渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:レコード店

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おかげさまで、緊急事態宣言明けの6月以降、渋谷の実店舗へのご来店も少しずつではありますが、増えてきました。
本当にありがとうございます。
そして、新型コロナウィルスの影響下の巣ごもり需要でアナログレコードで好きな音楽を聴き始めた人も結構、多いようで当店のネット販売でも新規のお客さんがとても増えました。
お店としては、2ヶ月もの間、営業自粛という店頭販売が出来ない状態だったのですが、ネット販売の売上は前年同月比よりUPしたという不幸中の幸いという結果でした。
この2ヶ月の間は、レコード店主としてホント、イロイロ考えさせられるコトが多々ありました。
3月のNew Yorkの状況とかをニュースで見て、「これからどうなるんだろう・・・」って相当、ビビってたのは事実です・・・(笑)
あの時は最悪、スタッフが罹患したらどうしよう・・・ってコトまで考えてましたからね。
2ヶ月もの間、ご無沙汰だった常連のお客様とも再開出来たし、ホント生きてレコードを再び、聴いて楽しめるというのは、幸せだというコトを改めて実感した次第であります。

で、ココ最近、はじめて渋谷の店舗にお越しいただいたお客さんとハナシをする機会があって、如何に当店の知名度がまだまだ全然ショボショボなのかっていうコトを感じる機会が何度かありました。
店主としては一応、渋谷 宇田川町で20年間レコード店を営んで来たのでそれなりにお客さんに知ってもらっているのではないかなぁ・・・って思っていたのですが、全然そんなコトなかった・・・というコトでした。
店舗自体にも小さいですし、メインに取り扱っているレコードもかなりセレクトしているし、マーケット自体もウルトラニッチですしね。
だけど、そうは言っても20年の間、同じ場所でレコードを販売し続けていたので、ソコソコはイケてるんじゃないかというちょっとした自負もあったのですが、全然イケてませんでした・・・トホホ・・・。

お店の中の人的には、開業当時の20年前から現在に至るまで継続してきたレコード店ですが、例えば今年からレコードを聴き始めた人からすれば、その過去20年っていうお店の歴史とかってまったくカンケーないですしね。
極端なハナシ、20年前から営業しているお店であろうが、今年から営業しているお店であろうが、はじめてレコードを購入していただくコトになったお客さんからすれば、そんなの全然知ったコトではナイっていうコトですからね。
コレは、店主としては、少々ザンネンな気持ちもあるのですが、オイラがナニかコレクタブルなアイテムの蒐集を新たに始めたりしたら・・・例えば、アンティークな雑貨とかのコレクションをはじめたとして、ネットで欲しいアイテムを探していたりなんかすると、見つけたお店がナン十年も前から営業している老舗のショップであろうと、今年できたばっかりのショップであろうと、そんなコトは全然カンケーナイって思うしね。
要は、自分が手に入れたいアイテムがそのショップにあるのか?って部分だけで、選ばれるんじゃないかなってコトだと思うです。
そういうコトを考えると、ホント毎日が「今日新規オープンしたお店である・・・」という気持ちで、商品を仕入れて紹介しなきゃいけないなぁ・・・って思う次第であります。

だけど、当店はレコード店としてはちょっと解りにくい、というか伝わりにくいコンセプトのレコード店であるのは事実です。
12インチシングルが好きっていう当店のコンセプトにドンピシャな人からすると、「ナンじゃ〜?このレコード屋は?ヤバスギルっ!」って思っていただけるかもしれませんが、「ほしいレコードがアレばイイな〜」ってカンジで漠然と「レコード」というアイテムを探している人からするとちょっとワケのわからナイ、レコード屋のように感じるみたいです。

とうわけで、改めてnext recordsってどんなレコード屋なのか・・・ということについてQ&A方式で説明したいと思います。
はじめて当店へご来店いただいたお客さんから時々訊かれる質問等もあわせて解説したいと思います。

「next recordsってどんなレコード店?」
東京 渋谷の中古のレコードを販売しているレコード店です。2000年より営業しています。
当店の沿革についてのコラム - Vice レコード屋の言葉

