notoriousbig_skysthelimit
今から2019年にこんな記事を書きました。
中古レコード買い付けの回想

2000年から渋谷の片隅で開店した小さな中古レコード店の「海外への買い付けへの想い」を回想した内容の記事です。
上記を書いた時から、レコード仕入れに関して、相変わらず海外への買い付けは行っていません・・・。
海外への買い付けに最後に出向いたのは、2010年の6月なので、もう11年以上行ってない・・・ってコトですね。
もうホトンドのレコードが「国内での買取 & 海外ディーラーからの仕入れ」で調達しているってカンジです。

上記の中古レコードの買い付け回想記事を読んで、オイラとスタッフとで「海外へ買い付けとか今後行くことあるのかな・・・」なんてハナシていました。
渡航費や滞在費、輸送コスト、物価の上昇、コロナ問題等の諸事情に加えてホントに納得できるの買い付けが出来るのか・・・ってコトまで考えると、現実問題としてなかなか難しいのでは・・・って結論になりましたケド。
個人的には、海外買い付けのナニが起こるか予測不明なエキサイティングな体験が味わえないっていうのはちょっとザンネンですケドね〜。
って、得意げに書いていますが実際は「ホントにちゃんと仕入れできるのか・・・ドキドキ」って不安だらけなんですが(笑)

で、そんなハナシの流れで「今までイチバン記憶に残っている国内での買取ってドレだった?」ってスタッフに訊いてみました。
「◯◯さんの買取の時は、ホントにヤバかったなぁ〜」ってソッコーで返答されました。
ソレの返答を聞いてオイラも「あ〜あの時か・・・アレは、なかなかの買取だったんぁ〜」ってその時のエピソードには共感しちゃいました。
上記で書いたようにnext recordsは、2000年に渋谷で12インチシングル専門の中古レコード店をオープンさせたのですが、当時は折からのDJブームの真っ最中で仕入れても、仕入れても常にレコードがぜんぜん足らないという万年枯渇状態でした。
しかも実店舗がある渋谷の宇田川町界隈は、狭いエリアに競合他店が何十店舗も存在してシノギを削っている状態でしたし、この激戦エリア内で競合他店よりも如何に人気のレコードを店頭に並べるコトができるか・・・ってコトが大命題でした。
そのために、多い時は年に10回くらいアメリカやヨーロッパに買い付けに行ってましたからね。
買い付けのペース的には、2週間ホド海外に出向いて帰国後、また2〜3週間後に再び出向くという今考えたらカラダを壊すくらいになるくらいのハイペースで買い付けしている状態でした。
店頭でもレコードの買取は行っていましたが、レコードを処分する人よりも買う人のがはるかに多い状態で買取なんかでは全然賄われませんでした。
しかも人気の売れ筋タイトルなんて、ダレも売ってくれません・・・(笑)
今のようにインターネットも未発達だったので「レコードの仕入れ = 海外買い付け」という選択しかなかったんですよね。

お店もある程度軌道に乗りつつあった開業から2年後の2002年にのある日に
「レコードを買取して欲しいので、家に来てほしいんですケド・・・」って突然電話がかかってきました。
買取希望のレコードの内容を訊くと、人気どころのHipHop / R&B のオリジナル盤12インチシングルがたくさんあるとのコト。
電話を受けたオイラは内心「キターーーーっ!」ってカンジでした。
「いつ、お伺いすればイイですか?」と自宅へ伺うスケジュールを訊くと「今スグ、来てほしいんですケド・・・」って時計を見るともう午後7時過ぎです。
とにかくナニやら事情がありそうなカンジで、急いで来て欲しい・・・っていうコトでした。
場所はクルマで2時間くらいの近郊の都市でしたが、レコードの内容があまりにも良さそうだったので2つ返事で「ソッコーで伺いますっ!」ってオイラとスタッフとでクルマに乗り込んで高速道路をブッ飛ばして出向きました。
ご自宅に訪れると8畳くらいの部屋の壁一面に天井までレコードがビッシリっ!しかもDJ機材にサンプラーやレコーディング用の卓が設置されていたりと「スタジオか?」って思うような部屋でした。
しかもレコードは・・・というと、HipHop / R&Bの主要なタイトルが、AからZまでホトンド完璧に揃っている状態っ!
さらにタイトルによっては、同タイトルが2枚あったりという・・・。
しかし・・・査定作業は、難関を極めました・・・。

