渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

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12インチシングルから読み解く制作環境

渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店を営んでいて、日々レコードを触り、磨き、棚に並べていると、ある種の「偏り」にどうしても気づいてしまうんですよね。

12インチシングルってUS盤やUK盤が多いのは、正直なトコロ想定内なんですよ…ダンスミュージックの最大の消費地はUSで、12インチシングルというフォーマットを文化として成熟させたのはUSやUKのクラブ・シーンですからね。

これは歴史的にも感覚的にも納得がいくと思います。

でも、その次に棚を占領している国を見ると、その国の規模の割に多いのがイタリア盤なんですよね。

しかも、ただ多いだけじゃなくって80年代を中心に、似た質感、似たテンポ、似た構造の楽曲が、信じられないくらいの量で存在しています。

最初は「たまたまかな」と思っていたんだけど何百枚、何千枚と12インチを扱っていると、それはもう偶然では説明できなくなってくるくらい多いんですよ。
「なんでイタリアだけ、こんなに量産されてるんだ?」
この違和感が、結構長い間オイラの中でずっと引っかかっていたんですよね。


12インチシングルという「前提条件」

そもそも12インチシングルは、鑑賞用のフォーマットというよりもDJがフロアで使うために生まれたメディアという意味合いが大きいと思います。

音圧を稼げる溝の幅、長めのイントロとアウトロ、ミックスしやすい構成…すべてが「現場で鳴らされる」コトを前提に設計されています。

だから、12インチが大量に作られている国というのは、ダンスミュージックを「聴く音楽」ではなく「使う音楽」として捉えていた国だと言ってイイと思います。

USやUKもモチロンそうですが、イタリアの場合は、その割り切り方が一段深かったんじゃないかなってカンジるワケです。


ダンスミュージックを消費財として見ていたイタリア

イタリアの制作者たちは、ダンスミュージックの本質をとても冷静に見ていたんじゃなかなぁ。
ダンスミュージックは流行の最前線にあり、移り変わりが激しく、消費される速度がとにかくメチャ早い。

フロアの空気は数ヶ月で変わり、去年のヒットはもう確実に古くなってしまいます。

なので1曲を何年もかけてヒットするまで育てる必要はないワケです。
むしろ必要なのは、

・短期間で作れるコト
・一定以上のクオリティを保てるコト
・世界中に一気に流せるコト

この考え方が、結果的に「量産」というカタチになったんじゃないでしょうかね。

ココが大事なポイントなんだけど、イタリアは決して「音楽を軽く扱った」ワケじゃなくって、むしろ逆で、ダンスミュージックというジャンルを極めて正確に理解していたからこそ、こうした発想に至ったんだと思うんですよ。


US/UKとの決定的な分岐点

USやUKのダンスミュージックは、人やコミュニティと強く結びついていたと思います。
・誰が作ったのか。
・どのクラブで生まれたのか。
・どのDJがプレイしたのか。

音楽そのものに、必ず「物語」が付随しているコトが多いですよね。

一方、イタリアは違っていて国内市場が小さいので、最初から国外、つまり世界市場を見据えざるを得なかった。

だから、文化的背景や文脈は極力削ぎ落とされるようになったと思います。

誰の国でも、どのフロアでも、今夜スグに使える音楽が求められたみたいなカンジですね。

その結果、「人」よりも「曲」が前に出る…「表現」よりも「構造」が重視される。

この価値観の違いが、イタリアのダンスミュージックを決定的に特徴づけるコトに繋がったんじゃないでしょうか。


分業という名の合理性

80年代初頭のイタリアでは、ダンスミュージック制作が明確に分業化されてゆきました。
メロディを作る人、構成を考える人、シンセの音色を作る人、リズムを組む人、ヴォーカルを乗せる人…それぞれが役割を担い、効率よく作業を進める。

こういうのを聞くと「流れ作業」「手抜き」と感じる人もいるかもしれないけど、実際に曲を聴くと解るとおもいますが音はちゃんと強いし、フロアでもしっかり機能するワケです。

これは手抜きじゃなくって安定供給のための設計された音楽であるコトが解ります。

毎回天才のひらめきに頼らず、一定以上のクオリティを再現できる仕組み…それがイタリア式のダンスミュージックを送り出すシステムだったんじゃないかなぁって思うんですよね。


ヴォーカルというパーツ

イタリア産ダンスミュージックを語る上で避けて通れないのが、ヴォーカルの扱いでしょうね。

同じトラックに別の歌い手、名義を変えてのリリース、国ごとに差し替えられる歌。

USやUKの感覚だと、これはかなり異質に映りますよね〜でもイタリアでは、極めて合理的だったようです。
ヴォーカルは人格ではなく、楽曲を市場に適応させるためのパーツ…だから交換可能だったみたいなカンジでしょう。

この割り切りがあったからこそ、短期間に大量の楽曲を世界中へ送り出すことができたようです。


工業製品化が進んだ時代背景

この流れがハッキリとしたカタチになったのは、70年代後半から80年代前半です。

シンセサイザーやドラムマシンの普及により、少人数・短時間で楽曲を完成させられる環境が整ったことが大きいと思います。

そしてItalo Discoと呼ばれるスタイルが広まり、制作は完全にシステム化されていくワケです。
ここでイタリアは、「天才に頼らないダンスミュージック」という道を選んだという経緯になったと思います。