「どんなレコードを売っているレコード店なの?」
レコードには、1枚のレコード盤に多くの曲が収録されたアルバム(LP)と、1〜2曲しか収録されていないシングルとがあるのですが、当店では、シングルのレコードだけを販売しているレコード店です。
さらに、シングルのレコードには、大きく区別するとレコードのサイズが7インチ(約17cm)と12インチ(約30cm)のシングルが存在しますが、当店では12インチサイズのシングルだけを販売しています。

「HPには、オリジナル盤って書いてあるけどソレってナニ?」
レコードは、その曲が発表された年に作られたレコードと、後年になって作られたレコードが存在します。その曲が発表された年に生産されたレコードを「オリジナル盤」といいます。
曲が発表された後年になって生産されたレコードを「再発盤・復刻盤」といいます。当店では、その曲が、発表された年に生産された「オリジナル盤」のみの販売をしています。
レコードのオリジナル盤についてのコラム

「12インチシングルのメリットってナニ?」
アナログレコードは1枚の盤面に多くの曲を収録すると音質が低下してしまうという構造上の問題があります。
アルバム(LP)は、多くの場合片面に4〜6曲を収録していますが、12インチシングルは、片面に1〜2曲の収録で音溝にゆとりを持って刻むことでアルバムに比べると、よりダイナミックなサウンドで記録できるというメリットがあります。
同じ曲でアルバムに収録されているものと12インチシングルに収録されているものとを聴き比べれ、その音質の違いは歴然です。

「オリジナル盤の良さってってナニ?」
先に紹介した「レコードのオリジナル盤についてのコラム」にも書いていますが、一般的に再発盤に比べて音質が良いとうメリットがあります。
また、再発盤に比べてオリジナル盤の希少性やコレクタブル性が高いレコードとなります。

「どんなジャンルのレコードを売ってるの?」
当店では、12インチサイズのシングルというメディアに特化したレコード店なので音楽のジャンルでの専門性には特化してはいませんが、12インチシングルのニーズが高い、ダンス・ブラックミュージック、POPS系のレコードが比較的多いです。

結構、長くなってきました・・・また思いついたら追加していこうと思います。

ANANDA PROJECT / KISS KISS KISS (PT. II)
ANANDA PROJECT / KISS KISS KISS (PT. II) の試聴
next recordsのサイトでANANDA PROJECTのレコードを探してみる

実は、こういったショップのアピールってもっと全面的に押し出した方がイイんじゃないかな・・・ってこのコロナ問題で営業自粛している間に考えてたんですよね。
欲しいモノをドコで買うかっていう購買動機って以前であれば、「一番安いお店で買うっ!」ってケースが多かったのですが、マニアックなアイテムやこだわりのアイテムなんかは、「多少値段は高くても信頼のおけるお店や人から買いたい」っていう購買動機にシフトしつつあるっていうコトをよく聞く様になりました。
ソレに、先で書いたように当店の知名度は、ショボショボなので今一度、お店のアピールの仕方を見直した方がイイかもって思ったりなんかしたんですよね。
ドコまで出来るか判りませんが、多くの人に必要とされるレコード屋になれるように日々精進したいと思う次第であります。


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毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。


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自粛も終わって通常運転中の東京 渋谷 next recordsです。
先日、閉店間際の19時半頃にご来店いただいたお客さんから
「撮影のディスプレイとしてレコードを10枚ぐらい購入したいんですケド、安いレコードってありますか?」って訊かれました。
ザンネンながら当店では1枚100円の激安レコードは、扱っていないので「安いレコードを売っているお店紹介しますよ〜」って渋谷のレコファンを紹介しました。
閉店時間もコロナの影響で、変則的になっているのでその場でPCで閉店時間を調べてあげようとGoogle検索すると、パッと目に入ったのが・・・
「レコファン」渋谷BEAM店が26年の歴史に幕、新型コロナの影響で営業が困難に
「えっ!マジかっ?」ってちょっとコトバを失いました・・・。
「レコファンの営業時間は20時までなので早く行った方がイイですよ〜」って本来の目的をお客さんにお伝えしましたが、上記のニュースサイトの見出しが気になって既に心ここにあらず状態でした。
お客さんがお店を出た後、レコファン閉店のニュースはアチラコチラで話題になっているようでした。
「RECOfan」渋谷店が閉店へ 24年の歴史に幕 ファン惜しむ声続々「掘り出し物の場所が」
RECOfan渋谷BEAM店、閉店へ

