東京 渋谷 オリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店、Next Recordsの店主です。
日本でトップのアクセス数があるYahoo!のトップページのニュース記事のトピックにアナログレコードの人気に関する記事が取り上げられたのを読みました。こんな記事です。
「若者がハマる「モノとしての価値」レコードブーム再燃の謎、生産額35年ぶり70億円突破の理由」

要約するとこんなカンジのコトが書かれています。
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アナログレコードのブームが若者を中心に再燃しており、35年ぶりに生産額が70億円に達しました。レコードファンは、CDのクリアな音とは異なる「温かい」音質を魅力と感じています。若者たちは、デジタル音楽にはないレコードの「モノ」としての価値や、手で触れることができる体験に惹かれているようです。
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Yahoo!のトップページにトピックとして紹介されているので、イメージ的にはさぞかし全国規模のデカいムーブメントみたいなニュースのようなカンジがしますが、記事の元となっているのは富山テレビのローカルなTVニュースですね。
こういったニュース記事をコレまでも何度も当ブログで取り上げてきたのですが、せっかく後からでも興味がある人は読めるように記事にリンクを貼っても数ヶ月で元の記事自体が削除されてしまうのでホント、困ります。
気持ち的にはアーカイブ的に残して置いてほしいのですが・・・。
「アナログレコードが人気です!」っていう大手メディアから発せられるアナログレコードの人気に関するニュースは、オイラの記憶では2010年くらいからポツポツを報道されていたと思います。
で、2014年頃から結構な頻度で大手メディアが「アナログレコードが人気になっています」ってコトを取り上げるようになっていったというカンジですね。
で、今回のニュース記事で紹介されていた「アナログレコードの生産額」のグラフと「レコードが人気になっています」というニュース記事が増えてきた2014年くらいの時期と見比べるとなかなか面白いですね。

グラフの生産年度は、2010年スタートでその時点では、1億7千万円だったのがレコードの人気が報じられる頻度が多くなった2014年に約5倍強以上の10億円近くにまで上がっているのでメディアでのアナログ人気の報道に拍車がかかって来たというカンジのなのかな。
当店は、12インチシングル専門のレコード店で上記のメディアが伝えている一般的なレコード人気とは、また違った視点でこういったニュースを読んじゃうんですよね。
こういった大手のメディアが「アナログレコードの人気が高まっています!」っていうニュースを読むとすべてのジャンルのレコードの人気がグァ〜っと高まっているような印象を受けますが実際にレコードの販売に携わっている現場の感覚だとジャンルごとに人気にグラデーションがあるよね〜って思っちゃうんでしょうね。
確かにコロナ禍以降は当店のような極めてニッチな12インチシングルだけを販売しているレコード店もレコードの人気が高まっているという感覚は実感するのですが12インチシングルというニッチなジャンルだけで見るとメディアが声たかだかに頻繁に取り上げるホドかなぁ〜というカンジではあります。
オイラは、時々アナログレコードを販売している大型店に視察のために訪れるのですが、人気のあるジャンルとそうでないジャンルは、明らかにレコード棚を見ている人数が違いますね。
今回のニュースでも取り上げられている内容からも解るように日本でのアナログレコード人気は、明らかに邦楽が牽引している部分が大きいんでしょうね。
中古盤の売上もある程度上がっていると思うのですが、いわゆる過去の名盤の再発盤や現在進行系の新譜のレコード盤の売上が中古盤以上にあると思います。
コレまでCity Popが今のレコード人気のメインだったのが最近はソコに昭和のアイドル歌謡曲の人気が高まっていますね・・・個人的にはまったく興味がない分野なのですが。
推測ですが、City Popを中心としてレコード人気が高まったコトがキッカケとなってレコードを聴き始めた新規参入リスナーが歌謡曲にまで広がってきたっていうカンジなんでしょうかね。
最近は、さらにソコにアニソンまで人気になっていますね。