なぜUSは同じ道を選ばなかったのか

USがこのモデルを全面的に採用しなかった理由は、技術ではなく文化だったからでしょうね。

USのダンスミュージックは、コミュニティやアイデンティティと深く結びついていて効率化しすぎると、その文脈が失われてしまうと自然と思われていたんじゃないかな。

そういったトコロをイタリアは完全に割り切った。
USはシッカリと守った。

どちらが正しいかじゃななくって立っていた場所が違っただけだと思います。


12インチシングルに刻まれた思想

12インチシングルを掘る面白さは、こうした制作思想が溝に刻まれているトコロにあるでしょう…音圧、構成、展開とそのすべてが「フロアで鳴らす」ための合理性に基づいている。

イタリア盤を手に取るたびに「これは感情論じゃなく、設計の音楽なんだろうな」ってオイラは思うんですよ。



工業化の起点はイタリア人だった

イタリアのダンスミュージックがいきなり量産体制に入ったわけじゃなくって調べてみたトコロそこには、ハッキリとした起点があるようです。

すべての始まりGiorgio Moroderからだった

Giorgio Moroderは、イタリア人でありながら拠点はドイツ・ミュンヘンです。

ココが重要でUSやUKのブラック・ミュージック文脈から少し距離を置いた場所で、彼はダンスミュージックを「構造」として捉え直したと言えます。

象徴的なのが、1977年にリリースされた
Donna Summer / I Feel Love と言われています。

ほぼ全編がシンセサイザーで構築され、反復するベースラインとミニマルな展開…グルーヴは人間の演奏ではなく、機械が担っています。

この曲が示したのは、

ダンスミュージックは「演奏」ではなく「設計」で成立する

という考え方だったと思います。

Giorgio Moroderは間違いなく天才です、でも重要なのは、彼の方法論が「再現可能」に見えたコトでしょうね。
ここで初めて、「天才のひらめき」を「仕組み」に落とし込める可能性が見えてきたのかもしれません。


80年代初頭、思想が現場に降りてくる

70年代後半から80年代にかけて、シンセサイザーやドラムマシンがイッキに普及してゆきます。

Linn Drum、Roland TR/TBシリーズ、Yamaha DXシリーズとか有名ですね。
こういった機材によって少人数 & 短時間で、ある程度の完成度の楽曲を作れる環境が整ったワケです。

ここでイタリアのダンスミュージックの制作環境は大きく動きました。
Giorgio Moroderが示した設計思想を、現実の制作現場に落とし込み始めたワケです。


Italo Discoが量産モデルを完成させた

80年代前半、Italo Discoという呼び名で括られる楽曲群が次々と生まれてゆきます。
ココで重要なのは、ヒット曲そのものより制作の仕方です。

中心にいたのが、Pierluigi Giombiniと言われています。

Pierluigi Giombiniは、いわゆる「アーティスト型プロデューサー」ではないでしょう、どちらかと言えば、プロジェクトマネージャーに近い存在だったんじゃないかな。

彼の関わったプロジェクト――
Gazebo / I Like Chopin や Ryan Paris / Dolce Vita は特に有名で世界的なヒットを記録しました。





これらは、強烈なメロディとシンプルな構造を持ち、文化的背景を極力排した世界仕様の楽曲です。
重要なのは、「誰が歌っているか」より「このメロディが刺さるか」が優先されている点ですね。


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渋谷の小さな店で、今思うこと

世界中で作られ、世界中で消費されたダンスミュージックの12インチシングルが、オイラの営んでいるNext Recordsに集まっている。

US盤もUK盤も、そしてイタリア盤も…それぞれ違う思想で作られ、同じようにフロアを熱くしてきた楽曲たちです。

12インチシングルは、ただのレコードじゃないっ!
その時代の制作環境と価値観が、そのまま刻まれたメディアだと思います。

もしこの記事を読んで、イタリア盤の12インチシングルを少し違う目で見てもらえたなら、ちょっとウレシイなぁ〜。
12インチシングルに針を落とせば、そこにはちゃんと「理由のある音」が鳴っていると思いますよっ!



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相変わらず、アナログレコードの人気は衰える気配がありませんね。
このブログでもコレまでに何度か触れてきましたが、もはや「ブーム」というコトバでは片付けられないトコロまで来ている気がします。

やっぱり店頭に立っていると、そういった雰囲気を肌でカンジますね。
ココ数年でレコードに興味を持ち始めた新しいお客さん。
そしてもう一方で、1990年代から2000年代のDJブームのド真ん中でレコードを買い漁っていた世代の人たちが、まるでナニかを思い出したかのように戻ってくる。

「またレコード、聴きたくなったんですよね〜」

ナンてそんなコトバを聞くコトも、珍しくなくなりました。


20年ぶりの渋谷と、10枚のレコード

先日、印象的なお客さんにご来店いただきました。
「20年ぶりくらいに、渋谷でレコードを買ったんですよ」

そう言って笑ったその人の手には、すでに他店で購入したレコードが10枚ほど入ったお買い物袋がありました。

ナニ気ない雑談の流れで、そのお客さんがこう言ったんです。

「当時に比べたら、レコードってだいぶ安くなりましたよね〜」って。

ん〜正直、オイラはちょっと戸惑いました。
ココ数年、インフレや円安、そして世界的なレコード再評価の影響で、オイラ自身はレコードの価格が上がっているという実感しかなかったからなんですよね。

