渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

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■ 渋谷に流れ込む世界中のレコード好きたち

春になって少し暖かくなってくると、街の空気もドコか軽やかになりますよね〜。
3月に入ってからというもの、当店にも海外からのお客さんがイッキに増えてきました。

後から知ったんですが、3月って日本に訪れる旅行者が1年通してみると3番目に多い月らしいですよ。

しかも東京の中でも渋谷は観光地として2年連続で1位で東京に訪れた旅行者の訪問率は約67.1%、つまり3人に2人が渋谷に来ている計算になるそうです。

さらに興味深いのが、海外のレコードコレクターやDJの間では渋谷は

「Mecca of Vinyl(レコードの聖地)」ナンて呼ばれているらしいんですよね。

オイラ自身、渋谷でレコード店を営んでいて外国のお客さんが多いのは肌でカンジていましたが、まさかココまでとは思っていませんでした。


■ ニッチすぎる店、それでも刺さる瞬間

ただ、オイラの営んでいるレコード店、Next Recordsはかなり特殊なレコード店です。

オリジナル盤のみ、12インチシングル専門、しかも中古。
このトリプル縛り、正直言って万人受けとは真逆です。

レコードを探している人はたくさんいるけど、オイラの店が応えられるニーズはホンの一部です。
アル意味、かなり偏った品揃えのレコード店です。

でも不思議なコトに、このオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店というコンセプトを理解してくれたお客さんにはものスゴく刺さるんですよね。

はじめて来たお客さんでも、当店の商品構成にハマると本当に熱心に掘ってくれるんですよ。

お客さんにもよりますが店頭に並べてあるすべてのレコードをチェックしてくれる人もいるくらいですからね。

そういった光景を見ていると、やっぱりレコードって面白いなって思いますね。


■ 「キュレーションが素晴らしい」というコトバ

そんなお客さんたちが、会計の時によく言ってくれるコトバがあります。

「このお店、キュレーションが素晴らしいね!」って。

最初は正直、いまいちピンときませんでした。
「品揃えがイイってことかな?」くらいの認識でした。

まぁ〜そう言っていただいた時のオイラの返事は毎回「サンキューベリーマッチ」なんですが。

でも結構な割合でよく言われるんですよね「キュレーションが良い」ってコトを。

でこのワード、何度も言われるので「ホントはどういった意味なんだろう…」ってなんとなく気になったので調べてみたんですよ。
するとどうやらこのコトバ、単なる褒め言葉以上の意味があるらしいってコトがわかりました。


■ 店的にはキュレーションしているつもりはなかった

とはいえ、オイラ自身はキュレーションなんて意識してやっていません。

あ〜ちなみにキュレーションってちょっと聞き慣れないコトバなのでカンタンに定義しておくとこんなカンジのイミです。

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「キュレーション(Curation)」とは、膨大な情報の中から特定の視点やテーマに基づいて有益なものを選び抜き、そこに新しい意味や価値を加えて他者に共有することを指します。

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当店では仕入れたレコードを実際に聴いて
「これイイ曲だな」「メチャ、格好良いな」
って思ったものを商品にして並べているだけなんですよね。

自分の店だから、自分がイイと思うレコードを店頭に並べておく。
それだけのハナシなんですよね。

逆に「この曲、イマイチだけど売るか…」っていうのはちょっと違うと思うんです。
そんなレコードをお客さんに薦めるのも変なハナシですしね。

でもどうやら、お客さんからするとそれが「キュレーション」に見えているらしい…。


■ 同じレコードなのに売れ方が違う理由

で、面白いエピソードがあるのですが、同じタイトルのレコードでも、当店では結構スグ売れるのに、他のお店ではずっと残っているコトがあるんです。

しかも当店の方が値段が高いコトもある。

これ、最初は本当に不思議だったんですよね。

ん〜ナンでこんなイイ曲なのにダレも買わないんだろうって。

しかもコレってウチの店よりも明らかに集客力のある有名店なんですよね。

でも最近、ちょっと思うんです…これはレコードそのものの違いじゃなくってそのレコードが「どういう文脈で並んでいるか」の違いナンじゃないのかって。


■ レコードを買っているようで、実は違うものを買っている

お客さんの買い方を見ていると、ハッキリと分かるコトがあります。

実店舗でもネット通販でも1枚だけ買う人は、その曲を探してきた人で「このレコードが欲しいっ!」っていう明確な指名買いのニーズによるものだと思うんです。
一方、5枚、10枚と複数枚のレコードをまとめて買う人はちょっと違っていてその場でコメントを読んだり試聴したりして判断して買っているように思うんですよ。

つまりそれまで全然知らない曲、もしくはなんとなくちょっと聴いたコトがある程度の曲でも「あ…この曲イイかも…」って判断して買っているんじゃないのかなって思うんですよね。

でもコレってよく考えるとスゴいことですよね。

普通なら知らないレコードってリスクがあると思うんですよ。
でもそれを買うというコトは、そのショップの品揃えやそのレコードの並びで購入してくれているんじゃないのかなって思ったんですよね。


■ キュレーションとは「選ばなくていい状態」

ココでようやくレコードにおける「キュレーション」というコトバの意味がナンとなく見えてきました。

キュレーションって、ただ選ぶコトじゃないんでしょうね。

ザックリいうと「選ばなくてもいい状態をつくること」なんだと思います。

理想を言えばこの棚にあるレコードは、ある程度大丈夫な曲が並んでいるって状態です。
そう思えるだけで、レコード選びはイッキに楽になるんじゃないかなって思ったんですよね。


■ ディグの楽しさとシンドさ

レコードって探す・掘る(ディグ)するのが楽しい文化です。

でも正直に言うと楽しいだけじゃなくて、シンドイ時もあると思うんですよね。

  • ハズレを引く…コレ、イイかもしれないって買ったらアテがハズレたとかよくあります。
  • 時間がかかる…目の間に数千枚の大量のレコードがあったらソレを全部チェックするのかとか…ちょっと気が遠くなります。
  • 判断に迷う…手にとったレコードを毎回、瞬時にOK・ダメの判断を迫られるのはなかなかストレスになるコトがあります。

こういう経験、誰でもあると思うんですよね〜レコードを掘って選ぶという行為は、本質的なのですが結構、タイヘンだったりするワケです。

だからこそ人は「信頼できる耳」的なアドバイスのようなコトを求めるんじゃないでしょうか。


■ 在庫の店と編集の店

世の中のレコード店には大きく2種類あると思っています。


● 在庫の店

たくさん並んでいて、自分で探す


● 編集の店

ある程度選ばれていて、そこから出会う


ドチラが良いとか悪いではなくて、役割が違うんじゃないかな。

在庫の店 / 編集の店 っていうイミで区別すれば当店は明らかに後者なんだと思います。


■ 伝わりにくさというもうひとつの側面

ん〜ただ、この「編集の店 」スタイルには弱点があるんですよね。

ソレはズバリ、「知らない人・解らない人には伝わりにくい」ってコトです。

「オリジナル盤12インチ専門」っていうだけでもかなりデカいハードルがあるのに、さらにその中から「選ばれたモノだけ」っていうのは、入り口としては決して広くない…というか狭めスギのようなカンジでもありますよね。