ナゼか買取に伺った〇〇さん、本当はレコードを売りたくない・・・っていうお気持ちのようで、しかしナニやらワケありでスグにまとまったお金が必要・・・という相反する心情の葛藤があるようなカンジで、オイラがタイトルごとに提示した査定を1枚ずつご本人の了承の確認を取らなくてはイケないという・・・とても交渉が大変な査定でした。
例えば、Aというタイトルのレコードを「コレは、査定が1000円になります」とお伝えすると「1500円になりませんか?」って具合です。
「ちょっとソレばムリですね〜では、1200円では、どうですか?」と訊くと「じゃあ1300円でお願いします・・・お願いします・・・お願いします・・・」ってカンジでとにかく1枚ごとにこういった査定交渉になっていました。
その必死さがちょっと尋常ではナイ雰囲気で、「急にナニかまとまったお金が必要な事情があったんですか?」って査定に合間に訊いてみると「ちょっとイロイロありまして・・・」ってカンジでその部分は、濁されました・・・。
いや〜まぁ〜全然交渉はイイんですよ・・できるだけ高額査定を希望するというのも解りますし・・・しかし、このペースで1000枚以上の査定交渉となると・・・時間がドレだけかかるのか・・・って。
オイラもある程度見切りをつけるっていうコトも出来なくはナイのですが、とにかく内容がヤバスギで、アメリカに1回買い付けに行ってもコレだけの内容のタイトルを揃えるコトは、かなり難しい・・・っていうゼッタイにハズせないっていうコチラ側の気持ちもあって、かなり難航を極めました。
イヤ〜もう、この時はタイヘンでした・・・お互いのゼッタイに譲れないラインの攻防をレコード1枚毎に確認し合うという・・・(笑)
結局、すべての査定が終わったのは、早朝6時頃でした・・・(笑)
最後はもうお互いに眠くなって意識が朦朧とした状態で査定の判断をするとカンジでしたケドね。

内容も一級品ばかりで枚数も大量になった結果、かなり高額な査定金額になりました。
オイラもまさか、買い付け1回分以上の内容の買取になるとは、思わなかったのである程度の買取資金は持っていきましたが、まさかそんなになるとも思っていなかったので持ち合わせていなかったので、「持ち合わせが足りないので振り込みます」とお伝えすると、「じゃあ、お店に取りに伺います」って・・・。
まぁ〜とにかく今スグ、まとまったお金が必要っていうのが、もう切実に伝わっています・・・。
結局、ナンでそんなに切羽詰った状況になったのかってコトは、解らずじまいでしたケドね。
長丁場になった査定の帰り道に相棒のスタッフと「ナンであんなに切羽詰まってたんだろうね〜」って、ハナシしていると「多分、ヤ◯ザのクルマにでもオカマでも掘って追い込みかけられてたんじゃないの?」って・・・(笑)

NOTORIOUS B.I.G. / SKY'S THE LIMIT
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上記のエピソードは、今から20年くらい前の出来事なのですが、1回の買取で現在に至るまで最高額の査定額になりました。
2021年現在の今、あの時に買取の内容のレコードだと、タブン、1/3〜1/5くらいの査定になっているでしょうね〜。
もう、DJブームも収まって、ソレに伴い高騰していた人気のタイトルの販売価格も下降してモノよっては当時、1万円でもソッコーで売れるホド、人気のタイトルが今だと1980円でも全然売れない・・・っていうのが、山程ありますからね。
やっぱり、HipHop系のアナログレコードの人気が絶好調だった時期ならではのエピソードでしょうね〜。


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