「え〜?そうですか?ドッチかというと、結構値段が上がってると思いますケドね」

そう返すと、その人は袋から1枚レコードを取り出しました。

「でも、これとか、昔は3000〜4000円くらいしてたのに、1000円でしたよ」って。


オリジナル盤か、ブート盤か、それは人それぞれの価値基準

オイラは、その盤を手に取った瞬間にオリジナル盤そっくりに作られたブート盤だってコトが解りました

ジャケットの雰囲気、レーベルの再現度、パッと見だと見分けがつかないくらいよく出来ているブート盤です。

ココで少し、オイラの本音を書きます。

オリジナル盤か、ブート盤か…。
ソコに何を求めるかは、人それぞれだと思います。
とりあえず音が鳴ればイイ、曲が聴ければイイ、それも立派な価値基準です。

だから個人的には、ブート盤を買う人を否定する気はありません。

ただ、心のどこかで「あぁ……」って、ちょっと残念な気持ちになるっていうのは正直なトコロであります。

そのお客さんが持っていた10枚のうち、数枚はブート盤でした。

ハナシぶりから察するに、本人はそれらをオリジナル盤だと思って買っているようです。

でも、その場で
「それはオリジナルじゃないですよ」
とは言いませんでした。

そんな無粋なコトを言ったトコロでその人の「今日の買い物体験」が良い方向に転ぶとは思えなかったからです。


視察という名のレコード掘りで見えた景色

数日後、中古レコード販売の今の状況を把握するため、競合他店をいくつか回ってみました。
視察という名の、いつものレコード掘りです。

ドコのお店もそれなりにお客さんが入っていて賑わっていました。
そういう状況を観察して改めて、レコード人気は本物だなってカンジますね。

ただ、レコード棚を見ていて、どうしても拭えない違和感があったんですよね。

オリジナル盤、ブート盤、再発盤が、完全にごちゃ混ぜで並んでいる。

これは今に始まったことではありません。
昔からそういうお店は多かったんですが、今は明らかに違うんですよね。

もう明らかにブート盤と再発盤の割合がメチャ増えていたんですよね


あったはずのレコードが、ない理由

レコード店のエサ箱をチェックしていてカンジたのですが、数年前なら「どこの店にも1枚はあったよね〜」っていうお決まりのタイトルが、見当たらないんですよ。

その代わりに棚に並んでいるのは、オリジナルそっくりのブート盤や再発盤がエサ箱にガッツリ入っていたんですよね。

その光景を見たとき、オイラの頭に浮かんだのが、このコトバでした。

悪貨は良貨を駆逐する

このコトバ、みなさんはどんな意味で使っていますか?


「悪貨は良貨を駆逐する」という、よくある誤解

文字面だけ見ると、

「悪いものが出回ると、良いものの価値まで壊されてしまう」

そんな意味に思えますよね。
正直、オイラもずっとそう思っていました。

実はこれ、実際は違うんです

このコトバは、経済学でいう「グレシャムの法則」って言われているヤツで本当の意味はこうです。

価値の低いものが流通し、
価値の高いものは使われなくなる

つまり、価値がなくなるのではなくって使われなくなる、しまわれるというハナシなんです。


レコードに置き換えると、見えてくるもの

これをレコードに置き換えて考えてみます。

  • 悪貨=粗悪なブート盤・再発盤

  • 良貨=オリジナル盤

レコード人気が高まるホド、良質なオリジナル盤は市場に出回らなくなる。

それはナゼか。

価値が分かる人たちが、手放さなくなったからって考えられなくもないでしょうか。


逆グレシャムとしてのレコードマニア

前置きが長くなりましたが、今回のテーマはココからです。

レコードマニアは、グレシャムの法則を“逆向き”に生きているんじゃないかなって思ったんですよね。

市場で安く流通しているモノではなく、価値を感じたモノを、あえて市場から引き上げる。

転売しない。
使い潰さない。
レコード棚に入れて、何度も聴く、そして保管・コレクションする。

これは非合理に見えるかもしれません。
でも、文化的にはとても合理的な行為なのかも…つまり体験としての保全なんじゃないかなってコトです。


25年、オリジナル盤だけを扱ってきて思うコト

オイラは2000年に、渋谷でNext Recordsという中古レコード店を始めました。

創業当時メインで扱っていたのは、80年代半ば〜90年代後半にリリースされたレコードです。
つまりその時点で、リリースから15年〜25年くらい経った古いレコード盤です。

レコード店をはじめた時からすでに25年が経過しています。
2026年の今では、創業当時扱っていたレコードは発売から40年〜25年が経ったコトになります。

オイラの店は、創業当時からオリジナル盤のみの販売にコダワッてきました。

ブート盤や再発盤は扱わない…それが、店のスタンスです。

で、レコード店をはじめた当時は比較的カンタンに見つかったタイトルが、今ではホトンド出てこないってケースが近年はメチャ多くなってってコトを切実にカンジています。

どうして市場に出てこなくなったのかっていうとまぁ〜廃棄されたレコードもあるとは思いますがそれ以上に世界中のレコードマニアの棚に、静かに収まったからナンじゃないかなって思っているんですよね。


良いレコードが減ったのではない

「良いレコードって、もう残ってないですよね?」ってコレ、よく訊かれるんですよね〜。

オイラは、残ってないんじゃなくってもう「流通しなくなった」だけなんじゃないのかなってカンジています。

それが、今起きているコトなんじゃないかなって思うんですよ。

レコードの人気が上がったコトによってレアなレコードや多くの人が欲しいタイトルは、世界中のマニアがコレクションとして保有し、市場に出さなくなったんじゃないかなって思っています。

たまぁ〜に人気タイトルやレア盤は、店頭に並んでもスグに売れちゃいますしね。

結果として、店頭のレコード棚には価値の低い盤だけが残る。

これ、まさに先に書いたグレシャムの法則と同じ構造ですよね。


で、レコードは、いつ市場に戻るのか?

