antonioocasio_blessed
こんな記事を読みました。
若者よ“ジャケ買い”って知っているか? 『レコード』ブーム再燃、神戸で堪能できるイベント開催
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以下引用
平成になってから生産数が減少し、消滅の危機もあったアナログレコード。現在は増加傾向にあるという。最近では、SNSで見たレコードのジャケットに興味を持ち、“ジャケ買い”をする若者もいる。
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「若者よ“ジャケ買い”って知っているか?」というインパクトのある見出しにつられて上記の記事を読んだのですが、内容的にはイベントの告知という超薄い内容の記事でした。
ま〜カンゼンに見出しに釣られたってカンジですね〜 (´・ω・`)ショボーン

最近、レコードに興味を持つようになった人も増えてきたし実際にレコードプレーヤーとレコードを買って自宅で楽しむ人も増えてきたと思います。
そんなレコードを聴きはじめた人がレコードを購入するキッカケのヒトツとして「ジャケット買い」略して「ジャケ買い」という購入の仕方があります。
ま〜コトバの通りでレコード店でどんなアーティストかどんな曲なのか、全くわからないんだケド、妙にレコードジャケットに惹かれてそのレコードを買っちゃうという行為のコトを指すコトバであります。
Wikipedia では「ジャケ買い」のコトをこのように説明していますね。
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ジャケ買い(ジャケがい)とは、レコード、CD、VHS、LD、DVD、本などのメディア商品を内容を全く知らない状態で、店頭などで見かけたパッケージデザインから好印象を受けたということを動機として購入すること。ジャケット買いとも言われる。
(中略)音楽や映像について内容確認が難しかった1990年代までは頻繁に行われた。

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Wikipediaでも書いていますが・・・
「音楽や映像について内容確認が難しかった1990年代までは頻繁に行われた。」
上記に書いてある通りジャケ買いって、そのレコードがどんな内容の楽曲なのか確認が出来なかった時代の名残で行われた買い方だと思うんですよ。
まだ街中のいたるところにレコード店が存在していたアナログレコードの全盛期であった1980年代って今では考えられないコトなのですが、レコード店で気になるレコードがあっても試聴するコトが出来なかったんですよ。
というか、そもそもお客さんもレコード店で店頭販売しているレコードを聴かせてもらえるとは思っていないし、レコード店も販売用のレコードをお客さんに聴かせる必要なんて全く思っていないという今ではありえない概念の時代でした。
そんな中で音楽好きな人がレコード店に並んでいるジャケットの良し悪しで「このレコードジャケット、メチャカッコいいのでタブン、曲もイイんじゃないかな・・・」って一度も聴いたコトもないアーティスト名&曲名を自分勝手に「イイかもしれない・・・いや、タブン良いハズっ!」って自己評価して「よしっ!決めたっ!コレ買うっ!」って購入に至っちゃうケースです。
コレは、今で言うトコロのカンゼンに「ガチャ」ですよ(笑)
その曲の善し悪しを決める判断基準は、「ジャケットがカッコいい」という視覚的情報だけでレコードを買っちゃう行為・・・イヤイヤ、音楽は耳で聴くモノですからね。

ん〜カッコいい&美しいジャケットが「もしかしたら良い曲かもしれない」っていう感覚になるのも解るんですよ。
でも、今は「ジャケ買い」でしかレコードの良し悪しが判断できなかった80年代とは違って2022年です。
イイな〜っ思ったジャケットのアーティストと曲名をスマホで調べれば瞬時に聴くコトができる時代です。
ナニが楽しくて聴いたコトも知らないアーティストの曲を買うのか・・・って思うんですよね。
オイラ的には、ジャケ買いという行為は、購入者側に全く情報が与えられない状態で購入しなければならなかった時代の行為だと思うんですよね〜。