どうやら本当に閉店するようです・・・。
現在は、閉店へ向けて「閉店セール」を開催中となっています。
お店の規模こそ違いますが、正直ナンで?って思う気持ちがあります。
ニュースサイトの文面には、
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閉店の理由として、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休業や、来店者数の減少により営業継続が困難であることを挙げている。
-------------------
と書いています。
新型コロナウィルス問題が起きる前までは、個人的な印象では、和モノブームや、シティポップブームなどの波に乗って結構、調子良さそうに思えたのですケドね。
最近だと、帯付きの日本盤も国内、海外ともに評価が上がって結構、人気のようでしたし・・・。
以前に、聞いたお客さんからのハナシでは、レコファンは大勢の外国人客で賑わっていたとか、外国人客がレコードを山のように積み上げて購入していた・・・など、景気の良いハナシを聞いていたのですケドね。
ま〜確かに、外国からのお客さんの熱量の高さは、当店でも相当アツかったのでアレだけの在庫を抱えるレコファンなら尚更だったのかもしれません。
ダケど、このコロナウィルスのまん延で、今年の1月ごろから、外国人客の来店が激減してきたのは当店でも実感していました。
もしかして、売上の内訳としてインバウンド消費の割合が高かったのかな・・・。
しかし、3月後半からの営業自粛は、多店舗展開しているお店や、大規模店にとってはかなりのダメージだったのかもしれません。
ニュースサイトでは、レコファンは「総在庫数30万点、店舗面積800平方メートルの大型店舗」と紹介されていました。
不動産屋のサイトでは、渋谷のテナント賃料の平均坪単価は、33,000円ほどのようです。
店舗面積が、800平方メートルだと約242坪となります、ソコへ坪単価をかけ合わせると・・・798万円・・・消費税を合わせると878万円・・・実際、コレが当てはまるかどうかは定かではありませんが、渋谷のBEAMビルでは1994年から営業しているとのコトなので、賃料はずいぶん違うとは思いますが、決して安い賃料ではナイと思います。
売上ダウンと重くのしかかってくる賃料負担、それに人件費や店舗維持費・・・4〜5月にかけては緊急事態宣言で営業自粛していたハズなのでホボ売上がナイ状態・・・コレは本当にキツかったのかもしれません。
お店の規模こそ違いますがソレは当店でも、同じだったのですが店舗の維持コストが全然低い上に、巣ごもり需要の影響でネット通販が、いつもより好調だったというコトもあり、世間的には最悪な状況下の中にあっても比較的ダメージは軽度だったんですよね。
レコードの販売をしている同業の知人にコロナ渦での売りゆきの状況を訊いてみると、ドコのお店もネット通販が前年同月比よりUPしたっていってました。
一方、レコファンのHPを見てみるとネット通販は、Amazonのマーケットプレイスを利用しているようで自社サイトによる通販は積極的に行っていないんですね。

Amazonは世界でイチバン売上のあるネット通販サイトなのは事実ですが、中古のレコードやCDが売りやすいサイトなのかといわれるとちょっと微妙です。
もし、レコファンが在庫している30万枚のCDやレコードをメチャ買い物のしやすいHPでネット通販サイトしていれば・・・さらに海外へも通販できたら・・・もしかしてコロナのダメージの直撃は避けられたのかな・・・ナンて、思いました。
他にも法人向けへの卸売りや海外への卸売、海外販売展開とかも出来ないかな・・・って。

