渋谷レコード店日記 - アナログレコードコレクションのススメ

東京 渋谷の12インチシングル専門の中古レコード屋next. recordsで日々思ったコトやレコードについて書いてます

タグ:レコードクリーニング

innerlife_ilikeitlikethat_ita_rmx

以前、記事に書いた下記の内容
「助けてっ!買ったばかりのレコードからノイズが出る?」
この記事が、思いのほか多くの人に読んでもらえているようです。
で、上記の記事のついでにずっと以前に書いたレコードのクリーニング方法についての記事も読んでいただいているようですね。
「極めろっ!レコード磨き道!」

レコードのクリーニング方法は、ホント多くのやり方があって「コレが、ベストだっ!」っていうのは人それぞれなので自分にイチバン合っているやり方でイイんじゃないのかって言うのがオイラの本音だったりします。
このブログの読まれている記事のランキングには結構な割合でレコードのクリーニングのコトを書いた記事や歪んでしまったレコードの直し方や、キズを付けてしまったレコードについての記事が定期的にラインキング上位に入ってくるので多くの人が日頃のレコードのメンテナンスに関するコトで悩んでいたり困っていたりするんでしょうね。
上記で紹介している「極めろっ!レコード磨き道!」もYouTubeや他のブログ記事からの転載ばかりで実は、当店で実際に行っているレコードのクリーニングの方法は、全く書いていなかったりします。
まぁ〜別にシークレットにしているワケではナイのですが・・・(笑)

で先日、ご来店いただいたお客さんからこんな質問がありました。
そのお客さんは、当店でレコードを時々購入していただいているお客さんなのですが、当然ですが当店以外のレコード店でも気になるレコードを購入しています。
で、そのお客さん曰く・・・
「ネクストさんで買ったレコードは、いつもキレイなんですよ・・・」
「ありがとうございます (*´∀`*)」
「だけど、他のレコード店で買ったレコードってもう指紋がベタベタついているし、ホコリもたくさんついていて、かけるとチリチリノイズがヒドいんですよ」
「はぁ・・・そうなんですか」
「以前、レコードのクリーニングのやり方を教えてもらったんですが、それでもチリチリノイズが取れないんですよね・・・こういう時ってどうしたらイイんでしょうか・・・」
というご相談をされました。
先に書いたようにレコードのクリーニング方法に関しては、人それぞれのベストなやり方があるとは思うのですが、その自分なりのベストなクリーニング方法を実施してもそのチリチリノイズが改善しなかったら・・・どうしたらイイんでしょうかねっていうコトのようです。

と言うワケで、今回は実際に当店で行っているレコードクリーニングの方法を紹介したいと思います。
当店では、海外から仕入れたレコードと国内で個人から買い取りさせていただいたレコードが、日々入荷しているのですが、まぁ〜コチラも汚れのあまりない比較的キレイなレコードもあれば、「ナンじゃぁ〜コレっ!!!」的なレコードもあります。
そのレコードの汚れに応じてクリーニングの仕方を使い分けているのですが、比較的汚れが少ないモノであれば、アルコール系のクリーナーを塗布してキレイなウェスでサッと2〜3周クリーニングしてあげれば、大丈夫だと思います。
しかし問題なのは、「ナンじゃぁ〜コレっ!!!」なレコードです。
今回はその「ナンじゃぁ〜コレっ!!!」なレコードを当店では如何にクリーニングしてお店に商品として並べるコトが出来るレベルにまでに仕上げるのか・・・っていうコトを画像と動画付き紹介します。

マズは、ご登場したのは、当店でいうトコロの「ナンじゃぁ〜コレっ!!!」なレコードです。
見てくださいっ!コレっ!
IMG_2020
ぐわーーーーっ!コレは、ヒドいっ!
コレどういう状態かと説明すると、レコードをプレイする時に盤面をベタベタと手で触ったんでしょうね。
その手についていた油脂をそのママにしてジャケットに放り込んで数年プレイしない状態で放置した結果、盤面にカビが発生した状態になっています。
カビも菌の一種なので養分である油脂がなくなると枯れてしまいますので、盤面についているのは枯れたカビの成分となります。
しかもそのカビの上をダストが覆うという2重でヒドい汚れが蓄積された状態になっている・・・というカンジです。
盤面をアップしてみると・・・
IMG_2021
オェっ!ヤバいです・・・コレ。
実際にプレイするとこんなカンジです。