時々、こんなコトも考えます。

マニアやコレクターの棚にしまわれたレコードは、いつ再び市場に出てくるのか?

タブン、それは今のレコード人気が沈静化したときになりそうかなって…。

ブームが落ち着き、「今スグに売らなくてもイイ」と思える人が減ったとき、
ゆっくりと市場に戻ってくるんじゃないかな〜って思っています。

まぁ〜それがいつ頃になるのかってコトは誰にもわかりませんケドね。


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悪貨は良貨を駆逐する。
その本当の意味は、

良いものホド、
軽々しく使われなくなる

というコトなのかもしれません。

レコードマニアは、その法則を理論ではなく、日常の行動として実践している存在なんじゃないかなって思います。

価値を感じた瞬間に、市場から引き上げ、自分の人生の一部として保管するみたいなカンジかな。

あるイミ、オイラはそういうレコード手渡すシゴトをしているんだと思っています。


とは言えこれからも当店はオリジナル盤だけを店頭に並べてゆきますケドね。

もし「ちゃんとした音で、ちゃんと聴いてみたい」って思ったら、ゼヒ、渋谷のお店やWebサイトを訪れてみてください。


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店内に立っていると、毎日のように同じ光景を目にする。

レコード棚の前で立ち止まり、1枚のレコードをそっと抜き出し、ジャケットを眺め、レーベルを確認し、スマホで何かを調べる…そして一度棚に戻したかと思えば、数分後、また同じ場所に戻ってきて、もう一度そのレコードを抜き出す。

オイラはカウンター越しにその様子を見ながら、「あぁ、今まさにココロの中でせめぎ合いが起きているなぁ」って思うコトがよくあるんですよね。

「欲しい。でも、本当に買っていいのか?」

この一瞬の葛藤こそが、レコードを買うという行為のイチバン面白いトコロであり、アナログ文化の奥深さでもあるんじゃないでしょうかね〜。


レコード屋には「買うため」に来ている、でも…

多くのお客さんは、最初から「ナニか買おう」「良いレコードがあれば買おう」と思ってレコード店に来ているワケで今日は1枚くらい買って帰ろう…そんな気持ちでレコード棚を見ている人がホトンドだと思います。

それなのに、いざ本当に欲しい1枚が目の前に現れると、急に足が止まるんですよね。

「買うつもりで来たのに、なぜ悩むのか?」

これがレコードの不思議なトコロです(笑)

サブスクの配信なら、そこまで悩まずに済むコトも多いと思うんですよね、タップひとつ、再生ボタンひとつで「ハイ、コレクションに追加完了」ってカンジです。

でもレコードは違う。実体があり、価格があり、しかも多くの場合は一期一会です。

特に高額なレア盤…長年探していた12インチシングルが突然目の前に現れたとき、そのココロの揺れはかなり大きいみたいです。

欲しい。これは間違いない。でも、本当に今、買っていいのか?みたいなせめぎあいがあるようです。


欲しいと感じた瞬間、実はもう勝負はついている

オイラの経験上、レコードを手に取った瞬間に、気持ちはホボ決まっているんじゃないかなぁ。

ジャケットの雰囲気、盤の存在感、レーベルのロゴ、クレジットの文字…そのどれかが、無意識にスイッチを押している。

この段階では、まだ価格も、相場も、レア度も、頭の中では整理されていないと思うんですよね、ホント「良い」「好き」「気になる」という感覚だけが先に立ち上がっているんだと思います。