このブログでも何度も書いていますが、この当店のコンセプトはやっぱり理解されにくいってコトは切実にカンジています。


■ それでもやる意味

でも今回、当店に訪れてくれてレコードをお買い上げいただいたお客さんに「キュレーションが素晴らしい」と言われたコトで、少し見えた気がします。

実際に店頭に並べるレコードを聴いて選別しているというコトに関して特別なコトをしているつもりはなかったケド、そのセレクトされたレコードの並びに価値を感じてくれる人がいるっていうコトは率直にうれしいし、メチャありがたいって思います。


商品化前の実際に聴いての選別やそれぞれのコメントの執筆 & 試聴ファイルの録音って相当負担が大きいのですがそれがちゃんとイミがあるコトにつながっているんだなぁって思ったんですよね。

コレからはもう少しだけ意識して、コメントやタグ付けを工夫していこうかなと思っています。

いいレコードなのに埋もれてしまうのは、やっぱりもったいないですからね。

それに未知のレコードをお客さんに紹介するっていうのもレコード店の使命だとオイラはおもっていますからね〜。


■ レコード屋の役割とは

レコードはあくまでも「モノ」ですが、その出会い方によって価値が大きく変わってゆくと思うんですよ。

👉そのレコードとドコで出会うか

👉そのレコードがどう紹介されるか


それだけで、同じレコードが全然違って聴こえるコトって結構あると思うんですよね。
スキルのあるDJがプレイした曲が全部、カッコ良く聴こえるとか、そして無性にそのレコードが欲しくなるとかってケースとしてはよくあるパターンですよね。

そういう風に、もしウチのNext Recordsの店頭に並んでいるレコードが「ココの店のセレクトなら信頼できる」 って思ってもらえる場所になっているなら、それはメチャ嬉しいコトです。

レコード店でのキュレーションとは、決して選ぶコトではなく選ばなくてもイイ状態をつくるコトなのかなぁ〜ってコトをこの記事を投稿するコトでカンジた次第であります。

で、思ったのが実は人は音楽を探しているようでホントは「信頼できる選び方」を探している部分も結構あるんじゃないのかなぁ〜って。

モチロン良いレコードがある店でありたいのですがそれだけでなく更に良い「出会い方」があるレコード店でありたいな〜って思いました。

Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!

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■ 渋谷のレコードシーンの変化とリアルな実感

このブログでも何度も書いていますが、最近ホントにレコードの人気が続いているなって実感しています。

当店みたいな、正直かなりニッチで小さなレコード店でも、週末になると初めて来てくれるお客さんが増えてきていますし、日本人だけじゃなく海外からのお客さんも多い。
渋谷という街の特性もあると思いますが、それにしてもここ数年の流れは明らかに変わってきているなとカンジていてちょっと大袈裟に例えると一種のバブルのようにも見えますね。


■ 大型店を見て感じたちょっとした違和感

そんな中で、オイラ自身も時々、渋谷にある他のレコード店を見に行くことがあります。

いわゆる視察ですね…特に大型店なんかに行くと、マジでレコード棚をガサガサと掘っている人の多さや壁一面にディスプレイされたレコードの品揃えの幅の広さに改めて驚かされます。

新譜から再発盤、中古盤までジャンルもかなり幅広く、いわゆるライトユーザーのヒトでも入りやすいお店づくりがされている印象でメチャ参考になります。

レコードをこれから始めようとしている人にとっては、ああいう空間はとても大切だし、文化として広がっていく上ではスゴく重要な役割を担っていると思います。

そういったイミではやっぱりお店つくりが上手いなぁ〜って思いますね。

ただ、その一方で、オイラは毎回ちょっと気になるコトがあります。


■ 情報だけでは選べないレコードの現実

そういった大型店の店頭に並んでいるレコードの商品札を見ると、アーティスト名、タイトル、生産国、コンディション、価格といった、いわゆる必要最低限の情報だけが書かれているコトがホトンドなんですよね。

モチロンそれはレコード店として正しい情報ですし、長年この文化の中にいる人にとってはそれで十分なのかもしれません。

でも正直なトコロ、「これだけの情報で知らないレコードを選べる人ってどれくらいいるんだろう?」っていつも思ってしまうんですよね。

特に最近増えているような、レコードを聴き始めたばかりの人たちにとっては、店頭に並んでいる大量のレコードを見ても「結局どれがイイのか分からない」という状態になりやすいんじゃないかなとカンジているんですよね。


■ 初心者のお客さんとの会話から見えた本質

こういったオイラがカンジていたこのコトをよりリアルに実感したのが、先日当店に来てくれた20代のお客さんとの会話でした。

そのお客さんは1年くらい前からレコードに興味を持って、レコードから流れる音楽はどんなカンジなんだろう〜ってずっと思っていたトコロ、もうガマンの限界になって数ヶ月前にレコードプレーヤーを買ったばかりだそうでした、ん〜ガマンするホドでは、ないと思うのですが(笑)

最初は以前から気になっていたレコードを何枚か買って楽しんでいたそうなんですが、「今日はレコードを買うぜっ!」と思ってお店に訪れても、並んでいるレコードを見て「どんな曲なのか全然分からなくて、結局買えなかった」というハナシをしてくれました。

「レコード買うのって結構、ムズカシイですね〜」とも言ってました。

これ、すごくリアルなハナシだと思うんです。


■ 「分からない」が購買を止めてしまう理由

レコードって、サブスクみたいにその場で気になる曲をサクサク聴けるワケじゃないし、ジャケットだけで判断するには情報が少なすぎると思うんですよ。

だから「分からない」という状態になると、途端にハードルが上がるんでしょうね。

そんな時に、そのお客さんが偶然見つけたのが、オイラが毎日投稿しているインスタのレコメンド記事だったそうです。

オイラは店頭に在庫しているレコードから1枚セレクトして画像メインのSNSではありえないホドの1000文字を超えるボリュームのレコメンド記事を毎日投稿しています。

まぁ〜全文読んでくれるとはサスガに思っていませんが(笑)

そういったオイラのインスタの投稿記事を読んで初めて「レコード1枚1枚にストーリーがあるんだ…」というコトを知ったと言ってくれました。

その後、実際にお店に来てくれて、インスタで紹介していたレコードや、店頭に並んでいる商品札に書かれている一言コメントを見ながらレコードを選んで購入していただいたとのコト。