曲の始まる無音であるはずのブランクの部分からチリチリノイズが発生しています。
そのまま再生しているとトーゼン曲に混ざって常にノイズが鳴っていますね・・・。
音質もナンかコモッているカンジですね。
しかもトコロドコロ、針飛びも起きています。コレ、汚れがヒドすぎてレコード針が汚れの上を乗り越えて針飛びしているという状態です。

で、コレを当店のクリーニングマスターにお願いしてマスターがクリーニングするとドコまでキレイな状態にできるのかっていうコトを実演してもらいました。
ウチのマスターは、ヤバいですよ〜(笑)根っから潔癖症な上に「汚いレコードは悪だっ!」という思いのもとでレコードのクリーニングに心血を注ぐコトをやまない、レコード磨き道の免許皆伝者ですっ!
毎月1000枚以上のレコードを磨いていて当店で販売しているすべてのレコードのクリーニングを行っている最高品質管理者でもあります。
早速お願いしてみましょう。
マズは、クリーナーを盤面に塗布します。
IMG_2023
そしてソレを刷毛でレコード盤全面にまんべんなく均します。
IMG_2024
刷毛は、ホームセンターとかで売っている一般的な刷毛です。なるべく柔らかい毛が使われている方がイイですね。
IMG_2025
レコードの音溝に沿って円周を描くように何度も何度もクリーナーの液剤を均します。
一通り均し終えたらクリーナーの液剤を水道水で流します。
IMG_2026
この時もレコードを回転させながらレーベル面にクリーナーの液剤や水がかからないように細心の注意を払いながら液剤が完全になくなるまで流します。
IMG_2027
クリーナーの液剤を流し終えたレコードの盤面は水で濡れているのでソレを吸水性の高いクロスでキレイに拭き取ります。
IMG_2028
吸水性の高いクロスもホームセンターとかで売っている一般的なモノです、
この時も音溝に沿うように水分を拭き取ります。
IMG_2029
最後は、乾いたウェスで仕上げ磨きをします。
トーゼンこの時も円周を描きながらです。

で、仕上がりがコレっ!
見よっ!この輝きをっ!ピカピカと黒光りしていますっ!
IMG_2030

音溝を部分をアップすると・・・
IMG_2031
美しいっ!記事の上のクリーニングする前と見比べてください。
元はコレですからね・・・。
IMG_2021

で、キレイに磨き上げたレコードを再生してみると・・・。



アレだけヒドかったブランク部分からのチリチリノイズがホトンド消えています。
再生されるサウンドもひと皮もふた皮も剥けたようなに鮮明になっているのが解りますね。
I Like It のメロディも美しく鳴り響いていますね〜。
アレだけ汚れがヒドかったレコードがマスターの手にかかればココまでキレイにするコトが出来るというワケです。

で、さっきから書いているクリーナーっていうのがコレです。
kabi-1
ジョンソン&ジョンソンのカビキラーです。
「エッ!?レコードにカビキラーなんて使っても大丈夫なの?」って思われるかもしれませんが、当店の検証の結果、いままで問題になったコトは一度もありません。
ナンでレコードにカビキラーを使うに至ったのかって経緯ですが、様々実験を行って試行錯誤した結果、現状ではコレが最適な方法であるというコトに至ったワケです。
つまり、頑固な汚れからくるヒドいノイズの正体は、カビであるというコトが当店の実証実験の結果、判明したのです。
実際に顕微鏡でみたワケでは、ナイので詳しくは解りませんが、カビの菌糸が細かな音溝に食い込んでいるコトによってノイズが発生しているというコトのようなカンジです。
レコードの盤面に付いた手の油脂はアルコールで取るコトが出来るのですが、油脂が発生原因となったカビは、アルコールで除去するコトは、かなり困難なんですよ。
じゃあ、イッソのコト、カビにはカビキラーが使えるのではナイか・・・って試してみると思いのほか効果があったんですよね。
「極めろっ!レコード磨き道!」
上記の記事で様々なクリーニング方法が試されていますが、ダレもカビキラーなんて使っていませんね。
まぁ〜だけど、動画の結果がすべてなので、コレがイイのか悪いのかは、見た人の判断だと思います。
ソレに、カビキラーの主成分である塩素は、ちょっと人体には危険な成分ではありますからね。
当店では、細心の注意を払って使っていますが、もし同じコトを試してみようって思うのなら取扱には注意してくださいね。
カビキラーでクリーニングする時には、絶対にセンターレーベルに液剤がかからないように注意してください。
レーベルの印刷の種類にもよるのですが、液剤がレーベルにかかると変色するコトがあります。
あと、着ている洋服とかにも液剤がつくと変色しますから、作業着やエプロンなど着けてやったほうがイイと思います。
あ〜ビニール手袋もしたほうがイイですね。