よく「衝動買いは良くない」と言われるけれど、個人的には少し違うんじゃやないかな〜って思っているんです。

この瞬間は、衝動というより「直感」じゃないでしょうか。

長年音楽を聴き、レコードに触れてきた人ほど、この直感は鋭いと思うんですよ。

ナンていうか、頭で考える前に、カラダが反応しているみたいな感覚ですね、針を落とした記憶、フロアで鳴っていた音、過去の体験が一瞬で結びついちゃう。

だから、この時点で「買いたい」という感情は、すでにココロの中の大部分を占めている状態になっていると思うんです。


それでも人は、理由を探し始める

問題はココからです。

欲しい。でも、感情だけで買ったと思いたくない。ん〜ありますよね〜こういう気持ち。

そこで人は、レコードを棚から抜いたまま、理由探しを始める。

・USオリジナルかどうか 

・12インチならではの音圧 

・このミックスはこの盤にしか入っていない

 ・コンディションがいい 

・次に出会える保証はない

スマホでDiscogsにアクセスして、相場を確認し、過去のリリース年をチェックする。

この一連の行動、オイラは毎日のように見ています。しかもコレは人種や国籍、性別・年齢関係ナシで多くの人が同じ行動になっていますね。

そして一度「よし、買おう」と決めたあと、ナゼかもう一度棚に戻す。

でも数分後、また戻ってきて、同じレコードを抜き出す。

あ〜、メチャ悩んでるな〜、って、もうそのココロの動きがビンビン伝わってくるんですよね。


ナゼ人は「買っていい理由」が欲しくなるのか

ココで少しだけ、ココロのハナシをしてみようと思います。

人は多くの場合、感情や感覚で購入を決め、そのあとで理屈を使ってそれを正当化するみたいです。

コレは、オイラがレコード屋になる前から、何度も自分自身で体験してきたコトでもあります。

買いたい。でも「ただ欲しいから買った」と思うと、ドコか落ち着かない。

だから人は、「ちゃんとした理由」を欲しがるんでしょうね。

それは見栄でも、ウソでもない。

自分は合理的な判断をしている、という感覚が欲しいんでしょうね。

この感覚がないと、心がザワザワする。いわゆる違和感をカンジちゃうですよね。

人はこの違和感を嫌う。だから、理由をつけて安心したいって思うんでしょうね…タブン。


感情と理性は対立していない

ココで誤解してほしくないのは、感情と理性は敵同士ではない、というコトです。

感情が「方向」を決め、理性が「納得」をつくる。

レコードの場合、感情が「コレだ!」って教えてくれる。

理性は、その選択が自分にとって許容できるかどうかを確認する役割を担っているみたいなカンジですね。

価格、相場、置き場所、予算。そういった現実的な要素を整理する。

この順番が逆になると、レコードは面白くなくなる。

オイラの場合、アタマだけで選んだレコードは、あとで聴いた時に「あれ?」となるコトも多いという印象があります。

逆に、感情が動いたレコードは、理由が多少後付けでも、結構印象が強く残ってよく聴いてたりレコードを購入したシチュエーションを覚えていたりしますね。


「聴いてみますか?」の一言で決着がつく瞬間

店頭でよくあるのが、このパターンです。

レコード棚の前で悩んでいるお客さんに、「よかったら聴いてみますか?」と声をかけて試聴してもらうと、多くの場合、「やっぱり、イイ曲ですね〜」という反応が返ってくる。

その瞬間、迷いはかなり消えているんでしょうね〜レコードの音は理屈をイッキに飛び越えるんでしょう。

そして「やっぱり12インチは音音がありますよね〜」なんてハナシをすると、「そうですよね〜」と頷いて、「コレ、買いますっ!」となるみたいな…。

ココで起きているのは、感情と理性の合意だと思います。

感情はすでにYESと言っていた、そして理性が、最後の確認を終えたみたいなカンジでしょうね。


「自分にご褒美」という最強の理由

もうひとつ、よく聞く理由がある。

「最近、仕事がんばったから」的な自分へのご褒美要素です。

コレは、ものすごく人間的で、健全な理由だと思うんですよね。

レコードは生活必需品じゃない。でも、レコード好きな人のココロにとっては必要なアイテムです。

がんばった自分に、少しだけ許可を出す。

この「ご褒美」という言葉は、欲しい気持ちと理性をうまくつないでくれると思うんですよ。

衝動買いではなく、意味のある選択に変えてくれる…みたいな印象がありますよね。

ん〜コレ、誰が最初に言ったのかわかりませんが実にウマい表現ですね。


買わなかった後悔のほうが、ずっと重い

コレね〜オイラ自身、何度も経験してきましたね。

これまでに「今日はやめておこう」と棚に戻したレコードはン百枚、いやン千枚は在ると思います。

数日後、あるいは数年後に思い出すんですよ。

「ナンであのとき買わなかったんだろう…」って。

不思議なコトに、買って失敗した記憶より、買わなかった後悔のほうが、ずっとココロに残るんですyね。

手に入れるチャンスがあったのに、逃したという感覚は、あとからジワジワ効いてくる。

だからこそ、人は最終的に「買う」という選択をすると、心が安定するみたいトコロありますよね。


レコードを買うという行為の正体

レコードを買うコトは、音楽を買うコトでもあり、モノを買うコトでもあります。

でもそれ以上に、「自分の気持ちを整える行為」っていう要素もあるんじゃないかなって思うんですよ。

悩むのは、「真剣」だからだし理由を探すのは、自分を大切にしているからですよね。

そして、最終的に1枚をレジに持ってくるときの、あの少しホッとした表情。

あれを見るたびに、「欲しいレコードが見つけるコトが出来てよかったなぁ」ってカンジちゃうんですよね。


ALICIA KEYS / NO ONE
ALICIA KEYS / NO ONE の試聴
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渋谷のレコード店の片隅から

レコード店ではこんな小さなココロのドラマをいつも見続けているワケです。

棚の前で悩む時間も、理由を探す時間も、あるイミではレコードを楽しむ要素のひとつですよね。

もし、あなたが次にレコードを手に取って迷ったら、こう思ってほしいんですよ。

「実はもう、気持ちは決まってるかもしれないな」って。

そのレコードを買う理由は、あとからいくらでも見つかる。

そして、その1枚は、きっとあなたの生活のどこかで、静かに鳴り続けていると思いますよ。

ん〜ちょっとポエミーな表現ですが(笑)


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「レコードって最近また流行ってますよね?」
そんな一言から会話が始まるお客さんが増えてきた。

再評価、再発見、リバイバル…まぁ〜理由はいろいろあると思うけど、サブスク全盛の今だからこそ、
音楽を手で触る体験に魅力をカンジる人が確実に増えているのを、日々の接客の中で実感しています。

