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先週、ブログでネタにした
「マジで?」HMV、渋谷に「中古レコード専門店」アナログ中心に8万点 」
は、レコード好きな人にとっては、かなりインパクトがあったニュースだったようでお店に来てくれた何人かのお客さんに「スゴイですね~!」とか「渋谷も復活ですね!」とか「レコード、確実にキテますよ!」なんて振られたりしました。

そんな中、一番よく訊かれた振りは、
「やってイケるんですかね~?」ってコトです。

中古レコード好きの多くの人が、HMVという超メジャーなショップが今まで存在したコトがなかった様な新しい大型中古レコードショップを展開していくのは、
「やった!」
「スゲ~!!」
「どんな中古レコード屋になるんだろ?」ってカンジで大歓迎しているんだけど、「ホントにやっていけるのか?」っていう部分を心配しているようなカンジですね。
上にブログで既に書いているんですケド、極小中古レコード店の運営しかやったコトのないオイラには、資本金がン十億円もある企業のひとつの事業が、上手くイクのかイカないのかナンてレベルが違い過ぎて解るハズありません。
単純にですよ、例えばオイラがあのデカい場所で、nextと同じような営業形態で中古レコード屋をやったら確実に、1ケ月で死亡フラグが立つでしょうね~w
(もしかしたら、1週間もたないかも・・・)

シンプルにお店での営業って、売り上げ - 経費 = 利益 なワケです。
ナン億円も売り上げがあっても、それ以上に経費がかかれば、「赤字」ですからね。
都心にある中古レコード屋で、一番ウェイトを占めている経費っていうのは、物件の家賃と人件費なんですよね。
もうこれは、中古レコード屋に限らず、どんなお店でもそうでしょう~フツーは。

先週のニュースでも書いていたように


既存の中古レコード専門店は、中小事業者が多く、東京都心などでは店舗面積100平方メートル以下がほとんど。


というのは、そういった意味から考えると、広さに対する家賃が高いってコトなんかが、中古レコード屋がお店の広さが100平米以下の中小規模のショップになっちゃう理由なんでしょうね。
ま~解りやすく書くと、ウチのお店が今の広さの倍の面積になれば、売り上げも比例的に増えるのかって考えたらどう考えてもムリでしょう~。
で、元DMRのあの物件の家賃なのですが、一体1ヶ月にいくらかかるのかなんですが、想像するだけで結構高額な家賃になると思うんですよね。
500平米の広さで、渋谷 宇田川町の人通りの見込める1階路面店の坪単価って不動産サイトからサクッとみたカンジでは、3万円~4万円くらいの様です。
じゃあ真ん中の3.5万円の坪単価とすると、家賃だけで毎月500万円以上になるようなカンジです。
当然、ソコで働く人の人件費も必要です。広いお店を2~3人のスタッフで回すのは、ムリなんで少なくても10人くらいの人を配置するでしょう。
そんなカンジで計算していくと、とてもじゃないけど中古レコードの販売だけで、経費以上の売り上げを叩きだして尚かつ、利益をだしていけるとは、オイラには思えないです・・・。
ま~オイラのビジネスセンスが全くないのも理由ですけどね。
こんな計算、オイラレベルのアタマでも出来るくらいなので当然、HMVの経営陣も解っているハズでしょ~。
逆を言えば、中古レコードの販売って小さなお店で、店主&バイトくらいの人員だと営業出来るってくらいの商売なのかも知れませんね。

ただし、コノ計算はフツーレベルの中古レコード屋のハナシです。
以前、センター街にあったHMVには、スタジオもあったしソコで公開放送なんかもしたりしていました。ま~そんなコトが出来てしまう中古レコード屋は存在しませんよね。
また、「渋谷系音楽」なんてデカい音楽ムーブメントのまっただ中にHMVが存在してした時期もあったりしたワケです。
そんな、音楽の一大ムーブメントまで作り上げることが出来てしまうパワーがあるショップが、今まで、超ニッチなマニアだけのお楽しみ的なアイテムであった中古レコードの販売を行うワケです。

お店に来てくれたお客さんとハナシをしていると、中古レコードの販売では比較的大手のディスク・ユニオンやレコファンを比較の対象として「この2つのレコ屋と比べてどうでしょう?」って話題にする人もいましたが、オイラは、「そんなレベルの規模じゃないでしょう~」って思うんですよね。
HMVは、中古のアナログレコードの販売は、はじめての試みかも知れませんが、音楽メディアの販売ノウハウは相当あるでしょう。
それら長年蓄積された販売ノウハウを応用して、今までになかった様な中古レコードの売り方が提案出来るかも?しれません。(かも?ですw)

リアルで中古レコード屋を営んでいて思うんですが、販売の形態とかって正直、もう何十年も前からな~んにも変わっていないんですよね。
レコードを国内外で買い付けたり買い取ったりして店頭に値段をつけて並べて「ハイ、ド~ゾ!好きなレコードがあれば買ってください」って販売するパターンでず~っと今迄きているワケです。
多少、変化があったといえば、ネット販売がココ10年くらい前から台頭してきたってくらいです。
お客さんに提供できる唯一可能なプロモーションといえば、「値引き」だけです。
ん~コレって全然アタマもアイデアも使っていないですよね~。
オイラもレコードの販売に関して「こんなのどうだろ?」的にイロイロとアイデアは閃くのですが、実行にかかる費用と人的コストのコトを考えると絶対に失敗できないというプレッシャーもあってこぢんまりした内容になっちゃうんですよね。
ま~実行できても、中古レコードの販売にイノベーションを起こせるホドになるとは到底思えない内容ですが・・・w

でも、巨額な資本があり、長年蓄積した膨大な販売ノウハウを持っているHMVがそれらを利用して、中古レコードの販売を行えば、中小の中古レコード店が絶対に実行できないようなコトも出来るんじゃないかな?って期待を込めて思っちゃうんですよね。
しかもHMVは、コンビニ最大手ローソンの傘下の企業です。
もう町の中古レコード屋の店主なんかには、全く想像もつかないような売り方をしてくるかも知れません。


単純な机上の数字の計算だけをみれば、あの場所で中古レコードの販売だけで、相応の利益を上げるっていうのは、かなりハードルが高いなっていうのはオイラにも解ります。
そんなのトーゼン、HMV経営陣も解ってるでしょう。
だけど、アレをやってコレもやって、更にこうなったところにコレを仕掛けて、その反響がドウなってとかって数字を積み上げていくと、「ド~ン!!ハイ!!利益出マシタっ!!」ってお店をオープンさせる前から既に計算が成り立っているからあの場所でやっていこうって、GOサインが出たんでしょうね。

ん~期待を込めて、どんな中古レコードショップになるのか、ホント楽しみです!

ま~唯一の希望といえば・・・「安易な復刻盤とかブート盤やコンピレーション盤だけは、出さないで!!!」って思うくらいです。