最後にもしこの記事を実際に行ってトラブルになったとしても当方では一切の責任を負うコトは出来ませんので、実践はあくまでも自己責任でお願いします。

INNER LIFE / I LIKE IT LIKE THAT (ITALIAN REMIX)
INNER LIFE / I LIKE IT LIKE THAT (ITALIAN REMIX) の試聴
next recordsのサイトでINNER LIFEのレコードを探してみる

レコードを再生した時に起きるノイズってキズによる場合とレコード盤の汚れによる場合があるのですが、物理的に盤面についたキズから発生するノイズに関してはもうコレはどうしようもナイんですよね。
だけど、レコード盤の汚れから発生するノイズは、レコード盤をキレイにクリーニングするコトで改善できる余地があるワケです。
当店では、1970年代や1980年代といった今から40年以上前に生産された中古レコードの販売をしているワケですが、そりゃあ40年以上前のモノとなると確実に汚れてますよ。
レコードの盤面についたキズは仕方ナイけど、お客さんには出来るだけキレイなレコードをお届けしたいっ!って思っているワケです。
レコード店によっては、買い取りしたレコードをクリーニングしないでそのまま販売しているトコロもあるかもしれませんが、当店では数万円のレア盤も数百円のセール品もホトンド同じクリーニングを実施して店頭に並べています。
やっぱり、好きなレコードを買った家で聴こうとジャケットから取り出したら、ホコリまみれで指紋がベタベタついていたらガックリきますよね〜。
お客さんがレコード盤を手にとっても見た時に「ネクストで買ったレコードは、いつもキレイだな・・・」って思ってもらえるよういつもレコードのクリーニングしています。
そういう想いを込めてクリーニングしたレコードを販売していますのヨロシクお願いします〜!

Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!

渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!
毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。

このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。
https://nextrecordsjapan.net

bangles_eternalflame_uk

当店でレコード・デビューしたという若いお客さんから、
「レコードをキレイにする方法を教えて欲しいんですケド・・・」
という質問をいただきました。
まぁ〜ナンでも、他店で購入したレコードを家に帰って聴いてみると
「ず〜っとパチパチと音が鳴るんですよ・・・どうしたらイイんですかね?」
というコトだそうです。
で、ご自身でレコードをキレイにする方法をネットで調べてみたそうなんですが、イロイロなやり方があって「一体どの方法がイイのかわからなくなった・・・」そうです。

このブログの記事にも書きましたが、10年以上前に書いた
「キレイなレコードなのにノイズがでる」
という記事が、す〜っと人気記事のランキングに入っているトコロから、世間では「レコードのノイズをナントカしたいっ!」と思っている人は相当多いんでしょうね。
レコードをキレイにする方法ってそんなに色んな方法あるのかなぁ・・・って思い、オイラもちょっと調べてみました。

あぁナルホド〜結構、いろんなやり方があるんですね〜コレは、ちょっと迷うかも・・・。


現役のレコード店主がレクチャーするレコードクリーニング法。
朴訥とした語り口がなかなか味わい深いですね〜。
使うものは、水とサラシっ!サラシってワード・・・久しぶりに聞いたな。


食器洗い用の洗剤 & スポンジを使って水道水で丸洗いする方法。


上記のYoutuberさんは、キッチン洗剤.VS.水の激落ちくん との徹底比較も実践しています。


コチラも食器洗い用中性洗剤で丸洗い。しかしお掃除用には歯ブラシを使用っ!
更に使う歯ブラシは、デンターシステマというブランド指定っ!


コチラは、大胆にもレコードをジャブジャブ丸洗いっ!まるでレコード風呂の様相です。
使用するのは、洗面台に、ぬるま湯をためて適量のハンドソープ添加「キレイキレイ」指定っ!
ソコへ大量のレコードを投入するという・・・コレは、スゴい!