20年前に渋谷でnext recordsの営業を始めた時には、レコファンは都内や首都圏近郊に何店舗もお店を展開していたのですが、現在は今回閉店する渋谷BEAM店と秋葉原 SEEKBASE バザール店の2店舗だけの営業になっていたんですね、全然、知りませんでした・・・。
確か、渋谷だけでも3店舗くらいレコファンありましたよ。
今回閉店する渋谷BEAM店はレコファンの旗艦店です。唯一残る秋葉原 SEEKBASE バザール店はタブン、イベント的な期間限定の出店だと思うんですよね、秋葉原 SEEKBASEは、nextにもSEEKBASEを運営しているJRの関連会社から「出店しませんか?」ってオファーありましたからね。

レコファンは、実店舗での営業をやめるだけで今後は通信販売を拡充し営業を続けていくようです。
Amazonのマーケットプレイスだけで営業を続けるのか、自サイトをイチから立ち上げて拡充するのかなど、判りませんがいずれにせよ、レコード好きな立場からすると、リアルのお店がなくなるのはやはり、ザンネンな気持ちです。

で、ホント、久しぶりにレコファンに行ってきました。
閉店セール中で、店内では50人くらいお客さんがいましたよ。
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しかし・・・以前にもまして在庫が増えているような気がします。
CDもレコードもモノスゴイ量です・・・まさにカオス状態。
サスガに30万枚の在庫はハンパなく圧巻のボリュームですっ!
コレだけのCD・レコードの数があれば時間をかけてエサ箱を掘りまくれば、「コレはっ!」っていうお宝が出てくるかもしれませんね。

MILES DAVIS / TIME AFTER TIME
MILES DAVIS / TIME AFTER TIMEの試聴
next recordsのサイトでMILES DAVISのレコードを探してみる

久しぶりに訪れたレコファンでは、30分ホド滞在したのですが、店員さんがコレでもか!ってカンジでガンガン品出ししていたので、タブン、溜まりに溜まった在庫のレコードがこれから怒涛のように店頭に並ぶようなカンジなのでしょうね。
現在のトコロ、具体的に閉店の日は未定のようですが、お店がなくなっちゃう前に行ってみるのもイイんじゃないでしょうか・・・。


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6月1日より渋谷での店舗営業を再開しているnext recordsです。
お世話になっています。
おかげさまで、ボチボチお店にもお客さんに来ていただけるようになりました。
前回のこのブログ記事でも書きましたが、やっぱり楽しいですね〜レコード店を運営するのは・・・。

で、お店の営業を再開したら当店へはじめてご来店いただいたお客さんからこんな質問をいただきました。
「あの〜プロモ盤って書いてあるんですが、コレってナンですか?」
お客さんの状況を訊いてみると、コロナ自粛の間にどうやら今まで気になっていた「レコードで音楽を聴いてみたい」っていうコトを実現したようで、自粛期間にプレーヤーと数枚のレコードを通販で手に入れたそうです。
で、好きな曲をググったトコロ、当店のWEBサイトに辿り着いていただいたらしく熱心に見ていただいたとのコトです。
当店のレコードの商品説明を読んでいると「PROMO 12」とか「US盤はPROMOのみのリリースです!」や「レアPROMO!」なんていうワードが多数出てきているのを見て
「プロモ盤?ナニそれ・・・レコードとどう違うの?」という疑問を持ったそうです。
当店のようにオリジナル盤とか12インチシングルとかっていうのは、最近レコードを購入し始めたような人からすれば、「オリジナル? 12インチシングル?」ってなるのかもしれませんね。
「プロモ盤」っていうのもそんなちょっと解りにくいワードになるのかもしれません。
というワケで、「プロモ盤ってナニ?」っていう人のために解りやすく説明してみようと思います。

プロモ盤とは・・・
レコード店でのコメントや表記で説明されるプロモ盤っていうのは、レコード本体のジャケットやレーベルに下記のように記載されています。
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PROMOTION COPY. NOT FOR SALE.
この記載のPROMOTION COPYという記載のPROMOTIONを略してPROMO(プロモ)のレコード、すなわち「プロモ盤」というワケです。
このPROMOTION COPY. NOT FOR SALE.の記載がナイレコードは通常、正規盤っていうワケです。
レコードによっては、PROMOTION ONLYとかDEMONSTRATION等の記載になっています。
上記のコトバをカンタンに訳すると「販促用・非売品」ってコトになります。
つまり、「プロモ盤」というのは、「販促用非売品のレコード」というコトになります。

