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当店は、12インチシングルというアナログレコードの中でもかなりニッチというか、ちょっと変わったフォーマットのレコードをメインに販売しているレコード店なのですが、12インチシングルには正規盤というのとPromo盤というのが、存在しています。
一般的にレコード=アルバム(LP)って思われガチですが、このアルバム(LP)にも同様に正規盤とPromo盤が存在していますが、この部分はあまり特筆されません。
というのもホトンドのアルバムは、正規盤もPromo盤も内容が同じ場合が多いのでその違いの差を比べるコトはあまりナイので意識されないようです。
しかしっ!当店で扱う12インチシングルでは、正規盤 or Promo盤という違いに関して、かな〜り重要になってきたりします。

先日もお店にご来店頂いたお客さんとこんなハナシをしました。
「〇〇ってレコードを探しているんですが、全然見かけないんですよね〜」って、手に入れたくてってお探しのレコードがあるんだけど、見つからないのを嘆いていました。
「あ〜ソレ、Promo盤だけしか出てなくって人気もあるんで、なかなか出てこないんでしよね〜」ってオイラが言うと・・・。
「結構、知名度の高い曲だと思うんだケド、ナンでPromo盤しかナイんすかね?」って訊かれました。

タブン、コレは、まぁまぁヒットしたりしてそのアーティストを代表するくらい名曲なんだけど、ナゼかPromo盤の12インチシングルだけ、限定的に生産されて正式に正規盤がリリースされなかった・・・というのは、ナゼか?ってコトですよね。
ん〜ソレは・・・正直なトコロ、解りませんっ!(`・ω・´)キリッ
Promo盤とはナニか・・・っていう解説は、コチラを読んでください。
「説明しよう、プロモ盤とは・・・。」

じゃあナンで、プロモーション用のレコードは、生産されたけど一般向けの販売用のレコードが生産されなかったのか・・・っていうのは、もうレコード会社の戦略というか販売計画による方針で決定されているんでしょうね。
レコード会社的には、アーティストがレコーディングした楽曲をそもそも「コレはイイっ!絶対に売れるっ!」ってある程度確信をもって販売に至ると思うのです。
だけどコレ・・・販売する側に携わる関係者的には「絶対に売れるっ!」って心情的にはそう思ってはいても実際に売れるかどうかは、市場に投入してみないとどういった評価になるのか解りません。
そのために、まずレコード会社は、この曲がリスナーに受け入れられるかのかどうかっていうコトを調べるために、発信力のある人達・・・つまりラジオ局だとか影響力のあるDJだとかに限定数のレコードを作って配布して、市場のウケを調べたりします。
ラジオのエアプレイでのリクエストの入り具合とか、DJがプレイするクラブでのオーディエンスの盛り上がり具合は如何ホドか・・・ってコトをリサーチするワケです。
プロモーションを仕掛けた曲の人気の度合いをそういったラジオ局やクラブDJからのフィードバックを鑑みて、その曲を一般販売用に生産するかどうかを判断するというのが、Promo盤の役目となります。
Promo盤を配布後に、多くの人にその曲が受け入れられれば、もうその時点である程度の売上というか数字は、見込めますよね・・・じゃあ、販売用のレコードを生産するか・・・ってコトになるワケです。
だけど、プロモーションしたケド、全然ウケなかった、スベった・・・ってなると、経費をかけて一般販売用のレコードを作っても意味ナイので、その曲は一般販売用のレコード、いわゆる正規盤が作られないママで終わっちゃうというコトになります。
まぁ〜本来のPromo盤の役割というのは、こういったマーケティングのリサーチが目的で生産されるというワケです。

しかしっ!実際は、上記のようなシンプルなマーケティング・リサーチだけでは決してなくって、レコード会社的には複雑な思惑や販売戦略が練られて正規盤をプレスするのか否かって判断されています。
特にシングル曲については、相当な販売戦略が盛り込まれています。
タブン、シングル盤でのセールス的な成功は、そのままアルバムのセールスにメチャ、影響があるというのが、その理由だと思います。
当店では「12インシングル命っ!」って12インチシングルを激推ししているワケですが、レコード会社としては、12インチシングルの販売なんて全体の売上からしたら、全然対したコトなくって本丸本命なのは、ズバリ「ドレだけアルバムを売るのか」っていうコトにかかっているワケです。
やはり12インチシングルって、フツーに音楽を楽しむ一般リスナーの人からすれば、オーバースペックな部分もありますからね。
ソレよりも1〜2曲しか収録されていなくって、販売価格も安価なシングルよりも様々な曲が収録されてシングルよりもより高額で販売出来るアルバムの方がレコード会社としては利益が高いですからね。
12インチシングルもアルバムも見た目は同じ大きさでなので、材料費や流通コストは同じナンだけど販売価格は何倍もアルバムのほうが高い・・・ってなれば、やっぱりレコード会社的にはアルバムの販売にチカラをいれますよね。