OYAGレコードクリーナーによるレコードクリーニングの実演。
VPIバキュームレコードクリーニングマシンを使ったマジモンのデモです。
ナニかの実験のようですね〜。しかも使っているOYAGの7連ブラシ・・・そのブラシは、デンターシステマっ!
両手でゴシゴシしている様子が、ちょっとウケる(笑)


コチラは、無水エタノール & 精製水(比率は3:1)でブレンドしたオリジナル・クリーナー液を自作してお掃除シートクリーニングする方法。


コチラも無水エタノール & 精製水、比率はやはり3:1 そこに水滴防止剤 を添加、自作のデンターシステマ3連ブラシ、さらにレーベル保護プレートも流しのフタ&ゴムパッキンで自作っ!
極めつけは、ケルヒャーの窓拭き用のバキューム・マシン使用っ!


以前にも紹介しましたが、木工用ボンドを使ったレコードパックによりクリーニング法。
使うのは、モチロン、コニシ製(笑)


コチラは、ガラスクリーナーを使ったレコードクリーニング法。
タオルで音溝に対して対角で拭き取っているのが気になりますが・・・。


レコードクリーナーと言えばコレっ!と言われるくらいのロングセラークリーナー、NAGAOKA クリアトーン558 使用。
このクリーナーのニオイ・・・大好きです。


セレブなレコードマニアのための超高級な超音波レコードクリーナー・マシンによる方法。
お値段20万円オーバーっ!


コチラも有名なレコードクリーナー液、レイカ・バランスウォッシャーでのクリーニング法。


コチラは、アナログレコード業界の巨人、、ディスクユニオンの公式クリーナー、レコクリン & レコクロス 使用のレコードクリーニング講座。


コチラは、NAGAOKA公式、新作クリーニングアイテムを使った方法。
中性洗剤(いわゆる食器用洗剤)で、水道水、自社製洗浄用ウェットブラシ「アルジャント」で洗った後に仕上げにレコード盤洗浄用特殊クリーニング液「クリアトーンウォーター」を使用。
さらに仕上げみがき後にターンテーブルでレコード針でホコリの掻き出しというカンペキな布陣!

ちょっと調べただけでコレだけのレコードクリーニングのやり方がありました。
ある程度分類すると・・・。
レコードクリーニング専用液

洗浄水系
アルコール系
中世洗剤系
マシン系
ってカンジでしょうかね。

その他にクリーニング用アイテムとして
歯ブラシ デンターシステマ指定(笑)

専用クロス
レーベル保護カバー などそんなカンジですか・・・。

で知りたいのは、結局、一体どの方法がベストなのか・・・ですよね。
レコード店を20年以上営んできてコレまで、数十万枚のレコードをクリーニング、洗浄、磨き上げてきたオイラが、思うには、どのやり方もベストな方法だと思いますよ。
上記の動画を全部見て思ったのですが、最終的な目的は、「レコードをノイズのないサウンドで聴く」というコトなのですよね。
で、その過程に至る方法を紹介しているというコトなのですよ。
レコードの汚れもソレこそ千差万別でメチャ汚れているレコードもあれば、ちょっとホコリがついた程度の汚れもあるワケです。
さらに、汚れの成分も、指紋のような油脂系であったり、ホコリのようなダスト系であったり、はたまたカビであったりとコチラもイロイロな汚れがあったりするワケです。
そしてレコードを聴く人の方も、「ゼッタイにノイズは許せないっ!」と思うカンペキ派もいれば、「多少のチリチリは仕方ないよね〜」って思う妥協派もいるしね。
オマケに、レコードのクリーニングに手間ヒマ、時間をかけるコトが出来る人もいれば、そうでない人もいるし。
紹介したそれぞれのYouTuberさんも動画を撮影したりするくらいなので、「このやり方がベストだっ!」って思って撮影していると思うんですよ。
レコードのクリーニングの方法こそ、それぞれやり方は違うケド、みなさんそれぞれの効果を実感していいるように思うんですよね。
そんな中から自分にとってのベストな方法を探ればイイんじゃないかなぁ〜なんて思うんですよ。