そして帰り際に「こういうコメントがあると選びやすいですね」って言ってくれたんです。


■ 一言コメントが生み出す「想像の入口」

当店では、店頭でもオンラインでも、すべてのレコードに100文字くらいの一言コメントを付けています。

別に長い解説じゃなくって「ダークな世界観でアフターアワーズ向けのHouse」とか、「フックでのエモーショナルな展開で盛り上がる多幸感系サウンド」や「DJ〇〇がピークタイムにプレイ!」とか、ホントに一言だけその曲の持ち味なんかを記載しているってカンジです。

でも、その一言がアルだけで、そのレコードに対するイメージが少しだけ「コレ、どんな曲なんだろう…」ってムクムクと興味が立ち上がってくるんじゃないかなぁ〜って思っています。

ココで大事なのは、コメントの役割は「説明」ではなく、「興味のキッカケ」を作るコトにあると思っているんですよね。

ヒトって、何かを完全に理解したときに動くというより、「アレ?これ何だろう?」って引っかかったときに動くんじゃないかなって思うんですよ。

この感覚って、以前読んだマーケティングの本に書かれていた「商品のストーリーを語れ」という考え方とちょっと近いかもってって思ったんですよね。

商品はスペックだけを並べてもなかなか売れないケド、その背景や意味、聴いた時のイメージを伝えるコトで共感が生まれるんじゃないかなっていうハナシです。

レコードのストーリーって、どんな時代に生まれた音なのか、どんなクラブで鳴っていたのか、DJがどう使うのか、家で聴くならどんな雰囲気や気持ちに合うのか…そういった音の向こう側だと思うんです。


■ コメントが購買の後押しになる理由

長年レコードの販売に携わってきた経験上、コメントを書くと確実に売れ方が変わってくるんですよね〜もうナン年も動かなかった在庫がコメントを少し変更したら動いたり、インスタへ投稿した商品が売れたり…これはつまり聴いて「ちょっとイイかも?」って思ったレコードを「コレ、欲しいな」って気持ちへの最後の一押しになっているんじゃないかなぁ〜って思っているんですよね。

まぁ〜コレは、オイラのレコード店主としてというよりも、それ以前のレコードを買う側だった時の経験も大きく影響していますね。

当時は、新譜をよく買っていたんですが音楽雑訴で紹介されているディスクレヴューやレコード店で今週入荷したオススメコメントなんかを頼りにレコードを買っていたのが結構影響としては大きいですね。

お客さんって、最初から買うものが決まっている人と、「何か良いものないかな」って探している人の2タイプがいると思うんですよね。

特に後者の「良い曲」を探している人にとって、レコードの商品札に記載されている一言コメントは選ぶためのヒントになっているんじゃないあかなって思うんですよね。


■ なぜ他のレコード店ではあまり実践されていないのか

正直に言うと、この「ナンで他の店はコメントを書かないんだろう?」というモヤモヤした気持ちがオイラの中でずっと引っかかっていたんですよね。
まぁ〜他店の運営方針にとやかくいう気はまったくないんですが、オイラの感覚では、一言コメントを付けるだけでお客さんの反応は明らかに変わるし、実際に購入にもつながっている。
インスタの投稿もそうだし、店頭のコメントもそうです…これはもう効果があるというより、イミがあるコトとして確信しているんですよね。

だからこそ、「こんなにシンプルで効果があるコトなのに、ナンでやらないんだろう?」って、率直に思うんですよね。

でも最近になって、このモヤモヤの正体が少し分かってきた気がしています。

たぶんオイラは、「レコード店はこうあるべきなんじゃないか」という自分なりの正解を持ってしまっているんでしょうね。

つまり、レコードってただ並べるだけじゃなくて、その背景やイミ、どう楽しめるのかを少しでも伝えた方が、お客さんにとってゼッタイに良いハズだっ!という確信がある…その確信があるからこそ、「なぜ他の店はやらないのか?」という違和感につながっているんだと思います。
ただ、冷静に考えてみると、レコード店って一括りに見えて、実はそれぞれ全然違う役割を持っているんですよね。

ウチのNext Recordsは、ドチラかというと「イミを付けてレコードを届ける店」だと思っています。1枚1枚に対して、当店なりの解釈や使い方をコトバにして、それをヒントに選んでもらうという、いわば編集する感覚に近いイメージです。

一方で、大型店は「選択肢を提示する店」なんだと思うんです、とにかく幅広く、たくさんのレコードを揃えて、その中からお客さん自身が選ぶ…いわば場を提供する役割みたいなイメージです。

この違いに気づいたときに、あ〜ナルホドってちょっと腑に落ちたんですよね。

つまり、やっているコトが違うから、やらないだけなんだなと。

オイラからすると「コメントがあった方が絶対イイじゃん」と思うんだけど、大型店からすると「それよりも在庫の量や回転を優先する」という判断になる…ドッチが正しいとかじゃなくて、そもそものゲームが違うみたいなカンジです。

でも、それでもやっぱり思うんですよね〜、オイラは、レコードって選ぶ楽しさも含めて価値があると思っているし、その選ぶ過程でホンの少しでもヒントがあった方が、体験としては絶対に豊かになるとも思います。

だからこそ、コメントを書くことはやめないし、むしろこれからも続けていきたいと思っています。

そして、このモヤモヤ自体も、悪いものじゃないなとカンジています。

「もっとこうした方がいいんじゃないか」とか、「こうすればお客さんに伝わるんじゃないか」と考えるコト自体が、たぶん店を良くしていく原動力になるっていう部分も確実にありますからね。

もしオイラが「他もやってないし、まあいいか」と思ってしまったら、その時点で成長は止まる気がするんですよね。

だからこの違和感は、そのまま持っておこうと思っています。

他と同じコトをするんじゃなくて、自分なりに「レコードの楽しさ」をどう伝えるかを考え続ける…その積み重ねが、結果的にNext Recordsの個性になっていくんじゃないかなって。

そう考えると、このモヤモヤも悪くないですね〜むしろ、ちょっとオモシロイです。
逆に言うと、こういう細かい部分は小さなレコード店だからこそ出来るコトでもあると思っていますしね〜1枚1枚に目を向けて、自分のコトバで意味を添える、それが店の個性になっていくみたいなね。


DEBBIE TRUSTY / SEARCHIN' FOR SOME LOVIN'
DEBBIE TRUSTY / SEARCHIN' FOR SOME LOVIN' の試聴
next recordsのサイトでDEBBIE TRUSTYのレコードを探してみる

■ これからも大切にしたいコト

これからもオイラは、インスタの深掘り解説も、店頭の一言コメントも続けていこうと思っています。
レコードに詳しい人にも、これから始める人にも、「選べる楽しさ」を感じてもらえるような店でありたいっ!

レコードって、タダの音楽メディアじゃなくて文化の断片だと思うんですよね〜だからこそ、その背景やイミを少しでも伝えるコトで「1枚の価値」が大きく変わるんじゃなかなって思うワケです。

もし「何を買えばイイか分からない」と思っている人がいたら、ゼヒ一度、コメントを頼りにレコードを選んでみてください。

そして渋谷に来る機会があれば、オイラの店にもふらっと立ち寄ってみてください〜知らなかった1枚との出会いって、やっぱり最高にオモシロイですよっ!