初めて来店した人が、
「また来ますっ!」
と言って、数週間後に再びご来店いただける…しかも毎回、数枚ずつレコードを買っていってくれる。

ん〜店主として本当にうれしい瞬間であります。、
その流れの中で、最近ちょくちょく訊かれる質問があるんですよ。

それが…

「レコードって、どうやって整理したらいいんですか?」


レコード整理は、実はめちゃくちゃ難しい

正直に言うと、オイラはこの質問に一言で答えられた試しがないんですよ。

ナゼなら、レコードの整理方法って 万人に通用する正解が存在しないと思うんですよね。

・持ち主の音楽の趣味は千差万別
・聴くジャンルも年代もバラバラ
・しかも気分は日によって変わる
・気づけば枚数はどんどん増える

最初は30枚だったコレクションが、いつの間にか100枚、300枚、500枚……時間の経過と共に無限大に増殖してゆくっていうのはレコード好きにはアルアルです。

それで「今日はあれを聴きたいっ!」って思ったのに、お目当てのレコードがドコにあるかわからない。
見つける前に疲れて、諦めてしまい結局いつもの1枚を聴くっていうパターンもお決まりですね。

「レコードは、どうやって整理したらイイの?」っていうこのお悩みの人も結構多いんじゃないでしょうかね。


よくある整理方法、でもどこかしっくりこない

一般的に知られているレコード整理法といえば、

  • ジャンル別

  • アーティスト名のアルファベット順

  • 年代別

レコード店の売り場も、ホトンドがこのスタイルで店頭に並んでいますね。

モチロン、これは間違いではないですよ、むしろ「戻しやすい」「探しやすい」という点では、とても優秀な整理方法だと思います。

でも、家でレコードを聴く時ってレコード好きは我々は本当にこうやって探しているだろうか?っていう観点からするとちょっと違うと思うんですよね。


人は「ジャンル」でレコードを探していない

認知心理学的に見ると、人がレコードを探すときの思考はこんなカンジのようです。

  • 今は夜だから、ちょっとメロウなやつ聴きたい

  • 雨の日に合う曲

  • 昔よく聴いてた、ちょっと懐かしいカンジの曲

  • 友だちが来るから、間違いないアガる曲

つまり、検索軸はその雰囲気やシーン、はたまたその日の天気や気分によって毎回変わっていると思うんですよね。

ジャンル → アーティスト → 曲 っていうお目当てのレコードへ一直線の探し方っていうのは、実はかなりレアなんじゃないでしょうかね。

ココでオイラは気づいたんですよ。

レコード整理って、「収納」じゃない。
情報設計 なんじゃないか?って。


レコード整理=情報設計という考え方

情報科学の世界では、「情報そのもの」よりもどうアクセスできるかってコトが重要視されるそうです。

レコード1枚には、

  • 音(音楽)

  • ジャケット(視覚情報)

  • プレス国・年代(背景)

  • 自分の思い出・使いどころ

こういったカンジの情報が詰まっているんだケドそれを「棚をきれいに並べる」っていうだけで解決しようとするから、ムリが出るんじゃないのかって思うんですよね。


たどり着いた答え:「レイヤー分離型レコード整理法」

オイラ自身、散々試行錯誤した末に、「コレはイイんじゃないのか」っていうレコード整理の考え方があるんですよ。

それが
レイヤー分離型レコード整理法

まぁ〜気取ったそれっポイネーミングだけどやっているコトは、意外と全然シンプルなんですケドね。


固定棚と可動棚(箱)を分ける

まず、すべてのレコードには正式な住所を与える。

これが「固定棚」です。そこには下記のようなカンジで分類するワケです。

  • フォーマット別 (アルバム・12インチシングル・7インチシングル)

  • ジャンル → アーティスト順

ココの並びは個人の感情をまったく入れないようにします。もうシンプルにアルファベット順で並べるワケです。
で大事なのはレコードを戻す場所が常に同じであるコトが最優先になります。

例えばMichael JacksonのThrillerなら「Pops」や「Soul」ジャンルの「M」の棚に必ず入れるワケです。コレはもう絶対にココに入れると決めたらそのレコードの固定の住所となります。

そして、もうひとつ用意する。

それが 可動棚(用途別セレクション箱)というワケです。


可動棚(箱)とは「今の気分」を入れる場所

可動箱には、

  • 最近よく聴く盤

  • 今ハマっている音

  • シーン・シュチュエーション別

  • DJ用

その時々の気分や用途に合ったレコードを複数枚選抜して入れる。この選抜する枚数は人によりますケド、オイラの経験では選抜する枚数が増えるとルーズになりガチなのでパッと選べるくらいの枚数がベストだと思います。

で、ココがミソで、「その可動箱には絶対に永住させない」というコトが大事です。

一通りの役目が終わったら、必ず固定棚に戻すというルールを徹底するワケです。

棚は静的にそして体験は動的にという分け方です。

この分離ができた瞬間、レコード整理が一気に楽になると思うんですよね。

コレ、DJプレイをする人ってこういった分類の仕方をしているんじゃないでしょうかね。

キチンと分類されているレコード・ライブラリーから目的のプレイに応じてセレクトしたレコードを選抜して箱に入れてゆくというコト。

コレをアレンジしたカンジの分類となります。


さらに効いてくる「一行メモ」

そして、もうひとつ…オイラが本気でオススメしたいのが「一行メモ」です。

これは、レコードに直接貼る必要はなくって下記のようにします。

  • ノート(アルファベット順に一行のメモを書き留める)

  • カードやラベルシール(ジャケット貼ったり、入れたりする)

