darylhall_privateeyes

以前、カンタンですがレコードにおけるプロモ盤について解説しました。
その時の記事は、コチラ
説明しよう、プロモ盤とは・・・。
シンプルに説明すると下記の通りです。
プロモ盤は、非売品のレコード
正規盤は、販売用のレコード

だけど、その時に下記のようなコトも書きました。

「本質は非売品なのか販売用なのかというその部分ではナイんですよ。」
レコードのコトを詳しくない人だと、単純に「一般に販売されていないレコードだから稀少性が高いんでしょ。」って思われがちなのですが、そうではナイ場合が多いのです。
確かに、有名なアーティストとかだと、曲は同じでもレコードのレーベルに記載している番号が正規盤と違うのでレアだっ!っていう価値基準もあるのは事実ですがそういうのてってホント、一部のレコードだけです。
「マト1のレコードが最上級にイイ!」っていう価値基準ですね。
例えば、BeatlesとかRolling Stonesだとかそういったアーティストの歴史的名盤とかの一部のタイトルのレコードだけだったりします。
ちなみに「マト1」(まとわん)っていうのは、「マトリクス1」の略語で書籍でいうところの「初版本」に近い意味です。
今回のプロモ盤の解説とは主旨が異なるので、詳しい解説は控えます。

next recordsでの取り扱っているような12インチシングルでは、「レコードの番号が違うからレアっ!」っていうのは、ありません。
基本的に、正規盤であってもプロモ盤であっても曲の内容が同じであれば、稀少性に差はありません。
正規盤の12インチシングルは、ピクチャージャケットが付いていて、プロモ盤は無地の穴開きジャケットだったりしてその違う部分に価値を見出したりするレコード店もあるとは思いますが、稀少性に関してはソレホド差はないと思います。
ソレよりも、正規盤とプロモ盤とで収録のバージョンが、違っていたりすると稀少性に差が出てきたりする場合が多いのです。

前回の記事でも書きましたが、正規盤に未収録のREMIXやバージョンがプロモ盤には収録されているっていう場合なんかは、プロモ盤の稀少性があがる場合が多いですね。
さらに、ソレがとてもイイMixだったとか、あの憧れのDJがそのMixをプレイしていたとか・・・そういった事情が絡むコトで市場のニーズが高まって、
「既に出回っているレコードの数<そのレコードを手に入れたい人の数」
というコトが起きると価格面にも反映されるというようなケースがよく起きます。
中古レコードに関しては、その曲がリリースされた当時の評価と現代の評価では違った評価がされるコトがよくあるのでこういったコトになったりします。
ホント、このケースは多いですよ・・・例えば、CMにその曲が使用されたとか、その曲がサンプリングされたとかの理由で評価が上がったとか・・・。
最近だと、Queenの映画が話題になったコトで元々、12インチシングル好きには人気だった曲のプロモ盤が、更にニーズが高まってレア度があがった・・・とか。

また、中古レコードにおいては、その曲が発表された時にめちゃヒットしたにも関わらず、ナンらかの事情によって正規盤がリリースされなかった場合なんかもレア化する場合もあります。
海外の有名なチャートであるBillboardのシングルチャートで、ベスト10に入った曲なら、シングル盤がリリースされているだろう・・・って思われがちですが、意外と正規盤がリリースされていないダレでも知っているメジャーな曲があったりします。
一般のレコード店の店頭に並ぶ正規盤は、リリースされなかったケド、プロモ盤だけリリースされた・・・みたいなケースです。
このケースは実は、結構多いんですよ。
80年代とかだと、7インチシングルの正規盤はリリースされたけど12インチシングルは、プロモ盤だけ・・・って場合も多いですね。
タブン、12インチシングルの特性でもある、ラジオやCLUBなんかでの商業的なDJプレイに利用されるためだけにプロモ盤がプレスされたっていうケースですね。
一般のリスナーは、7インチシングルを買って自宅で楽しんでください・・・みたいな区別がされているのかもしれません。

他には、UKやヨーロッパ各国で正規盤のリリースは、されたけどUS盤は、正規盤がリリースされなかった、プロモ盤だけリリースされたっていうケースもあります。
アメリカのアーティストで本国アメリカでヒットしたにも関わらず、US盤は正規盤未リリースというコトですね。
レコード会社的にナンらかの事情があったんでしょうかね・・・そういった裏の事情はよく判りませんが、とにかくプロモ盤だけプレスされて正規盤は作られなかった・・・っていうコトです。

DARYL HALL & JOHN OATES / PRIVATE EYES
DARYL HALL & JOHN OATES / PRIVATE EYESの試聴
next recordsのサイトでDARYL HALL & JOHN OATESのレコードを探してみる


今回、紹介しているHALL & OATES / PRIVATE EYESも「UK盤は、正規盤がリリースされたけど、US盤は、プロモ盤だけっ!」っていう12インチシングルです。
USプレスのプロモ盤は、かなり珍しいプロモ盤です。
ちなみにUK盤は、コレです。
darylhall_privateeyes_uk

UK盤の12インチもまぁまぁ珍しい12インチなのですが、US盤はもうホント、全然見かけません・・・。
紹介しているのは、12インチシングルなのですがアルバムと同じアートワークなのでちょっと勘違いしやすいですね。
アルバムのジャケットはこんなカンジです。
darylhall_privateeyes_lp

US プロモ盤12インチシングルはアルバムと全く同じバージョンです。いわゆる「アルバムバージョン」です。
UK 正規盤は、Re-mixed for the UKとクレジットされていてアルバムバージョンとはちょっとだけアレンジが違うREMIXとなっています。
UK盤のDARYL HALL & JOHN OATES / PRIVATE EYES(Re-mixed for the UK)の試聴はコチラ

「US プロモ盤はアルバムと同じバージョンだったらアルバムでイイんじゃない?」って思う人はアルバムでどうぞ・・・。
ちなみにこのUS PROMO12は、レコード盤に1曲だけ音溝がカッティングされています。
というコトは、音溝が比較的余裕を持ってゆったりと刻まれているというコトです。
トーゼン、アルバムは片面に5曲の音溝がカッティングされています。
コチラは、5曲収録するために12インチシングルよりも音溝が狭くなっています。
アナログレコードの構造上の特性で、音溝の幅が広いほど、広い音域で曲を録音するコトが可能という事情があります。
コレは、今回のプロモ盤の解説とは、主旨が違いますがアルバムよりも12インチシングルの方が、高音質で再生が可能なレコードというコトなんです。
以前、こんな記事を書きましたのでさらに深いトコロまで興味はあれば読んでみてください。

どうですか?プロモ盤ってナニなのか、どういったレコードなのかっていうコトはこの解説で解りますか?
ホントは、もっとさらに深掘りした解説も出来るのですが、理屈っぽくなるので、「プロモ盤ってナニ?」っていう最近レコードを聴き始めたから人からすると、「ナンだか面倒くさそう・・・」って思われそうなんですよね・・・。



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