正規盤とは・・・
あらたに正規盤ってワードも出てきましたが、通常「正規盤」って言い方は、意識して使うコトはナイと思います。
カンタンに説明すると正規盤っていうのは、レコード会社が販売用のためにリリースしたレコードのコトです。
そう、新品でリリースされた時期にフツーにレコード店の店頭に並んで販売されていたレコードのコトです。
なので、正規盤単体で見た時に「正規盤」というコトは特に意識するコトはなく、「プロモ盤」に対して「正規盤」っていう相対する表現として使用されるコトが多いです。
使用例としては、
「正規盤には、REMIXは未収録で、プロモ盤には収録されてるよ〜」ってカンジで使います。

■プロモ盤は、販促用非売品のレコード
■正規盤は、販売用のレコード

シンプルに説明すると上記のようになるのですが、本質は非売品なのか販売用なのかというその部分ではナイんですよ。
一般的に、プロモ盤も正規盤も内容が全く同じ出れば、価値もホトンド同じです。
が、しかし世の中には、プロモ盤と正規盤とで内容が違うレコードが多数存在します。
その説明の前に、前提としてどうして販売用のレコードである正規盤とは別に、プロモ盤という非売品のレコードが存在するのかという説明が必要となります。

プロモ盤とは、「PROMOTION ONLY. NOT FOR SALE.」という記載通り、プロモーション(販売促進/販促)用で非売品のレコードなんですよ。
例えばのハナシとして説明すると、アーティストがある曲を作るとします。
で、レコード会社は、その曲を販売しようと計画します。
だけど、その曲のレコードが、ホントに売れるのか、人気になるのか、評判はどうか、というコトが解りません。
売れるかどうか解らないのに何万枚も大量のレコードをプレスしちゃって売れなかったら不良在庫になりますよね。
なので、正規盤を発売する事前に、市場調査のために、プロモーション用のレコードを少しだけ作るのです。ソレがプロモ盤というワケです。
そのプロモ盤というのは、普通のレコード店の店頭には基本的に並ぶコトがありません。
なので、基本的にプロモ盤っていうのは、制作された時期にもよりますがお店での商品管理に使われるバーコードの記載がありません。
レコード会社が、ラジオ局やCLUB DJなどに「このレコードをプレイしてください、そしてその曲をプレイした時の評判を訊かせてください」っていう目的で無料で配布するのです。
で、レコード会社は、ラジオ局やDJ達のリクエストの状況や評判を集めてその曲を正式に販売するかしないか、どれくらいの枚数をプレスするのか等の判断するデータとして利用するワケです。

プロモ盤の目的というのは、基本的に上記のようになるのですが、レコードマニア的にはコレだけではナイっていう理由もあったりします。
例えば、プロモ盤には、いくつかのREMIXやバージョンを収録したりしてその中の人気のバージョンだけを正規盤に収録して発売したりするコトがあります。
つまり、プロモ盤には正規盤には未収録の収録されているっ!っていう状態になるコトがあります。
レコードが新譜としてリリースされた80年代とか90年代の当時は、こういったコトはソレホド、注目されるコトはありませんが、後年になって中古のレコードとして出回った時にプロモ盤にだけ収録されたバージョンが評価されたりすると希少性が高まる場合があります。
各レコードの事情にもよりますが、一般的に正規盤というのはプロモ盤よりも多く作られたりします。上記のような事情があったりするとプロモ盤の価値が正規盤よりもあがるというケースが度々あるんですよね。
結構、文章も長くなってきましたので、プロモ盤のメリットなんかのハナシはまた別の機会に書きたいと思います。

THOMPSON TWINS / (BIGGER AND BETTER) LIES
THOMPSON TWINS / (BIGGER AND BETTER) LIESの試聴
next recordsのサイトでTHOMPSON TWINSのレコードを探してみる