  • スマホのメモ

  • Discogsのコレクション「note」欄

自分のスタイルにあったらどれでもイイと思います。

で、書くのは、

  • どんな気分に合うか

  • どの時間帯がいいか

  • A面よりB面

  • 使ったときの印象

たった一行でいいと思います。あんまり長く書くと義務感が出てきて面倒になりますからね。

で、この時に書いた一行が、あとから効いてくる。


枚数が増えるほど、メモは「財産」になる

100枚くらいまでは、正直、記憶でなんとかなると思います。

でも500枚、1000枚を超えてくると、記憶は必ずこぼれ落ちてきます。

その時に、過去の自分が残した一行が、未来の自分を助けてくれるワケです。

「そうそう、この盤、こんな時に良かったんだ」みたいなカンジですね。

レコードの整理が、自分の音楽遍歴を辿る行為に変わる瞬間でもあります。


規模別・レイヤー分離型整理の考え方

100枚規模

  • 固定棚:シンプルにアルファベット順でOK

  • 可動箱:1箱

  • メモ:気軽に

500枚規模

  • 固定棚:ジャンル設計が重要

  • 可動箱:用途別に2箱

  • メモ:判断のために必須

1000枚以上

  • 固定棚:完全固定

  • 可動箱:最大3箱

  • メモ:第二の脳

枚数が増えるほど、動かさない領域を強くするのがコツとなります。要するにレコードを動かしても元の場所にキチンと戻さなかいから行方不明になっちゃうんですよね。なのでその時の気分によって聴くレコードと今は聴かないレコードを分けるという考えです。


レコード整理は「完成」しない

でオイラは思ったんですがレコード整理は、「完成しない前提でやるもの」ナンじゃないのかって。

なぜなら、

  • 趣味は変わる

  • 聴き方も変わる

  • 人生も変わる

だからこそ、動かせる余白を残すんですよ。


物理はシンプルに、意味は自由に、記憶は外部化する

そしてこれが、長期に渡って大量のレコードをコレクションしていて様々な並べ方を試してきた今のオイラの結論だ。

  • 棚は静的

  • 体験は動的

このバランスが取れたとき、レコードは増えても破綻しない趣味になるような気がします。



T.H.P. ORCHESTRA / TWO HOT FOR LOVE
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渋谷の店で、こんな話をよくしてます

オイラの店では、レコードを売るだけじゃなく、こんな整理の話もよくしている。

「コレだっている正解はナイですよ」
「でも、楽になる方法はありますよ」

そんな会話をキッカケに、またレコードを楽しんでもらえたら、店主としてこれ以上うれしいコトはないですね。

もし今、レコードの整理でちょっと立ち止まっているなら、今日のハナシをヒントに、自分なりの並べ方を考えてみて欲しいなぁとも思います。

レコードは聴くだけでなく並べたり選んだりっていうコトもレコードコレクションの大事な楽しみのひとつですからね。



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このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。


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neworder_subculture_ger
あけましておめでとうございます。
2026年もスタートしました。

今年もNext Recordsは変わらず、
「こんなイイ曲があったなんて!知らなかった〜」
と、思わず声が出てしまうような良質なオリジナル盤12インチシングルを紹介できるよう、渋谷の片隅で黙々とレコードを掘り続けていく所存でございます。

どうぞ今年も、ご贔屓に。


新年の一本の電話から始まった違和感

年末年始の休業中、地元の友人から新年の挨拶を兼ねた電話がかかってきました。
もう何十年の付き合いになるヤツで、昔は一緒にレコード屋を巡ったり、夜な夜なクラブやライヴに出向いて音楽のハナシで盛り上がったりした仲です。

近況報告をひと通り終えたあと、向こうが少し間を置いてから、こんなことを言い出しました。

「なあ……最近、レコードで音楽聴いてるんだよ」

思わず「は?マジで?」…正直、ちょっと驚きました。
というのも彼はオイラと同世代で、80年代は完全にアナログ世代。けれど90年代に入ってCDが主流になると、レコードからは自然と距離を置き、その後はiPod、そして今ではスマホ & サブスクというごくごく一般的な「現代的リスニングスタイル」を長年続けていたからです。

そんな彼の口から、今さら「レコード」というコトバが出てくるとは思っていなかった。


バーで流れていた「ただのBGM」が心を揺さぶったハナシ

彼のハナシを聞くと、キッカケはとても些細な出来事だったようです。
仕事の帰りに会社の同僚と入ったバーで、たまたま店内BGMとしてアナログレコードがかかっていたそうなんです。

特別な選曲でもなければ、オーディオがとんでもなく高級だったワケでもない。
ただ、レコードで音楽が流れていただけ。

それなのに彼は、その音に妙に心を掴まれたと言っていました。

なんだか昔の感覚がフラッシュバックしたらしいとのコト。

「ナンカさ…音がさ…理由は分からないんだケド……めちゃくちゃ良く聴こえたんだよなぁ」

この「理由は分からない」というコトバ。
オイラはここに、今回の記事のテーマが全部詰まっている気がしました。


なぜ「レコードの音」は記憶に残り続けるのか

その日以来、バーで聴いたレコードの音がずっとアタマから離れなかったそうです。
仕事中も、家に帰ってからも、フトした瞬間にその時聴いたレコードの音を思い出すみたいなカンジだったそうです。

そしてついに我慢できなくなって、レコードプレイヤーを購入。アンプとスピーカーを揃え、自宅でレコードが聴ける環境を整えた、と。

当然オイラがレコード屋をやっているコトは知っているんですが、オーディオ選びについては相談できなかったらしい。

「なんかさ……プライドが邪魔してさ(笑)」

まあ、その気持ちも分からなくはない。
オーディオとか音楽って、妙に自分の領域を守りたくなるものですからね~(笑)