アナログレコードの最盛期でもある80年代って音楽好きな人達は、音楽に対してカンゼンに飢餓状態だったと思うのです。
とにかく大好きな音楽の情報を得るために音楽雑誌を買ったり、ラジオを聴いたり、MTVを見たりしてとにかく新しい音楽を発掘するのに時間と手間と費用をかけまくっていたのでした。
オイラも毎月音楽雑誌を何冊も買ってたし、気になる曲がエアプレイされるラジオを毎週聴いてカセットテープに録音したりしていました。
そして、週に何回もお気に入りのレコード店へ足繁く通っていました。
レコード店の店員さんとも音楽のハナシを出来るくらいの良好な関係になりました・・・しかしっ!店頭に並んでいるレコードは、一切聴かせてはもらえませんでした。
というかそもそも、試聴という概念自体がお客もお店側もなかった時代ですからね。
で、レコード店の新入荷のコーナーにメチャカッコいいレコードが並んでるじゃないですか・・・
「あ、なんかこのジャケット、雰囲気があって結構気になるな・・・」と思ってどんな曲なんだろう・・・って好奇心が湧くじゃないですか。
そして顔なじみのレコード店員さんに「このレコード、どんなカンジですか?」って訊くと「あ〜イイ曲ですよっ!」って言われて、「そうですか・・・買いますっ!」ってもうそんなカンジでレコードを買っていましたから。
店員さんも決して「イマイチですよ」とは当たり前だけど言わないですよね〜(笑)
で、家に帰ってシュリンクを破いてレコードに針を乗せて聴いてみると「ん〜????」って今までに何回思ったコトか・・・。
でも自分が大枚をはたいて買ったレコードが間違いだったって思いたくナイんですよ。
なので出来るだけそのレコードの良い部分を見つけようと頑張るというちょっと本来のレコードの聴き方とは違った聴き方をしたりして出来るだけそのレコードを買ったという自分の行いを肯定的にしたいって思いに駆られていました。
だけど、ホントに数十枚のジャケ買いしたレコードの中に偶然、「アタリ」もあったんですよ。
その時に「おぉぉぉぉっ!オレの判断は、間違いなかったっ!」というドーパミンがドバドバ出る感覚があるのは事実です(笑)
でも振り返って見るとそのジャケ買いでアタリのレコードをひくのに何十枚のハズレのジャケ買いレコードをひいたことか・・・・。
死屍累累のハズレレコードの上に1枚だけのアタリレコードが存在しているという状況・・・コレって、ホントに良かったのか・・・って思うんですよね。
ま〜タブン、このジャケ買いした時のアタリレコードの存在がレア過ぎて「ジャケ買い」というワードがレコードを購入する手段の存在としてクローズアップされているというコトになっているんじゃなかな〜ってカンジたりします。
大量のハズレレコードを見て、「あ〜こんなんだったら、はじめから買わなければイケないレコードを先に買っておくベキだった・・・」って思うのでした。

世の中には、「名盤」と呼ばれるレコードを数多く存在しています。
で、そんな名盤のレコードのジャケットってドレもカッコいいんですよね〜。
ソコでヘンな錯覚が起きるんでよ・・・「名盤といわれるレコードのジャケットはドレもカッコいい・・・というコトは、カッコいいジャケットは、良い曲なんじゃないか・・・」って。
コレ、大きな間違いですからねっ!
レコードの内容がメチャ評価されてその曲のビジュアルイメージとしてレコードジャケットがアイコン化されているからジャケットがカッコよくカンジるというコトですからね。
実際に高評価されているレコードでジャケットは、ダメダメってケースはあまりナイと思います。
逆を言えば、ジャケだけカッコいいケド、曲はカスってレコードはそもそも取り上げられるコトすらありませんからね。
あくまでも音楽は、曲が優先されて評価されているワケです。

ま〜しかし、音楽の好みは人それぞれだし、レコードの買い方もそれぞれですからね。
そしてたまたまジャケ買いしたレコードが良かったというケースもあるのは、事実ですしね。
だけど、先にも書いたようにジャケ買いしたレコードって自分の判断を肯定的にしたいという気持ちがどうしても働いてしまうので甘い評価になりガチなトコロも大いにあると思いますしね〜(笑)
お客さんに「ジャケ買いってどう思います?」って訊かれたらオイラは、「絶対にナイですね〜」って断言しますね。
「ジャケット買いする余裕があるならソレよりも先に手に入れておきたいレコードがあるんじゃないですか?」思います。

ANTONIO OCASIO / BLESSED
ANTONIO OCASIO / BLESSED の試聴
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レコードのジャケ買いについて他の人はどんなコトを書いているんだろうってググって調べてみたのですが、この「渋谷レコード店日記」ブログでも既に過去に言及していましたね。
ジャケット買い
2007年に書いた記事なので今から15年も前に書かれたものですが〜書いたオイラ自身もカンゼンに忘れていました(笑)
やはり似たような内容の記事になっていますね〜
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ジャケットの良さというの認めているのだけど「ジャケットが良いからその曲を買う」っていうのは今だとちょっと考えられないんですよ。個人的にはね・・・
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そして15年前もオイラは、ジャケ買いに関してはかなり懐疑的な思いで書いていますね。
ちなみに海外でも「ジャケ買い」っていう買い方は、あるのかなってちょっと気になって調べてみました。
確かにジャケットだけ見てレコードを買うという行為自体は、存在するようですが日本の「ジャケ買い」というようなその行為を端的に短いフレーズで言い表すワードは、どうやら存在しないようですね。
海外の人がよく使うredditでは、ジャケ買いのコトをこんな風に書いていました。
Bought a record only bacause of the jacket.
Buy record based in the cover art.
ん〜ちょっと長ったらしい言い方になるようですね・・・。
そう思うと日本語の「ジャケ買い」「ジャケット買い」ってかなり言い得て妙な説得力のある言い方だと思います。
もしかしたらレコードの帯を「Obi」みたいなカンジで言うように、ジャケ買いを「Jacket-Gai」みたいに通用するようになるかも・・・?(笑)

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