で、店頭に来て質問していただいたお客さんには、一応当店のレコードクリーニング法を伝授しました。
当店では、市販のアルコール除菌液 をレコードに塗布して、綿100%の生地を使って磨き上げるという方法でレコードを磨いています。
多くのレコードは、指紋などの油脂が原因でノイズが起きることからこのやり方がイチバン手っ取り早いというコトで採用に至っています。
で、更にヒドい汚れのレコードは、中性洗剤をレコードに塗布して刷毛を使って泡立てて水道水で洗い流すという方法も採用しています。
ま〜コレ以外にも汚れによってはイロイロとヤリ方があるんですケドね。
で、最終的には、上記のNAGAOKA公式の動画でも実演していましたが、レコードに実際にレコード針を載せてターンテーブルで空回転させる、そして場合によっては逆回転でも空回転・・・。
「レコードのチリチリノイズ除去方」
上記の記事に詳細を記載しています。

BANGLES / ETERNAL FLAME
BANGLES / ETERNAL FLAME  の試聴
next recordsのサイトでBANGLESのレコードを探してみる

イヤ〜動画を見ていて思ったのですが、レコードを磨くってもうホントある種、その道を極める的な様相になっているような気がしましたね。
「レコード磨き道」みたいなカンジですね〜(笑)
皆さん、それぞれのレコード磨き道を極めていってもらいたいものです・・・(笑)

Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!

渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!
毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。


このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。


adoseofparadise_feelthemusik

ちょっと旬なネタに便乗してみようかと思います。
Twitterのまとめサイト、Togetterにこんな記事は載っていました。
レコードを木工ボンド乾かして掃除する→剥がした方のボンドを再生してみたらこうなった「めっちゃ可能性を感じる」

上記のまとめ記事では、木工用ボンドでレコードを掃除したあとの固まったボンドの残骸をレコードプレーヤーで再生したら異次元のサウンドが鳴ったっ!という内容で盛り上がっています。
というか、知ってる人も多いと思うのですが、知らない人からすると、レコードと木工用ボンドという組み合わせ自体に「はぁ?何ソレ?」って思うかもしれないのでそういった部分を踏まえて解説してみようと思います。

レコードって見た目はピカピカでキレイでもレコードプレーヤーで再生したら「チリチリ・・・チリチリ・・・」ってず〜っとノイズが曲の上の載って「ウザいな・・・」って思う時ってありますよね。
そういったレコードの盤面のヨゴレを除去する方法として通常であれば、市販のスプレータイプやリキッドタイプのレコードクリーナーを盤面に吹き付け or 垂らしてクリーニングするって方法をとると思うのですが、そういった一般的なレコードのクリーニング方法では除去できない場合があったりします。
市販のレコードクリーナーで除去出来ないしつこいヨゴレを除去する方法として「木工用ボンドによるレコードパック」という超外道なクリーニング方法がいにしえの時代から一部のレコードマニアの間で知られています。
タブン、このブログでも過去にこの「木工用ボンドによるレコードパック」のコトは紹介したコトがあると思うのですが、再度ご紹介です。

その原理は・・・。
■粘着力の高い木工用ボンドをレコードの盤面に塗って固まったボンドを剥がすことによって、音溝深くに入り込んだダストを引っ剥がす
という手法になります。
「えぇっっ!?そんなコトして大丈夫なのか?」って思われるかもしれませんが、前人達が「レコードのヨゴレをどうしたらキレイにするコトが出来るのか・・・」って考えだした究極の手法なので要領というかコツさえしっかりと掴んで実行すれば、オイラの経験上では、この「木工用ボンドによるレコードパック」って言うのは、究極の奥義だと思います。
つまり、コレをやってもノイズが除去できなければ、もうナニをやってもノイズは取れないっ!って断言できるほど絶大な効果が期待できるホドの奥義なワケです(笑)
使用するのは、コレ
コニシ 木工用ボンド (即乾)
bondo-1