以前当店にも取材していただいたYouTubeチャンネル ELLA STORORIEでの企画「【RECORD SNAP JAPAN】YOUは日本でどんなレコードを買ってる?」でも相変わらず、邦楽の人気の高さがうかがえますね。
で、こういった大手メディアか報道されているニュースを見聞きするといつもこの記事を思い出すんですよね。
「東京を代表する4店のレコードショップのスタッフが卓を囲み、日本のレコード・ビジネスについて談論。」
当ブログでも以前、記事としてこの座談会のコトをとりあげたコトがありますが、この座談会って今から10年前の2015年の記事なんですよね。
2014年ごろから増えてきた「レコードの人気が高まってきている!」というニュースを見聞きしている中でオイラは、「メディアで騒がれているホドではないよね〜」っていう感覚だったのですが上記の記事を読んでメッチ共感するコトができたんですよ・・・DJカルチャーが発祥しているレコードジャンルに関してはメディアのニュースとは全然異なる状況なんだなぁ〜って。
だけどその反面、大手メディアの「レコード人気ニュース」を見聞きしてレコードに興味を持ち始めた人たちがたくさんいるのは事実で、そういった人たちもレコードの聴き初めは、City Popだったけどイロイロな音楽を聴いているウチに当店で扱うような12インチシングルに興味を持つような人もいたりするのでメディアの影響はやはりデカいのかなぁ・・・って思ったりもします。
しかし、先に紹介した「アナログレコードの生産額」のグラフの右肩上がり率・・・モノスゴイですね。
特にコロナ問題が顕在化してきた2020年以降の折れ線グラフの角度がハンパないっ!
グラフの一番左の2010年の売上1.7億円が5年後の2015年に10億円越えた頃に「レコードが人気です!」って頻繁に言われるようになったのが1年短い4年間という期間で2020年の約20億円から2024年の78億円越えにまで増加しているって、コレ2025年には、更に増えるようなカンジに見えますね。
最近は、新たに新規オープンするレコード店自体が増えてきているのもこの右肩上がりの生産額を見越してのコトなんでしょうね。
当店が営業している渋谷のレコード店の状況は、今のトコロは結構良いカンジだと思います。
しかし、1990年代から2000年のはじめ頃のコレまで絶好調だったレコード人気がイッキにドン底へと風向きが変わった状況を経験しているオイラには、どうしてもその時のトラウマはあってブームとか世間の人気というその時の気持ちの高揚感が如何に気分的で雰囲気的なモノであるのかってコトがどうしても気になるんですよね。
まぁ〜しかし、世間ではパンデミックが起きた2020年は、大幅なマイナス成長だったにも関わらず、グラフではアナログレコードは、パンデミックを起点にして大幅な伸びをしめしているっていうのもナンダカ複雑な気持ちになりますね。
思い返せば、2020年から2022年に東京ではパンデミック中に何度も緊急事態宣言やまん延防止等重点措置(ちょっと懐かしいワードですね)が発令され、その都度、店舗の種類や感染状況に応じて、休業や営業時間短縮の要請が繰り返し行われたんだけど、当店も2020年の1年間のウチに約2ヶ月ほどお店の営業ができなかったにも関わらず、ネット通販でまぁまぁの売上がありましたからね。
あの時のレコードの巣篭もり需要が今のレコード人気に繋がっているのかもしれませんね。
INSOMNIA / I'LL BE THERE
INSOMNIA / I'LL BE THEREの試聴
next recordsのサイトでINSOMNIAのレコードを探してみる
オイラ自身、レコードが人気になっているというコトに関して素直に「イイ事だよね!」って思えればイイんだけど、熱狂的なブームや流行が永遠につづくワケがないですよね・・・必ずいつか沈静化するというのは世の常ですからね。
レコードの人気が沈静化するした時は、どういったカンジになるのかっていうのは、コレもどうなるのかわかりませんよね。
ブームが去った後にアナログレコードが完全に消滅するか、あるいは形を変えて社会に定着するかは、そのブームが持つ本質的な価値や、社会のニーズにどれだけ合致しているかによってブーム後の状況は異なりますからね。
オイラとしては、あまり浮かれないでコツコツと地道に12インチシングルの普及につとめて行こうと思う次第であります。
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