ホント、単純というかシンプルに「プロモ盤ってナンですか?」って訊かれて説明すると、「販売促進用の非売品のレコードですよ」というコトになります。
この説明だけだと、「あ〜そうなんですね。」となります。
だけど、収録のバージョンが違うとか、プロモ盤のほうが音がイイとか、正規盤が未リリースでプロモ盤しかナイとか・・・そういった様々な事情があったりするコトで同じ曲でも正規盤とプロモ盤の価値が変わってくるコトが解りにくくなっているのかもしれません。
実際、この「プロモ盤とは・・・」って解説を書き始めたら「あのコトも書かなきゃ、このコトも書かなきゃイケない・・・」ってプロモ盤の裏側にある様々な事情のコトを説明しないと本質の部分が理解しにくいかも・・・って思いました。
でもこういったコトを知るコトで、レコードの奥深さや趣きなんかを実感出来そうな気もするような・・・?


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「臨時休業期間 39日目」の東京 渋谷 中古レコード店 next recordsです。
ナンていうか徐々にこの状態に慣れてきている自分がいたりします。
お店を営んでいるのか、いないのかというとお店を営んでいるとは思うのですが、ネットを通じてご注文を頂いたモノをピックアップしてダンボール箱に詰めて宅配業者へ渡す・・・。
ん〜はたしてコレは、レコード屋なのか、どうかっていうコトに疑問をカンジたりもしたりなんかして、でもその現状に慣れてきたり・・・複雑な気持ちです。
もしかしたら単純に、事務的な、作業的な、無機的な状況に飽きかけているのかもしれませんね・・・タブン。

そんな悩めるレコード店主のオイラですが、こんな動画を観ました。
Diggin’ Thru Japan

Diggin'Thru Japan, full length from Barras Damien on Vimeo.


2015年に撮影されたドキュメンタリー映像作品です。
解説は、こんなカンジです。
--------------------------
(timeout.jpより引用)
日本のクラブやレコードショップのカルチャーのドキュメンタリー作品『Diggin’ Thru Japan』がYouTubeで公開された。
作中では、札幌、東京、名古屋、大阪、沖縄など日本全国のクラブやレコードショップ、レコーディングスタジオなどを巡り、DJやミュージシャン、エンジニア、バイヤーたちからアナログレコードやアナログ機材、リアルの現場の重要性について聞き出している
著名なDJたちが語る日本のクラブシーンの歴史や特性、各地のレコードショップやクラブ、DJバーのオーナーたちが語る独自の地域性など、シーンを俯瞰して捉えることができる内容になっている。
--------------------------

ナンともいえない緊張感が伝わる独特な映像からなのか、ナンだか考えさせられちゃいました。
タブン、冒頭で述べた個人的な心情の部分にもかかってきているのかもしれませんね。
レコード店、DJ、音楽、パーティ、スタジオ、CLUB・・・もうすべてが今のコロナウィルスの影響化にさらされている状況っていうのが、更に心情的に複雑な気持ちにさせられます。
撮影されたのは、今から5年前の2015年というコトなので、まったくコロナウィルスのコトなんかカンケーない時期の映像なのに、インタビューに応えている人達が誰一人景気のイイ、明るいハナシがナイっていう様にカンジたのはオイラだけなのかな・・・。
相変わらず現在、都内のレコード店は、5月も半ばにしてドコのお店も休業中です。
で、CLUB、イベントも同じく休業中・・・。
インタビューの会話の中では、レコード店は減ってきている、CLUBに行く人も少なくなってきている・・・みたいなコトを言ってましたケド・・・。
撮影された時期のほうが今より、状況はイイと思うのですが、違うのかな・・・もう5年前のコトなのであんまり覚えていませんね。

オイラも今までに各国のレコード店を訪れたコトがありますが、日本のレコード店の状況とアメリカや欧州のレコード店の状況とを比べると日本のレコード店っていうのは、かなり異色な存在であるコトがよく解ります。
ま〜我々は、日本に住んでいるのでコレが当たり前だと思っていますケドね。
nextにはじめて来てくれた外国からのお客さんからは、
「ドコでこんなレコードを集めてるんだ?」とかホント、よく訊かれますしね。
あと、世界的にも著名なDJさんでも知らないような情報をレコード店のスタッフは、フツーに知っていたり、そのオタク的な情報と知識はかなりのモノだと思いますよ。
このコトは、Diggin’ Thru Japanの映像の中でも挙げられていましたね。