上記の理由から、プロモーション用シングルをプレスしてラジオやクラブで話題になったりすれば、本来であれば正規盤としてシングルを販売するワケですが、シングルを販売しなかったら・・・。
しかもその人気の曲がアルバムに先行して発表されて話題沸騰中で、多くの人が「この曲を自宅で聴きたいっ!」って思っている最中で、「あのヒット曲が収録っ!」ってカンジでアルバムを発売したら・・・。
そりゃ〜皆さん、「デターーーーっ!コレだーーーーっ!」ってアルバムを購入するというワケですよ。
しかもシングルよりも利益の高いアルバムが、売れるというコトはレコード会社としては、最高の結果に結びつくというコトですね。
では、逆にプロモーション段階で先にシングル曲を正規リリースしたら、話題の曲なのでトーゼン、シングル盤の売上があがります。
しかしその後、そのシングル曲が収録されたアルバムをリリースしたらもうシングル盤を買った人全員が、アルバムを買うでしょうか・・・ってハナシになります。
ま〜タブン、一部の人はアルバムを買うかもしれませんが、シングル曲でお腹いっぱいになって「もう他の曲はイイや・・・」ってアルバムの購入を見送るってコトもアリますよね。
他にイロイロなセールス・プロモーションの方法はありますよ。
先に書いたような期待された曲がアルバムに収録されて販売された後に、その曲がシングルカットされてしかもそのシングルには、超豪華なフューチャリング・アーティストが参加していたり、アルバムバージョンより盛り上るRemixが収録されていたら・・・、アルバムを買った人は、その後にリリースされたシングル盤も買おうっ!ってなるかもしれませんよね。

コレ、いまから何十年前も前のアナログレコード時代のプロモーション手法ですが、CD時代になっても応募券だとか映像特典だとか特別ダウンロード・コード進呈だとか「コレでどうだっ!」「コレでもかっ!」ってカンジでレコード会社のアツいプロモーション戦略が実施されているのは今も昔も変わらず・・・ってカンジです。
ホント、20年以上もアナログレコードの販売に携わっているオイラもレコード会社が当時どういった戦略で「Promo盤だけで正規盤をリリースしなかったのか」という明確な判断基準は、ホント解りません。
だけど、そのPromo番だけのリリースだとか、正規盤には、未収録のバージョンがPromo盤に収録されているとか、US盤には未収録のMixがEU盤のPromo盤に収録されているだとか・・・そういった各レコード会社の思惑とか同じレコード会社であっても各国の支社の販売戦略の違いによる異差というか歪というかそういったちょっとしたコトをアピールするコトで私達のような中古レコード販売店は営業できている部分もあったりするのは事実ですからね。

PRINCE / LITTLE RED CORVETTE
PRINCE / LITTLE RED CORVETTE の試聴
next recordsのサイトでPRINCEのレコードを探してみる

上記のPRINCE / LITTLE RED CORVETTE は、世界的にも知名度抜群の名曲で間違いなくPRINCEの代表曲とも言える1曲ですよね。
この記事の冒頭にあるピクチャー・ジャケットは、GERMANYプレスの正規盤12インチシングルなのですが、こんな有名な曲にも関わらず、USプレスはPromo盤だけのリリースなんですよね。
つまりアメリカでは正規盤の12インチシングルは、存在しないという状況なのです。

ナンで、レコード会社は、Promo盤だけプレスして正規盤をリリースしなかったのか・・・っていう明確な答えはありませんが、緻密な販売戦略を考えた結果、そういう判断をした・・・ってコトになるんでしょうね・・・タブン。
実際にホントのトコロは、どうなんだろう・・・具体的なタイトルの例をあげて「ナゼ、この曲をシングル・カットしなかったんですか?」ってメチャ訊きたいですね。

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