コレをレコード盤の音溝部分に指で塗りたくるのです。
bondo-2
で、塗る前にちょっとしたワンポイントを・・・
ボンドを塗る前にレコードの端の無音部分に下記の画像のようにセロテープを貼っておいたイイですよ。
bondo-3
コレは、木工用ボンドが乾いたあとに剥がす時にこのセロテープ部分が剥がしはじめの持ち手に使うワケです。
それと、木工用ボンドは、盤の端部分を幾分、多めに盛って塗ったほうが剥がす時にラクになります。
そして、何枚もレコードパックしたいからちょっとケチって薄く塗ろう・・・なんてコトはゼッタイ思わないでください。
薄く塗ると剥がす時に途中で乾いたボンドが破れてしまって盤面に残ってしまい、ソレを剥がすのにメチャ手間がかかるので気をつけてください。
というカンジでやってみてください。
そして、木工用ボンドがカンゼンに乾いたらペリペリとレコードと乾いたボンドを剥がすワケです。
すると、レコードの音溝深くに入り込んだダストが剥がした木工用ボンド側にすべて吸着されてレコード盤はクリーンな状態になるという原理です。
もうホント、洗顔のパックと同じです。
実はこの木工用ボンドを剥がす時が、ナゼか気持ちイイ・・・っていうのもやってみれば解ります(笑)
レコードは塩化ビニールで出来ているので、木工用ボンドだとゼッタイに引っ付かないという原理を利用してダストだけ除去するんですね。
ちなみに、レコードのセンターレーベルは、紙で出来ているのでボンドがつくと修復不可能な状態になるので注意してください。

この木工用ボンドを使ってのレコードクリーニングは、海外でも行われています。

この動画では、クリーニングのビフォー・アフターで劇的に音質が変化するのが解りますね。

だけど・・・ターンテーブルにレコードをノセたたままでのボンドを塗りはちょっとリスキーな気がしますね〜。
まぁ〜そのアタリは自己責任で・・・。
参考までリンク先では多くの人が木工用ボンドによるレコードクリーニングを実践していますので参考までにどうぞ・・・。

この木工用ボンドによるレコードクリーニングは、下記のようなメリットがあります。
■手に入りやすい木工用ボンドでクリーニング可能
■劇的な効果が得られる
■ダレにでも比較的カンタンに実践できる

しかし・・・実は、ウチの店ではこの木工用ボンドによるレコードクリーニングは、全くもって行われていません。
その理由は・・・
■クリーニングに要する時間がかかりすぎる
■乾かしている間のスペースの問題
上記の事情からもう全然、やっていません。
やっぱりね〜1枚のレコードをカンゼンに乾かすために要する時間が結構かかるんですよ。
レコードには、表面と裏面ありますしね。
そして、木工用ボンドを乾かしている間にレコードを保管しておくスペースを確保しておかなきゃイケないっていうのも結構難しいんですよ。
業務としてこの手法を行うには、もう大量にクリーニングしなきゃイケナイのですが、乾かしている間はレコードを重ねることが出来ませんからね。
ソレ専用の乾かし台とか作ればイイのかもしれませんが・・・。
上記のような事情から、業務としてはちょっと難しいんですよね。
だけど、個人のコレクションで数枚のレコードをクリーニングするには、ホントにイイ手法だと思います。

A DOSE OF PARADISE presents PURE MUSIK / FEEL THE MUZIK
A DOSE OF PARADISE presents PURE MUSIK / FEEL THE MUZIKの試聴
next recordsのサイトでA DOSE OF PARADISEのレコードを探してみる

で、はじめに紹介した、まとめサイトTogetterでは、乾いて剥がした板状になった木工用ボンドをレコードプレーヤーに載せて再生すると音がなったっ!って盛り上がっていワケです。
コレは、レコードを製造する際の、スタンパーと同じモノが木工用ボンドで出来ているんですね。
結構、緻密に作られているようなレコードですが、基本的には「型から成形させた樹脂」から音がなっているという原理ですからね。
つまり、固まった木工用ボンドをスタンパーとして何らかの素材で成形すればレコードの複製が出来るってコトですね。
だけど、スタンパーの音・・・コレは、かなり奇妙な音ですね〜逆回転させればもう少し音楽っぽく聴こえるかもしれませんね。

Next Recordsではインスタグラムもやっています!
入魂のレコメンドで毎日、ナイスでグッドなレコードを紹介していますのでゼヒ、フォローしてくださいっ!

渋谷の12インチシングル専門の中古レコード店next. recordsでは12インチシングルのレコードを買取をやっています!
ゼヒ、お気軽にお問い合わせください!
毎週、金曜日に新入荷のアナログレコードをサイトにUPしています。


このブログは、渋谷で唯一の12インチシングル専門のレコード屋、next recordsが、運営しています。

↑このページのトップヘ