Diggin’ Thru Japanでは各地方のレコード店やDJさんにインタビューをしていてその地方のカルチャー・シーンにスポットをあてている構成になっていたのですが、皆さんホント地元愛に溢れていますね。
オイラは、大阪生まれの大阪育ちなのですが、あんまりこういった感情がナイんですよね・・・まぁ、だから地元大阪を抜け出して渋谷でレコード店をはじめちゃったのかもしれませんが・・・。

特に印象に残ったのは、映像の最後の方でのフラッシュ・ディスク・ランチのオーナー椿さんのインタビューですね・・・。
「いつでも本能に従う、それがベストでしょう。それでもし、良い結果が出ない場合・・・その時は、もっと失敗を重ねるべきだということです。」
イロイロな意味で重いコトバだなぁ〜ってカンジました。
オイラもこんなコト、言ってみたいっ!(笑)

DJ DOVE meets INAYA DAY / I'M TOUCHED
DJ DOVE meets INAYA DAY / I'M TOUCHEDの試聴
next recordsのサイトでDJ DOVE meets INAYA DAYのレコードを探してみる

数日前にコロナウィルスが収束に向かったといわれた韓国のCLUBでクラスターが発生したってニュースになったのですが、コレ・・・日本にあてはめるとどうなるのかな・・・って思っちゃいました。
一部の地域では、非常事態宣言が解除される動きになっていますが、イベントやパーティなんかは、まだかなり制約がありそうです。
CLUBイベントでソーシャルディスタンスを確保するってコトは、かなりムツカシイでしょう。
その部分を無視してパーティをヤッちゃうと韓国みたいなコトが起きるっていうコトをザンネンながら知らしめたようなカタチになってしまいました。
nextのお客さんにもDJさんが多いので、この部分は大きな課題でしょうね。



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「臨時休業期間 25日目」の東京 渋谷 中古レコード店 next recordsです。
もう事前に前フリされているようですが、どうやら4月7日から5月6日までの緊急事態宣言は、延長される見込みのようですね。
はぁ・・・1ヶ月まるまるお店を営業できないのも正直、キツいですが更に延長ですか・・・。
状況が状況だけに仕方ない・・・。

前回のこのブログの記事で
「はじめて当店でレコードを購入していただいたお客さんが増えてキタ!」というコトを書きました。
ホント、このご時世にありがたいです。
で、昨日のTVニュースで知ったのですが、このコロナでの外出自粛状況の中、ネット通販の荷物の量が大幅に増えているらしいです。
ウン、そうですよね、実際に当店のような小さなショップでも増えているんだから・・・。
で、ニュースではこの荷物の大幅増加を受けて注文が入った商品のピッキングや梱包、発送作業を過密状態の中で行っている・・・コレは、問題だっ!っていうコトを伝えていました。
うゎ〜なかなかコレは、難しい問題だと思います。
緊急事態宣言で多くのお店が休業して、そして多くの人が外出を控えていて、ホトンド経済が動いていない中において、ネット通販が増えているワケですが、その出荷作業でいわゆる「3密」が起きているっていうワケです。
世間では、店舗の休業で多くの人が、自宅待機やバイトが出来ない状況になっているのですが、そんな中でも大量の人員が必要となる通販会社では、シゴトはあるケド、3密でヤバい・・・って。
どうしたらイイんでしょうかね・・・3密にならないように人を減らせば、出荷が滞って最悪な場合、注文して荷物が届くのが1ヶ月後とかになっちゃうとか・・・。
当店のような小さなショップでも、年末年始の休み明けの注文分の発送作業は、バタバタな状態ですからね。
この状況が国会とかで問題にされたりなんかすると「通販も自粛するよう要請しますっ!」なんてコトを言いかねないかも・・・?

