew Yorkのような大都会に住んでいる人ばかりではナイですからね。

タワーレコード

ディスクユニオン

HMV

Face Records

そして当店のような専門店まで大規模店から小さなショップまで多種多様なレコード店がありますからね。

とはいえ、渋谷のレコード全盛期(90年代後半〜2000年代はじめ頃)の半分以下ですがそんな今でも、ひとつのエリアにこれだけ店が集中している都市は世界的にも珍しいのです。


タワレコ渋谷はナゼ人気なのか

ここで最初のハナシに戻ります。

ナンでタワレコ渋谷にあれだけ外国人が集まるのかです。

個人的にはやはり、「音楽の聖地」的なイメージがあるからだからだと思うんですよね。

Tower Recordsはかつて世界中の音楽ファンの憧れでした。

本国アメリカでは消滅してしまいましたが、渋谷店は今も巨大な音楽の城として存在しています。

ビル一棟まるごと音楽。

コレだけでも十分に観光資源ともいえる存在です。

しかもアナログレコード専門フロアTower Vinylまである。

レコード好きなら一度は行ってみたい場所になっているんでしょうね〜ある意味「聖地巡礼」的なカンジになっているんでしょうね。

オイラ自身、番組『ドキュメント72時間』で見た開店前の行列には正直驚きました。

特にイベント的な催しや限定アイテムが販売されているワケでもなく、撮影中の3日間開店時に行列が出来ていたのでもう、オープン前の行列がデフォルトになっているんでしょうね。

しかし世界中の音楽ファンから見れば、あれはむしろ自然な光景なのかもしれません。


日本人は気づいていない

ココまで調べたり、外国人のお客さんと接していて思うコトがあります。

それは、もしかしたら

「日本人は自分たちの音楽環境の価値に気づいていないんじゃないか」

というコトです。

日本に住んでいると、レコード店がある・中古盤がある・CDも買える…という環境を当たり前だと思っています。

しかし世界的に見れば決して当たり前ではないのかもしれませんね。

海外のレコードファンからすると、日本はパラダイスみたいに見えるのでしょうね。

実際に、当店のようなニッチな12インチシングル専門の小さなショップにも関わらず

「毎日来たいっ!」

「何時間でもいられる」

ナンてありがたいおコトバをいただくこともあります。

最初は「またまたぁ〜お世辞がお上手なんだから〜」なんて大げさに言っているのだと思いました。

でも今ならその気持ちがわかる気がしますね。


ただし少し心配なこともある

レコード人気が高まるコト自体はメチャ嬉しいことです。

しかし気になるコトもあります。

それは、良質な中古レコードがものスゴい勢いで海外へ流出しているコトです。

レコード店を営んでいる立場としてモチロン売れるのはありがたい。

でも、「このまま何年も続いたらその先はどうなるのだろう?」ってそんなコトを考える時があります。

日本のレコード文化は、何十年もかけて積み上げられてきたものです。

その財産が少しずつ海外へ流れていく。

それは喜ばしいコトでもあり、少し寂しいコトでもあります。


LONNIE SMITH / DO IT
LONNIE SMITH / DO IT の試聴
next recordsのサイトでLONNIE SMITHのレコードを探してみる

もしかすると私たちはレコード天国に住んでいる

世界の音楽市場はストリーミングによって成長を続けています。

それでもレコードは消えませんでした。

むしろ価値を高めながら生き残っています。

そして調べれば調べるホド見えてきたのは、世界とは異なる日本の特殊さでした。

・世界第2位の音楽市場。

・豊富な中古盤。

・良好なコンディション。

・数多くのレコード店。

・そして音楽メディアを大切に扱う文化。

日本に住んでいると当たり前にカンジてしまいますが、世界中の音楽ファンから見れば決して当たり前ではないんですね…コレって。

渋谷で店をやっていると、そのことを日々実感します。

もしかすると私たちは、自分たちが思っている以上に恵まれた場所にいるのかもしれませんね。

そして今日もまた、世界のどこかからレコード好きが東京を目指してやって来ます。

彼らが探しているのは単なるレコードではなく、日本が長い年月をかけて育ててきた音楽文化そのものなのかもしれませんね〜、ちょっとポエミーなシメですが(笑)


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