
■ 渋谷に流れ込む世界中のレコード好きたち
春になって少し暖かくなってくると、街の空気もドコか軽やかになりますよね〜。
3月に入ってからというもの、当店にも海外からのお客さんがイッキに増えてきました。
後から知ったんですが、3月って日本に訪れる旅行者が1年通してみると3番目に多い月らしいですよ。
しかも東京の中でも渋谷は観光地として2年連続で1位で東京に訪れた旅行者の訪問率は約67.1%、つまり3人に2人が渋谷に来ている計算になるそうです。
さらに興味深いのが、海外のレコードコレクターやDJの間では渋谷は
「Mecca of Vinyl(レコードの聖地)」ナンて呼ばれているらしいんですよね。
オイラ自身、渋谷でレコード店を営んでいて外国のお客さんが多いのは肌でカンジていましたが、まさかココまでとは思っていませんでした。
■ ニッチすぎる店、それでも刺さる瞬間
ただ、オイラの営んでいるレコード店、Next Recordsはかなり特殊なレコード店です。
オリジナル盤のみ、12インチシングル専門、しかも中古。
このトリプル縛り、正直言って万人受けとは真逆です。
レコードを探している人はたくさんいるけど、オイラの店が応えられるニーズはホンの一部です。
アル意味、かなり偏った品揃えのレコード店です。
でも不思議なコトに、このオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店というコンセプトを理解してくれたお客さんにはものスゴく刺さるんですよね。
はじめて来たお客さんでも、当店の商品構成にハマると本当に熱心に掘ってくれるんですよ。
お客さんにもよりますが店頭に並べてあるすべてのレコードをチェックしてくれる人もいるくらいですからね。
そういった光景を見ていると、やっぱりレコードって面白いなって思いますね。
■ 「キュレーションが素晴らしい」というコトバ
そんなお客さんたちが、会計の時によく言ってくれるコトバがあります。
「このお店、キュレーションが素晴らしいね!」って。
最初は正直、いまいちピンときませんでした。
「品揃えがイイってことかな?」くらいの認識でした。
まぁ〜そう言っていただいた時のオイラの返事は毎回「サンキューベリーマッチ」なんですが。
でも結構な割合でよく言われるんですよね「キュレーションが良い」ってコトを。
でこのワード、何度も言われるので「ホントはどういった意味なんだろう…」ってなんとなく気になったので調べてみたんですよ。
するとどうやらこのコトバ、単なる褒め言葉以上の意味があるらしいってコトがわかりました。
■ 店的にはキュレーションしているつもりはなかった
とはいえ、オイラ自身はキュレーションなんて意識してやっていません。
あ〜ちなみにキュレーションってちょっと聞き慣れないコトバなのでカンタンに定義しておくとこんなカンジのイミです。
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「キュレーション(Curation)」とは、膨大な情報の中から特定の視点やテーマに基づいて有益なものを選び抜き、そこに新しい意味や価値を加えて他者に共有することを指します。
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当店では仕入れたレコードを実際に聴いて
「これイイ曲だな」「メチャ、格好良いな」
って思ったものを商品にして並べているだけなんですよね。
自分の店だから、自分がイイと思うレコードを店頭に並べておく。
それだけのハナシなんですよね。
逆に「この曲、イマイチだけど売るか…」っていうのはちょっと違うと思うんです。
そんなレコードをお客さんに薦めるのも変なハナシですしね。
でもどうやら、お客さんからするとそれが「キュレーション」に見えているらしい…。
■ 同じレコードなのに売れ方が違う理由
で、面白いエピソードがあるのですが、同じタイトルのレコードでも、当店では結構スグ売れるのに、他のお店ではずっと残っているコトがあるんです。
しかも当店の方が値段が高いコトもある。
これ、最初は本当に不思議だったんですよね。
ん〜ナンでこんなイイ曲なのにダレも買わないんだろうって。
しかもコレってウチの店よりも明らかに集客力のある有名店なんですよね。
でも最近、ちょっと思うんです…これはレコードそのものの違いじゃなくってそのレコードが「どういう文脈で並んでいるか」の違いナンじゃないのかって。
■ レコードを買っているようで、実は違うものを買っている
