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こんにちは、東京 渋谷のレコード屋街 宇田川町で零細レコード店を営んでいるnext. recordsです。
当店は、アナログレコードというカテゴリーの中でも極めてマイナーな存在である12インチシングルだけを取り扱うというちょっとマニアックなレコード店を営んでいます。
このブログ「渋谷レコード店日記」では、当店がイチオシしている「12インチシングルの良さ」をレコード好きの人々へ広く普及する目的で活動しているワケでありますっ!
「12インチシングルってドコが良いの?その良さってナニ?」って少しでも興味を持っていただいたのであればオイラが全力で12インチシングルの良さをアピールした下記の記事をゼヒ、読んでみてください。
12インチシングルについて全力で解説するよっ!

先日、ご来店いただいたお客さんからこんな質問がありました。
「好きな曲があるんだケド、その曲ってシングルが出ていないんですよ・・・シングルが出る・出ないってその判断ってナンなんですかね?」
要するに、個人的に好きな曲があってその曲の12インチシングルが欲しいっ!って思っているんだケド、調べてみるとその曲は、アルバムだけに収録されていてシングルは、リリースされていない・・・ナンでこんなにイイ曲なのに、シングルが出ていないの?そして、そういった基準でシングルをリリースする判断をしているの?って疑問に思っているってコトですね。
まず、質問をいただいたお客さんの属性は、20代でレコードで音楽を聴き始めて2年くらい、聴き始め当初は、アルバムをメインに購入して聴いていたトコロ、たまたま購入した12インチシングルをキッカケに12インチシングルの魅力に気がついて、ハマっちゃた・・・という経緯のお客さんです。

世の中にもホント、イイ曲ありますよね〜もう、聴いているダケでゾクゾク〜ってトリハダが立つくらい感動する曲もあったりして、音楽が人へ与える感動ってハンパないものがありますよね。
で、12インチシングルの魅力にハマった人が結構、思うのですが「アルバム(LP)に収録されているこのメチャ良い曲、ナンでシングル出ていないんだろう・・・」ってコトです。
12インチシングルって限定しちゃうとちょっとハナシが複雑になるので、単純に「シングル」としてちょっと考察してみたいと思います。
正直にどの曲をシングル盤でリリースしようって判断する基準っていうのは、オイラには全く解りませんっ!
もうコレは、アーティストやレコード会社の販売戦略・プロモーションのプランがあって、しかもそれぞれのフクザツな事情があるでのこういった基準でシングル盤にしましたっていう判断基準は決まっていないと思います。
そういった個別のケースの中でもタブン、確実に言えるコトは、レコード会社が売りたいのは「アルバム(LP)」だというコトは、間違いないでしょう・・・タブン。

シングル盤の解説でよく「シングル・カットした」って表現が使われます。
コレ、要するにアルバムに収録された曲をシングル用に切り出した(カットした)という意味で使われます。
シングルって言うのは、もうコトバの通り1曲を表す単語で、複数の多くの曲が収録されたアルバムに対して1曲だけ収録されたレコードを指すコトバです。
まぁ〜実際には、A面とB面で2曲なのでシングルでは、ナイんですけど・・・ソレはレコードの構造的なコトなのでそのハナシはちょっとおいておきます。
厳密に言うとA面の曲がメインの1曲でB面の曲は、オマケ的なカンジになるのかもしれません。
で、先に書いたようにレコード会社的には、アルバムを売りたいワケです。
アナログレコードのアルバムには、概ね7〜10曲程度の曲が収録されているワケですが、アーティストは収録されているすべての曲へ全力をかけて創作しているのですが、その中でもやはり印象に残るメロディだったり、一般ウケしやすい曲だとかがあったりします。
でレコード会社は、アルバムに収録された曲の中からヒットしそうな曲をシングル化、要するにシングル・カットするワケです。
そして、そのシングルカットした曲に対して認知度を高めるために積極的なプロモーションを実施してヒットするように販売戦略をたてます。
結果が功を奏してシングルカットした曲がヒットしてその曲をイイとカンジた人は、アルバムを購入につながる・・・というカンジですね。

大雑把に解説するとマーケティング戦略の1つとして、シングル盤がリリースされるというカンジなのでしょうね。
いや、コレだけの理由では、ナイとは思うのですが、シングル盤は、収録されている曲数も少ないので価格もアルバム比べて安価に設定されるのでその曲を気にいった人からすると購入しやすいですよね・・・で、その曲を何度も聴いているとそのアーティストの他の曲を聴きたくなってアルバムの購入につながるという流れでしょう。
レコード会社が、アルバムを売りたいっていう理由は、やはり複数の曲が収録されているので単価もシングルよりも高額に設定できるし利益率も高いっていうコトもあると思います。
上記の例えではシングル盤を購入→その曲を気に入ってアルバム購入・・・といったカンジ同じ曲が収録されているにも関わらず2枚のレコードが売れていますよね・・・。
この販売戦略は、なかなか良くできていると思います。