家で聴くレコードの音はやっぱり格別だった & 日常の変化

そして実際に自宅でレコードを聴いてみた彼は、こう言いました。
「やっぱりさ、家で聴いても音が全然イイんだよなぁ~」って。
今では奥さんも一緒にレコード屋巡りをして、休日に盤を掘るのが楽しみになっているそうです。
残念ながら彼の趣味は当店では扱っていないジャンルなので、ウチでは買ってもらえていませんが(笑)、それでもレコードを愛する人が身近に増えたコトは、オイラとして素直にウレシイ出来事でした。

ただ、電話口で彼が何度も繰り返していたコトが、ずっと引っかかっていました。

「レコードって、音がイイよな〜」


レコードは本当に「音がイイ」のか?

オイラにとっては、もはや当たり前すぎるそのコトバ。
でも、あらためて考えてみると、これはなかなか不思議な評価です。

レコードは、音溝とレコード針が物理的に擦れ合うという、かなり原始的な仕組みで音楽を再生しています。摩擦がある以上、ノイズは避けられないワケです。さらにホコリの影響も受けやすいし、再生環境によって音は大きく変わるという事情もあります。

音響的・工学的に見れば、CDやデジタル音源のほうが圧倒的にクリアで正確だと思うんですよね。

それなのに、なぜ多くの人が
「レコードの音はイイ」
と感じるのでしょうか。
ホントにレコードって音がイイのか?それって、どういう意味で?
そういったコトがちょっと気になったんですよね〜。


人は音質を「感情のフィルター」で判断している

自分なりに考えてみて行き着いた答えは、レコードの音の評価って、人間特有の感情や知覚のクセに大きく左右されているんじゃないのか…というコトでした。

人は「音質を評価しているつもり」でも、実際には
感情、身体感覚、記憶、体験――
といった人間特有のフィルターを通して音を聴いています。
コレは、意識しなくても音楽を聴くとう行為事態がもう確実に自分のメモリーに何らかの作用をもたらしますからね。

つまり、音質とは
音そのもの+感情+体験の総和…なんじゃないかと思うんですよ。

レコードにはチリノイズやパチパチ音とかがあります。
コレは音響的には確実にマイナスなんだけど、そういったノイズを人間の感覚は生々しさや空気感としてプラスに働くコトがありますよね。
これは錯覚ではなく、人間の脳の自然な働きなんじゃないかなって思うのです。


レコードを聴くという「体験型」の音楽の楽しみ方

スマホとイヤホンで音楽を聴く行為は、今や水を飲んだり息をするのと同じくらい、無意識に近いものになっているとも思います。

一方で、レコードを聴くという行為はちょっと違うカンジがするんですよね。
レコード棚から盤を選び、ジャケットを眺め、慎重に針を落とし、回転を眺める。

この一連の動作そのもの…要するに今からレコードを聴くモードに入るというのが、音楽体験を特別なモノにしているって思うんですよね。
レコードの音が良く感じられる理由は、音だけでなく、この「体験」が深く関係しているのだと思います。


レコード屋という場所も、音楽体験の一部

レコード店に足を運び、棚を眺め、知らない盤に出会う。
ジャケットに惹かれてたり、クレジットを読んだり、お店のレコメンドを読んだりして購入する。

こうした「聴く前の体験」も含めて、レコードの音は評価されているという部分もあると思うんですよね。
オイラ自身の体験としても学生の頃に頻繁に通っていたレコードや数えるホドしか訪れたコトがない海外のレコード屋でどんなレコードを買ったとかって結構、思えていますしね。

また最近、オイラがインスタで紹介したレコードが結構な割合で購入されているのも、音楽と一緒にそのストーリーや文脈を届けられているからなのかなぁってカンジるんですよね。


12インチシングルというフォーマットの魅力

ちなみに、
12インチシングルは特にこの「体験性」が結構強いと思うんですよ。

・音圧
・グルーヴ
・空間の広さ

といった、まぁ~理屈もありますがそれ以上に
「針を落とした瞬間の説得力」が違うってコトです。

クラブミュージックやダンスミュージックが12インチでこそ本領を発揮する理由も、ココにあると思うんですよね。


レコードの音がイイという評価は、間違いじゃない

「感情に左右されている」と聞くと、錯覚とか、思い込みとか、ネガティブに感じるかもしれません。

でもオイラ個人的には、それを間違いだとは思わないんですよね…少しでも感情が動いたなら、それは立派な音楽体験だと。

音楽を「聴く」のではなく、「体験する」

今回このテーマを書いていて、オイラ自身、思ったのは、レコードで音楽を楽しむというのは、純粋に音楽を聴くというより、レコードで音楽を体験するコトなんだなぁっというコトでした。

NEW ORDER / SUB-CULTURE
NEW ORDER / SUB-CULTURE の試聴
next recordsのサイトでNEW ORDERのレコードを探してみる

2026年も、埋もれた名盤を掘り続けます

2026年も、とても良い曲なのに埋もれてしまっているレコードを、1枚でも多く紹介できるよう、Next Recordsは掘り続けますっ!

渋谷で、12インチシングルに特化した、ちょっと変わった中古レコード店ですが、音楽を「体験」しに、ふらっと遊びに来てもらえたら嬉しいです。

今年も、どうぞよろしくお願いします。

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