お客さんの買い方を見ていると、ハッキリと分かるコトがあります。
実店舗でもネット通販でも1枚だけ買う人は、その曲を探してきた人で「このレコードが欲しいっ!」っていう明確な指名買いのニーズによるものだと思うんです。
一方、5枚、10枚と複数枚のレコードをまとめて買う人はちょっと違っていてその場でコメントを読んだり試聴したりして判断して買っているように思うんですよ。
つまりそれまで全然知らない曲、もしくはなんとなくちょっと聴いたコトがある程度の曲でも「あ…この曲イイかも…」って判断して買っているんじゃないのかなって思うんですよね。
でもコレってよく考えるとスゴいことですよね。普通なら知らないレコードってリスクがあると思うんですよ。
でもそれを買うというコトは、そのショップの品揃えやそのレコードの並びで購入してくれているんじゃないのかなって思ったんですよね。
■ キュレーションとは「選ばなくていい状態」
ココでようやくレコードにおける「キュレーション」というコトバの意味がナンとなく見えてきました。
キュレーションって、ただ選ぶコトじゃないんでしょうね。
ザックリいうと「選ばなくてもいい状態をつくること」なんだと思います。
理想を言えばこの棚にあるレコードは、ある程度大丈夫な曲が並んでいるって状態です。
そう思えるだけで、レコード選びはイッキに楽になるんじゃないかなって思ったんですよね。
■ ディグの楽しさとシンドさ
レコードって探す・掘る(ディグ)するのが楽しい文化です。
でも正直に言うと楽しいだけじゃなくて、シンドイ時もあると思うんですよね。
- ハズレを引く…コレ、イイかもしれないって買ったらアテがハズレたとかよくあります。
- 時間がかかる…目の間に数千枚の大量のレコードがあったらソレを全部チェックするのかとか…ちょっと気が遠くなります。
- 判断に迷う…手にとったレコードを毎回、瞬時にOK・ダメの判断を迫られるのはなかなかストレスになるコトがあります。
こういう経験、誰でもあると思うんですよね〜レコードを掘って選ぶという行為は、本質的なのですが結構、タイヘンだったりするワケです。
だからこそ人は「信頼できる耳」的なアドバイスのようなコトを求めるんじゃないでしょうか。
■ 在庫の店と編集の店
世の中のレコード店には大きく2種類あると思っています。
たくさん並んでいて、自分で探す
ある程度選ばれていて、そこから出会う
在庫の店 / 編集の店 っていうイミで区別すれば当店は明らかに後者なんだと思います。
■ 伝わりにくさというもうひとつの側面
ん〜ただ、この「編集の店 」スタイルには弱点があるんですよね。
ソレはズバリ、「知らない人・解らない人には伝わりにくい」ってコトです。
「オリジナル盤12インチ専門」っていうだけでもかなりデカいハードルがあるのに、さらにその中から「選ばれたモノだけ」っていうのは、入り口としては決して広くない…というか狭めスギのようなカンジでもありますよね。このブログでも何度も書いていますが、この当店のコンセプトはやっぱり理解されにくいってコトは切実にカンジています。
■ それでもやる意味
でも今回、当店に訪れてくれてレコードをお買い上げいただいたお客さんに「キュレーションが素晴らしい」と言われたコトで、少し見えた気がします。
実際に店頭に並べるレコードを聴いて選別しているというコトに関して特別なコトをしているつもりはなかったケド、そのセレクトされたレコードの並びに価値を感じてくれる人がいるっていうコトは率直にうれしいし、メチャありがたいって思います。
いいレコードなのに埋もれてしまうのは、やっぱりもったいないですからね。
それに未知のレコードをお客さんに紹介するっていうのもレコード店の使命だとオイラはおもっていますからね〜。
■ レコード屋の役割とは
レコードはあくまでも「モノ」ですが、その出会い方によって価値が大きく変わってゆくと思うんですよ。
👉そのレコードとドコで出会うか👉そのレコードがどう紹介されるか
LOUIE BALO ft. SPANKY / DON'T SHUT ME OUT の試聴
next recordsのサイトでLOUIE BALOのレコードを探してみる
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Next Records Shop at Shibuya Tokyo Japan.
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