で、どの曲をシングル・カットするか・・・というのもホント、様々な要因に基づいて決定されていると思います。
例えば、レコード会社の予想やアルバム内でのそれぞれの曲の位置づけ、アーティストやプロデューサーの意向 などが考えられますね。

レコード会社の予想
レコード会社は、自社のアーティストの音楽性や人気から判断して、どの曲がシングル盤として売り上げを伸ばすかをアル程度予想することができます。
そのため、リリース前にリサーチを行い、どの曲をシングル盤としてリリースするかを決定するコトがあります。
当店でもよく販売しているプロモ盤っていうのが、レコード会社が市場でのウケの良さをリサーチするためにプレスしたシングル盤だったりします。

アルバム内でのそれぞれの曲の位置づけ
アルバムの中で、特に人気がある曲やシングル盤としてリリースするのに適した曲は、アルバム内で重要な位置づけになっているコトが多いですね。
レコード会社は、アルバムのトラックリストをチェックし、その中からシングル盤としてリリースする曲を選ぶコトがありますね。
よくあるケースは、アルバム収録のA面1曲目ってかなりの確実にシングル化されやすい傾向にあります。
やっぱり40分あまり再生されるアルバムの1曲目っていうのは、インパクトのある曲・派手で華やかな曲・そのアーティストを象徴するような曲であるコトが多いですよね。
そうった曲っているのは、もうアルバムの制作を終えた後に予めどの曲をシングルカットするかを決めてアルバムの収録の曲順が考えられているようです。

アーティストやプロデューサーの意向
アーティストやプロデューサー自身が「この曲をシングルとしてリリースしたいっ!」って意向をレコード会社に伝えるコトもあります。
レコード会社は、その意向を尊重し、シングル盤としてリリースする曲を決定するってワケですね。
やはり曲を創作しているアーティストやプロデューサーの気持ちは、かなり大切ですからね。

こんなカンジでシングル盤をリリースするかしないかを判断していると思われます。
当店が扱っている12インチシングルは、上記の要因に加えて12インチシングルの特性やその用途・目的が更に上乗せに加味されて12インチシングルをリリースするか、しないかを判断されています。
まぁ〜80年代や90年代においては12インチシングルってかなりDJプレイ目的やマニアに向けて生産されていたコトもあって、とてもイイ曲だけど12インチシングルにはならなかった曲っているのがとてもあったりします。
それにプロモーション用のプロモ盤はプレスされたケド、ナン等かの理由により正規盤はリリースされなかった・・・とかもメチャ多いですね。
特に多くの人に知られている知名度の高い曲でなおかつ、人気のある曲・・・だけど、12インチシングルの正規盤はリリースされないってなるとプロモ盤の価値がイッキに高くなってレア化するってケースもあります。
そういったそれぞれの曲が抱えている個別の事情で当店のような中古レコード店は、値付けをして販売しているんですケドね。

今回の質問を頂いたお客さんが、イイと思う曲はオイラも知っていますケド、確かにイイ曲なんですよね・・・でも、12インチシングルはリリースされていない・・・ソレが現実なのでもうソレを受け入れるしかないってワケです。
オイラ自身もホント、「この曲12インチシングルでリリースしてくれたら良かったのにっ!アホですか?レコード会社は!?」って思うコトが多々ありますが、もうコレばかりはどうしようもナイというか仕方がナイというコトを受け入れるしかできませんね。

NEW ORDER / BIZARRE LOVE TRIANGLE
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このアルバムとかシングルっていう概念自体が、極めてアナログレコードという形態に則した考えで出来上がったモノの考えですよね。
しかし現代においては、メインで聴かれる音楽は、ストリーミング・サービスによるモノです。
そこではアルバムとかソコから切り出したシングルという概念自体がナイと思います。
音楽の消費形態が変化するにつれ、必ずしもアルバムやシングルといった区別自体が必要なモノではなくなってきています。
今後は、どうなっていくんでしょうかね・・・オイラの予想では、タブンまだアルバム単位で音楽の販売方法は続けられそうな気がします。
理由としては、やはりストーリー性やコンセプトが表現されるコトができるアルバム(LP)は、楽曲を単独でリリースするよりも、アーティストにとっては、より広範なコンセプトやストーリーを伝えることができる点が魅力的だと思うのです。
アルバム(LP)やシングルという従来のパッケージングは、完全になくなるわけではないと思われますが、ただし、アナログレコードの形態に則った販売方法やパッケージングから脱した新しい販売方法が模索されていくコトは確かでしょう。
アーティストがアルバム(LP)を創作し続けるかどうかは、個々のアーティストの考えによるともいますが、アルバム(LP)は、アーティストにとって自身の音楽を表現する手段の1つであるため、アーティストがその必要性を感じる限り、アルバム(LP)の創作が続けられると思われます。
逆をいえば、もうアルバムは作らない、単発の曲に全フリしたアーティストっていうのも増えていくんでしょうね・・・というか、もうそっちがメインになりつつある?

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