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■ 海外に売るということは、世界とつながるということ

2025年4月から当店では越境ECを本格的にやり始めた。

その時に投稿したブログ記事はコチラ
世界中にレコードを通販したい!目指せ越境EC化っ!

渋谷でレコード屋をやっていると、海外から来るお客さんもメチャ多いし、「この店の商品構成は海外でも結構、ニーズあるかも?」と思う場面はこれまで何度もあっんですよね。

だからこそ、Next Recordsとして海外通販に踏み出したのは、ごく自然な流れだったと思います。

悪戦苦闘していますが…。

実際、少しずつではあるけれど海外からの注文は確実に増えてきています。

注文が入るとやっぱり嬉しいんですよね〜「よっしゃーっ!」って気持ちになるし、レコードを丁寧にクリーニングして、しっかり梱包して送り出すあの瞬間は何度やっても気持ちがイイ。

渋谷の店頭で手渡すのとはまた違う、「この1枚が海を越える」という実感がありますしね。

ただ、その裏側には現実がある。ロマンだけでは済まされない部分。ココからが、越境ECの「本当の顔」となります。


■ 「届かないんだけど?」という日常

海外からの注文が増えるのと比例して増えてきたのが、トラブルです。

その中でも圧倒的に多いのがコレ。

👉「荷物が届かないんだケド、どうなってんの?」ってヤツです。

数週間前に「よっしゃーっ!」と送り出したレコードに対して、こういう連絡が来るんですよ。でもコレ、最初のうちは焦るんだケド、だんだんとパターンが見えてきたんですよね。

当店では海外発送は必ず追跡付きの配送方法で出荷しています。具体的には日本郵便のEMSか、もしくはDHLですね。このドチラかで送っているから、荷物が今どういう状態なのかってコトや現在地は必ず把握できるワケです。

だから「荷物が届かない」って連絡があると落ち着いて追跡を確認するとホボ毎回同じ状況に出くわす。

👉「現地の最寄り集配所で保管中」

つまり、届いていないのではなく、

👉 “そこにあるのに受け取られていない”

という状況なんですよね〜。


■ 親切にやっても、なぜか届かない

この状況になると、オイラはお客さんにメールを送るワケです。

「最寄りの配送業者に連絡して、配達依頼をしてください」っていう内容をお知らせするんですよね。

場合によっては、

  • 現地の配送会社の連絡先
  • 電話番号
  • 具体的な問い合わせ方法

ココまで調べて送るコトもある。

正直、「そんなコトまでやらないとイケないの…」って思うコトもあるんですよ…でも、せっかく当店を選んで買ってくれたレコードだから、ちゃんとお客さの元へ届けたい。

でも、ココからがさらなる問題が起きます。

👉 返信がない
👉 荷物が動かない
👉 時間だけが過ぎる

そしてある日、

👉「保管期限切れのため返送」

悲しいかなコレが、現実…(泣)


■ 紛失ではない、「未受取」という問題

ココで重要なのは、決して荷物が紛失しているワケではないというコトなんですよ。

ご存知の通り日本国内の配送事故率は、ほぼゼロに近いんですよね…体感としても10万件に1件あるかどうかってカンジでそれくらい日本の物流は優秀なワケです。

しかしっ!海外になるとハナシはまったく変わります。

👉 未着率は2〜8%

コレ、数字だけ見てもかなり大きい差だと思うんですよ。

そしてその未着の中身を見ていくと、ホトンドが紛失ではないんですよ。

👉 受け取られていないだけ

という状況なんですよね。

日本では、海外へ送った郵便物がよく失くなるっていうイメージがあると思うのですが、追跡が出来る配送方法で送った場合はオイラの経験では紛失したっていうにはかなり少なくって多くの場合、荷受け人に届けられずに返送されてくるってケースなんですよね。


■ ラスト1マイルという壁

で、この問題の核心にあるのが「ラスト1マイル」ってヤツです。

つまり、最後に荷物を届ける段階だ。

物流業界ではもこの「ラスト1マイル」問題は大きな課題となっていますね。

日本の場合は、

  • 不在でも何度も来てくれる
  • 再配達もカンタン
  • とにかく届ける

という文化が定着していますよね。

でも海外はまったく違うんですよ。

  • 一度配達して終わり
  • 不在なら保管
  • あとは自分で取りに来て

つまり、

👉 届ける文化ではなく、取りに行く文化

この違いが、未着率の差を生んでいるようです。


■ 関税というもう一つの落とし穴

さらにヤヤコシイのが関税の存在ですね。

海外では商品が税関に到着すると、

👉「税金を払ってください」

という通知が購入者に届きます。

でもこの納税の通知自体が購入者へ

👉 届いていない
👉 気づかれていない

というケースがかなり多いようです。

その結果、

👉 荷物は止まる
👉 お客さんは気づかない
👉 「届かない」と問い合わせが来る

このループが発生するんですよね。


■ 5ヶ月かかったレコードのハナシ

実際にこんなコトもあった。

アルゼンチンに送ったレコードが、到着までに5ヶ月かかったんですよね。

お客さんから「注文したレコードが届かないんだケド…」ってお問い合わせがあったので調べてみると地元の税関で荷物が止まっているんですよ。

なので、「アルゼンチンの現地の配送業者Correo Argentinoに連絡して納税手続きを行って荷物を受け取れるように手配してください」っていう具体的なアクションを起こしてもらうように連絡するんですよ。

でもお客さんは「そのやり方がわからない」って…。

さすがに最初は「え?」って思ったけど、調べてみるとアルゼンチンは税関手続きがかなり厳格かつフクザツで、カンタンには受け取れないらしい。

しかもご注文いただいたお客さんはアルゼンチンの人ではなくって、スイス国籍の人で状況はさらに複雑化していました。

困ったので日本郵便へ荷物の調査請求書を提出したのです提出してから1ヶ月後に「荷物はすでに現地にあるため日本側から何も対応できない」っていう返事がくる始末。

結局、購入者側がアルゼンチンの税関が求める手続きを完了しなければ、荷物を受け取るコトが出来ない状況でした。

まぁ〜お客さんも相当苦労したようで出荷から5ヶ月経ってようやく「やっと受け取るコトが出来た!」って連絡がありました。

こういう国ごとの事情って、ホント日本にいると本当に分からないですよね〜でも越境ECをやるなら、ココは避けて通れないんですよ。


■ 届かない国のリアル

オイラの体感だと、

  • スペイン → 7割くらい返送
  • メキシコ → 5割くらい返送

もうね、マジで届いたらラッキーってレベルです。

これはもう配送というより「確率」のハナシになってきている。

毎回、スペインとメキシコから注文が入ると「大丈夫か…」ってヒヤヒヤするんですよね。

で、結局日本郵便のEMSで注文品を送るのですが1ヶ月後くらいに返送されてくるっていう絶望的状況です。

オイラもこのスペイン & メキシコにはかなり気をつけて荷物の配達状況を頻繁に追跡してチェックしているのですが、だいたい地元の集配所で止まってしまうんですよね。

そのタイミングでお客さんに「荷物があなたの近くに届いているので受け取れるように手配してください」ってメールを送るのですがホトンドがそのまま放置されて結果、返送されるという…虚しい状況。