で、現在の状況の推測からするとタブン5月イッパイ、緊急事態宣言の延長になると思うんですよ。
当店のような通販も出来る小売店はまだマシだと思うのですが、飲食店とかお客さんと対面でのビジネスがメインのお店とかは、マジでキツくなるでしょうね。
東京では、「感染拡大防止協力金」といって休業に協力してくれたお店へは都からいくらかのお金が支給されるのですが、お店の規模によっては1ヶ月間の休業だと全然割に合わないワケです。
マジメな店主は、はじめは「解りました。協力しましょう!」って素直に要請を受け入れてもコレが、1ヶ月延長、で感染者が思うように減らなければ更に延長・・・ってなると、「もう限界ですっ!」ってなるのは明らかですよね。
レコードのブログなのでレコード関係で具体例を出すと都内に複数のショップを構える大手レコード店だと売上ゼロの店舗の毎月の家賃ダケでソレこそ数千万円の支出になるワケです。
更に自宅待機しているスタッフの人件費もそこに加わります。
で、2ヶ月営業できないってなると、もしかして数千万を振り切って億まで桁があがるかもしれません。
ん〜オイラがそういった複数のショップを営んでいる経営者だったら・・・タブン、夜も眠れない気がします・・・。
この5月は、レコード店としてもリアル店舗の在り方をホント、考えなければイケない月になるかもしれませんね。

先日、同じくレコード店を営む同業の知人に今後のレコード店の在り方などをハナシしたんですよね。
その知人のお店も当店と同じで売上の大半をネット通販が占めているワケですが、元々お店ありきでカタログ通販からネット通販に販路を広げていったワケです。
で、結果として お店の売上<ネット通販の売上 となったのですが、そんな中でも査定や商品化、発送なども必要なので純粋なショップからショップ兼仕事場的なお店になったという経緯があります。
そのお店のヤリ方っていうのは当店もまったく同じです。
だけど、リアル店舗の売上は割合的には少なくなったといってもまだまだ金額的にはあるので、お店売りも大切なんですよね。
しかし・・・お店売りが出来ない状況が長く続くと・・・やっぱり高額な家賃の負担が重くのしかかってきます。
当たり前なんだけど、同じ広さだと賃貸物件の場合は、事務所の家賃 < ショップの家賃 なワケです。そして、繁華街に近ければ近いホド、家賃は高くなります。
合理的な判断だと、店舗の売上がゼロならば、リアル店舗をさっさと見切ってネット通販オンリーにビジネスの転換をするっていうのもありかもしれません。
nexでは、まだ渋谷のお店をどうしようかっていうコトは決めてはいないですが、5月に緊急事態宣言が終わるのか、さらに延長があるのか、終わったとしてフツーに今までの通りお客さんがお店に来てくれるのか、また、次の感染のピークが起きないのか、で再び緊急事態宣言は発動したりしないのか・・・。
まったく今後の見通しが経ちませんよね。
コレ、レコード店に関わらず、すべての店舗に当てはめるコトができますね。
ホント、5月はマジで「レコード店の在り方を考える月間」になるかも・・・(笑)

IRENE CATHAWAY / NOW WE'RE DOING IT
IRENE CATHAWAY / NOW WE'RE DOING ITの試聴
next recordsのサイトでIRENE CATHAWAYのレコードを探してみる

毎年、4月に開催されているRECORD STORE DAYもこのコロナ・ウィルスの影響で6月20日に開催延期されましたが、どうやら緊急事態宣言の延長を受けて8月・9月・10月に「RSD Drops」として再延期した上で開催されるというコトになりましたね。
https://recordstoreday.jp/news/20200429-2/
本来であれば、リアルなレコード店へ足を運んで行ってみようっていうRECORD STORE DAYの主旨も今回はオンラインでの販売も解禁になるとのコトです。
夏になれば世界中のレコード店が今までの通り、フツーに営業できるんでしょうか・・・営業できたとしてレコード店へお客さんがちゃんと来てくれるのでしょうか・・・。
ま〜ちょっとネガティブなハナシになりましたが、人がレコードを聴きたいっ!スキなレコードを手に入れたいっ!っていう気持ちは、変わらないのでお店をやっている立場からすれば、リアル店舗であれネット通販であれ
「良いレコードを紹介する」
というコトには変わりませんからねっ!

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