で、スペインやメキシコのお客さんに訊くんですよ「ナンで受け取らなかったのか?」って。

すると、荷物が届いたという知らせ自体がそもそもお客さんに届いていないんですよね。

「ナンじゃソレ?」ってカンジですよ。

税関からの納税通知も届いていないし、荷物の不在通知も届いていないという…「そんなのどうやって荷物を受け取るコトが出来るねんっ!」っていう状況のようです。

そりゃ〜返送されてきますよね。

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■ DHLという安心、でも高い壁

じゃあ全部の荷物を日本郵便のEMSではなくって、DHLで送ればイイじゃないか、となる。

確かにDHLはスゴい…もう日本の宅配業者と同じレベルのカンペキなシステムを世界中に構築しているっ!

  • お客さんへ電話で連絡してくれる
  • SMSも送る
  • 通関もフル・サポート

👉 とにかく「届ける力」がEMSにくらべて圧倒的に強いっ!

実際、DHLで送った荷物は今のトコロ全部届いている。

ただし、

👉 送料がメチャ高い

EMSの2〜3倍は当たり前。

コレをそのままお客さんに乗せると、

👉 注文自体が減る可能性がある

ココが難しいトコロでもあります。


■ メールを読まない時代

そして最近強くカンジているのがコレ…。

👉 お客さんがとにかくメールを読まない

オイラはいつもできるだけ荷物を受け取ってもらえるように丁寧に説明しても、

👉 そもそもメールが見られていない

コレは日本でも同じで、今はLINEやSNSの時代ですしね。

海外だと特に、

👉 SMS文化ですからね

つまり、

👉 正しい情報を送っても、見られなければ意味がナイ

ってワケです。


■ 越境ECは「伝える設計」がすべて

ここで気づいたんですよね荷物が受け取られないっていう問題は配送だけじゃないんじゃないかって…。

👉 伝え方に工夫が必要で

・どこに送るか

・どう見せるか

・どう行動させるか 


ココまでキチンと含めて設計しないと、越境ECは成立しないのかなって思うワケです。

とりあえず、Next Recordsのオンライサイトは多言語化したり世界中の通過で買い物が出来たり、その国ごとの送料設定が自動で出来たりにはなりましたケド、まだまだ発展途中なのかもしれません。

送った商品が未着トラブルとならないよう未然に防げるような仕組み作りをもっと考えなけれイケないなぁ〜って思います。


■ それでもレコードを届けたい理由

もうそんなに手間がかかるんだったら海外へ向けての販売自体をやめちゃえばイイんじゃないのかっていう判断もありますね。

でも、今のトコロはまだ全然ヤメる気は一切ナイんですよ。

やっぱりレコードの実店舗販売やネット通販をやっていると海外向けにEC事業をやるっていうのは販路を拡げるというイミではチャンスだと思っているんですよね。

まぁ〜日本では、なかなか価値を見いだせないタイトルのレコードも海外のとある国ではメチャ人気の盤だったりしますしね。

Next Recordsでは「そのレコードを欲しいって思う人に確実に届ける」というミッションを掲げているのでソレは、日本国内でも海外でも同じワケです。

なのでコレからも越境ECには邁進してゆく所存でありますっ!

レコードはただの物じゃない。

  • 音楽の記憶
  • 時代の空気
  • カルチャーそのもの

その1枚が海を越えて、誰かの元に届く…ん〜コレはやっぱりロマンかもしれませんね。


だけど、一昨日はポルトガルから、昨日はベルギーから荷物が返送されてきた…(泣)
ん〜理想は高いんだけど現実はねぇ…。


■ 「届いたよ」の一言ですべてが報われる

まぁ〜ナニかと骨の折れる海外向けのネット通販ではありますが、無事に届いたお客さんから、

👉「最高のレコードありがとうっ!」

って、このメッセージをもらうと、全部報われるかなぁ〜って思うんですよね。

「あぁ、やってて良かったな〜」って思う瞬間でもあります。


MADONNA / AMERICAN LIFE
MADONNA / AMERICAN LIFE の試聴
next recordsのサイトでMADONNAのレコードを探してみる

■ 渋谷から世界へ、まだまだ試行錯誤中

だから今、考えているのは、「 どうやって確実に届けるか」っていう具体的な仕組みですね。

  • SMSの導入
  • 配送方法の最適化
  • 国ごとの戦略

まだまだ試行錯誤中ですが…。

でもそれも含めて、このシゴトの面白さかもしれませんね。

Discogsやebayを通じて世界中へ向けてレコードの販売で業績を伸ばしているトコロは、結構あるかもしれませんが、自店舗のネット通販で世界中にレコードを販売しているトコロってドコなんだろう。

ちょっとリサーチしてそのやり方を参考にしようと思います。

渋谷の小さなレコード店から、世界中へ音楽を届ける。

それはカンタンじゃないです…でも面白いしやり甲斐はメチャあるっ!

なぁ〜んてコトを考えながら今日もレコードを磨いています。



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先日、当店で利用しているECサイトのカートシステム会社から、一通のメールが届いた。

日々の業務に追われながらナニ気なく目を通したその内容は、パっと見たカンジでは「何かAI絡みの新機能が追加されるのかな?」という程度の印象だったんだケド、正直に言うと最初に読んだときは、その意味がまったく理解できなかった。

メールに記載されていた内容はこんなカンジです。

Agentic StorefrontsでのChatGPT…購入者はChatGPT内で商品を見つけて購入を完了できるようになります。この Agentic Storefront チャネルはストアでデフォルトで有効になり、管理画面から設定を変更できます。

イヤ、ちょっと待ってくれと(笑)。
ナンとなく「すごいコトが書いてある」という雰囲気だけは伝わってくるのだが、具体的に何がどう変わるのかが全然イメージできない。

Agentic Storefrontsってナニ? AIがナンかやってくれるのは解る。でも「ChatGPT内で購入完了」ってどういうコトなんだ?と、頭の中に疑問符ばかりが浮かんだんですよね。

こういう時のオイラは最近だとだいたい同じ行動をとる…つまり、そのままAIに訊いてみる(笑)。
届いたメールの文章をそのままコピペして「コレってどういう意味?」って訊いてみたんですよ。

すると返ってきた答えは、思っていた以上にシンプルで、そして衝撃的でした。

どうやら、AIとやり取りしているその画面の中で、そのまま商品を見つけて、そのまま購入まで完結できるようになるらしい…。

つまりコレまでのように、Googleで気になるレコードを検索して、リンクを辿ってECサイトにアクセスして、商品ページを見て、カートに入れて、住所を入力して…という一連の流れをすべてすっ飛ばして、AIの会話の流れの中でそのまま買い物が出来ちゃうという世界が現実になりつつあるというハナシだったんですよね。

これを理解した瞬間、正直に言うと「えっ?もうソコまで来てるの?」という驚きと、ちょっとした戸惑いが同時に押し寄せてきたんですよね。


■ 3ヶ月前に考えていた未来とのズレ

実はオイラ、3ヶ月ほど前に「AIの進化によってレコードの買い方はどう変わるのか?」というテーマで今読んでいるブログに記事を投稿したんですよね。

「レコード店主がAIの未来を想像してみたら…ECがとんでもない進化をしそうな件」

その時も、AIがレコード選びに関わってくる未来はかなりの確率で来るだろうって思っていたんですよ。

例えば、「自分の好みに合った曲を提案してくれる」とか、「今まで知らなかった良い曲を発見してくれる」とか、そういう意味での「選曲のサポート役」としてのAIの存在は、もう既定路線だろうとカンジていたんですよね。

ただ、その時の感覚としては、「だけどソレってもう少し先の未来のハナシだよね」というものだったんですよ。まぁ〜だいたい5年後とか、もうちょっと時間がかかるイメージですね。今すぐに大きく変わるというよりは、そういった流れにジワジワと浸透していくような、そんな認識だったんですよね。

トコロが今回届いたECサイトのカートシステム会社からのメールの内容は、その想像をイッキに飛び越えてきたんですよね。

AIが「レコードを選ぶ」だけではなく、「そのまま買うところまで完結する」。
つまり、レコードを買うという行為そのものの構造が変わろうとしているみたいなカンジですね。

コレって正直、オイラが思っていた予想以上のスピード感だったワケです。


■ 「検索」という行為の終わりの始まり?

ココで改めて考えてみると、実はこの変化にはちゃんとした前兆があったと思うんですよ。

最近Googleで検索すると、検索結果の一番上に「AIによる回答」が表示されるコトが増えてきましたよね。アレはつまり、「自分で探してリンクをクリックする前に、答えを先に提示する」という仕組みですよね。

コレがさらに進むとどうなるかって想像してみると…

👉「検索しなくてもイイ」
👉「比較しなくてもイイ」
👉「選ばなくてもイイ」

そんな世界に近づいていくんじゃないかなって。

そしてその延長線上にあるのが、今回のハナシだと思うんですよね〜つまり、「AIが全部やる」みたいなイメージです。探す、比較する、選ぶ、そして買う。その一連の流れをAIが肩代わりする。

具体的にこんな質問をAIにしてみるんですよ。

「レコードを買いたいんだけど、125BPMぐらいの90s Houseでギターのソロがメチャ格好良い曲を5曲くらいオススメして!」って

すると「コレらの曲があなたの好みにあっていると思いますよ」ってレコード店の購入可能な商品を選んで買い物をサポートしてくれるってイメージです。

モチロン、コレまでのAIを利用してきた履歴からAIは、あなたの好みを熟知しているので極めて最適な選択をしてくれるワケです。

ん〜どうです…ココまで来ると、もはや「ECサイトに訪れる」という行為自体の意味が変わってくるんじゃないかなぁ〜って思いますね。


■ SEOからAIOへという大転換

ココで、レコード店を運営している立場として一番気になったのが、これまで必死にやってきたSEO対策の行方です。

オイラもこれまで、Google検索で少しでも上位に表示されるように、地道に記事を書き、商品説明を整え、キーワードを意識してきました。コレってそれなりに時間も労力もかけてきた部分でもあります。

トコロが最近の流れを見ると、どうやらその前提が変わりつつあるらしい。

いわゆる「AIO(AI Optimization)」という考え方です。つまり、検索エンジンではなく「AIに理解されるための最適化」が重要になってくるというハナシです。

正直に言うと、「勘弁してくれよ…」というのが本音である(笑)
日々の仕入れやレコードの買取査定、検品、クリーニング、商品登録だけでもなかなかのボリュームなのに、さらにAI対策までやるのかと。レコード店主としては、ちょっと泣きたくなる気持ちでもあります。

ただ、ココでふと立ち止まって再び考えてみた。


■ AIはナニを見て判断しているのか

AIは、実際にレコードを聴くコトはできないワケです。触るコトもできないし、レコードの盤面に針をおいた時のあの空気感を体験するコトもできない。

じゃあ何を頼りに判断しているのか。

👉それは「言葉」なんですよね。

どんな曲なのか、どんなグルーヴなのか、どういうシーンで使えるのか、どういう人に刺さるのか…みたいなそういった情報を、文章として読み取り、そこから意味を理解しているワケです。

つまり言い換えると、

👉「ちゃんと説明されているものしか理解できない」

というコトでもあるワケです。


■ レコードという「説明が必要な商品」

ココで改めて思うのは、レコードという商品は、そもそも「説明が必要なモノ」だというコトです。

家電のようにスペックで判断できるものでもなければ、ファッションのように見た目だけで選べるものでもない。

音のニュアンスや空気感、時代背景やカルチャー、そしてDJとしての使い方みたいなそういった目に見えない要素が価値の大部分を占めているワケです。

だからこそ、当店ではこれまで、1枚1枚のレコードに対してできるだけ言葉・文章で説明を加えてきました。

「この曲は、こういうプレイにハマる」とか、「このグルーヴがサイコーにイイっ!」とか、「このカンジじ、あの曲にメチャ近い」とかっていう風にそういう曖昧で感覚的な部分を、できるだけ言語化してきたワケです。

コレは、レコードを検討中のお客さんに向けてのためでもあるし、自分自身の整理でもあるんですよね。


■ むしろコレはチャンスかもしれない

そしてココで気づいたんですよ。

👉「コレって、むしろ強みになるんじゃないか?」って。

AIは「意味」を理解する…表面的な情報ではなく、文脈や背景、ニュアンスを読み取ろうとする。

そうなると、ただ商品を並べているだけのサイトよりも、シッカリと説明されているサイトの方が圧倒的に有利になると思うんです。

つまりこれからは、

👉「どれだけ語れるか」

が重要になるんじゃないかなって。

価格でもなく、在庫量でもなく、「このレコード1枚をどう説明するか」…そこに価値が生まれるんじゃないかなって思うんですよね。


■ レコードの買い方は変わる。でも本質は変わらない

確かにこれから、レコードの買い方は大きく変わると思うんですよ…AIが選び、AIが提案し、場合によってはそのまま購入まで完結するというが一般的になるかもしれない。

でも、その裏側にある本質は変わらないんじゃないかなって。

👉「ナニを信じて選ぶか」

コレはずっと残ると思うんですよね。

そしてその判断材料になるのは、結局のところ「誰かの言葉」なんだと思うワケです。


■ これからのレコード屋として

じゃあ、コレからどうするのかってコトですよ。

オイラの中では答えはシンプルで、

👉「今まで以上にちゃんと伝える」

ん〜もうこれに尽きると思っているんですよね。

どんな音なのか。どんな雰囲気なのか。どういう瞬間にハマるのか。そういったその曲のイメージをしっかりと今まで以上に言葉・文章にしてゆく。

AIがどれだけ進化しても、最終的に参照するのはそういう情報だと思うワケです。


■ というワケで…

AIが買い物をする時代…そんなコトバだけ聞くと、なんだか無機質で、味気ない世界のようにもカンジますよね。

でも実際には、その裏側には必ず「ニンゲンの視点」があるワケです。

誰かがカンジたことや誰かが言葉にしたこと、ソレが積み重なってAIの判断材料になるんでしょうね。

レコードを針を落とす前にその1枚のレコードの背景を知る…そこに込められた雰囲気や空気感を想像するみたいな…そういったその楽しさは、きっとコレからも変わらないと思います。

だからNext Recordsとしては、コレからも変わらず、

👉「この1枚、イイですよ〜」

っていうハナシを、ちゃんと伝えていこうと思う次第であります。

まぁ〜AIがどれだけ進化しても、結局レコードの魅力ってやっぱり「人から人へ」伝わるものだと思いますしね〜。

そしてその流れの中で、新しい時代のレコードの買い方も、きっと面白いカタチで広がっていくんじゃないかな〜って。

そんな未来を、ちょっと楽しみにしながら、今日もまた1枚、レコードを聴いてコメントを書き綴ってゆきます。


AZTEC MYSTIC A.K.A. DJ ROLANDO / JAGUAR
AZTEC MYSTIC A.K.A. DJ ROLANDO / JAGUAR の試聴
next recordsのサイトでAZTEC MYSTIC A.K.A. DJ ROLANDOのレコードを探してみる

とりあえず新しくはじまるAgentic StorefrontというECサイトのアップデートは、今のトコロはアメリカだけのようです。

しかしすでにテスト的に一部の選ばれたECサイトではユーザーがAIとの会話を離れることなく商品を購入し、チェックアウトまで完了できるようになっているみたいですね、というか近い未来どころか今現在時点ですでにもう始まっちゃってるんですね〜コレ。

で、思ったんですが現在当店では、海外へ向けてレコードの通販が増えるように努力している最中なのですがもしかしてこのAIが当店の商品をユーザーにオススメしてくれる可能性ってあるのか?ってコトをコレまたAIに訊いてみたんですよ。

はい、米国在住のお客様が御店の商品をAgentic Storefronts(ChatGPTなど)で発見することは可能です。

マジかっ!

しかし商品の露出は得られますが、AI内での直接チェックアウト体験は現在日本からは提供できないという状況です。米国での販売資格要件を満たせば、将来的に直接販売機能も利用できる可能性があります。

ん〜今のトコロは、まだサービスが限定的だけどコレも近い将来には出来る可能性は極めて高いんじゃないかなって…期待しています。

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オイラは東京・渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店Next Recordsを営んでいるんですが、最近ありがたいことにインスタグラムを見てお店に来てくれるお客さんが増えました。

毎日、店頭在庫の中から1枚の12インチシングルを選んで、だいたい1000文字くらいのレコメンドを書いて投稿しています。すると、その投稿を読んだお客さんがレコードを買ってくれたり、インスタをキッカケに渋谷まで足を運んでくれたりするんです。ホントありがたいですね。

そんなお客さんと店頭でハナシしていたとき、こんな質問をもらいました。

「よく記事に“Dubもオススメっ!”って書いてありますケド、Dubって何なんですか?」

…ん〜たしかに。

オイラはフダン、レコード紹介で「このDub Mixがメチャ格好いいっ!」なんてサラッと書いています。それも結構な頻度で…でも、改めて「Dubってナニ?」と聞かれると、意外とちゃんと説明してこなかったなぁ…と。

なので今回は、自分自身の知識の復習や勉強も兼ねて

Dub Mixとはナニか?

というテーマを、レコード好きな皆さんと一緒に掘り下げてみようと思います。
まぁ〜専門家ではないのでザックリ解説ですがユルく読んでいただければなぁ〜と思います。


Dubはジャマイカで生まれた

Dubの起源は1970年代のジャマイカです。コレに関しては異論はナイでしょう。

当時、レゲエのシングル盤のレコードはA面に歌入りの曲、B面にインストゥルメンタルが入るという構成がよくありました。

しかし、そのB面のインストをただ流すだけではなく、エンジニアがミキサーを使って大胆に作り替えるようになったんです。

その中心人物が

King Tubby
そして
Lee "Scratch" Perry

この2人です。

例えば有名な例として

Jacob Miller / Baby I Love You So という曲があります。


この曲のマルチトラックを使って、King Tubbyが再構築したのが

Augustus Pablo / King Tubby Meets Rockers Uptown(1976)です。


ボーカルは消え、ベースとドラムが前面に出て、エコーやディレイが飛び交う音響空間を作り上げた曲というカンジですね。

同じ曲の素材を使っているのに、まるで別の曲に生まれ変わっているんです。

もうひとつ有名な例としては


Johnny Clarke / Every Knee Shall Bow を元に作られた

U Roy / Every Knee Shall Bow(1978) などがあります。


つまりDubというのは「曲をもう一度ミックスして別の音楽に作り替える手法」なんですね。


Dubは「ミックスで曲を作る」という革命

ココがDubの一番面白いトコロです。

普通の音楽制作は

作曲

演奏

録音

完成

という流れで曲が制作されるのです。

しかしDubは違います。

録音

ミックス

別の曲になるという構造なんです。ようするに作曲ではなく「ミックスで音楽を作る」という発想です。

つまりミキシングが創作になるという革命が起きたワケです。

これは音楽史的にかなり大きな出来事でした。

ナゼなら、この発想が後に

  • Remix

  • Extended Mix

  • Club Mix

といった文化に繋がっていくからです。


DubがDiscoへ広がる

1970年代後半になると、このDubの思想はNew YorkのDiscoシーンにも影響を与えます。

この頃、クラブDJたちはある問題を抱えていました。

「曲が短いっ!」

当時の曲って1曲の長さがだいたい3分くらいで終わってしまうんですね。

そこで登場するのが

Tom MoultonWalter Gibbonsといったリミキサーたちです。

彼らは曲を

  • 長くする

  • ブレイクを伸ばす

  • パートを組み替える

という編集を始めました。

これが Disco Remix です。

つまりジャマイカで生まれたDubの「ミックスで曲を作る」という思想が、New Yorkのクラブ・カルチャー文化に取り込まれたワケです。


なぜ12インチにはDubが入っているのか

ココで12インチシングルのハナシになります。

クラブDJは曲をミックスして次の曲へ繋ぎます。
そのとき便利なのがDub Mixだったりします

ナゼかというとDub Mixは、概ねボーカルが少ない、リズム主体のアレンジだからです。

DJは

Club Mix

Dub

次の曲

という流れを作ることができます。

つまりDubは、DJツールでもあるんですね。

そのため1970年代後半から80年代にかけてプレスされた12インチシングルには

Club Mix
Dub Mix
Instrumental

という構成がよく見られるようになります。

レコードを掘っていると

「A面よりB面のDubの方がカッコいい」

なんてコトもよくあります…これ、レコード好きアルアルですね。
Discoの12インチシングルでも特にDub Mixの収録を積極的にやっていたのがSalsoul / Prelude / West EndといったNew York Discoを牽引していたレーベルです。
クラブ・カルチャーと一体化していたこれらのレーベルの影響はとても大きかったと思われます。


Dub → Remix → Extended Mix

今回改めて調べてみて思ったんですが、Dubというのは「元曲のパーツをバラして再構築する手法」なんですよね。

そしてこの手法が後に

Remix
Extended Mix
Club Mix

へと進化したっていう経緯のようですね。

つまり

Dub

Remix

Club Music

という流れがあるワケです。

今のHouseやTechno等のElectronic音楽の文化も、この流れの延長にあると言えそうですね。


オイラが初めてDubを意識した曲

オイラ自身が初めて「Dubっぽいな」と明確に意識した曲があります。

それがThe Clash / Rock The Casbah (1982) です。


オイラは10代の頃、New Wave〜Punk少年でした。

中学生の頃、この曲がラジオで流れてきて、もうイッパツでトリコになりました。

ストレートなPunk Rockなんだけど、メチャPopでダンサブルなんですよ。

ソッコーでレコード屋に行って12インチを買いました、そして聴きまくりました。

そのRock The Casbahの12インチのB面に入っていたのが

Mustapha Dance という曲。


買ったときはチラッと聴いたくらいで、正直ピンとこなかったんです。

でもRock The Casbahを何十回も聴いた後に

「アレ?B面ってどんな曲だっけ?」

って改めて聴いてみたら

「ナンじゃコレ!?メチャ格好いいやんけっ!」

となったワケです。

イントロからパーカッションが鳴り、ファンキーなベースラインとキレキレのギターリフがループするトラックでJoe Strummerのボーカルは断片的に切り刻まれている。

クレジットはDubとは書いてないんですが、どう聴いても「Rock The CasbahのDub Mix」なんですよね〜コレ、当時は「Dub」というコトバ自体も知りませんでしたケドね。

後から知ったんですが、The Clashは先に紹介したLee "Scratch" Perryの大ファンだったそうです。

The ClashはLee "Scratch" PerryがプロデュースしたJunior Murvin / Police and Thievesをカバーしたりもしていますね。

当時中学生だったオイラは、そんな背景なんて全然知らずに聴いていました。

The ClashといえばThe Magnificent SevenのDub的バージョン

The Magnificent DanceもGarage Classicとして有名ですね。






レゲエのDubとNY DiscoのDubはナゼ違うのか?

前回の記事でDubの起源がジャマイカのレゲエにあるコト、そしてその手法が後にDiscoやクラブミュージックへと広がっていったコトを紹介しました。

しかし実際にレコードを聴き比べてみると、レゲエのDubと、NY DiscoのDubはかなりサウンドが違うというコトに気づきます。


レゲエのDubはエコーやディレイが飛び交う音響的な世界なのに対してDiscoのDubは、あくまでビートやグルーヴが中心で、エフェクトは比較的控えめ。

オイラも昔は「Dubってこういう音のコトだよね」と、なんとなく感覚で理解していたんですが、改めて考えるとこの違いはとても面白いポイントですよね。

では、なぜ同じ「Dub」という言葉が使われているのに、こんなにアレンジが違うのでしょうか。

実はそこには、音楽が生まれた文化の違いが大きく関係しているようです。


まず一番大きな違いは、音楽が鳴る場所でしょうね、レゲエのDubはジャマイカのサウンドシステム文化から生まれました。

巨大なスピーカーを積んだサウンドシステムの前で人々が集まり、Deejayがトースティング(マイクで語るパフォーマンス)をするのですが音楽はその場の空気を作るための背景のような役割も持っていました。

だからDubでは、音が突然消えたり、スネアにエコーが飛んだり、空間が広がったりと、音響的な演出がとても重要になるワケです。

つまりレゲエのDubは音響空間を演出する音楽と言ってもいいかもしれません。

一方でNew YorkのDiscoはどうだったかというと、こちらは完全にダンスフロアの音楽でクラブでは人々が踊るコトが目的なので、音楽の役割はシンプルで踊り続けられるグルーヴを作ることです。


もしレゲエDubのように音が頻繁に消えたり、空間演出ばかりになってしまうと、ダンスフロアの流れが止まってしまいますよね〜だからDiscoのDubは、グルーヴをキープしたまま

  • ボーカルを減らす

  • リズムを強調する

  • パートを再構成する

といった方向に進化したんでしょうね。

そんなNew York Discoに於けるDub MixでもFrancois Kevorkianが手がけた"D" Train / Keep On (Dub Mix)はかなり異彩を放つアレンジで最高にカッコイイですね。



Dubはちょっとクセがある…でもハマるとヤバい

今回ざっくりDubについて調べてみて思ったんですが、Dubって自由すぎる音楽なんですよね。

イントロ〜Aメロ〜Bメロ〜サビというカンジの普通の曲のフォーマットに全然収まらない…だから最初は少しとっつきにくいかもしれません。

でも聴き込んでいくとその自由なアレンジと中毒性のあるグルーヴにハマるとたまらないんです。

そして面白いコトにA面のメインMixよりB面のDubの方がカッコいいなんてレコードも結構あります。

なのでレコードを聴く時はぜひB面もチェックしてみてください。

思わぬ名トラックが潜んでいるかもしれませんよ。



GEORGE KRANZ / DIN DUB DUB
GEORGE KRANZ / DIN DUB DUB の試聴
next recordsのサイトでGEORGE KRANZのレコードを探してみる

当初は、サラリとシンプルにしようと綴り始めたザックリDub解説なのですが熱が入りすぎて超長文になってしまいました…笑

まぁ〜この記事をキッカケにDubに少しでも興味を持っていただければなぁ〜と思います。

もし渋谷に来る機会があれば、ぜひNext Recordsにもお立ち寄りください。

店頭では、そんな「B面がヤバい12インチ」なんかもたくさんありますよ。

レコードの世界は、まだまだ奥が深いです…。


Next Recordsではインスタグラムもやっています!


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